ものづくりに熱中した幼少期。夢中になるものを見つけた高専・大学時代
高等専門学校出身の黒川と加藤。ともに幼いころからものづくりへの情熱を育んできました。
黒川:車好きだった父の影響で、小学生のころから機械やものづくりに興味があり、工作キットなどでよく遊んでいました。高校受験を前に本格的に機械を学ぼうと決意し、高専へ。5年かけて専門的な知識を身につけたいと考えたからでした。
加藤:大好きな鉄道を見にさまざまな場所に連れていってもらっていました。また、当時人気のあったミニ四駆をつくってコースを走らせたことも。高専に進学したのは、偶然見かけた『高専ロボコン』に興味を持ったからです。
高専への進学後、機械工学科で熱力学や流体力学を学んだ黒川。とくに4〜5年生にかけて行なった卒業研究のことが印象に残っていると言います。
黒川:注射器の針などに使われる「微細管」の研磨が卒業研究のテーマでした。微細管を研磨することで抵抗が少なくなり、より小さな力で液体を流すことができるのですが、どう研磨すれば効率が高まるか、シミュレーション技術を用いて研究しました。
研究の過程で、シミュレーションと実際の実験結果に値の乖離が生じたため、測定器を調整したことがありました。そのときが測定器のズレをチェックする「校正」との最初の出会いだったと言えるかもしれません。
高専卒業後、黒川は大学の機械システム工学科に進学。高専時代に引き続き、機械工学について学びます。また、機械ダイナミクスの研究に従事し、ロボットの低振動化と高速化を両立した構造モデルの設計にも携わるなど、大学時代に研究に没頭したことがターニングポイントになりました。
黒川:自分で研究テーマを設定し、試行錯誤しながらゴールをめざすことが、研究の難しい部分であり、おもしろい部分でもあります。そんな研究の醍醐味に気づくことができました。
一方、高専時代に電子制御工学科で電気と機械・制御を幅広く学んだ加藤は、メカトロニクス研究部に所属し、高専ロボコンに参加。2年で退部した後、新聞部で活躍しました。
加藤:写真を撮ることが好きだったので、『カメラマンをやってほしい』と友人に頼まれて手伝ううちに新聞部の部長になっていました。『高等学校文化祭』というイベントでは県代表のひとりとして派遣され、メンバーの活躍ぶりを取材し地元の地方紙の一面に掲載されたこともあるんですよ。
加藤にとっては、高専3年生のときに交通事故に遭遇したことが転機となりました。
加藤:足を複雑骨折し、留年を余儀なくされました。しかしその後、危ういところで命を助けられたことで、その感謝の気持ちから、将来は医療や福祉の世界に恩返しをしたいと思うようになり、大学の工学資源学部機械工学科へ。さらに、福祉領域での学びをさらに深めようと別の大学院の知識科学研究科に進学しました。
当初はメーカー志望だったふたり。自分が本当にやりたいことをみつけて、JQAへ
大学卒業後、工業大学の機能工学専攻に進学し、バイオメカニクスと呼ばれる生体の力学特性に関する研究に励んだ黒川。メーカーを志して就職活動をする彼のもとに、就職情報サイトを通じてあるメッセージが届きました。
黒川:JQAがメッセージの送り主でした。マネジメントシステムや製品、環境などの試験、検査、認証を行なっている組織があることを知って強く惹かれたのを覚えています。
JQAの試験所を見学できると聞いて参加してみたところ、たくさんの計測器に囲まれながら仕事に打ち込む皆さんの姿が。その雰囲気が大学の研究室とオーバーラップして、これまで研究に打ち込んできたので、魅力を感じましたね。ここで働きたいと入構を決めました。
一方、鉄道会社やメーカーを志望していた加藤。JQAとの出会いは、すでに複数社から内定を手にした後に訪れました。
加藤:大学に届いていた求人票のなかに、JQAをたまたま見つけました。そして足に装着するロボット「リハビリ用パワーアシストスーツ」の認証をJQAが世界で初めて取得したというニュースに目が留まったんです。「これだ!」と思いましたね。
実はロボットメーカーも検討したことがあったのですが、メーカーでしたら自社の製品しか扱うことしかできません。しかしJQAのような第三者認証機関だったら、認証を通じてさまざまなメーカーの製品に携わることができて、これはおもしろそうだと。規格を作る側から、医療や福祉の分野にも貢献できることに魅力を感じて、入構を決意しました。
2011年の入構後、一貫して計量計測部門で力学関連の校正業務を担当してきた黒川。現在は、力計と呼ばれる力を測る計測器や、回す力・ひねる力を指す「トルク」を測る計測器の校正をおもに担当しています。
黒川:力計は、材料の特性を測る材料試験機の検証に使用されることが多いので、材料メーカーがおもなお客様です。基本的には対応できる形状が決まっているので、事前にお客様と打ち合わせして校正が可能かを確認しますが、特殊なかたちの力計の相談依頼があった場合には、「こんな治具を用意していただければ校正可能です」とこちらから提案することもあります。
校正は正確性が問われる業務。それゆえ、黒川は慎重に校正業務に向き合ってきました。
黒川:力計は、お客様が別の機械の校正に使用する標準器にもなるため、間違った数字が出ないよう、データの検証にはとても神経を使います。JQAに入構して以来長く力学関連の校正に携わってきた経験を活かし、「これまでの傾向値と比較して違和感がないか」という視点でデータと向き合ったり、入力値を計算するデータ上で値に異常がある場合はアラートが出るよう設定を工夫したりしています。
加藤もまた2015年の入構後、計量計測部門でさまざまな機器の校正業務を経験してきました。現在はおもに温度計の校正を担当しています。
加藤:お客様の業界は自動車、食品、医療など幅広く、扱う温度計の種類もガラス製のものからデジタル式、湿度計機能付きのものまでさまざま。校正業務について十分に理解されていないお客様も多いため、業務の範囲を初めに説明し、具体的な手順を示しながらイメージを持ってもらうことを意識しています。
また、校正にあたっては、お客様の使用状況に合わせた校正ポイントの選定が非常に重要です。たとえば、お客様が通常200℃で測定する温度計に対して、校正ポイントを100℃に設定してしまった場合、その校正は意味をなしません。そのため、校正作業を始める前にお客様ときちんと事前確認することを心がけています。
ともに中堅、リーダー的ポジションへと成長。責任感とともに味わう達成感ややりがい
現在はともに中堅的な存在として活躍する黒川と加藤。黒川は中部試験センター計量計測課の力とトルクの分野のリーダーとして、メンバーの日常業務や業務課題の取りまとめを行っています。
黒川:校正証明書に携わるなど、重要な業務をまかせてもらっているので、責任感の大きさは入社当時と比較になりません。一方、リーダーとしてメンバーからの相談に対して適切にアドバイスするよう心がけていますが、それぞれの能力や仕事の進捗状況を見極めながら業務を振り分ける難しさを実感しています。
一方の加藤も、現在は主任として10名以上のメンバーとともに温度計の校正業務を担当しています。
加藤:お客様はとくに重要な機器や価値の高い機器の校正をJQAに依頼しています。大切な機器をまかされているという責任感を常に感じますし、精密な校正を施して機器をお返しすることへの意欲は、年々強まっています。
リーダーとしてチームを牽引する黒川ですが、若手時代には手痛いミスも。苦い経験をいまも振り返りながら、自身を律していると言います。
黒川:仕事に追われるなか、操作を誤って機器を壊しそうになったことがあったんです。とても高価な機器であったため動揺しましたが、先輩たちの協力によって無事に修復することができました。いまでも忙しいときほど当時のことを思い出して、慎重に業務を進めるよう努めています。
加藤にも、忘れがたいこんな経験がありました。
加藤:偶然にも、高専時代に事故に遭遇したときに入院していた病院から、温度計の校正を依頼されたことがあったんです。周囲に事情を説明し、その案件を担当させてもらいました。その温度計は使用環境が想像できたので、すごく嬉しかったですね。医療の現場に貢献できて、「この仕事をやっていて本当に良かった」と心から感じた瞬間でした。
ものづくりの「基準」の担保に貢献できるよろこびと、新しいことに挑戦できるやりがい
校正業務やJQAでの仕事に大きなやりがいを感じていると話す黒川と加藤。次のように説明します。
黒川:力計はお客様の標準器になるものです。縁の下の力持ちとしてお客様を支えられることをとても誇りに思っています。また、校正作業の効率化を図ったり、これまで対応できていなかった計測器に対応するための装置をつくったり。日々の業務をより良くするための余地があって、そこにおもしさを感じています。
加藤:温度計の校正業務と並行して、新規事業にも取り組み始めています。面談の際に上司に提案したところ、「おもしろいね」と背中を言ってもらえたことが発端でした。上司がつないでくれたおかげで、現在は他事業部の方とも連携しながら取り組みを進めていて、とても充実しています。
そして今後も自分たちの仕事を追求する一方、ふたりは新しいことにもチャレンジしていくつもりです。
黒川:入社以来、力学関連の計測器の校正に携わってきましたが、専門性をさらに深めていきたいです。また、力とトルクの分野のリーダーとして、後輩のマネジメントや育成にも力を入れていきたいと思っています。
加藤:同僚と協力して、新規事業を事業化させることが現在の目標です。また、ビジネスパーソンとしてめざすのは、私のアイデアに対していつも的確なフィードバックと具体的なアドバイスをくれる上司のような存在になること。「この人の下で働いてよかった」と思われるような人材になれたらと考えています。後輩が新しいことにチャレンジできるような土壌づくりにも貢献したいです。
ともに同じ高専で学び、JQAと出会いキャリアを築いてきたふたり。未来の仲間に伝えたいメッセージがあると言います。
黒川:幅広い業界のお客様が使う機器の校正に携わり、基準を担保することでさまざまな企業を支援できることは大きなやりがいです。就職活動を通して、多くの業界や企業について調べていると思いますが、認証業務に少しでも興味を持った方は、ぜひ気軽に試験所に足を運んでみてください。
加藤:JQAでは、マネジメントシステムの認証や地球環境に関する審査や評価、ロボット安全評価など多岐にわたるサービスを提供してきました。新規事業に取り組むなかで、チャレンジできる事業の幅の広さをますます実感しています。
私がJQAに入るきっかけとなったのは、たまたま目にした採用情報でした。人生において、何がターニングポイントとなるかは予測できません。就職活動に限らず、何かに少しでも興味を持ったら、積極的に探求してみることをお勧めします。
高専時代から、自分がやりたいことを見つけて、学びを深めてきた黒川と加藤。ふたりはこれからも、JQAを舞台に自身の経験とスキルに磨きをかけながら、社会に貢献し続けます。
※ 記載内容は2024年3月時点のものです

