人の役に立つ実感が、IT業界を志した原点
大学時代は、建築構造分野で数理最適化の研究に取り組んでいました。数理最適化とは、複雑な条件のなかから最も効率的な解を導く手法です。プログラミングを活用しながら論理的に課題へアプローチする研究に、大きなやりがいを感じていました。
一方で、大学1年次から続けていた百貨店での接客アルバイトも、私の学生生活を形づくった大切な経験です。お客さまの要望を丁寧にヒアリングし、最適な商品をご提案するために商品知識の習得へ積極的に取り組みました。提案した商品を喜んでいただけたときのうれしさや、「人の役に立てた」という実感が、日々のモチベーションにつながっていました。
接客だけでなく、メーカーとのやり取りや売場づくりにも携わり、現場の視点から業務全体を考える力も身に付きました。また、研究室では後輩の指導も担当し、オンライン環境でもわかりやすく伝えるための工夫を重ねました。
就職活動では、「人々の生活を支えるサービスに携われること」と「利用者に近い立場でサービスの企画・開発に携われること」を軸に企業を探していました。アルバイトを通じてお客さまのニーズを直接聞き、それに応えることへやりがいを感じていたからこそ、利用者目線で価値を提供できる仕事を志望するようになりました。とくに、通信やITを活用して多くの人々の日常を支える事業に魅力を感じていました。
就職活動で最も悩んだのは、大学で学んだ建築分野に進むか、情報・IT分野に進むかという選択でした。建築にも興味はありましたが、「人に近い場所で課題を解決し、多くの人へ価値を届けるものづくりがしたい」という想いが強くなり、最終的に情報・IT分野への進路を選びました。
J:COMに入社を決めた理由は、大きく3つあります。1つ目は、通信やメディアサービスなど、日常生活に欠かせないインフラを提供していること。2つ目は、ITやデジタルサービスをはじめとする幅広い事業領域があり、多様な経験を積みながら成長できる環境だと感じたこと。そして3つ目は、利用者のニーズを踏まえながらサービスやアプリの企画・開発に携われる環境が、自分のめざす働き方と一致していたことです。
実家でも以前からJ:COMのサービスを利用していました。就職活動を通じてあらためて事業の広がりを知り、「自分が身近に感じてきたサービスを、今度は届ける側として支えたい」と考えるようになりました。その想いが、J:COMへの入社を決める後押しになりました。
半年以上の研修で培った「チームで開発する」という原点と、異動で広がった視野
入社後は、半年以上にわたる研修プログラムからキャリアをスタートしました。4月はビジネスマナーやJ:COMの事業理解を中心に学び、その後はシステム開発の基礎、プログラミング、ネットワーク、クラウドといった技術領域の研修へ進みました。
とくに印象に残っているのは、新入社員同士でスクラムチームを組み、アジャイル開発(短期間のサイクルで開発と改善を繰り返すソフトウェア開発手法) を実践したことです。社内向けシステムを開発する中で、上長や社員、同期など、さまざまな立場の利用者を想定しながら要件を検討しました。その経験を通じて、「自分にとって使いやすい設計が、必ずしも相手にとっても使いやすいとは限らない」ということを実感しました。
また、この研修を通じてチームで開発することの重要性も学びました。多様な意見や得意分野を持つメンバーと協力することで、一人では生み出せない価値を生み出せることを実感できた経験は、現在の仕事にもつながっています。
研修終了後は、パーソナルIDチームへ配属されました。パーソナルIDは、J:COMのさまざまなサービスを横断してユーザーを識別するための認証基盤です。私はアジャイル開発を通じて、Webサイトや認証・認可機能の開発を担当し、入社4年目の10月まで約4年間携わりました。
その後、社内ローテーション制度を利用してMY J:COMアプリチームへ異動しました。異動直後にまず驚いたのは、リリース頻度の違いです。パーソナルIDチームでは月1回程度だったリリースが、MY J:COMアプリチームでは2週間に1回のペースで行われており、開発スピードの速さを実感しました。
また、お客さまとの距離の近さにも大きな違いがありました。パーソナルIDは影響範囲が広い一方で、お客さまの声を直接感じる機会は多くありませんでした。しかし、MY J:COMアプリではストアレビューや利用状況、ユーザーからの要望などを通じて、お客さまの反応をより身近に感じることができます。開発対象もiOSアプリ、Webサイト、APIと幅広く、より広い視点が求められる環境でした。
さらに、同じスクラム開発であっても、チームによって進め方や会議の雰囲気が大きく異なることを知りました。異動当初は戸惑うこともありましたが、異なる開発スタイルや考え方に触れたことで、自身の視野を広げる貴重な機会になったと感じています。
チームの力を引き出すマネジメント人材へ
現在はMY J:COMアプリチームで、3つのスクラムチーム(短いサイクルで開発と振り返りを繰り返すアジャイル型の開発チーム) のマネジメントを担当しています。各チームはテレビ関連機能やオンライン診療機能、マイページ・サポート機能、アプリ統合やセルフインストール機能など、それぞれ異なる領域を担っています。1チームあたり約8名のメンバーが在籍し、私は進捗管理や要件整理、ベンダー調整、予算管理、社内関係者との調整などを担当しています。チームが円滑に開発を進められるよう、課題解決や意思決定を支援することが主な役割です。
仕事のやりがいを強く感じるのは、3つのチームが連携しながら継続的に機能をリリースできたときです。各チームが並行して複数の案件を進めているため、進捗管理や関係者との調整は容易ではありません。それでも、チーム同士が協力しながら価値を届け続けられたときや、関係部署と共通認識を持ちながらプロジェクトを推進できたときには、マネジメントならではの大きな達成感があります。
一方で、マネジメントを始めた当初はうまくいかないこともありました。情報共有の不足やメンバーへのフォロー不足、スケジュール見積もりの甘さによって、思うように案件を進められなかった経験があります。また、「自分で対応した方が早い」と考えて業務を抱え込み、結果としてチーム全体の状況把握が遅れてしまったこともありました。
こうした経験を通じて、マネジメントとは一人で成果を出す仕事ではなく、多くの人の力を借りながらチームとして成果を生み出す仕事なのだと学びました。現在は、早い段階から関係者と相談し、課題をチーム全体で共有しながら進めることを意識しています。
プレイヤーからマネジメントへ役割が変わった当初は、「本当に自分に務まるのだろうか」という不安もありました。開発担当時代は、自ら手を動かして機能を作り上げることにやりがいを感じていたため、成果の主体がチームになることに戸惑いもありました。
しかし経験を重ねる中で、考え方は大きく変わりました。プレイヤーとして開発者として価値を生み出すおもしろさに加え、チームの力を引き出しながらより大きな価値を届けるおもしろさにも気づいたのです。
入社1年目と比べて最も成長したと感じるのは、物事を広い視点で捉えられるようになったことです。最初は自分のタスクをこなすことで精一杯でしたが、 パーソナルIDチームではシステム全体への影響を意識する習慣が身に付き、MY J:COMアプリチームではお客さまの利用状況を身近に感じながらサービスを考えるようになりました。そして現在は、チーム全体の成果や組織としての価値提供を意識して仕事に取り組んでいます。担当範囲の広がりとともに、自身の視野も着実に広がっていると感じています。
技術とマネジメントを橋渡しする「プレイングマネージャー」へ
短期的な目標は、現在担当している3つのスクラムチーム(アジャイル開発における小規模な自律型チームの単位) のマネジメント力をさらに高めることです。進捗管理や関係者との調整だけでなく、チームがより効率的に価値を届けられるよう、開発プロセスそのものの改善にも積極的に取り組みたいと考えています。
また、マネジメントだけでなく、プロダクトマネジメントや新規サービスの企画についても学び、サービスの企画から開発、運用まで幅広く関われる人材をめざしています。技術力も継続的に磨きながら、開発現場への理解を深め、チームを牽引できる存在になりたいと考えています。
中長期的な目標は、技術とマネジメントの両方を理解したプレイングマネージャーになることです。理想は、マネジメント7割、技術3割ほどのバランスでキャリアを築くことです。現在も要件レビューや設計レビュー、アーキテクチャ(システム全体の構造や設計方針) の検討、技術調査などに携わっており、技術との接点を持ち続けることを意識しています。技術的な理解があることで、開発メンバーとの議論や意思決定をより適切に行えると感じているためです。
技術の進歩は非常に速いため、変化に対応できるよう継続的な学習も大切にしています。今後はマネジメントスキルを高めながら技術への理解も深め、チームと経営、事業の橋渡しができる存在をめざしたいと考えています。将来的には、多くのお客さまに利用される大規模サービスの責任者として、サービスの成長や組織づくりに携わることが目標です。
就職活動中の皆さんには、ぜひ「自分が本当にやりたいこと」を大切にしてほしいと思います。私自身もさまざまな選択肢の中で悩みましたが、「人に近い場所でものづくりがしたい」という想いを軸に進路を決めました。会社の知名度やイメージだけでなく、「どのような仕事をしたいのか」「どのように成長したいのか」という視点で企業を見ることが大切だと思います。
J:COMには、若手のうちから挑戦できる環境があります。また、その挑戦を支えてくれる仲間や先輩もいます。社員訪問では制度や仕事内容だけでなく、実際に働く社員の雰囲気や考え方にもぜひ触れてみてください。そうした対話を通じて、自分がその会社で働く姿を具体的にイメージできるようになるはずです。自分自身が納得できる選択につながることを願っています。

