シンガポールでの経験が導いた、モータースポーツへの情熱
子どもの頃の私は、おとなしい性格でしたが、好奇心旺盛な面を持ち合わせていました。その性格は、父の仕事の関係で住むことになったシンガポールでの生活で、より一層育まれることになります。
シンガポールという多民族国家での暮らしは、私にとって新しい発見の連続でした。街中では英語だけでなく、中国語やマレー語、タミル語など様々な言語が飛び交い、そこに暮らす人々の多様性に、小学生ながらに心を打たれました。
特に印象深かったのは「ホーカーズ」と呼ばれる屋台街での経験です。日本でも人気の「海南チキンライス」はもちろん、私のお気に入りだった福建麺(ホッケンミー)など、現地の食文化に触れることが大好きでした。初めて見る料理でも、躊躇することなく挑戦する私の姿勢は、まさに好奇心旺盛な性格の表れだったと思います。
そんなシンガポールでの生活で、私の人生を大きく変えることになる出会いがありました。それは「F1シンガポールグランプリ」との出会いです。市街地の公道を1週間限定の特設サーキットに変え、夜になると高層ビルの隙間を縫うように、時速300キロのF1マシンが駆け抜けていく。その光景は、幼い私の心を完全に虜にしました。聞いたこともないような爆発的なエンジン音、目で追うのも困難な圧倒的なスピード。この体験が、後の私のキャリアを決定づけることになるのです。
大学では総合文化政策学部に進学し、映画産業論を専攻しました。映画の制作から製作まで、表現とビジネスの両面を学ぶ中で、自分の手で作品を作り上げる喜びも知りました。ゼミのメンバーと一緒に映画を製作し、脚本作りからキャスティング、撮影、編集、上映まで、すべての工程に関わりました。製作総指揮という立場で、監督の想いをカタチにするために奔走した日々は、孤独な作業も多かったものの、かけがえのない経験となりました。
そして大学1年生の時、運命的な機会が訪れます。2020年から延期となった東京オリンピックの中継クルーとして、学生インターンに参加することができたのです。世界中に配信される映像の撮影に関わり、手が震えるほどの緊張感の中で仕事をする経験は、私に「この仕事なら一生誇りを持ってできる」という確信を与えてくれました。
この経験を経て、私は改めてモータースポーツの世界に目を向けるようになり、J SPORTSオンデマンドを契約して日本国内のモータースポーツも見るようになりました。シンガポールで芽生えた情熱が、こうして徐々に形となっていったのです。
スポーツ中継への強い思いが導いた、理想の職場との出会い
就職活動を始めた当初は、様々な業界や職種を見ていたのですが、東京オリンピック・パラリンピックでスポーツ中継の仕事に携わる機会があり、その経験が私の人生の転換点となりました。
オリンピックではメディア関係者用のサテライトスタジオで業務を担当し、パラリンピックではパラ射撃とパラ馬術の会場に赴いて、カメラのサポートや中継業務全体のアシスタントを務めました。コロナ禍での無観客開催という特殊な状況でしたが、選手たちの熱気は会場全体に満ち溢れていました。中継クルーの皆さんが一丸となって、アスリートたちの素晴らしい瞬間を届けようと真剣に取り組む姿に、深く感銘を受けました。
この経験を通じて、スポーツ中継の持つ力と魅力に強く惹かれ、この道一筋で就職活動を進めることを決意しました。日本有数のスポーツ専門チャンネルであるJ SPORTSは、自然と私の第一志望となりました。実際、J:COMでの面談でも「J SPORTSに行くことしか考えていない」とはっきりと伝えたことを、今でも鮮明に覚えています。
入社前は、J SPORTSについて「かなり体育会系な社風なのではないか」という印象を持っていました。しかし、実際に接してみると、穏やかな方が多く、その印象は良い意味で覆されました。面接でも、エントリーシートには書いていなかったモータースポーツへの興味について質問され、採用担当の方とモータースポーツ談義で盛り上がったことが印象に残っています。
J SPORTSを選んだ最大の決め手は、何といっても憧れのスポーツ中継に携われることでした。特にモータースポーツ中継は、J SPORTSでしか扱っていないコンテンツも多く、それに関われること自体が夢のようでした。J:COMグループの一員として働けることも、大きな魅力でした。同期入社が150人ほどいる中で、営業、映画事業、広告など、それぞれが異なる分野で活躍している仲間たちの存在は、私にとって良い刺激となっています。
J:COMから内定をいただいた後は、他社の選考を一切検討しませんでした。それほどまでに、この会社で働きたいという思いが強かったのです。スポーツ中継という夢の舞台に立てる喜びと、新たな挑戦への期待に胸を膨らませながら、入社の日を心待ちにしていました。
現場のスピード感と向き合いながら、モータースポーツの魅力を伝える
現在はJ SPORTSの企画制作部に所属し、主にモータースポーツの中継制作に携わっています。WRC(世界ラリー選手権)やSBK(スーパーバイク世界選手権)などの中継制作が主な担当となっています。大規模なモータースポーツイベントの際には、他の班とも協力しながら中継を作り上げていきます。
入社1年目の今は、それぞれの業務内容をしっかりと見学することから始めています。資料作成から中継制作のサポート、時には取材に同行してインタビューを録らせていただいたりと、様々な業務を経験させていただいています。
特に印象に残っている出来事は、実況・解説の方々向けの資料作成です。「こんな資料があったら役立つかな」と考えて作成した資料が、まるまる採用されたときは本当に嬉しかったです。例えば、ある選手が国内の別のレースにも出場しているという情報を追加することで、番組中により幅広い話題を提供できる材料となりました。資料を手に取った出演者の方から「作ってくれてありがとう、分かりやすくてすごくいい」という言葉をいただけたときは、とても幸せな気持ちになりました。
一方で、中継業務特有のスピード感には苦労することも多々あります。現場のモニターに映し出される映像は、普段テレビで見ている映像と同じはずなのですが、実際の現場にいると全く異なる印象を受けます。この場面でリポートを入れるべきか否か、といったディレクターの指示もとても早く、そのスピード感に追いつくことの難しさを日々感じています。
そんな中で先輩方からいただいた大切なアドバイスが、「落ち着いていけば大丈夫!」という言葉です。目の前の仕事に慎重かつスピーディーに取り組むことを心がけ、分からないことは「分からない」とすぐに言うようにしています。
レースは目まぐるしく状況が変わっていくため、その時々に合わせて正確な情報を素早く集めることを常に意識しています。現地やSNSでのファンの盛り上がりを目にするたびに、このモータースポーツの中継制作という仕事に携われている幸せを実感します。
学生時代と比べると、お金をいただいて仕事をしているという意識が、自分を大きく成長させてくれていると感じます。責任を持って仕事に取り組むことの大切さを、日々の業務を通じて学んでいます。
夢と情熱を持って、未来へ向かって
これからの目標について、私は中継制作の仕事をもっと深く理解し、番組作りに貢献していきたいと考えています。今は、プロデューサーさんやディレクターさん、カメラマンさん、音声さんなど、それぞれのスタッフの方々がどのような役割を担っているのかを、しっかりと理解することから始めています。
将来的には、自分が中継制作の中心的な存在になれるよう、日々コツコツと努力を重ねていきたいと思います。そのためには、まず先輩方の仕事を丁寧に観察し、ひとつひとつの業務を確実に理解していく必要があります。また、視聴者が求めているものを形にできるスキルを磨いていくことも重要だと感じています。
かけがえのない3人の同期たち(※)と一緒に、J SPORTSをさらに盛り上げられるように頑張っていきたいと思います。
(※)J SPORTS 配属者数。J:COMグループ全体の25年度入社新卒は約150名。
J:COMは、多くの人々の生活に欠かせない存在となっています。そのような企業で働けることに、私は大きな誇りを感じています。特に印象的なのは、若手のチャレンジ精神を応援してくれる社風です。オープンカンパニーの時から感じていましたが、実際に入社してみると、新人からの提案にも耳を傾けてくれる環境が整っています。
J SPORTSでは、私たちが制作した中継映像を通じて、多くの視聴者が熱狂している様子を目にします。それが大きなやりがいとなっています。この仕事で大切なのは、個人のスキルはもちろんですが、それ以上にチームワークだと考えています。
例えば、あるモータースポーツの耐久レース中継で、悪天候によりレースが長時間中断になった際のことです。私たちは「中断中に何ができるか」を考え、番組構成を大きく変更しました。その時の視聴者からの反響は非常に良く、チームワークの重要性を強く実感した瞬間でした。
これから入社を考えている方々には、常に新しいことへのチャレンジ精神を持ち続けてほしいと思います。日々の業務は時として流れ作業のようになりがちですが、常に新しい課題を見つけ、それに挑戦する姿勢があれば、どんな仕事でも新鮮な気持ちで取り組むことができます。
私自身、「自分がここにいる意味は何か」を常に考え、自分にできること、自分にしかできないことを探しながら業務に取り組んでいます。また、エンタメに関わる仕事として、普段から広い視野を持ち、様々なコンテンツにアンテナを張ることも大切にしています。興味がないと思っていた分野からも、新しい発見があり、それが仕事に活きてくることもあるのです。
J:COMには、一人ひとりが輝ける環境が用意されています。自ら積極的にチャレンジしていけば、必ず明るい未来が待っているはずです。皆さんも、ぜひこの魅力的なフィールドで、私たちと一緒に夢に向かって挑戦していきませんか。

