化学の知識と土木の現場を結ぶ、最先端の環境対策
現在、太田が所属するのは、本店の土木事業本部にあるPFAS対策推進室。昨今、社会問題となっている有機フッ素化合物(PFASやPFOAなど)に関する案件に対応する専門部署です。太田は、少し珍しい部署だと語ります。
「営業と施工が分かれているのではなく、案件のヒアリングから見積もり作成、そして実際の施工まで、すべてを部署内で一気通貫して行っています。私の業務としては、お客さまからのご相談に対し、まず現場に行って検体を採取したり、工事の計画、概算の費用などを検討し、受注後は現場の管理まで担当します。
PFAS対策の仕事は、工場や自治体など、お客さまからの有害物質の排出の有無を確認してほしいという依頼から始まります。有害物質への対応という非常にセンシティブな問題ですので、お客さまのニーズや状況を深く汲み取りながら進めていく必要があります」
具体的な施工内容としては、有害物質を除去する装置の設計・導入が中心です。
「イメージとしては大きな浄水器ですね。一日何トンの排水が出るか、貯水槽にどれくらいの濃度の有害物質があるかといった状況を分析し、それに合った装置の設計や、どのくらいの期間動かすかを計画します。
規模が大きくなれば、汚染された土壌の処理なども行います。プロジェクトの期間は数週間で終わるものから、1年スパンのものまで、規模によってさまざまです」
「化学×土木」ハイブリッドな挑戦に惹かれた背景
大学で工業化学を専攻していた太田が、土木とは異なる分野から建設業界へ進んだのは、ある運命的な出会いがきっかけでした。
「就職活動の時期に、ゼネコンさんが環境系や化学系の学生を探しているサイクルだったらしく、複数の会社のリクルーターが研究室に来られたんです。そこで、『ゼネコンの化学って何をやるんだろう?』と純粋に興味を持ちました」
もともとゼネコンには強い関心がありませんでしたが、ダムやトンネルといった「大きなスケールで社会の基盤を作る」仕事の魅力には惹かれていた太田。
就職活動を通じて、そこで発生する環境問題や化学的な課題に自分の知識が直結することを知り、この大きなものづくりのフィールドを志望するようになりました。
「たとえばトンネルを掘る際にヒ素が出てきた、といった場面で化学が必要になる。大きなスケールで社会に貢献できることに、自分の専門性が活かせるという点が、大きな魅力になりました」
数あるゼネコンの中で、最終的に前田建設工業を選んだ決め手は、その挑戦的な社風と将来性でした。
「一つは企業としての規模ですね。あとは当時、会社が『平均年収1,500万円をめざす』ということを売りにしていて、生活していく上で必要なお金という点も魅力的でした。
ですが、最も大きかったのは、『チャレンジ精神のある会社だ』と感じたことです。本業の建設以外にも、『前田建設ファンタジー営業部』 というアニメやゲームなどの空想上の建造物について、現実世界で実現可能なのかを本気で検証するプロジェクトが映画化されているのを見て、この会社ならおもしろそうなことができると思いました」
理想の仕事に近づく中で感じた、驚きとやりがい
入社前は、世間一般のイメージから「ブラックなのではないか」という働き方への不安があったそうですが、実際は残業時間が極端に多いわけではなく、ワークライフバランスを保てていると感じています。また、仕事内容にもポジティブなギャップがありました。
「入社前は、研究室で開発をする研究所員になるものだと思っていました。ところが、私が入社した時には、担当する技術がすでにラボレベルではなく実証段階まで進んでいて、現場への導入が始まっていました。そのため『こんなに現場に出るんだ!』という驚きがありましたね」
このギャップが、結果として太田のやりがいにつながっています。そして、太田は現在の業務の醍醐味について、自身の理想の実現だと語ります。
「この部署の大きな魅力は、仕事を取るところから納めるところまで、すべてを自分で担当できることです。そして、私自身が化学の知識を土木の会社で活かしたいという思いで入社しました。
まさに今、その化学の知識を使いつつ、仕事を受注して施工まで行うという、理想に近い仕事ができていると感じています」
業務に取り組む上で太田が最も大切にしているのは、「相手が何を望んでいるかを深く知ること」です。
「上司にしても、お客さまにしても、相手の意図を正しく汲み取ることが重要だと感じています。欲しいものを敏感に察知し、最適なかたちで提供する能力を意識しています」
このスキルを磨く上で、目標とする存在がいます。
「私の部署のグループ長は優秀な方で、お客さまのご意向を大切にしながら、社内での調整も円滑に進めるのが非常に上手なんです。その方のメールのやり取りや話し方を常に意識して、『こういう伝え方をするんだ』とか『こういうところを気にして話しているんだ』ということを学び、日々精進しています」
未来のビジョンとチャレンジ精神を持つ学生へ
入社4年目を迎えた太田。今後のキャリアについて明確なビジョンを持っています。
「今後はモノを作る上で環境を気にしないといけない時代になっていくと思います。そのため、前田建設工業の環境対策の部署が、土木や建築に並ぶぐらい大きな事業に成長してほしいと思っています。そこで、私は現在の部署からガツガツと実績を積み上げ、化学の知識を活かして役職に就きたいと考えています」
役職をめざす理由としては、「できる仕事の規模が大きくなる」こと、そして「人と協力して大きな仕事をうまく采配したい」という希望があると語ります。
「大きな現場の所長さんが『このダム、俺が作ったんだ』と言う姿は、とてもかっこいいなと思っていました。それと同じように、『この環境問題、全部改善したんだ』と、ゼネコン社員として肩を並べられるような、社会的インパクトのある仕事をしたいんです」
そんな太田が感じる前田建設工業の魅力は、働きやすい環境と挑戦を推奨する文化です。
「前田建設工業は福利厚生やワークライフバランスに力を入れています。株式給付制度や、男性社員の多い業界にもかかわらず育児休暇の取得を推奨するなど、社員のことを思ってくれている会社です。若手の配属についても、なるべく意見を聞こうという流れになっており、全社的に働きやすい環境を作ろうという強い意思があります」
とくに、前田建設工業にマッチするのは「チャレンジ精神がある人」だと断言します。
「私の部署のように、やりたいことはガツガツやらせてくれる文化があります。上司に『こうしたい』と言っても、スムーズに通しやすい環境です。映画化されちゃう会社ですから(笑)、突拍子もないようなことをやってみたいと言えるような環境で、挑戦を推奨しています。ただひたすら受け身な方よりも、挑戦する意欲のある方が活躍できると思います。
就職活動中の皆さんには、今自分が『本当にやりたいこと、やってみたいこと』が何なのかをしっかり見定めてほしいですね。そして、自分の熱量や会社の雰囲気を感じ取り、そこにマッチする企業を頑張って探してください。応援しています!」
「化学」という専門性を武器に、前例のないPFAS対策の最前線で奮闘し続ける太田。
彼のキャリアは、前田建設工業が従来の「土木」の枠を超え、環境・技術分野へと進化している確かな証です。これからも、自身の知識と行動力をもって、建設業界の新たな貢献の形を切り拓いていきます。
※ 記載内容は2025年10月時点のものです
