信頼関係を築き、関係各所の「通訳」となることで、スムーズな工事進行を担う
陸上風力発電所を開発するためのプロジェクトエンジニアであるT氏。主に工事フェーズにおけるプロジェクト管理を担っています。
「プロジェクトエンジニアは、風力発電所の工事がスムーズに進むように管理する役割です。工事計画届など 、許認可を得るために国に提出する書類を準備したり、工程表通りに工事が進んでいるかを建設会社と確認したりといった渉外対応が主な仕事です。
私が所属する陸上プロジェクト部には、10名弱が所属。建設会社で風力発電所の建設を担当していたメンバーをはじめ、輸送、電気工事、など、多様なバックグラウンドを持つメンバーがそれぞれの専門性を活かして働いています」
風力発電所の建設は、用地開発から設計、建設、そして保守点検まで、長い年月をかけて進行します。日本風力開発は全国各地に多くの案件があるため、プロジェクトエンジニアは複数の案件を同時に進める必要があります。
現在、T氏がメインで担当しているのは、海外の風車メーカーの対応です。
「風車の主要な部材は海外メーカーから輸入しているため、時には英語でコミュニケーションをとりながら対応しています。また、すべての部材が一度で納品されるわけではありません。いつ何が納品されるかを把握し、支払いの管理をしたり、建設会社と工期のタイミングを調整したりするのが私の役割です」
海外メーカーや建設会社のほか、用地開発担当者や設計担当者など社内外と連携しながら仕事を進めるプロジェクトエンジニア。多くの関係者をまとめる上で大切にしているのは、「橋渡し役」となること。
「たとえば、海外メーカーと建設会社といった風車の専門家同士をつなぐ場合は、基本的な知識だけあれば対応できることも多くあります。ですが、用地開発担当者などエンジニアではない方から風車についての質問がきた場合は、専門的な内容をわかりやすく伝える必要があります。いわば、『通訳』としての役割が求められるのです。
その役割を果たすためには、信頼関係の構築が重要だと思っています。対応の速さはもちろんのこと、相手がどこまで理解しているのかを感じとりながらコミュニケーションをすることで、信頼を積み重ねるようにしています」
エネルギーの国産化に貢献したい。震災を機に抱いた想いを実現するために入社
学生時代から「インフラ構築に携わる仕事に憧れを抱いていた」と話すT氏。中でも、電力をはじめとするエネルギー業界に関心を持つ出来事があったと言います。
「きっかけは、東日本大震災です。私は東京にいたのですが、電車が止まったり、計画停電があったりと大きな影響があり、日本のエネルギー供給の現状に関心を持つようになりました。そこからインフラやエネルギーの分野で社会貢献できる仕事がしたいと考えるようになり、卒業後はゼネコンに入社しました」
入社後は、山岳トンネルの現場管理を担当。受注者側として仕事をした経験が、発注者側となった今、大いに活きていると言います。
「工事の一連の流れを把握できましたし、建設会社が今どんな情報を求めているのかを感覚的に理解できることは大きな強みです」
そして約2年勤務した後、かねてから興味のあったエネルギー業界に転職します。
「日本風力開発に入社を決めたのは、開発実績が多く、業界をリードする存在であることに魅力を感じたからです。風力発電の普及を通じて、エネルギーの国産化に貢献したいと思ったのです。
また、面接では現在の上司が私の気持ちを尊重しながら話を聞いてくれたことが印象に残っています。前職の実績などにとらわれず、可能性を引き出そうとしてくれていると感じ、とても安心して話すことができました」
入社して最初に担当したのは、電気工事のプロジェクト管理。電力会社から届く資料を読み解いて設計会社に指示を出す仕事です。前職では土木工事が専門だったT氏にとって、まさに未知の領域からのスタートでした。
「まったく違う分野だったので、電気工事に関わる基礎知識を一から勉強することから始めました。各発電所には電気主任技術者をおく義務があり、会社も資格取得を推奨しているため、業務と並行して今も資格の勉強をしています」
チームでつかんだ成功体験。専門家に囲まれる環境が成長につながる
しだいに、より広範囲にわたるプロジェクト管理に携わるようになったT氏。用地開発に関わる法律を学んだり、許認可に必要な調整を設計担当者と行ったり、「輸送電気と土木工事との兼ね合いが学べたことが今につながっている」と振り返ります。
中でも、入社2年目に任されたプロジェクトがとくに印象に残っていると言います。
「風力発電所を建てる際には経済産業省の許可を得る必要があるのですが、その申請を担当することになったのです。設計担当者や風車メーカーへの問い合わせをとりまとめて提出書類を作成したほか、用地開発担当者と連携しての経済産業省に許認可のための説明を行うなど、多くの調整が必要でした。大変でしたが、無事に許可をもらえた時はうれしかったですね。
もちろん、私1人ではできませんでした。関係する方たちの協力があり、困った時には上司が的確なフォローをしてくれました。チームで成し遂げた成果です」
T氏にとって大きな体験となったこの仕事。自身の成長も実感しています。
「交渉力が身についてきたと感じます。仕事を進める上では社内外とさまざまな調整が発生しますが、要件とコストのバランスなどを考えて交渉する必要があります。
以前は相手の意見に流されてしまうこともありましたが、経験を積む中で、どうすればお互いが納得できる着地点を見つけられるかを考え、実行するようにしています。
ただ要求を伝えるのではなく、こちらからも提案を用意して話し合いの場に臨むなど、事前に何が必要になるかを想定して準備することで、スムーズに交渉できるようになりました。ただ、未だ意見に流されてしまうこともあるので、そこは改善したいと考えています」
また、社内外のプロフェッショナルとの関わりも、成長を後押ししていると続けます。
「当社はさまざまなバックグラウンドを持ったメンバーがいますし、社外の関係者も各分野のプロフェッショナルばかりです。その専門性に触れながら仕事をすることで、自然と知識が広がっていきます。多くの人とのつながりが増えることでもっと成長できる。その環境で仕事ができることにやりがいを感じています」
陸上風力発電のプロフェッショナルをめざし、新たなロールモデルとなっていく
入社3年目。まだ自分が担当した風力発電所が稼働する瞬間には立ち会えていないと言いますが、その日を想像することが日々のモチベーションにつながっています。
「自分が手掛けた風車が建つ──その光景を夢見て仕事をしています。風力エネルギーは完全な国産エネルギーです。その普及を通じて社会貢献できているという実感も、この仕事のやりがいです」
仕事のやりがいだけではなく、多様な働き方ができる環境も日本風力開発の魅力だとT氏は語ります。
「風通しのいい環境で、休暇もとりやすいので、男性で育児休暇を取得する人も多くいます。もちろん忙しい時期はありますが、専門性を磨きながらキャリアを追求したい人も、プライベートを大切にしたい人も、どちらにとっても働きやすい職場だと思います。
当社は、仕事をしていく中で自ずと知識は身についていく環境です。だからこそ、専門知識よりも必要なことは、どんな相手とも臆せずコミュニケーションがとれる力。日々の業務の先に何があるのか、その仕事が社会やエネルギーの未来にどうつながっているのかを想像し、突き詰めて考えられる人は、きっとこの仕事を心から楽しめるはずです」
働きやすさと成長が両立できる環境の中で、T氏は「自らがロールモデルになること」を目標にしています。
「まずは、『この分野なら誰にも負けない』というものを見つけて極めていきたいと思っています。そして、その専門性を軸に、プロジェクト全体をマネジメントできる人材になることが目標です。
当社は専門領域ごとに部署が細分化されていますが、今後はより横断的にプロジェクトをマネジメントできる人材が求められると考えています。社内にはまだ前例となるロールモデルが少ないので、自分がそのロールモデルを作っていきたいのです。いずれ、陸上風力発電所プロジェクトのすべてをマネジメントできる存在になりたいですね」
※ 記載内容は2025年6月時点のものです
