はじめての現場代理人として、歩道橋の補修維持工事に携わる
高橋が所属するのは、西関東支店の支店取り扱い作業所。各営業所とは異なり、担当する現場に従事するスタイルだと話します。
「私たちが扱う現場は、国土交通省やNEXCOが管轄する現場がメイン。作業所自体には10名ほどのメンバーが在籍していますが、それぞれが各現場を担当しています。なので、メンバー全員がひとつの作業所に集まるということはあまりありません」
それでも、西関東支店の営業所とほぼすべての接点を持っていると言う高橋。
「派遣から前田道路に入社をした際、最初は工務課に所属していました。業務の一環で、西関東支店の営業所をICTの教育で回らせてもらう機会があったのですが、どの営業所も雰囲気が本当によくて、過ごしやすいと感じましたね。常駐していたわけではありませんが、新人だった私を温かく迎えてくれていた印象を持っています」
現在は、現場の施工管理を行う現場代理人として作業に従事。作業員から役所関連の方までコミュニケーションを取りながら、進行しています。
「高速道路の集中工事などの現場での作業を経験し、現在は歩道橋の補修維持工事の現場代理人を担当。この工事は私含め3人体制で、現場を任されています。
現場代理人という役職は、施工が順調に進んでいるか、問題はないか、管理していく立場。この歩道橋の現場が私にとって初めての現場代理人としての業務です。昨年の10月に現場に合流し、竣工をめざして、いまが作業の大詰めです」
測量や出来形管理に導入するICTを勉強し、技術者に転身
高橋は法律系の学部を卒業。法律の世界から土木業界へ興味を持つようになったのは「公園のような地図に残るような仕事がしてみたいと思った」と言います。
「地元の公園は私が小さいころからあるんです。よく考えると公園って昔から変わらず子どもたちが集まる場所としてあって、こういう地図に残る仕事に携われたらと思ったんです。あとは『この公園の遊具、私が作ったんだよ』って、自慢できるのもいいなという気持ちがあって」
最初は派遣として前田道路の湘南営業所に配属された高橋。派遣の期間は3年ほどでした。
「業界の専門的知識がなかったため、このままではいけないと感じていました。そんな時に勉強し始めたのが測量や出来形管理などに導入するICT(Information and Communication Technology(情報通信技術))。当時、土木業界全体に、ICT導入が推進されていた時期で、前田道路もICT活用に積極的だったことが背景としてあります。
ICTを学ぶことで、多くの現場を持たせてもらうことができるようになったり、支店としてICTの導入で受注できる案件が増加したりするようになりました。そのタイミングで、当時の所長から、正式に入社してみないかと声を掛けてもらったことで、入社を決意したのです」
こうして技術者としての転身を果たした高橋。
現場の作業員や先輩社員と比べると、業界の専門性という面ではまだまだ学ぶことが多いため、わからないことは聞くという姿勢から、現場でのコミュニケーションを積極的に取ることが重要だと言います。
「入社してすぐのころは、本当に何をしたら良いのかわからない状態でした。性格上、聞くことや積極的に話しかけることに対して抵抗がないため、現場の作業員の方にわからないことは必ず聞くことを常に心がけています。
少し業界の知識や経験を積んできた現在でも、コミュニケーションをしっかりとるという意味で、現場では率先して話すようにしています。それは、作業員さんだけでなく、役所関連の方や上司に対しても同様。現在、どのような状態なのか、次はどのような動きになるのか、スケジュール的には問題ないのか、現場で起こるさまざまなことに柔軟に対応するために必要なことだと感じています」
大規模な集中工事も経験。失敗から学び、経験を活かして成長
2021年の入社以来、さまざま現場に赴いている高橋。失敗から学びながら、着実にステップアップしています。
「まったくわからない業界だからこそ、多くの失敗をしてきたと思います。入社2年目のころに入った大規模な工場の中の舗装工事では、勾配の角度の計算を間違えてしまったことがありました。雨の際に、側溝に水が流れるように、勾配を計算する必要があるのですが、かなり緩い勾配で算出してしまい、そのため、側溝まで水が流れず、水たまりをつくってしまいました。
経験がないことを理由にするのではありませんが、失敗を経験して、同じ失敗を繰り返さないように学ぶことが大事だと思っています。勾配の計算は、それ以降間違えたことはありません」
2022年には、NEXCOが管轄する高速道路の集中工事にも参加。その規模感に驚いたと言います。
「集中工事は、都内と名古屋の2件に関わりました。とくに名古屋の工事は、100人以上が作業を行う大規模なもの。交通量が多い区間にも関わらず、1週間、片側一車線で昼夜問わず施工を行いました。8班ほどに分かれて、前の班の業務が終わるとすぐ次の班が引き継ぐという体制。ここまで大人数で行う現場がなかったので、とくにスケジュールの調整には頭を悩ませました。
工期が決まっている中で、天候の影響で最終3日間ほどを詰め込んで作業をする必要があったのです。それでも、何とか調整を行い、無事工事を終えたことは非常に印象に残っています。
現在の歩道橋の現場においても、役所関連の方と現場の進捗状況確認やトラブル時の対応などを行う必要があるのですが、そういった場合に、集中工事の現場で、スケジュールの調整や計画の組み直し方法を経験しておいてよかったと感じます」
資格習得でステップアップをめざす。難しく考えず、一歩を踏み出して挑戦すべき
現場代理人として、またその上のステップをめざすべく、今後の目標を掲げます。
「今年の7月から担当している歩道橋の工事が現場代理人としての初現場。これからも道路や歩道橋だけでなく、さまざまな分野の現場に携わっていきたいと考えています。
派遣から入社という流れだったため、資格関連を取得できていないため、まずは土木施工管理技士の資格取得のために勉強していきたいと思います。
現場代理人の上の役職として、監理技術者があるのですが、その役職には1級の土木施工管理技士が必要になります。資格習得を進めて、ゆくゆくはそのステージをめざし、ステップアップしていきたいですね」
最近、土木や建築の業界では、女性の働く人が増えつつあります。
「現場においても、ガードマンの方が女性の場合もしばしば。私は女性現場代理人として、女性が苦労しないような現場作りをしていきたいと考えていて、たとえば女性のトイレの数を増やしていくなど。いろいろ提案したいですね。これから業界の門を叩く女性たちのお手本になればと考えています」
また、文系の分野から土木業界に飛び込んだ高橋。仕事の魅力について語ります。
「文系出身なので、もしも私が理系出身だったら、回避できた失敗があったのかもと感じることはたまにあります。それでも、失敗から学ぶことは大きいですし、それが私の糧になっていますね。
わからないことがあれば、しっかり教えてくれる作業員の方や上司がいるので、興味がある方は難しく考えずに、ぜひ飛び込んできてほしい業界です。
道路など、現場で作業をしている時に、徐々にできあがっていく過程を見られるのも魅力です。神奈川のインターチェンジに携わったんですが、『このインターチェンジ私が作ったんだよ』って言うと、かっこいいですよね。完成後、こんな大きなものを造ったと自慢できるのも大きな魅力です」
法学部から土木業界へ、そして現場代理人として着実にステップアップする高橋。異色の経歴だからこそ、誰よりも自発的に学び、経験を糧に成長してきました。「文系理系関わらず、男女問わず、ぜひ飛び込んできてほしい」。そう語る高橋の表情は笑顔にあふれ、この仕事の楽しさを物語っています。
※ 記載内容は2023年7月時点のものです
