三越伊勢丹が目指す「シームレス化」とは
2023年2月現在、三越伊勢丹ではリアル店舗とデジタルを融合する「シームレス化」戦略を推進しています。私の仕事は、三越伊勢丹のシームレス戦略をデザインする、世の中で言うところの「UX(顧客体験)デザイナー」。三越伊勢丹の強みであるリアル、そして今の時代になくてはならないデジタルを融合し、お客様や従業員の目線で、「リアルとデジタルのすべての顧客接点をつないだ(シームレス化した)サービスを設計し、お客様一人ひとりに寄り添い、より豊かなライフスタイルを提供すること」を目指しています。
たとえば、リアルな場所、すなわち店頭では、話題のブランドや最新のコレクションや楽しいイベントがいたるところでラインナップされており、出会うことができます。
また、そこにいるスタイリストに話しかければ、スタイリストは会話の中からお客様のことを知り、お客様一人ひとりに合わせて最適な情報提供や提案をいたします。そうすることで、お客様は店頭にこないとできなかった、スタイリストがいないとできなかった、自分にあったさまざまな新しい出会いがあります。このような体験を通して三越伊勢丹はお客様一人ひとりのライフスタイルをより豊かにしてきました。
こうしたリアルで提供してきた顧客体験を、デジタルの力で時間と場所を超えてお客様に提供する。リアルとデジタルの融合、それが、私たちが目指す「シームレス化」です。
お客様のライフスタイルに最適な形で「三越伊勢丹」をご利用いただくために
三越伊勢丹のアプリを通じて、三越や伊勢丹で取り扱っている最新のブランドや商品情報やイベント情報をすべて確認できるほか、お客様の興味や関心に合わせて最適にリコメンドします。そうして店頭にこなくても自分にあった新たな出会いを得られるようになります。
また、必要に応じてスタイリストとチャットで会話し、店頭で相談するのと同様にスタイリストからの提案を受けていただけるのです。商品を購入するのは、三越伊勢丹のアプリやECサイトからでもいいし、店頭でもいい。
お客様にはリアルとデジタルを自由に行き来し、その人のライフスタイルにとってもっとも便利な形で、三越伊勢丹の商品やサービスをご利用いただくことを目指しています。
「お客様は何を求めているのか」。店頭での経験が今の仕事に活きている
人とファッションが好きで三越伊勢丹に入社し、一貫して伊勢丹新宿本店の婦人服お買場(売場)でキャリアを重ねました。特に新入社員から2年間のスタイリスト時代に得た知見は、UXデザイナーといういまの仕事にとって、なくてはならない土台となっています。
当時、私は店頭で接客をしながら「お客様が三越伊勢丹に求めることはなんだろう」とずっと考え続けてきました。ほかのお店でも買える商品なのに、ほかのお店の販売員でも相談できることなのに、お客様はなぜ三越伊勢丹にいらっしゃってくれるのだろう、三越伊勢丹のスタイリストに相談してくれるのだろう、何に期待してきてくださるのだろう、と。
そして、お客様は、三越伊勢丹で出会える魅力的なブランドや商品やイベントという数々のコンテンツ、スタイリストが提供するお客様一人ひとりに寄り添うおもてなしを求めていらっしゃるのだなと気づきました。そのためにわざわざ時間をかけて三越伊勢丹にいらっしゃっていただいている。それはつまり、リアルな店頭という非常に限られた時間と場所でしか提供できていないことにも気づきました。
その経験があるからこそ、お客様が三越伊勢丹に求めているものをより多くのお客様に届けるため、お客様一人ひとりにさらに寄り添うため、デジタルの強みを加えて、新しいUX(顧客体験)を作る、という今につながっています。
「シームレス化」のもと、時代に合わせて常にアップデートし続ける
デジタルが進化すればするほど、三越伊勢丹の持っているリアルの強みがより大きな価値になってくると考えています。三越伊勢丹は正直、デジタルが強くありません。むしろ弱みです。逆に言うと、デジタルで強みを得れば、リアルの強みを持っている三越伊勢丹の価値はさらに大きなものになると考えています。
これまで三越伊勢丹が当たり前にお客様に提供してきた価値を、リアルとデジタルの融合「シームレス化」という考えのもと、そのときどきの時代に合わせてアップデートし続ける。進化し続ける。そのために、多くの仲間と一緒に邁進していきたいと思っています。
