システムの「ハブ」を担う責任。開発とデリバリー、2つの顔
日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)のプロフェッショナルサービス統括本部 クロス・インダストリー・ソリューション第一本部 認証コンサルティング部。ここで、製品開発とデリバリーの両方を担当する岡井は、顧客の重要なシステムを支える仕事に携わっています。
「認証コンサルティング部の主な業務は『HPE IceWall』製品のデリバリー業務と製品開発の2つです。私が所属する開発チームでは、製品の設計からテストまでをワンストップで実施しています」
「HPE IceWall」は、シングルサインオンを実現するHPEの製品。1回のログインで複数のシステムにアクセスできる利便性と、多要素認証による高いセキュリティを提供しています。
「例えば、IceWallを利用すると、大学のポータルサイトで学籍番号やメールアドレス、パスワードを1回入力するだけで、時間割の履修登録サイトや課題提出サイトなど、複数の学内システムに自動的にログインできる機能を提供することができます。
また、フィッシング詐欺対策として近頃注目されているパスキーを初めとした、多要素認証機能を備えています」
このように社会の基盤を支える高度な製品だからこそ、チームには、豊富な知識を持つベテラン社員が多く在籍しています。
「認証・認可の世界は非常に深い専門性があります。先輩方の知識量は多く、質問すると自分で調べた内容より、圧倒的に密度の高い回答が返ってきます」
岡井は現在、デリバリー業務ではプロジェクトリーダーとして、若手メンバーやビジネスパートナーのマネジメントを担当。開発業務では、設計、実際のコーディングからテストまでを一貫して手がけています。
「『HPE IceWall』は組織のシステムのハブとなる製品です。そこが止まるとすべてが止まってしまう。たとえ小さなツールでも、企業で実際に使用されるコードを書くことの重みを強く実感しています。1年目の時から感じているその責任感は、今でも変わらず持ち続けています」
留学が拓いた外資への扉。「開発したい」想いを貫きつかんだ道
大学時代、岡井は情報工学部で一般的なコンピューターサイエンスを学んでいました。4年次にはCPUを初めとした、論理回路設計を専門とする教授の下で研究に取り組みます。
「当時、ディープラーニングという言葉が流行し始めた時期でした。ディープラーニングは計算量が非常に多く、通常のCPUでは処理が重たい。そこで、計算量をいかに下げ、電力消費量を削減できるかという研究に取り組んでいました」
就職活動では外資系企業を志望。そのきっかけとなったのは、大学3年生の時に参加したカリフォルニアでの短期留学プログラムでした。
「かなり短期のプログラムであったのですが、現地の大学で、FPGAとハードウェア記述言語を用いた実習プログラムを受講しました。留学中、シリコンバレーの企業を見学する機会がありました。
ある企業では平日の昼間にもかかわらず、社員がオフィスで卓球を楽しんでいる光景に衝撃を受けました。仕事をきちんとこなせば自由な働き方が許される、そんな外資系企業のメリハリある雰囲気に惹かれました」
それからシリコンバレーの先駆者であるHPEへ関心を向けるようになった岡井は、選考を受けHPEに入社。コードを書きたい想いから開発業務を希望していましたが、入社1カ月目、新卒入社社員向けの座談会で、思いがけない言葉を投げかけられます。
「当時の開発部門のマネージャーに『開発がやりたいです』と伝えたところ、まず製品がお客様にどう使われているかを理解してから開発に携わるべきという、当時の上司の考えにより、最初はIceWallのデリバリー部門に配属されました。
デリバリー業務の中でも開発をやりたいと主張していたところ、お客様向けの簡単なツール開発を任せてもらえるようになりました。やりたいという意思を示し続けることで、徐々に開発の機会を得られるようになりました。自分の意思を伝え続けることで、希望する道を開くことができる。それがHPEのよいところだと思います」
国内開発の強みを活かし、顧客の難題を「可能」に変える醍醐味
入社直後に経験したプロジェクトは、岡井の心に強く刻まれています。既存のユーザーに対して「HPE IceWall」のバージョンアップとクラウド基盤への移行を行う大規模なプロジェクトでした。
「入社して最初にアサインされたプロジェクトでは、プロジェクトメンバーとして、設計から始まり、構築、テスト、サービスインまで、一通りの流れを体験することができました。お客様からのフィードバックを受けながら、実際のサービス提供まで携わることができ、非常に貴重な経験となりました」
現在はプロジェクトリーダー(PL)として、プロジェクトマネージャー(PM)との協議やメンバーのマネジメントを担当。以前とは異なる視点で仕事に向き合っています。
「メンバー時代は、頼まれた仕事をこなすことが中心で、設計書に細かい修正を加えていくなど地道な業務が多かったです。PLになってからは、PMと話しながらプロジェクトの方針を考えたり、メンバーに仕事を振り分けたり、成果物のレビューをしたり。プロジェクト全体を見る必要が出てきて、お客様とのコミュニケーションも増えました。
元々は開発志向が強かったのですが、最近はマネジメントのおもしろさも実感するようになりました」
PLとしてプロジェクト全体を見渡すようになった今、岡井は改めて、顧客の要望に対して解決策を見出していく過程に、やりがいを感じていると言います。
「お客様の複雑な要望に対し、製品の機能や関連するミドルウェア、HTTPの知識を総動員して解決策を導き出せたときはやりがいを感じます。まるでパズルを解いているような感覚でおもしろいですね。
そして、こうした複雑な要望に応えられる背景には、『HPE IceWall』ならではの強みがあります。国内で意思決定・追加開発が可能なため、海外製品と比べて、お客様のニーズに応える柔軟性が高いと自負しています」
コードは書けて当たり前に。AI時代を生き抜くエンジニアの新たな価値とは
エンジニアとしての将来像について、岡井は技術の進化を見据えた考えを持っています。
「5年後、10年後を見据えると、コードを書くだけではやっていけないと感じています。とくにここ1年で、AIが私たちより早くコードを書けるようになってきました。
そのため、他者とのコミュニケーション能力や設計力など、コーディング以外の非言語的なスキルをもっと大切にしていきたいですね」
「HPE IceWall」という製品に対しても、明確なビジョンを描いています。
「IceWallは歴史のある製品であり、レガシーな部分は良いところもありますが、それが足を引っ張ってお客様の要件にフィットしないこともあります。
AIの影響で2、3年後がどうなるか予測できない中、若手メンバーと共に新しい技術を積極的に取り入れ、お客様に選ばれる製品の強みを増やし、IceWallの市場シェアNo.1を維持していきたいと考えています」
一緒に働きたい人材について、岡井は技術的な知識の有無よりも、情熱を重視します。
「入社時点ですべてを知っている必要はありません。ただ、何かしら好きなことがある人、それを熱く語れる人と一緒に働きたいですね。私も新卒時代、ディープラーニングについて専門であるわけでもないのに、好きであるといった理由だけで熱心に周りに話していました」
また、情報系の学部以外からの入社についても、その価値を強調します。
「情報系出身者は体系的な知識を持っていますが、時として頭でっかちになることもあります。一方で、社会人になってから必要な知識を学んだ方は、お客様の視点に立った意見を出してくれることが多く、それはとても貴重です。技術的な知識だけでは、これからのAI時代を生き抜くことは難しいでしょう」
最後に、これから就職活動に臨む学生へ、自身の経験を踏まえたメッセージを送ります。
「HPEの魅力は、何よりも『人の良さ』、そして柔軟な働き方ができる点です。そして、そんなHPEで実際に働いてみて改めて思うのが、就職活動ではその会社が『何をしているか』を深く知ることが大切だということです。
システムインテグレーションを主力とする企業では開発のイメージがないかもしれませんが、HPEのように自社製品の開発に深く携われる環境もあります。ぜひ視野を広く持ち、リアルな情報をつかんでください」
※ 記載内容は2025年9月時点のものです
HPE IceWallについて
