「最後の砦」として製品の信頼を守り抜く。システム品質を担保するプロフェッショナル
日立産業制御ソリューションズの品質保証本部 品質保証第一部 第二グループに所属する寺田は、新卒入社2年目の若手として日立医薬品・医療機器製造業向け製造・品質管理システム「HITPHAMS」の品質確認に日々奔走しています。
「私が所属する第二グループには15名のメンバーがおり、その中でも、私を含む7名体制のチームで、主に製薬会社に納入するシステムの『ソフトウェア品質』を担保するミッションを担っています。
設計部門が作り上げた、日立医薬品・医療機器製造のトレース管理から、高度な規制要件への対応までをカバーする複雑なシステムやドキュメントが、本当に正しい仕様のとおりに動くのか、バグがないかを厳しくチェックするのが私たちの主な仕事です。いわば、製品をお客様へお渡しする直前の『最後の砦』としての責任を担っています」
社会のインフラや産業を支えるシステムを開発する上で決して欠かせない品質保証の現場では、開発の各フェーズで設計部門と密に連携し、システムの改善を促すことも重要な役割です。
「設計部門が作成した仕様書や、開発中のプログラムをレビューする場が開発フェーズごとにあります。そこで膝を突き合わせて話し合いながら、より品質を高めるための議論を重ねます。IT分野の専門知識はもちろんのこと、設計担当者と深く議論するためのコミュニケーション能力も、この仕事において欠かせないスキルだと思います」
寺田がこの業務において、何よりも大切にしている価値観があります。
「それは、『お客様の立場に立って物事を考えること』です。システムを開発している設計部門は、どうしても開発側の視点で『こう使うはずだ』と想定しがちですが、実際にお客様が操作する現場では、開発側が想像もしていないような使い方がなされることもあります。だからこそ、私はお客様の視点を意識し、あえて想定外の操作を試してみる。そうした視点を持つことが不具合を未然に防ぎ、製品の品質を向上させる鍵になると信じています。
品質保証という仕事は、一つひとつの確認や判断を丁寧に行う必要があります。もし、私たちの見落としがあれば、納入先である製薬会社様の運営に支障をきたし、その先で医薬品を待つ多くの人々にまで迷惑をかけてしまいます。だからこそ、単に『検査して終わり』ではなく、最終的にお客様が使う製品として安心安全なものに仕上げるため、細かな違和感も決して見過ごさない真摯な姿勢を日々仕事の中で一番に意識しています」
化学からITの世界へ飛び込む。未経験を補う手厚い研修と「聞ける」環境の安心感
大学では理学部で化学を専攻していた寺田。就職活動では、理系の知識を活かして製造業を支える仕事を軸にしていました。
「製薬メーカーや社会のインフラ産業分野に貢献できる仕事を探す中で、日立産業制御ソリューションズが手掛けるシステムに触れ、ここでなら社会の基盤をデジタル技術で支えられると直感しました。
一方で、ITやOT(制御技術)スキルが未経験であることに不安もありましたが、会社説明会を通じて研修制度が非常に充実していると感じ、ここなら安心してイチから成長できると入社を決断しました」
入社後、約3カ月半におよぶ合同の新人研修がスタート。寺田は技術職としての基礎をここで徹底的に叩き込まれます。
「技術研修では、社会・産業ソリューション分野で必須となるプログラミング言語の基礎や、システムがどう構成されているかを学びました。講師の方が丁寧に教えてくれるため、学校の授業のように着実に知識を吸収できました。
分からないことがあっても、同期と相談し合ったり、講師に質問したりできる環境があり、孤独感や過度な不安を感じることはありませんでした」
7月中旬に配属されたのは、現在の品質保証第一部。当初は期待と不安が入り混じりつつも、ここでの新しい出会いが寺田の成長を後押ししました。
「配属当初は、業務の内容はもちろん、担当する製薬システムが準拠すべき法律や業界特有のルール一つとっても分からないことだらけでした。正直、こんなことを聞いていいのかという不安もありました。しかし、チームの先輩たちは、どんな些細な質問に対してもいつも快く、丁寧に答えてくれる方ばかりでした。
そうして先輩を頼りつつ、一つひとつ疑問を解消していくうちに、不安は自然と解消されていきました。今振り返れば、この『何でも質問できる環境』が、私が成長できた一番の理由だと思っています」
小さな違和感を見逃さない。「よく見つけたね」の一言がくれた達成感と自信
寺田が品質保証のおもしろさを実感した、忘れられないエピソードがあります。それは入社後初めて担当した、システムの新バージョン開発案件での出来事でした。
「初めて最初から最後まで検査を担当しましたが、最終検査の際に仕様書のテスト項目にはなかった操作をあえて行ってみたんです。すると、設計部門が想定していなかった『不具合』を見つけることができました。
すぐにチームに報告し、上司からは『よく気づいたね、ありがとう』と声をかけてもらえました。自分がお客様の視点に立って徹底的に調べた結果が、製品の欠陥を未然に防ぐことにつながった。あの瞬間の喜びと達成感は忘れられません」
この経験は、寺田にとって大きな自信となりました。
「開発側が想定していない動作でも、あえて試してみる。そうして不具合を一つ見つけるたびに、この仕事の重要性を再認識します。何か違和感があると思った時に、それを残さず拾い上げて改善していく。それが品質保証の役割であり、やりがいだと感じています。
また、この経験を通してコミュニケーションの面でも変化を感じています。以前は、他部署との交流に苦手意識がありましたが、今では設計部門の社員とも臆せず連携を取れるようになりました。プロジェクトの全体像を把握するためには、多くの人と情報共有することが不可欠です。コミュニケーションを積極的にとることで、業務が非常にスムーズに進むようになりました」
品質保証は、華やかな開発の最前線とは異なり、地道な確認作業の連続です。しかし、その「地味な仕事」にこそ、社会を動かす責任があるのです。
「ニュースで医薬品の不具合やリコールなどが流れると、その背後にどれだけの混乱があるか想像してしまいます。私たちの仕事は、そのようなニュースが起きないように『何もない平穏な日々』を支えることです。
この責任の重さは、時に大きなプレッシャーになります。けれど、その責任があるからこそ、製品が無事に納入され、お客様が問題なくシステムを運用していると聞くと、言葉にできないほどの誇りを感じます」
次世代へつなぐために。真摯に向き合う姿勢で、信頼される品質のプロフェッショナルへ
入社してからの1年間で、寺田は着実に専門性と自信を身につけ、成長を感じています。
「他部署の人とコミュニケーションをとることで、プロジェクト全体が見えるようになりました。技術的な知識はもちろんですが、こうして円滑に情報共有ができるようになったことで、業務の質が大きく向上したと感じています。
今の私の目標は、仕事を通じて社内外の方から『寺田さんに任せれば安心だ』と言われるような、信頼される存在になることです。品質保証は、単にテストや検査を行うだけでなく、製品やプロジェクト全体の品質を支える仕事です。私も将来的には、品質の観点からプロジェクト全体を支えられる存在になりたいと考えています。
そのために、部署内の先輩たちの背中を追いかけながら、日立産業制御ソリューションズの品質をしっかりと守り抜けるようになりたいと思っています」
これから品質保証の仕事に挑戦しようと考えている方や未来の後輩たちへ、寺田はこうエールを送ります。
「品質保証部門は、決して最初から完璧な知識を求めているわけではなく、学ぶ意欲があれば必ず成長できる環境があります。私自身も未経験からスタートしました。大切なのは、目の前のやるべきことに対して真摯に向き合う姿勢です。そして、そのために分からないことを怖がらず、常に自分をアップデートし続けようとする好奇心を持つことが大事だと思います。
一方で、当社はITスキルを磨くための環境が万全で、プログラムの知識などは配属されてからでも学ぶことができます。他にも、ITエンジニアとしての基礎力を身につけるための『基本情報技術者試験』に向けた社内講座や英語のスキルアップ講座を受けられるなど、入社後も継続的な教育機会が提供されます。私たちが扱うシステムは、医薬品製造に関する法律や業界知識にも深く関わります。技術だけでなく、そうした業界の知識まで学びながら成長できる環境は、当社ならではの魅力です」
また、社内の環境についても、こう語ります。
「品質保証部門は、まだまだ若い世代が少ないのが現状です。
だからこそ、これから入社してくる方々と一緒に、新しい品質保証の在り方を作っていきたいと考えています。将来的にはAIを活用して品質保証プロセスそのものを進化していくことも期待されています。
新しい視点を持つ皆さんと一緒に、体制を盛り上げていけることを楽しみにしています」
苦手だったコミュニケーションを乗り越え、最後の砦として製品を守る誇りを語る寺田。製品のその先にいるお客様の笑顔を、これからも技術と丁寧な検証で守り続けていきます。
※ 記載内容は2026年6月時点のものです
※ HITPHAMSは、株式会社日立製作所の登録商標です

