経験ゼロから組織づくりをスタート。手探りの中から形を組み立てていく
加部東:本日はよろしくお願いします。渡辺さんとは、新卒の時代に同じコンサルティング会社に入社した同期の間柄ですが、面と向かっての対談となると少し緊張しますね(笑)。
渡辺:そうですね。私は元同期というつながりから2023年9月に入社して、今は加部東さんから管理本部長の役割を引き継いでいるわけですが、あらためて過去のことも話すとなると、若干の恥ずかしさを感じます(笑)。旧知の仲ではありますが、今回はあらためてギックスでの今までのキャリアからお聞きしたいです。
加部東:私が入社したのは、ギックスがまだ小さなベンチャー企業だった2015年でした。最初は戦略コンサルタント業務を行って、クライアントと接していましたが、2018年から管理本部長兼社長室長兼内部監査室長として、会社のガバナンス強化などバックオフィスの業務を担当するようになりました。まあ、当時はまだ戦略コンサルタント業務とも兼務という状況だったのですが(笑)。
渡辺:加部東さんは、もともと管理部門の経験があったわけではないですよね?
加部東:経験ゼロでしたね。契約書類はなんとなく読めるというところから始まって、バックオフィス業務全般を学んでいきながら整えていくという一気の立ち上げでした。
ラッキーだったのは、個人情報保護法に対応するために社内の規定を作っていかなければならないというプロジェクトがほぼ同時に立ち上がりまして、それをうまく利用することで、セキュリティやシステム管理などを整えられたことです。その後に、代表の網野から管理本部に専念してほしいと言われたんです 。
渡辺:本当にゼロから切り拓いていったんですね。とくに大変だったのは、どの時期でしたか?
加部東:とくにエポックメイキングだったのは、会社として株式上場をめざすことができる体制を整えるという目標を立てた時ですね。上場するとなると監査法人の会計監査を受けなければなりません。さまざまな制度を作る必要もあり、細かくスケジュールを立てて、任せられる部分はメンバーに任せながら、ゼロからスタートしていきました。
渡辺:日々の業務の中で、どうやって効率的に仕事を進めていったんですか?
加部東:そこは、ギックスのカルチャーにもある「合目的性」の部分が役に立ちました。手段にとらわれることなく、目的に進んでいける。目的のためならスピーディに物事を決定していけるのが当社の魅力でもあると思います。
渡辺:そして、今はまたクライアントの前に出るフロントオフィスの業務を担当するようになったと。
加部東:9月に管理本部長を渡辺さんに引き継ぐことができましたので、今は企業が抱えているさまざまな課題に対して最適な解き方を提案する仕事を担当しています。もちろんギックスのサービスで最適な解き方ができれば一番いいのですが、自社に留まらず一番価値が最大化するような提案をしています。
また、地域経済活性化プロジェクトチームのディレクターとして、ギックスのプロダクト「マイグル」やその周辺領域の機能でもある「AIプランナー」を使った地方の活性化にも取り組んでいます。
教育への関心から人事へ──「人事担当」として学び、進み続けてきてたどり着いた場所
加部東:渡辺さんの専門は、人事の領域ですよね。
渡辺:新卒で外資系のコンサルティング会社に入社して戦略コンサルティングに携わったところからキャリアをスタートしましたが、その時はまだ人事の専門性はもちろんありませんでした。
加部東:その会社で、私とは同期として同じ部署でしたね。人事に興味を持ったのは何がきっかけだったのですか?
渡辺:当初は戦略コンサルタントとして幅広いジャンルのプロジェクトに参加していましたが、私自身は大学で「教育学」を専門に学んでいたので、徐々に組織づくりや人事の話に魅力を感じていきました。そのタイミングで人事部門の社内公募があり、3年目の時に異動を申し出たんです。
加部東:あのころの同期のメンバーは、渡辺さんも含めて、本当に好奇心も学習意欲も高くて、自分の好きな分野を見つけて、積極的に学んでいる人が多かったと思います。
渡辺:ギックスのカルチャーで言う「ラーニング・アニマル」の人が揃っていましたね。その後もコンサルティング会社の人事部門でキャリアを積みましたが、もっとできることの幅を広げられるフィールドへ移りたい、と感じるようになり、IT系の企業へ転職。人事領域のあらゆる仕事を経験させていただきました。
新卒/中途採用、人事制度設計・運用、グローバル人事、ブランディング、役員報酬、ダイバーシティ、労務から全社イベントのPMまで、今思い返しても本当に幅広く色々な業務に携わりました。
加部東:そのキャリアを知っていたからこそ、私も2018年に管理部を立ち上げるとなった時に、渡辺さんのことが頭をよぎったんです。ただ、その時はギックスもまだ未上場で、声をかけるタイミングではないと断念しましたが、いつか渡辺さんの力を借りるときが来るかもしれないと思っていました。
渡辺:ゼロから10を作るフェーズと、10から100、100から1,000に育てていくフェーズとでは必要とされる能力が本当に違いますよね。昔から、加部東さんはゼロから10を作るのが得意な人だと感じていました。
私も前職での経験を経て、もう少し事業に手触り感を持って取り組める10から100へ企業を育てていくフェーズに携わってみたいと思っていましたが、なかなかその段階の企業を見定めるのは難しいなと思っていたんですよね。そんな中、久しぶりに加部東さんから連絡をもらい、話を聞く中でギックスの理念やカルチャーに強く心惹かれて、決断に踏み切ることができたんです。
加部東:ゼロから10を作るフェーズというのは、いうなれば竹やぶにどんどんと分け入って、荒い砂利道を作っていくフェーズ。上場前はもちろんのこと、2022年3月30日にギックスが上場してからも、とにかく会社が前に進み続けるための組織作りに邁進してきました。
ですが、これからは10を100に育てるフェーズに変わり、管理部門にもプロフェッショナルの力が必要な段階に入っていくと感じています。渡辺さんに引き継いでもらうには本当にベストなタイミングでした。
これからギックスは、上場会社としてさらなる拡大をめざしていく予定です。どのような体制でスケールしていくかを描いていかなければならない中で、渡辺さんの経験を活かして、荒い砂利道を高速道路になるように舗装してもらえればと思っています。
渡辺:私も管理本部全体を担った経験はないので、これからはチャレンジの連続だと思っています。学びながら必要な能力をキャッチアップしていくことが許されるのであればぜひ挑戦させてください!と、代表取締役社長の網野にも話したことを覚えています。
挑戦できる環境が人を育む。そして気づいた業務の本質とは
加部東:渡辺さんは実際にギックスに入社して、何かギャップを感じることはありましたか?
渡辺:驚くことに、ほぼ感じたことがないんです。ほとんどイメージ通りでした。強いて言うなら、落ち着いた方が多いことでしょうか。一般的なベンチャー企業のイメージとして、もっとガツガツしている方が多いのかなと思っていたのですが、ギックスは冷静に俯瞰で物事をとらえられる方が多い印象です。
加部東:それは、ギックスに勤める社員の特徴かもしれないですね。ギックスにはいろいろなキャリアパスがあり、自分の意思次第で挑戦できる環境があります。私のようにフロントオフィスとコーポレート部門の両方を経験することもできますし(笑)。
そして、このような土壌があるからこそ、自分のキャリアを考える上で、会社全体を考えて動く必要があります。そのことをきちんと理解している人が多いんだと思っています。
渡辺:たとえばエンジニアはエンジニア、コーポレート部門はコーポレート部門というだけではなくて、適材適所をみんなで話し合って考えられるということですね。加部東さんも、ギックスの中で双方のキャリアに挑戦してきて、何か大きな気づきがありましたか?
加部東:私も最初はフロントオフィスでコンサルタント業務をやっていて、そこからコーポレート部門に入り、またプロジェクトを進めていくフロントの立場に戻ってきました。一見まったく違う仕事に従事してきているように見えるかもしれませんが、やることの本質は「課題を解決すること」から変わっていないと思っています。
課題解決する対象が、クライアントの企業なのか、地域の自治体なのか、はたまた自分の会社なのか。やっていることの本質は同じで、内容が違うというところで、キャリアパスとしての違和感は、実は自分としてはありません。
渡辺:コーポレート部門もフロントオフィスも本質は同じ。確かにそうかもしれませんね。では、コーポレート部門でのキャリアの中で、加部東さんにとって最も良い経験になったと思われていることはありますか?
加部東:JR西日本様とのジョイントベンチャーで立ち上げた会社「TRAILBLAZER」に社外取締役として関わることになった時に、管理本部長を経験しておいて良かったと心から感じました。
コーポレート部門の長として5年にわたって取締役会に参加して、創業取締役のみならず、社外監査役や社外取締役の意見を聞くことができたのは、自分にとって大きな学びと成長につながったと思っています。
この経験を生かして、当社のさらなる成長に資する子会社の設立や新しいジョイントベンチャーを立ち上げていく際に、これまでの経験を最大限に活かして価値向上に貢献できるよう、自己研鑽を積み重ねていくというのが次のキャリアのひとつだと思っています。
攻めの姿勢で事業をさらに成長させる。コーポレート部門の新しいカタチ
加部東:渡辺さんは管理本部長として、コーポレート部門をどうしていきたいと展望されていますか?
渡辺:コーポレート部門は、月単位・四半期単位・年単位にやるべきことがある程度決まっていることもあり、同じことを繰り返す「ルーチンワーク」を行ってしまいがちかもしれません。
もちろん日々の業務の中にはルーチンワークもありますが、それだけになってしまわないように、「会社の事業に資する」という観点から管理本部発で新しいプロジェクトをいくつも提案し、常に優先順位を意識しながら推進するようにしています。つまり「事業に資する管理本部」にしていきたいんですよね。
加部東:受け身ではなく、コーポレート部門から発信していくということですね。
渡辺:例えば、「事業をより伸長させるためには更なる人材競争力の強化が必要で、そのためにはこのような目的で既存の人事評価制度のここをこう変えるべきだと思います」とコーポレート部門から経営に提案し、スピーディーに検討を進め、実際に来月から人事評価制度の一部が変わります。
もちろん人事領域に限らず、経理や財務も同じです。提案ができて実行ができて、「私たちも直接、事業を伸ばしているんだ」と感じられるようなコーポレート部門を作っていきたいと考えています。
加部東:コーポレート部門は事業を支える業務だと、よく言われることですが、事業を支えるだけではなくてダイレクトに事業を伸ばしていくというのは素晴らしいですね。渡辺さんに管理本部長を引き継いでもらって、今後もギックスがさらにおもしろい会社になっていくと確信しています。
渡辺:ギックスは今年、子会社であるgidi+a(ギディア)を設立し、コーポレート部門のノウハウを子会社へ展開していっています。こういったギックスの持つノウハウや社員のもつケイパビリティを他社に展開していくような事業も提供していけると、さらに事業の成長に資するコーポレート部門と言えるかもしれません。
まさに今、さまざまなプロジェクトの種を蒔いているんですよ。ギックス歴大先輩の加部東さんは、今後の展望としてどんなことを思い描いていますか?
加部東:詳しいことは言えませんが、新しい技術や企業課題の解き方については、ギックスの中でどんどんと種が生まれています。その種を芽吹かせてクライアント企業により高い価値を提供するために、私のチームも仕込みを進めているところです。
クライアント企業に確かな価値を提供する集団として広めていくというのが、私が持っている今後の事業構想です。
一方で個人としては、やはり日本人としてもっと日本に貢献していきたいという想いも強くあります。だからこそ、これからも日本企業や地方を活性化していく仕事に取り組んでいきたいと思っています。
渡辺:私も同じ気持ちを持っています。私の場合は、根底にあるのがやはり「教育」なんですよね。自分の子どもが将来を生きていく日本という国が豊かな国であり、誇れる国であってほしいと思っているので、だからこそ教育の分野に、いずれ何らかの形で関わっていきたいと思っています。
加部東:それも「ラーニング・アニマル」のスピリットですね(笑)。
渡辺:そうです!まさに「ラーニング・アニマル」のスピリットを子どものころから培うことができたら、日本国民全体の「学ぶ力」を高められますよね。壮大な構想ですが、いつかやりたいです!
※ 記載内容は2023年12月時点のものです
