先輩と一緒にお客様先を訪問し、システム導入から操作説明を担当
管理栄養士は、入院や通院の患者さん一人ひとりの献立作成や食事指導を行うだけでなく、食材のコスト管理や帳票類の作成などのさまざまな事務作業もこなさなければなりません。管理栄養士として大切な栄養管理を行うのはもちろんのこと、そこに事務作業が入ってくるので業務量は相当なものになります。
そんな管理栄養士の業務負担を軽減するためのシステムが「AjiDAS」です。石井は2021年入社後より、お客様に「AjiDAS」を導入する作業や操作説明業務に携わっています。
石井 「主に病院や介護施設、給食受託会社に導入します。お客様の要望を伺って業務内容をヒアリングしつつ、データ入力や機能確認、操作説明を行うことが、今の仕事です」
2022年9月現在は、先輩と一緒にお客様先を訪問している石井。これまでに10件ほどの案件に関わり、現在の案件では初めて自分がメインに立って導入を進めています。
石井 「入社2年目となりお客様との会話も増え、自身の理解不足な点に気づき勉強させてもらうことも多いです。お客様の要望をどのように反映すればいいのか迷ったり、先輩に指示された通りの作業ができなかったり、自分の課題はたくさんあります。
その中でも今は、『AjiDAS』の運用面において『この機能が使いたい』『こんな帳票が欲しい』や、『この機能は使用しない』などお客様の意図をくみ取れるようなコミュニケーションを心がけ、要望を自分の中で明確にイメージできるように意識をして業務に当たっています」
案件を重ねるごとに、少しずつ自分だけでこなせる業務範囲が広がってきていることに、石井は手ごたえを感じています。
石井 「トレーナーが席を外したときに、お客様からシステムの操作方法を聞かれたことがありました。突然のことで焦りましたが、使用方法はお客様の運用に合っているか、ほかの機能に影響がないかを何度も考えたうえでお答えしました。本当に緊張して、必死で答えた記憶があります(笑)。
その後、『こういう案内をしました』と先輩に報告すると、『それで大丈夫、ありがとう』といってもらい、お客様からも『ありがとう』といわれたときは、ホッと安堵したと同時に非常に嬉しかったですね。このようにできることを一つずつ増やしていけたらいいなと思っています」
大学の実習で管理栄養士の忙しさを目にしたことをきっかけに、支える側へ軸足を移す
高校で進路を決める際には、高齢者が多い地域という環境もあり、医療関係の職業を目指す同級生が多かったといいます。
石井 「将来を考えたときに、生活に欠かせない食事という面から、疾病を予防・改善するお手伝いができる管理栄養士に興味を持ちました。そして管理栄養士の資格を取るため、管理栄養士養成課程のある大学に進学しました。大学在学中は、知識を身につけるための勉学に励み、晴れて管理栄養士の資格を取得しました」
就職活動を始めた段階では、病院で患者さんのサポートを行う管理栄養士の職も視野に入れていた石井。しかし、大学の実習活動で施設を訪問したとき、業務に追われ、休憩を返上して働く管理栄養士の現状を目の当たりにしました。
石井 「実習では、管理栄養士の方たちが時間に追われていて、休憩も満足に取れない環境に引っ掛かりを覚えました。この多忙すぎる状態を改善しなければ、管理栄養士の知識や経験が本来の業務に対して十分な力を発揮できないのではないか、という想いがきっかけとなり、管理栄養士ではなくて管理栄養士をサポートする仕事に就きたいと思ったのです。
しかし、どのような仕事ならサポートできるのかがわからなかったため、日本栄養士会の賛助企業を調べてみると医療食を扱う企業や、冷蔵庫などの業務用機器メーカー、そして富士テレコムのようなIT企業が名を連ねていました」
石井は実習先で、管理栄養士がコンピュータを使って食事の管理をしているのを目にしていました。富士テレコムのホームページで「AjiDAS」という栄養管理システムを知ったとき、点と点がつながったような気がしたのです。
石井 「そのころの私のITスキルは、パソコンで大学のレポートを作ったりプレゼンテーションをしたりする程度で、専門用語も、ましてやプログラミングなんて全く知りませんでした。しかし、未経験でエンジニアを目指す人も多いと聞き、チャレンジしてみようと決意したのです。
未経験ということで、研修や業務についていけるか正直なところ不安がありました。しかし不安な気持ちを打ち明けると、富士テレコムの社員の方はあたたかく接してくださって、事前に必要な知識のためにIT教材一式を送ってもらえたり、入社後の研修の説明をしてくれたりと、少し心が軽くなりました。
実際に入社してみると、私と同じような未経験者の同期の方もいて、話し合う機会もあったため、不安やわからないことを共有しあえる環境があり、安心できました。同期はみんな仲が良くて、チャット等で気軽に話せる間柄なので、コロナ禍でリモートワークになったときも孤独感なく過ごせました」
大学の専攻と全く異なる分野への挑戦ということで、不安な気持ちになることもあったという石井。手厚いバックアップ体制が整っていることで、未経験からのチャレンジでも頑張れると思えたといいます。
お客様とのスムーズな会話が今の課題
同期入社のシステムエンジニアは、プログラミング経験者と未経験者がちょうど半々。同じスタートの人がいるのは心強かったといいます。
石井 「最初の1カ月は営業とシステムエンジニアが同じ研修を受け、その後は9月末までシステムエンジニアの技術研修が行われました。コロナ禍真っ只中のため自宅でのオンライン研修が主でしたが、同期同士はチャットやZOOMなどでつながっていたので、絶えずコミュニケーションが取れていて連帯感がありましたね」
わからないところについても質問をすればすぐに経験者がサポートしてくれたので、その場で疑問点が解消できたといいます。その後、希望が通って「AjiDAS」を扱う部署に配属が決まりました。
石井 「希望の部署に配属されてとてもうれしかったです。同時に、念願の配属先での業務が始まるので頑張らなければ、という責任もひしひしと感じました」
配属後はOJTで業務を学びます。5日目には、さっそく先輩についてお客様先を訪問しました。
石井 「『最初は見ているだけで大丈夫』といわれ、先輩のお客様への対応を真剣に聞いていました。訪問を重ねながら徐々に先輩から指示をいただき作業するようになり、少しずつできることを広げていくことができました」
現在導入中の病院のお客様は、初めて石井がメインに立って進めている案件です。
石井 「お客様と会話をしながら導入の案内やシステムの説明をしていくため、どのようにお話しすればスムーズな流れになるのかを常に考えています。今は、会話がたどたどしくなってしまったり、言葉に詰まってしまったりすることもあり、まだまだ自身の納得した案内ができていません」
システムエンジニアとしての業務は、技術的な知識はもちろん、お客様の要望を引き出すコミュニケーション術も必要なのだと実感しています。
管理栄養士の仕事を理解しているからこそ実現できる、システムエンジニアとしての飛躍
石井が初めてメインに立った案件は現在終盤に差し掛かり、あと1カ月ほどで完了する予定です。
石井 「入社前は、システムエンジニアは社内で仕事をし、営業がメインでお客様とのやり取りをするというイメージを持っていました。
しかし、私が所属している部署では、システムエンジニアもお客様の要望をお伺いして対応したり、保守についてもご連絡をいただいてお答えするなどお客様とは非常に密接に繋がっています。そこにやりがいと楽しさを感じています」
管理栄養士の資格を保持していることが、間接的にも業務に役立っていると石井は話します。
石井 「管理栄養士を目指してきたからこそ、お客様の話す内容や困りごとへの理解と共感が強くできると確信しています。お客様にとっても、管理栄養士という資格を持っていることが安心感につながり、こちらの想いを感じとっていただけるところがあると思います」
さらに、これから目指していきたいのは、就職活動の軸にしていた現場の管理栄養士の方々の業務負担の軽減です。
石井 「現状の管理栄養士は、多忙すぎて管理栄養士として能力を十分に発揮できていません。私が就活時から志してきたように、食生活の指導であったり、健康かつ美味しい食事を考えたりという本来の業務に時間を割けるよう管理栄養士をサポートしていきたいと思っています。
今の私は、お客様の要望をお伺いし、それに合わせた『AjiDAS』のシステムを提供することで手一杯ですが、今後お客様の声を踏まえて業務負担を軽減できるシステム改修の提案ができるよう、頑張りたいと思っています」
管理栄養士として働いている大学時代の同級生たちの仕事もいつか支えられるように、今はとにかく目の前の仕事を一生懸命こなせるようになりたい、と石井は意気込みます。
石井 「管理栄養士の資格を取得すると、その資格を活用したいと考える人は多いかもしれません。しかし、管理栄養士の道だけにこだわる必要はない。もっと広い目で自分に何ができるか考えられればいいな、と思います。管理栄養士の仕事のすばらしさと重要性をわかっているからこそ、できる仕事もあるはずです
専門用語やプログラミングは研修でイチから勉強できるので、それにプラスして自分の得意な分野を持っていることは、システムエンジニアとして大きなメリット。私のように未経験の方も、ぜひシステムエンジニアに挑戦してほしいですね」
管理栄養士を支えたいという石井のひたむきな気持ちが、システムエンジニアという想像もしていなかった将来を切り開くことになりました。管理栄養士とシステムエンジニアという二つの分野の橋渡し役として邁進する石井の、これからの飛躍が楽しみです。

