病院内の重大事故を防ぐためのシステム──相手の立場に立って、営業を進めていく
塚原が所属するのは、ヘルスケア営業部第一営業課。電子カルテや、インシデントレポートシステムを販売する部署です。
インシデントとは、患者様がベッドから転落する、病院が処方薬を誤るなど、病院内で発生する深刻な事故に結びつく可能性のある出来事のこと。インシデントレポートシステムは、こうした事態の再発防止を図るためのシステムです。
塚原 「このシステムでは、まず看護師などインシデントの発見者が、システムを通じて報告書を作成。いつ、どこで、何が起きたのかを入力し、リスクマネージャー(安全管理責任者)が内容を確認して院内のゼネラルリスクマネージャー(医療安全管理室)に送ります。
この医療安全管理室で、病院内の全てのインシデントを集計して管理。その後は、事例と対策方法を各スタッフにフィードバックします。この繰り返しで現場の安全意識を高めていくのです」
本システムを扱う部署の中で塚原は、使用方法のデモンストレーションやテレアポによる新規顧客の開拓を担当しています。
塚原 「テレアポを始めた当初は『本当に話を聞いていただけるのかな?』という緊張や不安から、つい自分の話ばかりしてしまい、断られていました。ですが、上司や先輩の会話に耳を傾けて試行錯誤した結果、最近は、話を聞いていただけるだけでなく、『訪問してください』といわれることも増え、以前よりアポも取れるようになりました。
電話をするときは常に、『短い時間の中で、相手がどう思うのか考えながら説明しないといけない』という上司の教えのもと、相手の立場ならどのように案内されたら興味を持つかを考えて臨んでいます」
お客様の中には、システムの存在を知らない方も少なくありません。また、急な電話には誰だって戸惑うもの。だからこそ、塚原は「話を聞かせてほしい」といってもらえるよう、相手の立場に立ち、考えながら進めていくことを大切にしています。
働き方がイメージでき、発言のしやすさを感じたから、富士テレコムに入社した
幼い頃は、両親に連れられてよく博物館や水族館を訪れていた塚原。草花が好きだった祖母の影響で植物にも関心を寄せ、高校では理系の生物コースを選択、大学では生命科学科に進学しました。
塚原 「卒業論文のテーマは『蚕』。休眠のメカニズムについて研究しました。他にも遺伝子や植物の研究をしながら、生化学や生物に関係する授業も受講していて、その知識を得る中で、医療分野の仕事への興味を持つようになりました」
勉強以外では、さまざまなボランティアに取り組むインターアクト(社会奉仕)部に所属。自らの学びにもなるからと小学生に勉強を教えたり、フラッシュモブと組み合わせた募金活動を行ったりしました。
やがて就職活動の時期を迎えますが、時を同じくして新型コロナウィルスの感染が拡大。会社訪問どころか外出さえも困難になり、「これからの時代、出社が当たり前ではなくなるかもしれない。それならテレワークをしやすいIT業界が働きやすいのでは」と考えるようになりました。
塚原 「IT業界と医療系の仕事への関心から、とくに医療システムを扱うIT企業を中心に説明会や面接に参加しました。それと並行して業界や企業を調べる中で見つけたのが、富士テレコムでした。
富士テレコムの選考で印象的だったのは、面接です。『今のコロナ禍について、あなたはどう考えますか?』など、私自身がどう感じているかを尋ねる質問が多く、『私のことを知ろうとしてくれている』と感じられたんです。
それに、私が話したいことを最も伝えられたのも、この会社の面接でした。面接が発言しやすい雰囲気だったからこそ、『社員になってからも自由に発言できる』とも思いました」
選考での印象に加えて、富士テレコムが塚原の求める環境に当てはまったことが、入社の決め手でした。
塚原 「テレワークができる環境を探していたのは、仕事と私生活を両立させたいと思っていたからでもあります。富士テレコムは、ワークライフバランスを重視している会社であり、コロナ以前から在宅ワークを採用していました。そうした制度面からも、女性として長く働けるイメージができて、入社を決めたんです」
周囲の教えやサポートに支えられ、少しずつ「できる」を増やしていく
2021年4月、富士テレコムに入社後は、配属先が決まる7月までオンラインの新人研修に参加。グループワークや、講師との商談練習を通じて、アポの取り方から商談に至るまでの一連の流れを学びました。
そして研修後に配属されたのが、2022年9月現在も所属するヘルスケア営業部第一営業課。入社前の「医療システムに携わりたい」という希望が通り、医療営業としてのスタートを切りました。
塚原 「配属後大変だったのは、主力商品であるインシデントレポートシステムの理解を深めることに加えて、病院についての知識を学ぶこと。 私たちがアプローチする医療安全管理室には、看護師、薬剤師、医師、事務職員など、病院ごとに異なる職種の方々が所属しています。それぞれの仕事内容を知り、病院ごとの医療の特徴を把握しておくことがとても重要なんです」
こうした知識は先輩の商談への同行や、富士通グループのヘルスケアに関する研修の受講、資格を取得する中で、身につけていきました。
塚原 「私の課には、入社4年目の先輩が2人と、上司である課長がいます。課長は、どのような研修や資格が医療営業として役に立つのかを、アドバイスしてくれます。さらに日常の業務で連絡した際には、要件が済んだ後に『困っていることはないかな?』と声もかけてくれるんです。
また先輩は、年齢が近く話しやすい方々ですし、商談の際に私がお客様からの質問に答えられずにいるとフォローしてくれます。チャットツールなどで自分から質問することもありますが、見守ってもらいながら働ける環境ですね」
こうしたサポートの中でも塚原の印象に残っているのは、配属された当初に当時の部長から教わった、インシデントレポートシステムをデモンストレーション(以下、デモ)するときの秘訣でした。
塚原 「電話でアポを取った時や依頼があった時は、お客様先で実際にシステムを使ってデモを行うんです。そのデモをする中で、当時の部長は『何も知らない方にシステムだけの説明だと伝わらないから、事例を用いたほうがいいよ』、『マニュアル通りに説明するのではなく、わかりやすく流れを作ったほうがいい』とレビューをしてくれました。
これらの大切なポイントを教わったおかげで、急にデモの依頼を受けても自信を持って行えるようになりました。当時の部長にはとても感謝しています」
こうした教えが身についたからこそ、塚原はモチベーションとなるような出来事に巡り合う機会も増えてきました。
塚原 「コロナ禍でお客様を訪問するのは難しいですが、オンラインでの商談やデモで、お客様が多くの質問をしてくださったり、『これってどういうことですか?』と前のめりで聞いてくださったりすることがあります。 私の説明で興味を持ってもらえているのが嬉しいですし、その後で『見積もりをください』と話が進むこともあるんです。これらの経験は、自信に加え、やりがいになっています」
自分のようにITの知識がなくても活躍できる。安心して入社を考えてほしい
2022年9月現在、入社2年目を迎えている塚原。今では、商談での発言回数も増え、専門的な内容でも自ら進んで説明できるようになりました。お客様の前で戸惑う場面が減ったのは、成長の証です。
塚原 「今までは先輩に頼りきりだったので、今後は主体的に商談を進められるようになりたいです。その先で、お客様との信頼関係を築き『塚原さんだからシステムを購入したんだよ』『塚原さんの紹介だったから、システムに興味を持ったんだよ』といわれる医療営業を目指したいです。
また、お客様に指名されるには、社内からの信頼も不可欠。社内でも『インシデントレポートシステムのことは塚原さんに相談しよう』と思われる存在になりたいです」
こうした目標を掲げる塚原は、今後も医療営業のフィールドで働くことを見据えています。
塚原 「仕事がとてもおもしろくて、お客様との交流も楽しめています。今後、自分で商談を進めるようになれば苦労も絶えないと思いますが、それ以上に、充実した日々も過ごせるはずなので、しばらくは医療営業を続けたいです。ゆくゆくは、販売や導入実績を増やし、現在担当している関東エリアから範囲を広げ、北海道から沖縄まで、全国的にアプローチしていきたいです」
IT知識のない中でスタートを切り、成長を実感している塚原。富士テレコムへの入社を考えている人に向けて、最後にこんなメッセージを送っています。
塚原 「私は高校時代から、IT分野とは全く別の勉強をしていたため、IT知識はゼロの状態でした。そのため、入社前は『IT企業って何だか難しそう』と感じていました。でも、富士テレコムなら、研修や勉強の機会が多いですし、周囲の方々のフォローを受けながら、学んでいけます。
挑戦する気持ちさえあれば、仕事を通して一人の社会人として成長できる環境があるんです。だから、不安があったとしても飛び込んでみてください。きっと大丈夫ですから」
困っているときに、手を差し伸べてくれる上司、相談しやすい先輩。そんな温かい周囲に後押しされながら邁進する塚原の活躍から、今後も目が離せません。