要望に応じた機能開発からトレーナーまで。SAPの「テクニカル領域」が担う役割
矢島が所属するエンタープライズ・アプリケーション&SaaS事業部(EAS)のSAP部門は、SAP社が提供するERP製品の導入・運用支援を行う部門です。組織は約30名ほどで、バックグラウンドは多種多様です。
「メンバーの約半数は海外籍で、私のようにSAP経験5年ほどのキャリアチェンジ組もいれば、ベテランも在籍しています。和気あいあいと楽しく取り組んでいます」
SAP部は「会計」「購買」「販売」の3領域と、矢島が担当する「テクニカル領域」の計4つに分かれています。テクニカル領域は、BTPなどを用いた他のシステムとの連携や追加機能開発を担います。
「具体的には、お客さまの『こういうレポートを作成したい』という要望に応じて追加機能の開発を行うこともあれば、導入時に他システムとの連携を担うこともあります。
たとえば、旅費を取り扱うシステムがあるとします。そのデータをSAP側に入力する際に、手入力するのは非効率ですよね。そこで、データ連携によってSAPに自動で取り込む機能を実装するといった対応を行います」
矢島の現在の役割は、こうした開発業務に留まりません。製造系企業のデータ移行サポートから、自動車業界のお客さまや自部門の若手社員に対するBTP領域のトレーナーまで、テクニカル領域の幅広い知見を活かし、多岐にわたるミッションで活躍しています。
とくに若手の育成において、矢島は「自走できる人間」を育てるための明確なスタンスを持っています。
「育成では『1から10まで教えない』スタンスを貫いています。すべてを教えるのは本人の成長につながらないため、必ず本人が考える部分を残します。あえて曖昧な指示や問いかけをしながら、できるだけ自分で考えて動けるよう促しています」
たとえば、お客さま向けのトレーニング資料を作成する業務では、まずメンバーにゼロから土台を作ってもらうアプローチを取ります。
「まずは一度、とにかく作成してもらいます。その上で、定期的に報告を受けながら、都度その資料に対して意見を伝えて修正してもらう、という進め方です。できるだけ本人に作業をしてもらうようにしています。その際に意識しているのは、ゴールの共有です。最終的なアウトプットの認識がずれないようコミュニケーションを心がけています」
役職者との距離感の近さに感じた魅力。前向きなコミュニケーションが息づく組織
矢島は新卒でIT系の会社に入社したのち、小売業の会社で社内システムの運用を担当。その後、IT関連の企業に転職し、お客さま先の情報システム部門で購買システムの開発・運用保守を20年近く続けてきました。
「お客さまの海外拠点でSAP Business Oneの導入を担当したことを機に、将来的にこの分野で技術力を高めていきたいと考えました。自分自身の市場価値を高めていきやすいと感じたのです。そこで、50代を前に『SAPを本格的にやってみたい』と転職を決意しました」
SAPコンサルタントとしては未経験の状態で前職のIT企業に入社。しかし、そこでは運用保守が中心でした。
「前職は組織が大きく、未経験者が『導入』案件にアサインされるのは難しい環境でした。運用保守が続いたものの、やはり導入フェーズに携わりたいという思いが強くなり、再度転職活動をスタートしました」
そうした中で、導入も経験できる企業としてDXCに興味を持ったと言います。また、DXCは矢島にとって再挑戦の場でもありました。
「実は、前職のIT企業に入社する際もDXCを受けており、企業風土に良い印象を持っていました。今回あらためて応募し、入社に至りました」
矢島が当時から魅力に感じていたDXCの企業風土。それは「風通しの良さ」です。
「代表の西川や部長陣も、個室を持たず同じフロアで一般社員と話しています。上位の役職者と顔を合わせて仕事ができるのは、非常に魅力的な点でした」
実際に入社し、その印象は確信に変わりました。
「出社すると、一緒に仕事をしたことがない方でも気さくに話しかけてくれる、気軽にコミュニケーションが取れる文化があります。このオープンで前向きな雰囲気は、モチベーションの向上にもつながっています」
「導入」に向けて、最前線で案件獲得にも奔走。キャリアを貫く2つの価値観
DXCに入社した当初は案件獲得に向けて、プリセールスとしても活動していた矢島。成約した案件も増え、念願だったSAPの「導入」プロジェクトがいよいよ始まることにワクワクしていると言います。
「プロジェクト自体はまだ導入フェーズには至っていませんが、これからが非常に楽しみです。自分の知識がどこまで通用するのか、チャレンジしてみたいと思っています。
現在は導入に向けた準備段階で、チームに深く入り込むというよりは、アドバイザー的な立場で一歩引いた位置から関わっています。そうした中で、どうすればチームがうまく機能するか、今自分に何ができるのかを考えながら進めることに、大変さと同時におもしろさも感じています」
具体的には、プロジェクトメンバーがスムーズに動けるよう、環境を整えています。
「メンバーが自分で考えて動けるよう導きつつ、気持ちよく仕事ができる環境を整えています。『このあたりで困り事が出てくるかもしれない』と先回りして準備したり、資料のテンプレートを用意したりといったサポートをしています」
今もさまざまな業務に携わる矢島ですが、キャリアを通じて今後も大切にし続けたい価値観が2つあると語ります。
1つめは、「お客さまに聞かれたことは、必ず自分で対応する」という徹底した当事者意識です。
「お客さまからの質問は、たとえ自分の担当外であったとしても、『私が調査します』と一度預かると決めています。わからないことは、知見を持つメンバーに確認した上で、私から回答します。単に別の担当者へつなぐだけにはしません」
この姿勢は、過去の海外拠点での経験でも信頼につながりました。IT担当者がいない拠点で専門外の相談にも対応するうち、信頼関係が築けたと振り返ります。
「『内線電話が使えなくなった』と相談されたこともあります(笑)。専門外ですが見に行くと、単なる配線の問題ということもあります。専門かどうかに関わらず、率先して対応したことで非常に喜んでいただけました。こうした積み重ねが信頼につながると考えています」
2つめは、「システムは使われてこそ価値がある」という現場目線の考えです。
「システムは使われなければ意味がありません。だからこそ、常に使う側の立場に立ち、『何が一番便利なのか』を考え続けてきました。
導入後も利用者と定期的に対話し、『問題点』や『不便な点』をヒアリングして改善や次期開発につなげます。過去には海外拠点で購買システムを導入後、各国の要望を反映し改善を続けた結果、現場で『使いやすい』と言ってもらえるシステムへと進化させられた経験もあります。使ってもらえた先で、感想や感謝の言葉をもらえることは非常に嬉しいですね」
「自走できる組織」を育てるために。DXCで見据える新たな挑戦
今後のキャリアについては、「本音ではテクニカルな作業に没頭していたいプレイヤータイプ」と語ります。一方で、「組織として求められれば、どんなロールも担う」という柔軟なスタンスも持っています。
「任されると単純に断りきれない性格なだけ」と笑いますが、これまでの多様な経験は、現在の業務にも確実に活きています。
「たとえば部下の立場で業務を行ったとしても、過去に上司の立場で物事を見た経験があれば、『上層部はおそらくこう考えているだろうから、自分はこう動くべきだ』といった多角的な視点を持てます。やってみて初めてわかること、気づくことは本当に多いですね」
矢島は組織の未来に対しても強い思いを持っています。
「とくに若手メンバーに対しては、とにかく『自走できる人間』になってほしいと常に思っています。そうした自走できる人材が豊富な組織を築き上げていきたい、という思いがあります」
「自走できる組織」をめざす背景には、過去の課題意識があります。
「これまでの経験から、指示待ちの人間が多い組織は成長が難しいと感じています。だからこそ、若いうちから自ら考え行動できる人材を増やしたいのです」
最後に、DXCのSAP部門にフィットする人物像について、矢島はどのように考えているのでしょうか。
「やはり、『自分で考え行動してきた経験』があるかどうか、だと考えています。SAPの経験に限らず、そうした思考や行動した経験を持つ方であれば、必ずこの会社で結果を残せると信じています。
また、DXCは社員一人ひとりのキャリアパスにも向き合ってくれる会社です。自分のキャリアパスをどう描くか、自分なりの考えを持っている方にとっては、非常にフィットする会社だと思います」
ユニークなキャリアと現場で培った考え方を胸に、矢島は「自走できる組織」という目標に向かって、今日もメンバーと向き合い続けています。
※ 記載内容は2025年11月時点のものです
