先生、実習……出会いによって導かれた薬学、そしてMRへの道
製薬業界に興味を持ったのは、高校時代のある先生がきっかけでした。製薬会社勤務から教師になった経歴を持つ方でした。
その先生は一般用医薬品の解熱剤などに詳しく、生徒から受けた体の不安に対し、同じ症状でも生徒によって提案する薬を変えていたんです。人によって薬を変えることに驚きとおもしろさを感じましたね。それ以降、化学の授業が好きになって、薬学部を目指すことに決めました。
大学では希望通り薬学部に入学。入学の時点では薬剤師を目指していたんですが、実習を経験して考えが変わっていき、最終的にMRになろうと決めました。
その実務実習先は糖尿病専門のクリニックの門前薬局でした。実習先にも住友ファーマのMRは訪問していました。住友ファーマは古くから処方されている薬についても丁寧に情報提供をしていました。
MRは新薬の情報提供をするイメージが強かったので、長く使われている薬でも、先生や患者さん目線に立って新薬と同じように情報提供をしていた住友ファーマに魅力を感じました。と同時に、MRに興味を持ち始めました。
ただ、薬剤師免許取得のための勉強とMRへの就職活動の並行は大変でしたね。さらに、両親には薬剤師になってほしいという想いがあったため、MRを目指すチャンスは一回だけという条件があったんです。受ける会社は、実務実習で魅力を感じた住友ファーマの一社だけに絞りました。不安もありましたが、無事に選考を通過し内定をいただけました。
就職活動の際から、住友ファーマは人に寄り添う企業だなと感じていました。会社と自分が合うかだけでなく、就職活動をどのように取り組んでいけば良いかについても、面接でアドバイスしていただいたんです。それで、さらに魅力が深まりましたね。
MRという立場にこだわって仕事する今──先生の医療パートナーになる
2017年に入社し、半年ほどはMR職の新入社員で合宿型での研修があり、その後10月に横浜支店へ配属されました。
研修では自社医薬品に関する学習だけでなく、OJTも数回行いました。そのOJTが研修で一番印象に残りましたね。先輩に同行し、先生と実際にお話しすることで、MRとしての自覚が高まりました。
その際、ある先生から「君はどんなMRになりたいの?」と聞かれたことがありました。「売れるMRになりたいです」と答えたところ、「君の仕事はただの営業ではなく命に関わるMRなんだよ」と言われたんです。その言葉がすごく心に刺さりました。MRという立場で訪問していることを忘れてはいけないなと感じる出来事でしたね。
配属後も月に2、3回ほど、先輩に同行してもらっていました。その後も定期的に同行してもらい、フィードバックを受けながら改善を繰り返しています。
2020年現在は、入社時から同じ横浜支店で、ジェネラルMRとして活動しています。自分の担当エリアを持ち、他の社員とは担当エリアや担当する薬の領域を分けながら、仕事をしています。業務内容は薬の情報提供・収集・伝達のために医療機関へ訪問し、医師や薬剤師、看護師など医療従事者との面会が主な業務ですが、医療従事者向けに説明会を開いたり、先生方の知識向上や当社の薬についてより詳しく知っていただく機会として講演会を企画することもあります。
コロナウイルスの影響もあり、最近ではWeb上での面談も増えていますね。一方で直接お会いして話すことができる先生も多いので、感染リスクに気をつけながら訪問しています。
訪問する際は、MRとしての意識を常に持つよう心がけています。MRは企業の利益を上げる営業的側面もありますが、薬の適正使用の普及や情報を通じた先生の医療パートナーとして、お役に立つために訪問しています。その意識を持ちながら、先生とお話ししていますね。医療のパートナーとして先生に接してもらえているときは、やりがいも大きいです。
面談に加えて、講演会の企画を行うこともあります。講演会では自社医薬品の普及だけでなく、適正使用に向けた情報提供も行います。また、医師同士でも情報交換ができるようにしています。
このような講演会はWeb上も含め、多く開催されるので、その中でも先生に参加して良かったと感じてもらえるような企画を心がけています。そのためには、事前にどんな情報を求めているかを把握、理解した上で企画することが大事だと感じます。講演会後に嬉しい感想をいただけることもあるので、やりがいを感じています。
時に叱られ、時に相談され…。成長を応援してくれる先輩方
業務にも慣れて、先生に顔を覚えていただいたころのこと。ある先生に自社医薬品の適正使用について説明していた際、「君の説明は誰にしている説明なんだ」とお叱りを受けたんです。結局、その日は途中で帰ることになってしまいました。
後日謝りに行くと、「君は自社医薬品の視点でしか説明をしていない。実際に使うのは患者さんであって、それを選択するのは医師である。それなのに患者さんと医師の視点が君の説明には一ミリも入っていなかった」と言われたんです……そこで自分の間違いにすぐ気づき、反省しました。
この経験を通して、改めて患者さんと医師の視点を忘れてはいけないと学びましたね。
それからは、患者さんがどのように服薬するか、医師が処方を行う際にどういう視点で考えているか、を意識して説明するようになりました。それに対して、誠意が伝わり、患者さん1人1人について深いディスカッションができるようになったので、さらに学びへとつながっています。
3年ほど同じエリアを担当してきて、担当施設の情報だけでなく先生方のつながりも見えるようになってきました。また先生方から、自社医薬品に関係なく、患者さんの治療や症状などの相談を受けることも増えていきました。
ある先生から治療が難しい患者さんをどこの病院に紹介するか悩んでいるという相談を受けたんです。そこで、私から専門的な知識を持つ先生がいる病院を紹介しました。その結果、患者さんはその病院で治療を受けることができ、喜んでくださったそうです。これを聞いたときは、薬の情報提供だけではない医療の一端を担えたみたいで嬉しかったですね。また、先生と信頼関係を築けたのかなと思いました。
ただ、まだ担当する先生全員とそういう関係になっているわけではないので、もっと信用してもらい、どの先生とも理想的な関係をつくれるようにしていきたいです。
社内での関係はとても良いです。先輩方にはよく面倒を見てもらっています。
中でも配属当初よく同行していただいた先輩には、「村上はこのエリアで、小さい社長になるんだ」と言われたことがありました。会社を代表して活動しているのを常に意識してほしいというメッセージでした。その後も意識を持って活動しているか確認したり、どういう道筋を立てて自社医薬品のプレゼンテーションをしたいのか言葉にする機会を設けたりしてくださいました。
当初、代表になるにはどうすればいいのか、いまいちわからなかったですね。今では、良い面も悪い面も会社の意見を先生にしっかりと伝えていくことや、トラブルが起きても真っ先に謝罪に行くことなども含めて、社長と表現されたのかなと思います。責任という面以外でも、会社の顔として活動している意識は忘れないようにしています。
会社のため個人のため、会社の顔であるMRとして、次なるステップへ
短期的なビジョンとして、まず、糖尿病領域でNo.1になりたいです。先生が薬について相談したいとき、最初に思い浮かんで選んでもらえるMRを目指しています。そのために、自社医薬品の情報提供だけでなく、糖尿病の患者さんへ生活面や治療全体をトータルして提案できるよう、これからも勉強していきたいです。
また、開業医担当から病院担当になれるよう、さらにスキルアップをしていきたいです。
開業されている先生は、院長ひとりが診察から処方、地域連携や経営の部分などすべての権限を持っている場合が多いのですが、病院では、それらの権限が細分化されています。なので、病院全体で活躍するにはより深く勉強し、さまざまな人にアプローチできるスキルを求められるんです。その視点がまだ足りないと感じています。今担当している中小病院で経験を積んでいきたいです。こういうステップアップについては、支店内で柔軟に対応してもらえていますね。
このように、当社の良さは社内的に見ると、挑戦できる風土があり、頑張っている人にはチャンスを与えてくれる部分にあると思います。先述したように配属当初から上司や先輩が優しくサポートをしてくれるので、不安に感じたことはあまりありませんでした。
また社外的には、薬のラインナップが豊富な部分にあると思います。2005年の合併を経てラインナップが増えたことで、さまざまな分野の先生からも認識していただけています。これからもMRの適正使用の促進活動で、「薬といったら大日本住友だよね」と言われるように、活動していきたいです。
そういう意味で、私たちMRは、会社のブランドイメージを担うと言っても過言ではありません。MR活動を通して、先生方にも住友ファーマの良さを、伝えていきたいですね。
これからもMRとしての意識を強く持ち、会社の顔として尽力していきたいと思います。
