世界中の完成車メーカーを品質で支える
前職は、自動車パーツメーカーにて品質保証業務に従事し、約4年間にわたり海外拠点で市場品質対応に携わってきました。EDER活動(Early Detection, Early Resolution)を通じ、不具合の早期発見・早期解決に取り組みながら、現地のお客さまやエンドユーザーの声に直接向き合う経験を積みました。そこで強く実感したのが、“品質は現場から生まれる”ということです。市場で起きている事象を正しく理解し、ユーザー目線で改善を積み重ねていく。その経験は、現在担当している次世代大規模ECU(電子制御ユニット)の品質保証業務にも大きく活きています。完成車メーカーに対し、「最終的にエンドユーザーが安心して使えるか」という視点を軸に品質づくりを推進することが私の役割です。デンソーに入社したのは、よりグローバルなフィールドで自身の品質保証経験を活かしたいと考えたからです。
加えて、世界中の完成車メーカーへ製品を提供している点にも大きな魅力を感じました。前職では特定メーカー向けの品質業務に深く携わることで専門性を高めることができましたが、一方で視野が限定されてしまう側面もありました。デンソーであれば国内外の完成車メーカーと関わりながら、多様な品質要求や開発思想に触れ、自身の経験をより広い領域で活かせると考えたのです。実際に業務を通じて感じているのは、完成車メーカーごとに文化や意思決定の考え方が大きく異なり、品質への向き合い方やプロジェクトの進め方にはそれぞれ特徴があります。あるメーカーで培った知見が別の案件で新たな価値として活かされる場面も多く、複数の完成車メーカーに携わることで自動車業界全体を俯瞰して捉えられるようになりました。世界トップクラスの自動車部品メーカーとして、多様な完成車メーカーから品質面で期待と責任を託されている。その実感こそが、デンソーで働く醍醐味だと感じています。
次世代モビリティの品質基準をつくる
デンソーが掲げる“2035年の交通事故死亡者ゼロ”という目標。その実現に向けて、品質面から支えるのが私たち品質保証部門の使命です。100年に一度とも言われる自動車業界の変革期において、デンソーは『CASE:Connected(コネクテッド)/Autonomous (自動運転)/Shared(シェアリング)/Electrification(電動化)』の肝となる技術を数多く担っていますが、 CASE領域の拡大により、クルマは従来以上に高度で複雑なシステムへと進化しています。
私が携わっている次世代の大規模ECUは、従来の車載ECUと比べて機能集約度が大きく向上しており、1台の車両の中核機能を担う存在です。いわば“クルマの頭脳”がさらに高度化・複雑化しているイメージで、それに伴い品質要求も格段に高まっています。難易度が高い分、品質保証として挑戦しがいのある領域だと感じています。大規模ECUは業界全体でも前例が少なく、確立された品質基準が十分に存在しない領域でもあります。そのため既存ルールを運用するだけではなく、品質の考え方や評価プロセスそのものを検討し、新たな基準をつくり上げていく役割を担っています。課題は多いものの、“これからのスタンダード”を自ら形にしていける点に大きなやりがいがあります。また、次世代製品という特性上、電動化やSDV(Software Defined Vehicle)といった最先端技術に日常的に触れられることも魅力の一つです。デンソーでは品質における専門性を体系的に強化する環境が整っており、ECU技術、信頼性設計、市場解析、顧客折衝まで一連のプロセスを横断的に経験できます。これまでの“既存品質を守る”役割から、“関係者と協働しながら品質をつくり上げる”役割へと変化し、今は自分自身が製品づくりの一員として品質を形にしている実感があります。
“Bad News First”が品質を強くする
交通事故死亡者ゼロを目指すうえで、クルマが“高性能”であること以上に重要なのが、“絶対的な品質”です。品質保証の判断の一つが製品出荷を左右するため、常にデータと客観性に基づいた意思決定が求められます。デンソーでは、お客さまが求める品質基準を満たすだけではなく、その一歩先を見据えた品質づくりが求められます。要求仕様をクリアすることがゴールではなく、「本当に安全か」「市場で長く安心して使えるか」という視点で品質を追求する文化があります。こうした厳しい品質意識が、世界中の完成車メーカーから継続的に信頼を寄せていただいている背景なのだと感じています。
デンソーの特徴的な文化が“Bad News First”です。問題やリスクをまず共有することを組織として徹底しています。悪い報告であっても「早く知らせてくれてありがとう」と受け止められる風土があり、現場が安心して課題を発信できます。仮に品質に関する問題が生じた際には、トップ主導で意思決定が行われます。グローバル拠点とも連携しながら解決まで一体となって動く姿には、他社では経験できなかったスピード感と責任感を感じました。こうした文化があるからこそ、“品質のデンソー”という信頼が世界中の完成車メーカーから寄せられているのだと実感しています。
世界品質を担うプロフェッショナルへ
私を成長させてくれた要素の一つが、日本でもトップクラスの技術を持つ先輩たちの存在です。品質保証チームには設計経験者や解析スペシャリストなど各分野の専門家が集まっています。「この領域ならこの人」と相談先が明確で、困ったときには自然と助け合える環境があります。私自身、エレクトロニクス領域はゼロからの挑戦でしたが、先輩方の支援と高い専門性に触れる中で着実に成長できています。高度な議論や実践的な知見に日常的に触れられることが、自身のスキル向上に繋がっています。さらに、品質部門としてスキルマップが整備されており、「今の自分はどのレベルで、何を伸ばせばどんなポジションに近付けるのか」が明確になっている点も、成長を後押ししてくれます。
また、デンソーではWill-Can-Must(Will:やりたいこと、Can:できること、Must:求められる役割)に基づいたキャリア設計が明確に可視化されています。現在は「3年以内に海外拠点で品質改善に貢献する」という目標を掲げ、上司との対話を重ねながら準備を進めています。
将来的には海外拠点での勤務にも挑戦し、お客さま視点で考える品質保証をグローバルで実践したいと思います。国内で培った品質の知見を一方的に展開するのではなく、各拠点が抱える課題や背景を理解しながら、「なぜその品質判断が必要なのか」「何を守るべきなのか」を共通言語として共有していくことが重要だと感じています。技術・品質の中核となる工場の視点で品質の判断軸を示しつつ、海外拠点と双方向で議論しながら品質レベルを高めていく。そしてグローバル全体で安定した品質を提供し続けることで、デンソーが掲げる“交通事故死亡者ゼロ”の実現に品質面から貢献していきたいと考えています。
◼️これから仲間になる方へ
意思ある挑戦が成長を加速させる
デンソーには、上司や各分野のスペシャリストと日常的に議論できる環境があります。自分が目指す姿を明確に描き、主体的に挑戦できる方ほど、多くの機会を得られます。品質を通じて社会に価値を届けたい方と、ぜひ一緒に成長していきたいと思っています。
