ERG(従業員リソースグループ/Employee Resource Group)(※)への参加、取り組みを推進するデル・テクノロジーズジャパンでは、LGBTQ+の理解促進をめざし、ゲストスピーカーを招いたランチタイム勉強会を行いました。
※ ERGとは、環境問題や異文化理解、女性活躍支援などのテーマごとに、同じ興味関心を持もつ社員同士が集まる有志コミュニティのこと。詳しくはこちら
本イベントは、LBGTQ+を支援するERGの「Pride」と、異文化理解を推進するERGの「Mosaic」が共同開催しました。
今回の勉強会に外部から来てくださったのは、LGBTにまつわる著書があり、自身の経験を活かして芸能・執筆・講演活動を行う牧村 朝子さん。ご自身の執筆活動について、「部屋の空気も時折入れ換えないと、よどんでしまうように、普段の暮らしの中で“いつもとちがう、外のもの”を取り入れてもらえればと願い本を書いている」と話します。
牧村さんの初恋は10歳の時。お相手は同性。恋した想いを22歳まで誰にも明かさずに過ごしたと言います。そして大人になってからはフランス人女性と出会い、フランスで結婚、離婚。
「女性を愛する女性として生きている。けれど、LGBTの当事者である感覚はない」
牧村さんのさまざまな活動の背景には、こんな想いがあると言います。
「人はそれぞれ、いろんな特性を持っている。それぞれが特性を活かしてうまく作用していけばいい。枠を作るのでもなく、枠に当てはめるのでもなく、境界線を広げていけば思考も創造性もぐんと広がっていく」
まずは、LGBTの歴史や諸外国におけるPrideイベントの様子を紹介してくれました。
「LGBTを知ることは、言葉を学ぶようなもの。外国の異文化理解と同義。言葉を知って、言葉を使って生きてきた人たちの歴史を知るのと同じように、捉えれば良いのではないでしょうか。
自分が自分であること、つまり『この体』からは逃れられない。いろいろな人と出会い、輪を広げ、いろいろな交流を持つことで安心を得たり、心の強さを持ったりできる」
そんな想いから牧村さんは、世界中をよく旅したと語ります。また、LGBTに関する教育についても話が及びました。
「社会のあらゆるところで配慮すべき事項が増えました。“なんだか面倒だな……”という気持ちも、正直芽生えるかもしれません。でも、それも素直な感情。そんな自分を許しながら、一つ進んで、「なんでそうなったんだっけ」と学びにつなげるステップが大事。配慮の難しさ、時代についていけない不安、あの発言は良くなかったかもというモヤモヤ......。
そうしたこともまた、時流の一部と捉えることができるはず。「時代に守られる側の人」と「配慮する人」に分かれるわけではない。一人ひとりがこの世をつくっているのだし、つくっていく。
LGBTであれ、障がい者であれ、マジョリティ側の人であれ、生まれてから続く人生があり、今がある。未来がある。どうして今、自分はここでこう生きているのかをつかんでほしい。そうすれば前を向くことも、一度休んでみることも、自由にできるようになる。空間を広げれば、風通しが良くなっていく」
LGBTや障がいのある人などのマイノリティも、いわゆるストレートや健常者といったマジョリティも、自分を理解し受けとめて、同じように他者を認めて受け入れることこそがインクルーシブの実践。
勉強会の後半では、具体的な質問もあがりました。
──飲み会や雑談の場でパートナーについて聞かれた時には、どうかわせばいいですか?
──家族デーに家族を呼ばないのか聞かれたら、どう回答すればいいですか?
「私は先生ではないので、あくまで私だったらどうするかというお話ですが……」と断りながら、牧村さんはご自身の考えを答えます。
「上手くかわそうとするよりも、『なんでそれ聞いたん?(笑)』とツッコミのトーンで相手の意図を探りますね(笑)。必ずしも関西弁で喋る必要はないですよ。ただ、軽いお笑いのトーンで返せば場の空気が重たくなることなく、深く追求されることもないのではと想像します」
──相手の態度や行為に対して、どこかモヤモヤが残ってしまった時はどうすれば良いのでしょうか?
「相手の何かが原因でモヤモヤが残る時は、それは私ではなく相手の問題として切り分けています。自分は好まないコミュニケーションを取る人もいる。そういう話を経て仲良くなれると信じている人もいる。ある種の流派だと思っています。正す必要も、迎合する必要もない。
自分のフィルターを外して、相手を、社会を、俯瞰する。『自分がマイノリティだからこんな扱いを受けるんだ...』と落ち込みそうになったら、『どうして相手はこういう態度や行為に出るんだろう』『なぜこういうあり方が社会ではマジョリティになったんだろう』と、観察者のつもりで考えてみるんです。弱者・強者といった土俵から外れて、空に飛び上がって全体を見てみるような感覚」
一人ひとりが自分の捉え方や考え方をしなやかにすれば、誰もが生きやすい環境をつくっていける。そのためには、LGBTQ+や障がい者、ワーキングマザーといった属性で捉えるのではなく、背景を知って、相手そのものと対話することが大切だと学んだ勉強会でした。
デル・テクノロジーズでは、ERGがリードする活動などを通して今後もダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでいきます。
▲イベント終了後には牧村さんを囲って、Prideグループのジャパンリードを務めるKanonさんと、Mosaicグループのジャパンリードを務めるToshiさんの間でERG活動や社内推進についてディスカッションを行いました
