ジャーナリズムへの関心から映像制作の道へ
大学時代は国際関係学部に所属し、国際法や各国のメディア学を学びながら「ジャーナリズム」について見識を深めました。メディアの価値が問われる現代において、各国のメディアの状況を自分自身で学びながら、日本の「ジャーナリズム」の必要性を考えてみたいという思いが原動力でした。また映像だけでなく、文学・芸術学にも知見を広げ、多くの作品に触れる日々を過ごしていました。
映像への興味は子どもの頃から芽生えていました。テレビや映画が好きで、映像の構成から1コマ1コマの撮り方まで細かく観察するのが楽しかったのです。高校生になると、映像を「作る側」への興味が湧き、この業界を目指すようになりました。就職活動では、映像への興味を軸に、映像制作の基本を学べるだろうとテレビ業界の番組制作会社のみに絞って活動していました。正直なところ、他の業界にあまり興味はありませんでした。
入社の決め手は、制作会社の中でも多彩な映像制作に携わっているので、特定のジャンルだけでなく、多くの映像制作に携われる可能性があったからです。選考過程で印象的だったのは、面接での逆質問で、「この会社で良かったと思った事はありますか?」と聞くと、「社員の気持ちを優先する点」と回答したことです。実際に入社してみても、自分のやりたいジャンルや業務内容を優先させてもらえていると思います。
生放送の現場で学んだ映像制作の基礎とバラエティーへの転身
入社後は生放送のニュース番組に配属され、映像素材の借用、ロケ準備、カメラの使い方などの基本的な作業を、業務をこなしながら学びました。当日の生放送が控えている中での研修でハードではありましたが、この経験は今でも活かせていると思います。緊張感のある現場で培った経験は、その後の仕事の土台となりました。
入社2年目からはバラエティー番組にADとして配属になりました。ニュース番組とはまた違う制作工程で最初は慣れない部分がありましたが、演出方法や編集技術は、バラエティー番組の制作で培われました。番組のジャンルが変わることで、新たなスキルを身につける機会を得られたと実感しています。
入社前は、演者やアナウンサーの方々はもっと距離のある存在だと思っていましたが、実際にはフレンドリーに制作メンバーと関わってくれています。制作・技術・演者が1つになることで、より良い番組が作れるのだと実感しています。このようなチームワークの良さは、入社前には想像していなかったポジティブなギャップでした。
現場で感じるテレビの影響力と真贋を見極める重要性を実感する日々
現在は専門職として主にキー局に常駐し、朝の生放送に向け、ニュースの企画構成から取材、ロケ取材、編集まで幅広く担当しています。ディレクターとしてオンエアで流す情報の取材から原稿作成、編集や演出などに携わっているほか、後輩の育成にも力を注いでいます。
これまでの経験では、ネットのニュースやSNSで批判の対象となっていた人物へ取材したのが最も印象に残っています。 自分で直接話を聞くことで、記事を読んだだけでは伝わらない、相手の人物像を感じ取れました。 デマや誤報もある中で、相手が伝えたい情報と、自分が伝えたい情報を両立させ、結果的には独自に放送することができたのです。 「情報を発信する側」だからこそ真贋を見極める重要性を感じました。また、この取材では、事件の被害に遭われた方から、憶測だけでなく本人の言い分もしっかり放送してくれたと感謝されたのが、とても印象深かったです。世間に知られていない事件を取り上げることで、解決の糸口となっていく様子を目の当たりにし、テレビの影響力の強さを改めて実感しました。
一方で、自分のリサーチ不足で、放送予定だったコンテンツがオンエア直前に放送できなくなってしまい、演者に迷惑をかけてしまったという苦い経験もあります。
学生時代と比べて最も成長したのは、メンタル面の強さです。朝の生放送では、オンエア中に想定外の速報が入ることもありますが、どんな場面でもたじろぐことなく毅然とした対応ができるようになりました。様々な業務を通じて経験値が上がり、困難な局面でも冷静に向き合える力が身についたと感じています。
未来への挑戦と採用候補者へのメッセージ
今後はドキュメンタリー番組などで、「誰も取材したことのない人」の映像を撮りたいと思っています。有名な人物や企業ではなく、「現代社会を影で支えた存在」などにフォーカスすれば、誰も見たことのないような映像や情報が発信できると考えています。そして将来的には、自分が企画構成をした番組を持ちたいという目標があります。
その目標に向けて、業務内では取材でのヒアリングの手法や視聴率がどのように変化しているかなど、細かい部分にもアンテナを張るほか、プライベートでVTR編集技術を独自に学ぶなど、着実にスキルアップするよう心がけています。
採用候補者の皆さんには、映像制作に興味があれば、楽しんで仕事ができる環境だということをお伝えしたいです。例えば、まだ自分のスキルに自信がない場合は、それに見合った業務に就くこともできますし、スキルだけでなく「やりたいこと」も反映したうえで異動を検討してくれるなど、柔軟に対応してくれます。なので、やりがいを持って活躍できるのではないでしょうか。
私自身、学生時代に映像の専門知識や機材の扱い方、映像編集に使うアプリの操作などを学んだわけではありません。こうした知識やスキルは仕事をしながら身につけました。なので、映像制作が好きであれば「自分の感覚」や「こだわり」を徹底的に信じてほしいのです。いかに面白い映像を作るかの世界なので、この2つの軸を守っていけば、見る人たちの心に響く作品ができると思っています。
