サッカーと音楽、そして橋梁研究――多彩な学生時代が導いた就職の軸
高校まではサッカー部一色の日々でした。ボールを追いかけることが生活の中心で、仲間と汗を流す時間が何よりも大切でした。ただ、大学に入ってからは新しい世界が広がりました。理系の道に進み、ゼミでは橋梁の構造観察と計測システムの構築という専門的な研究に没頭するようになったのです。実際の道路に建設されている橋にひずみセンサーを取り付けて、車が通過した際の数値を測定し、構造的な安全性や周期性を確認していく作業は、地道ではありましたが非常にやりがいのあるものでした。最終的には測定システムの構築とインフラの経年変化について論文をまとめることができ、理系分野での学びが自分の考え方のベースになっていくのを実感しました。
一方で、大学生活では音楽という新たな挑戦もありました。軽音楽バンドを結成し、自作の曲づくりやライブハウスとのブッキング交渉、活動利益の精査など、バンド運営に関わるあらゆることに注力しました。研究室での緻密な作業とは対照的に、バンド活動では人と関わりながら物事を進めていく楽しさを味わうことができました。振り返ってみれば、学生時代には生徒会長や部活の主将など、人前に立って活動する機会が多くありました。統率力を発揮したり、コミュニケーションを取りながら物事を進めていったりすることに、自分なりの強みを感じていたのです。
そうした経験が、就職活動における軸を形作っていきました。漠然とではありましたが、多くの方とコミュニケーションを取りながら案件を遂行していく仕事がしたいと考えるようになったのです。同時に、理系分野を専攻してきた背景から、専門的な知識を要する職種にも興味がありました。業界や職種を最初から絞り込むのではなく、「コミュニケーション」と「専門性」という二つの軸を大切にしながら企業研究を進めていきました。この二つは一見すると相反するようにも思えますが、私にとっては両方とも欠かせない要素だったのです。
そんな中で出会ったのが、今の会社でした。面接を受ける中で、社内の人間関係の風通しの良さについて印象的な話を聞くことができました。対応してくださった社員の方から「上下あまり関係なく助け合いながら案件を遂行している」という言葉を聞いたとき、ここなら自分らしく働けるのではないかと感じたのです。さらに、やりがいの部分についても魅力的なお話がありました。先輩方や上司のサポートのもと、若くして重要な案件の旗振り役をやらせてもらえるという話を聞き、会社の中心人物として働けるという感覚が強く芽生えました。
面接で特に印象に残っているのは、自分の意志や気持ちを大切にしてくれると感じた場面です。「会社に入ってどのように活躍したいですか」「やりたいことは何ですか」といった質問は一般的なものかもしれませんが、真摯に耳を傾けてくださっている姿勢が伝わってきました。就職活動の軸としていたコミュニケーションと専門性、その両方において高いマッチ度を感じられたことが、入社を決める一番の決め手となりました。自分がこれまで培ってきた経験と、これから挑戦したいことが重なる場所を見つけられた、そんな確信がありました。
充実した研修プログラムと、段階的な成長を支える現場教育
入社後、まず1週間ほどの社内全体研修を受けました。会社全体の仕組みや理念、ビジネスの流れを学ぶ大切な時間でしたね。その後、約1ヶ月間にわたって営業サイドでのOJT研修が始まりました。3つの部署をローテーションで回りながら、実際の営業活動を間近で見て学ぶことができたんです。正直なところ、理系出身の私にとって営業という仕事は未知の領域でした。最初は「営業で必要なのはしゃべる力だ」と漠然と思っていたのですが、実際に現場で先輩方の仕事ぶりを見ていると、全く違う景色が見えてきました。最も重要なのは傾聴の姿勢だったんです。お客様の要望を確実に聞き出し、それを正確に理解する。そして理解した内容をもとに、さらに高いレベルの提案につなげていく。その一連の過程を目の当たりにして、コミュニケーションの本質を学ぶことができました。先方との打合せ時に必要な傾聴姿勢や、商社という会社の流れについて丁寧に教えていただき、技術者としてだけでなく、ビジネスパーソンとしての基礎を築くことができたと感じています。
営業研修を終えると、いよいよ設計課での研修が始まりました。まずは3日間ほどのCAD操作講習からスタートです。学生時代にもCADには触れていましたが、実務で使うレベルとなると操作の正確性やスピードが求められます。基本操作から応用まで、集中的に学ぶ時間となりました。その後、約2ヶ月にわたる製図訓練に入りました。組図から部品を作成するバラシ作業を中心に、製図のルールや図面の専門用語について徹底的に教えていただきました。CADの操作感については、ある程度の期間が経てば習得できるものだと実感しました。しかし、本当に難しいのはそこからでした。お客様の要望に応えるための構想設計力は、一朝一夕では身につかないんです。「経験がものを言う」とはまさにこのことだと痛感しました。どうすれば相手の求めているものを形にできるのか、どんな構造が最適なのか。そうした判断力は、実際の案件を通じて少しずつ培っていくものなのだと理解しました。
研修を通じて感じたのは、この会社が技術者を育てることに本気だということです。段階を追って学べる環境が整っていて、営業と設計の両面から物事を考えられる視点を養うことができました。入社前に抱いていたイメージと実際の会社の雰囲気に、大きなギャップはありませんでした。むしろ、想像以上に教育体制が充実していて、一人ひとりの成長を大切にしてくれる会社だと感じました。そして研修を終えて配属された部署は、研修を受けた設計課そのものでした。学んだことをすぐに実践できる環境で、いよいよ本格的なキャリアがスタートしたのです。
検査具の新境地を切り拓く─パッケージ品確立への挑戦と成長
現在私は営業本部の設計課で係長として、既存の検査具案件を守りながら新規ユーザーや新規商材の開拓という、ある意味二つの顔を持つ仕事に携わっています。日々取り組んでいるのは、既存検査具関連の案件遂行はもちろん、新規ユーザーの開拓、そしてパッケージ品の創造といった新規商材の開発です。さらには検査具と自動化、インライン化を組み合わせた総合ソリューションの提案も手掛けています。設計者ならではの視点でFAやロボティクスに対応し、新しい中央工機のスタンダードを確立することが私たちのミッションです。
この仕事で最も大きな成功体験となったのは、中央工機が長年培ってきた検査具のノウハウと最新センサー技術を組み合わせたパッケージ品の確立です。初めて世に送り出した中央工機オリジナルのパッケージ品が、大手センサーメーカーに採用され、国内外で数百台規模という大きなスケールでご採用いただいた時の喜びは忘れられません。新規商材の創造という目標を達成できただけでなく、新規ユーザーでの実績も大きく積み上げることができました。このプロジェクトは、単なる一つの製品開発ではなく、中央工機の新しい可能性を切り拓いた瞬間だったと感じています。
ただ、このパッケージ品を確立する過程は決して平坦な道のりではありませんでした。既存案件では通常それほど解像度を上げない部分、たとえばコスト面、デザイン面、汎用性といった要素にもこだわり抜く必要がありました。要求仕様を満たすことは当然として、それ以上の価値を生み出すために試行錯誤を重ねました。製品として成立させるためには、技術的な完成度だけでなく、市場性や使い勝手まで考慮しなければならず、その全てのバランスを取ることに苦労したのです。
一方で、この仕事には日々のプレッシャーもあります。設計物の不具合や問い合わせは日常茶飯事で、連絡が入るたびに胃が痛くなるような思いをしています。しかし、この経験が私を成長させてくれました。構造物の原理やメーカー様のノウハウを聞くたびに、机上の理論ではない生の現場の声に触れることができ、それが次の構想設計のクオリティ向上に直結しているのです。現場からのフィードバックは時に厳しいものですが、それこそが最高の学びの場となっています。
入社してから現在までの間で、私の仕事のスタイルを形作った大きな転機がありました。それは設計部長との出会いです。部長から学んだ考え方や仕事の進め方が、今の私のスタイルのベースとなっています。学生時代と比べて、物事を正しく理解し適切な回答をある程度高いレベルでできるようになったと感じますし、打ち合わせにおける会話力も大きく向上しました。お客様やチームメンバーと的確にコミュニケーションを取り、課題を解決に導く力が身についたのです。
現在、最もやりがいを感じる瞬間は、中央工機の構想力で実現させたオーダーメイドの検査具や検査システムがお客様から称賛されることです。特に大きな金額の売上が立った時には、達成感もひとしおです。技術者として自分のアイデアや設計が形となり、それが顧客の課題解決につながり、さらには会社の業績にも貢献できる。この一連の流れを実感できることが、この仕事の大きな魅力だと思っています。
自動化の先に描く未来、共に事業革新を遂げるために
短期的な目標として、私が今最も力を入れて取り組みたいのが、FAの一環として検査ユニットの自動化を推進していくことです。自動化を実現するためには、必要となる構成機器をざっくりと頭に描けるようになることが重要だと考えています。そのため、まずは小規模な自動化案件から着手し、案件クローズまでの一連の流れを複数経験していきたいと思っています。この経験を積み重ねることで、ゆくゆくは無人化まで実現できる知識と技術を身につけていきたいです。そのために必要な知識や経験を蓄えることが、今の私にとって最優先の課題だと感じています。
中長期的には、もっと大きな目標を掲げています。現在取り組んでいる新規開拓事業を、一つの独立した部署として立ち上げることです。より効率良く、そしてハイレベルな動きができるように組織化していきたいと考えています。そのためには、有識者のメンバーを増員したり、外注先を巻き込んだりしながら、チーム戦略を展開していく必要があります。その中で私自身は、リーダー的な立ち位置でチームマネジメントを行いながら、専門性に特化した戦略創造や技術支援を担っていきたいと思っています。
どんなチームを作りたいかと聞かれれば、開発案件に携わることも多いので、各メンバーからクリエイティブな発想が飛び交うようなチームが面白いと思います。そして、想像した内容を実現するべく、各段取りや役割を明確にし、フォローアップも欠かさない連携が取れているチーム。そんな理想のチームを作り上げていきたいです。個人としては、量と質どちらも兼ね備えた案件対応ができる人材に成長したいと考えています。
新しく入社される方には、検査や測定に関しての知識がある方、そして前向きで新しい仕事に挑戦していける気概がある方に来ていただきたいですね。自らで考え行動していける能動的な方は、より仕事を楽しめると思います。専門性が高い商社という特性上、FAやロボティクス、精密測定など、常に最先端の技術に触れられることが大きな魅力です。大型案件では営業チームと専門チームがタッグを組んで案件を遂行していくプロセスがあり、そこには大きなやりがいと達成感があります。
物事をポジティブに捉え、楽観ではなく前向きに、新しいことにも率先して挑戦できる気概があれば、きっと上手にやっていけると思います。新しく入社する方と一緒に、中央工機の新たなるスタンダードを確立すべく、事業革新を共に遂行していきたい。そんな思いで、皆さんをお待ちしています。

