高校時代のロボット競技から始まった、ものづくりへの情熱
高校時代にロボット競技大会に参加したことが、私の人生の方向性を決定づける大きな転機となりました。その大会で初めて、自分の手で設計し、組み立てたロボットが実際に動く瞬間を目の当たりにしたとき、言葉にできないほどの感動を覚えたのです。機械が意図した通りに動作する様子を見て、ロボット工学という分野の奥深さと可能性に強く惹かれるようになりました。この経験が、大学で工学部ロボット工学を専攻する決め手となったのです。
大学に入学してからは、ロボット工学の勉強に没頭する一方で、バスケットボールにも力を注いでいました。実は、バスケットボールを始めたきっかけは、かっこいいバスケットボールシューズを履きたかったという、とても純粋で単純な理由でした。最初は軽い気持ちで始めたバスケットボールでしたが、次第にチームプレーの面白さや、日々の練習で技術が向上していく達成感に魅了されていきました。コートの上で仲間と汗を流す時間は、研究室での知的な挑戦とはまた違った刺激を与えてくれる、かけがえのないものとなっていました。
学部から博士課程へと進む中で、私の研究テーマは人とロボットの協働や遠隔操作に関するものへと深化していきました。特に力を入れていたのは、人の操作意図をロボットに正確に反映させる手法の開発と、作業効率を向上させるための研究です。人間の微妙な動きや意図をどのようにロボットに伝え、いかに自然な協働作業を実現するか。この課題に取り組む日々は、まさに私が高校時代に感じたロボットへの情熱を学術的に追求する時間でした。
博士課程を修了した後は、一般的な流れに沿ってポスドクの道に進みました。研究者としてのキャリアを歩み始めた時期でもあり、自分の研究をさらに深めていく機会を得られたことは幸運でした。就職活動を意識し始めた頃、私の中で明確になっていた軸は「ロボット関係」でした。それは単に学んできた分野だからという理由だけではなく、実際に社会に価値を提供できる分野としてのロボットに大きな魅力を感じていたからです。研究室の中だけで終わる知識ではなく、実社会で人々の生活を豊かにし、産業を支える技術として、ロボット工学の持つ可能性を信じていました。学生時代から一貫して追い求めてきたロボットという分野で、今度は実践的な形で社会に貢献したいという思いが、私の就職活動の原動力となっていたのです。
地元企業の自動化に技術で貢献した前職時代と、新天地を求めた決断
前職では、地元の中小企業の自動化プロジェクトにおいて、ロボットシステム開発の支援に携わっていました。私は技術リードとしてプロジェクトに参画し、要件定義からシステム設計、実装、そして現地導入まで、一貫して担当していました。中小企業の現場では、大企業のような潤沢な予算や人材があるわけではありません。だからこそ、限られたリソースの中で最大限の効果を発揮できるシステムを設計することが求められました。お客様の現場に足を運び、実際の作業工程を観察し、課題を洗い出し、それを技術的なソリューションに落とし込んでいくプロセスは、非常にやりがいのある仕事でした。
その中でも特に印象に残っているのは、組立ラインの生産効率を2倍に向上させることができたプロジェクトです。当初、お客様からは既存の工程を単純に自動化したいという要望をいただいていました。しかし、現場を詳しく分析していくうちに、単にロボットを導入するだけでは根本的な効率改善にはつながらないことが見えてきました。作業の流れそのものを見直し、ボトルネックとなっている工程を特定し、それを解消するための工程設計から考え直す必要があったのです。技術的な課題はプログラムだけでなく、工程設計や運用面も含めて総合的に考える必要があることを、このプロジェクトを通じて実感しました。
もちろん、プロジェクトは順風満帆ではありませんでした。システムを導入した後も、現場での細かな調整が必要になることが多々ありました。想定していた動作と実際の現場での動きにギャップがあり、そのたびにお客様と密にコミュニケーションを取りながら、柔軟に対応していく必要がありました。この経験から、事前の計画だけでなく、現場での柔軟な対応力とお客様とのコミュニケーションの重要性を学びました。技術者として、技術的な知識やスキルだけでなく、お客様の課題に真摯に向き合い、共に解決策を見出していく姿勢が何より大切だと感じたのです。
そうした充実した日々を送る中で、私の中にある思いが芽生えてきました。それは、別の国で生活してみたいという思いでした。技術者としてのキャリアを積む中で、異なる文化や環境の中で自分の力を試してみたい、新しい視点を得たいという気持ちが強くなっていったのです。そして転職活動を始め、最初に内定をいただいた会社が中央工機でした。それが転職の決め手となりました。新しい環境で、これまでの経験を活かしながら、さらに成長していける可能性を感じ、新たな一歩を踏み出すことを決意したのです。
技術担当として描く、お客様に寄り添うソリューションの形
現在、私は営業革新課にてロボット事業における技術担当として働いています。この部署のミッションは、お客様のニーズを的確に把握し、ロボットを活用した自動化ソリューションを提案することです。具体的には、協働ロボットやAMR(自律移動ロボット)の提案から、デモ構築、現地導入、セットアップまで、一連のプロセスを一貫して担当しています。また、お客様それぞれが抱える課題に応じた自動化ソリューションの検討や技術的なサポートも私の重要な役割となっています。チーム内では技術リードとして、ロボット案件における技術的な方針策定や実装、現地対応を任されています。前職で培ったロボット開発や自動化プロジェクトの経験が、この仕事に大きく活かされていると実感しています。特に、お客様の現場課題を踏まえたシステム設計や、現場対応力、トラブルシューティングといった面で、過去の知見が役立っています。
この仕事で最も大きなやりがいを感じたのは、お客様の製造ラインにロボット自動化を導入し、生産効率を大幅に向上させることができた案件です。お客様からも高い評価をいただき、この仕事の価値を強く実感した経験となりました。技術を単に提供するだけでなく、お客様の現場における本当の価値創出に貢献できたことは、技術者として何よりの喜びでした。
一方で、この仕事には困難もあります。印象に残っているのは、現場での導入時に想定外の事態に直面した経験です。事前に想定していなかった環境要因によって、ロボットが想定通りに動作しないという課題が発生しました。この時は、お客様と密にコミュニケーションを取りながら、工程や運用方法も含めて見直しを行いました。技術的な調整だけでなく、運用面からも改善策を検討し、最終的には安定稼働できる形に改善することができました。この経験から、技術だけでなく現場全体を見渡す視点の重要性を学びました。
お客様とのコミュニケーションにおいては、課題の本質を正確に理解することを何より大切にしています。表面的な要望だけを聞くのではなく、その背景や現場の状況まで丁寧にヒアリングすることを心がけています。技術的な観点だけでなく、運用面やコストも含めて最適な提案を行うことで、お客様にとって本当に価値のある解決策を提供したいと考えています。博士人材として培った探究心と論理的思考力は、こうした複雑な課題を紐解く上で大きな武器となっています。商社という立場だからこそ、技術と現場をつなぐ架け橋として、より実践的で価値あるソリューションを生み出せると信じています。
技術とビジネスをつなぐ人材へ――挑戦と成長を続ける未来
短期的には、ロボット導入における技術対応をより体系化・標準化し、個人に依存しない体制の構築に取り組みたいと考えています。これまで現場での対応は、どうしても個人の経験やノウハウに依存する部分が大きかったのが実情です。そのため、現地対応やセットアップ手順を整理し、ドキュメント化・標準化することを想定しています。また、トラブル事例や対応方法をナレッジとして蓄積・共有できる仕組みを整備し、チーム全体で再現性のある対応ができる体制を構築したいと考えています。さらに、案件ごとの対応フローやチェックリストを整備することで、対応品質の安定化と効率化を図っていきたいと思っています。
もう一つの短期的な目標として、画像処理やAI技術の活用を強化し、より付加価値の高い自動化ソリューションを提案できるようになることを掲げています。現場での自動化案件に携わる中で、従来のプログラムだけでは対応が難しいケースがあることを実感したことがきっかけです。特に、対象物のばらつきや環境変化に柔軟に対応するためには、画像処理やAI技術の活用が不可欠であると感じるようになりました。そのため、これらの技術を強化することで、より高度で付加価値の高い自動化ソリューションを提供できるようになりたいと考えています。
将来的には、ロボット技術と事業の両面を理解し、技術とビジネスをつなぐ役割を担える人材を目指したいと考えています。技術だけを極めるのではなく、お客様の課題や事業全体を見渡せる視点を持ちながら、価値提供できる存在になりたいという思いがあります。
今後は、ロボットやAIなどの技術に興味を持ち、自ら学びながら成長していける方にジョインしていただきたいと考えています。また、技術だけでなく、お客様の課題に向き合い、価値提供までやり切る責任感を持った方に来ていただけると嬉しいです。当社で活躍できるのは、技術力だけでなく、お客様の課題に真摯に向き合い、自ら考えて行動できる方だと考えています。特に、変化の多い分野であるため、新しい技術や未知の課題に対しても前向きに挑戦できるマインドが重要です。また、現場での対応力やコミュニケーション力を活かしながら、チームとして成果を出せる方が活躍できる環境だと思います。
組織としては挑戦を後押しする風土があり、新しい技術や取り組みに対して前向きにチャレンジできる環境が整っている点も大きな魅力です。変化の多い環境の中でも前向きに挑戦し、チームとして成果を出していける方と一緒に働きたいと考えています。
最後に、採用候補者の皆さんへメッセージを送りたいと思います。ロボット分野は変化が速く、常に新しい技術が求められる領域です。そのため、知識やスキルだけでなく、自ら学び続ける姿勢が非常に重要だと感じています。また、実際の現場では想定通りにいかないことも多いため、柔軟に考え、課題に向き合う力も大切です。ぜひ、自分の強みや興味を活かしながら、主体的にチャレンジしていってほしいと思います。

