POSとキャッシュレスで業務負担を軽減。決済システムを軸に現場の課題と向き合う
決済・FinTech領域の新規事業ポートフォリオの中でも、とくに医療領域を担う医療DX推進部。クリニック向けPOSやキャッシュレス決済といったフロント業務のデジタル化を起点に、院内業務全体の効率化を推進しています。
「医療DX推進部は、クリニック向けPOSレジシステムやキャッシュレス決済を中心としたソリューションを通して、会計・決済業務のデジタル化を支援する部署です。レジ業務の負荷軽減やオペレーションの標準化などを実現し、クリニックの業務全体を包括的にサポートしています」
今や医療業界におけるDXは、単なる効率化にとどまらず、経営課題そのものに直結するテーマとなっています。医療DX推進部が担うのは、会計・決済といった日常業務に直結する領域からDXを実装し、“使えるデジタル”を現場に届ける役割です。
「電子カルテなどのデジタルツール導入は少しずつ進んでいますが、まだ紙の運用が多く残っているのも事実です。少子高齢化にともない、医療現場の人手不足はますます深刻になっています。業務のスマート化が進めば、医療従事者の業務負担を軽減できるだけでなく、サービスの品質向上や待ち時間の短縮など、患者満足度を高めることにもつながります。
さらに、マイナンバーカードの健康保険証利用が本格的に普及すれば、服薬履歴などの情報と連携したデータ活用も可能です。飲み忘れや重複投薬を防止することで、患者さんの健康寿命の延伸にも貢献できるでしょう。決済システムは、そのための重要な“入口”になると考えています」
井上が担うのは、医療DXを現場へと橋渡しする営業のポジション。ソフトバンクのグループ企業としてのアセットとネットワークを生かしながら、全国のクリニックに向けて提案活動を展開しています。
「オンライン・オフラインの両方で面談を行い、各地の先生方とお話ししています。新規開業の先生方はとくにお忙しく、オンラインでの商談を希望されるケースが少なくありません。相手のニーズや状況に合わせたコミュニケーションを心がけています」
導入コストやITリテラシー、セキュリティへの不安など、多くのハードルが存在する医療DX。その最前線に立つ井上がとりわけ大切にしているのが、医療従事者の目線、そしてその先にいるエンドユーザーである患者さんの視点です。
「子どもが4人いるので、患者として病院に行く機会が多く、家族が受診する際に院内の動線や待ち時間、受付の様子などをよく観察しています。妻が看護師として働いているので、現場のリアルな話を聞くことも多くて。医療従事者の方に丁寧にヒアリングし、課題を深掘りするのはもちろんですが、そうした日常の気づきや情報収集が、提案の引き出しになっています」
MRから医療DX営業の最前線へ。後発だからこそ、攻めの姿勢で新たな市場開拓に挑む
忙しさから思うように健康診断に行けない自営業の父の姿を間近で見てきた井上。「なかなか病院に通えない人の役に立ちたい」と医療業界に関心を持ち、大手医療メーカーのMRとしてキャリアをスタートさせました。
「人工透析を受けている患者さん専門のクリニック向けに、医薬品や医療機器の提案を行っていました。当時意識していたのは、自社製品を売るだけの営業ではなく、もう一歩踏み込んだ付加価値の提供です。分院展開を検討されている先生方のお話を伺う中で、物件探しをお手伝いするなど開業コンサルのような役割も担っていました」
井上にとって大きな転機となったのが、コロナ禍。ITの力で医療現場のオペレーションが一変する様子を目の当たりにしたことが、キャリアを見つめ直すきっかけになりました。
「非接触で医療業務が回る仕組みが一気に整備され、それまで紙で管理していたクリニックの方たちが、タブレット端末を片手に業務を進めるようになったんです。ITのインパクトを強烈に実感した瞬間でした。
医療業界にも、これから本格的にデジタル化の波が来る。医療機器だけでなく、ITの領域にも深く関われる環境に身を置きたいと思ったことが、転職を意識したきっかけです」
医療とIT、双方に強みを持つ企業を探す中で出会ったのがSB C&S。グループのシナジーを生かした幅広いプロダクト群と、長年のIT流通事業で培った技術基盤をもつ同社は、井上にとって理想的な環境でした。
「当時、私自身が課題に感じていた医療業界のキャッシュレス化に取り組んでいる企業は、SB C&Sを含めてごくわずか。また、IT製品の販売だけでなく、販売パートナーと連携した包括的なソリューション提案ができる点も魅力でした。
入社の決め手になったのは、面接官だった今の上司から『医師の方々の意思決定を情報や仕組みで支える役割になれるよ』と言われたことです。私の根底にも、『先生方の力になりたい』という思いがあったので、その説明が印象に残りました。ITに強い医療従事者は多くありません。プロフェッショナルとして先生方と向き合える環境に魅力を感じ、入社を決めました」
入社後、MR時代に培った経験を武器に、早くから商談の場に立った井上。自由度の高い環境の中で、存分に存在感を発揮してきました。
「電子カルテメーカーや医療系卸企業といった販売パートナーと連携したキャンペーンの企画を立ち上げるなど、かなり裁量を持たせてもらっています。前職では競合が4〜5社程度でしたが、今は10社以上がひしめく市場。私たちは後発だからこそ、どうすれば販売パートナーに選ばれるかを常に考え、提案しています。
シェアナンバーワンの立場で守るより、攻める側のほうが性に合っていますし、仕事としてもやりがいがありますね」
現場で感じるデジタル化の確かな前進。業界全体への貢献実感がモチベーションに
クリニックの業務効率化とデジタル化を、現場レベルで推進する井上。導入後の反応がダイレクトに返ってくることも多いと言います。
「先週も、自動釣り銭機がセットになった製品を採用いただいたクリニックのシステム導入に立ち会ってきました。スタッフの方が『本当にこんなに簡単でいいの?』と驚かれていて、たまたまその場にいらした患者さんも、『コンビニみたいに便利になったね』と目を丸くされていたのが印象的でした。
『ここ、もう少し何とかならない?』と改善点を指摘いただくこともありますが、それも当事者のリアルな声。率直に言っていただけるのは、むしろありがたいですね」
現場で得た気づきや課題を持ち帰り、プロダクト改善につなげていくことも井上の重要なミッションの一つ。ここにも、仕事の醍醐味があると話します。
「すべての要望に応えられるわけではありませんが、クリニックから寄せられた声は社内で共有しています。開発チームともディスカッションしながら、優先度を決めて改善に反映していくイメージです。
前職では開発メンバーと物理的にも心理的にも遠く、先生方からいただいた改善要望がなかなかプロダクトに反映されませんでした。今は開発メンバーとの距離が近く、意思決定もスピーディーです。手応えを感じながら仕事ができています」
キャリアを通じて井上が一貫して大切にしてきたのは、「誰かの役に立ちたい」という思い。SB C&Sへの転職後、そう感じる瞬間が増えたと語ります。
「システムを導入すると、患者さんがごく自然にキャッシュレスを使う流れが生まれていきます。それは、患者さんの中に『本当はこうしたかった』という潜在的なニーズがあったということ。スタッフの方の業務負荷が目に見えて減っていくのも実感できますし、現場の課題が一つずつ解消されていくプロセスを目の前で見られるのは大きなやりがいです。
また、プライベートで受診したクリニックにキャッシュレスが導入されていると、たとえそれが他社のサービスだったとしても、『この流れを作っているのは、業界全体で取り組んできた結果だ』と感じます。
先生方、ひいては患者さんの役に立ちたくてこの業界に入りましたが、転職してからは、そうした業界全体への貢献を肌で感じる機会が増え、それが次の挑戦を後押ししています」
自由度の高い環境が育む挑戦マインド。現場と技術をつなぐスペシャリストをめざして
入社以来、井上の挑戦を支えてきたのが、SB C&Sの柔軟で開かれた組織環境です。自由度の高い働き方と、部署の垣根を越えて広がるネットワークが、高いパフォーマンスの原動力になっていると話します。
「定期的に在宅勤務を取り入れさせてもらっています。子どもの朝の準備を手伝うなど、通勤にかかっていた時間を家族の時間に充てられるのは、本当にありがたいですね。
中途入社のメンバーが多く、社員同士の交流が活発なのもSB C&Sならではです。年度初めには部署内でキックオフがありますし、同時期に入社した中途社員を集めてリモート懇親会が開かれたこともありました。コロナ禍が落ち着いた今では対面での懇親会やワークショップが開催されていると聞いています。
自分たちのチームだけでは解決できない課題も多いので、他部署の方とつながれる仕掛けを会社が用意してくれているのは、とても心強いです」
今後、DXの動きがさらに加速する医療業界。その中で井上が重要だと語るのが、「スピード感」と「変化への適応力」です。
「新しい技術が次々と社会実装されていく業界なので、トレンドをキャッチアップしながら提案できるところも、この仕事のおもしろさだと思っています。
業務の進め方にしても、気持ちの切り替えにしても、スピード感を持って動ける人にとって、とてもフィットしやすい環境ではないでしょうか」
そんな井上が描く将来像は、医療DXのスペシャリストとして現場と技術をつなぐ存在になること。このチームだからこそ、築けるキャリアがあります。
「医療DX推進部は、会計まわりにとどまらず、医療DX全体を視野に入れた取り組みを進めています。だからこそ、自分自身も領域を限定せず、柔軟に提案できる存在でありたいと思っています。
中でも、今とくに関心があるのがAIを活用した医療です。バックオフィス業務を中心に、広い領域で効率化につながる仕組みをAIで実現できれば、医療従事者や患者さんにとってさらに便利な世界になるはず。そんな未来づくりに貢献できる営業でありたいですね」
※ 記載内容は2025年11月時点のものです
