メンバーとの密なコミュニケーションが、快適な店舗づくりへの近道
群馬県にあるカインズ赤堀店で店長として働く山口 千秋。メンバー一人ひとりが「その人らしく」活躍できる場所づくりを意識しながら、店舗に関わるすべてに携わっている日々です。
山口 「赤堀店には、正社員からアルバイトまで、含めて約30名弱のメンバーがいます。私は店長としてみんなを束ねる立場ではありますが、常に日々メンバーのみんなに助けられながら店舗運営をしています。
目指すのは、赤堀という店舗があるこの地域全体を支えるようなカインズであること。お客様が楽しく買い物できる場所であり、また来たいと思ってもらえる店舗づくりが最大のミッションです。そしてもうひとつ、店舗で働いているメンバーが快適に、やりがいを持って働けるような環境づくりも重要です」
このふたつのミッションを成し遂げるために、山口が大切にしていることがあります。それは、メンバーとのコミュニケーションです。
山口 「赤堀店で働くメンバーは、下は高校1年生から私よりも年上でキャリアがとても長い方まで、年齢も経験値も幅広いんです。その中で店舗運営を円滑に進めていくためには、コミュニケーションが欠かせません。
私はいつも、メンバー一人ひとりの得意なことと苦手なことを自分の中で整理し、良い面はさらに伸ばし、得意ではない面はどうやって解決していくかを伝えるようにしているのですが、同時にメンバーからも、遠慮せずにいろいろな意見が聞きたいんです。
でも、『店長』という立場上、私に対して言いにくい内容や場面があると思うんですね。その壁をいかに払拭するかを常に考えています。店舗運営に対して思うことや提案はもちろん、何か困ったら自分一人で抱えて悩むのではなくて、『ちょっと店長に相談してみようかな』と話しかけてもらいやすい空気感を作り出すこと。それを特に意識しています」
幾多の経験を経て得た数々の気づき。周囲からもっと学び取れたはず、という想いも
山口がカインズに入社したのは、大学卒業後の2013年。そのときの志望動機は、いまでも明確に覚えていると言います。
山口 「私が就職活動をしていたときテーマにしていたのは、『自己成長』でした。より自分が成長できる会社はどこか。そんな目線でさまざまな企業を見ていく中で、まさにカインズという会社がぴったりだと感じたんです。
当時のカインズは、ジョブローテーションというシステムがあり、ひとつの分野を専属的に突き詰めるというよりも、一定の期間で部署や店舗を異動し、より多くの経験をすることに重きが置かれていました。私自身、『経験こそが自己成長に直結する大切な部分』だと考えていたので、ジョブローテーションでさまざまな経験ができる点に大きな魅力を感じました」
実際に、山口は入社した2013年から2022年12月現在まで、6つの店舗を経験してきました。3店舗目からは、店舗に置かれる商品をカテゴリ別にまとめたラインマネジャーを務め、2020年にはIS伊勢崎店の店長へとステップアップ。
山口 「店舗ごとに特性やラインが異なりますし、働くメンバーもバラエティ豊か。それぞれで学べる幅が本当に広いと感じます」
そんな、日々成長を続ける山口ですが、挫折を感じたこともありました。
山口 「初めて店長になったIS伊勢崎店のときのことです。それまでやっていたラインマネジャーから念願の店長になったわけですが、店長業務も店全体を回していく術もわからず、スキル不足が否めませんでした。
以前から『店長になりたい』と言っていたのに、どうしていずれ到達することになるはずの未来の自分のためにもっと学んでこなかったのか、と……。ラインマネジャー時代から、わからないことはどんどん聞ける状況はあったはずなのにと、後悔が募りました。
誰もが日々の業務で忙しい中で、『こんなこと聞いていいのだろうか』『電話して聞いてもいいのかな』などと思ってしまって。雑談の中で質問できる度胸もなかったんです」
そんな右も左もわからない山口にとって、心強いサポートをしてくれたのが、周囲のベテラン店長の存在でした。
山口 「私がいまいるエリアには、全部で13の店舗があるのですが、週に一度エリアミーティングを行い、会社の連絡事項や各店舗の課題などを共有する場があります。そのつながりの中で、店長になったばかりの私に対して、『何か困ってることはない?』と気にかけてくださる他店の店長さんがたくさんいて……。
本当にありがたかったです。困ったときフランクに質問できるような関係性を築けるようにと、私自身も意識してコミュニケーションをはかることを心がけるようになりました」
多彩なメンバーを束ね、互いに成長していく。「人材育成」のおもしろさ
複数の店舗を経験してきたことで、着実に自己成長へとつながってきたことを実感している山口。中でも、印象的だった出来事がふたつあります。ひとつは、赤堀店のある地域の特色を感じてもらえるような店舗づくりに取り組んだこと。
山口 「同じカインズの中でもお店の規模によって意識することはまったく異なります。たとえば、大きな規模の店舗であれば、車で30分かけて来店してくださる方もたくさんいらっしゃいます。それだけの価値を感じてもらえるような店舗にすることが大切ですが、その反面、車である分、行動範囲の広いお客様が多いので、『このカインズにほしいものがなければ、近くの別のお店に行けばいいや』というケースも少なくありません。
一方、赤堀店のような、カインズの中でも少し規模が小さめの店舗では、徒歩や自転車で来てくださるお客様が多いんですね。そのため、いかに地域のお客様の暮らしに根づいた店舗にするかがとても重要。『洗剤が切れたからお店に来たけど、普段置いてある洗剤がない』となってしまったら、その方の生活に不便をかけてしまうことになってしまいますから。
お客様の日常と直結しているからこそ、『いつでも頼れるカインズ赤堀店』でありたいし、そうあらなくてはいけないと感じています。よりお客様に寄り添った店舗づくりを意識するようになりました」
もうひとつは、店長として考えるメンバーの育成について。以前、ラインマネジャーを担当していた店舗でのエピソードが頭をよぎります。
山口 「当時勤務していた店舗は、新店舗立ち上げから関わっていたので、パートやアルバイトメンバーの教育に関して、いつも以上に注力していました。店舗の機械に初めて触れる人や、カインズの企業理念を初めて知るメンバーがたくさんいる状態からのスタートだったので、イチから教えていくことは大変でしたが、ものすごく大きなやりがいも感じました。伝えたことをどんどん吸収して、自発的に動くメンバーを見ると感慨深かったです。その経験から、『人材育成』というもののおもしろさを知りました。
現在、私は店長という立場ですが、店舗メンバーの中には私よりもカインズを熟知している方もたくさんいます。そんな中で私がやるべきことは、いかに新しいカインズの風を吹き込むか。自分に任されている店舗の強みを知ると同時に、足りない部分が何かを考え、私自身も学びながら、メンバー一丸となって成長していくことが最大の目標ですね」
男性も女性も働きやすい場所になるように。自らがロールモデルになる
店長として店舗を良くしていくために取り組まなくてはいけないことは多々ありますが、そのためには会社の取り組みにも注目しなくてはいけません。現在、カインズ全体の流れとして、効率性や生産性を強く意識しています。
山口 「これまでは1から10までの作業を効率良く行うことが課題でしたが、会社はどんどん新しいシステムを導入しており、近い将来『メンバーは1から3までやればOK』というような状況にもなるでしょう。
そうなったとき、喜ぶメンバーがいる反面、抵抗を感じるメンバーも少なからずいると思います。それぞれに抱く想いがあるのは当然ですので、『1から3』という状況を定着させつつ、浮いた『4から10』をどう有意義に使っていくか。密にコミュニケーションをはかって一緒に考えながら、最良の方法を見つけていきたいです」
そのためには、やはりコミュニケーションが必要不可欠。経験を重ねていくにつれて、山口の考え方にも少しずつ変化が生じています。
山口 「以前は、『答えはこれだよ』とダイレクトに正解を伝えていたのですが、メンバーとコミュニケーションをとっていると、私が考えもしなかった答えを導き出すメンバーもいるんですよね。“私が教える”というスタンスではなく、一緒に考えるということがとても大切なのだと感じました。
たとえば、『レジの待ち時間が長く、お客様にお叱りをうける事態が起きました』という報告があったとします。
そのとき、『レジでお客様を待たせちゃいけないね。お待たせないようにしようね』ではなくて、『そのとき、レジの列に並びながら、お客様はどんな気持ちだったんだろう。何が怒るきっかけとなったのかな。レジでお待たせないようにするには、何が必要で、何をしてはいけなかったのかな』とメンバーに問いかけ、より良い正解を見つけ出していく。なかなか難しいことではありますが、今後さらに意識していきたいです」
日々自分に問いかけ、店舗運営に力を注いでいる山口。女性の店長はまだまだ少ない中で、より女性が働きやすい職場にするための行動も起こしています。
山口 「同じエリアの店舗の中で、もう一人女性の店長がいるのですが、その方は複数の店長も経験をしていて、お子さんもいらっしゃるんです。仕事と家庭、育児をどう成り立たせていくかという点は、私も非常に関心を高く持っているので、いずれ自分が迎えるであろうライフイベントの先輩としていろいろなアドバイスをもらっています。
また、会社主催の女性キャリアセミナーという研修会にも参加して、同じような悩みを抱えている仲間と忌憚のないディスカッションもしました。男女平等とは言いつつも、やはり女性ならではの悩みってありますもんね。
たとえば、子育て中のメンバーにとって時短勤務は欠かせない制度です。福利厚生の活用も然り。せっかく会社が用意している制度ですから、私を含め周囲のメンバーが積極的に活用して、イキイキと仕事に取り組む姿を見せることで、もっともっと男性も女性も働きやすい会社になっていけばいいなと思っています。私がそうであるように、身近に自分が目指すロールモデルが存在することで、より一層働くことの強みになりますし、安心できると思いますから」
今後は店舗だけでなく、本部などで別の職種も経験したい、と山口。あらゆるチャンスを逃さず、挑戦を続けることで、自己もカインズも制限なく成長を遂げていくことでしょう。
