大切なのはコミュニケーション。入社3年目のマネジャーの心がけ
入社3年目で町田多摩境店のレジャーラインのマネジャーに就任した能海。レジャー用品を中心に、ペット用品、カー用品、サイクル用品やオフィス用品など、さまざまな商品の販売管理を統括しています。
能海 「私自身売場に立ち、マネジャーとしてメンバーの育成を行いながら、シーズンごとの売場計画や週次・月次のメンバーの稼働計画を立てたり、シフトを作成したりすることが主な業務です」
メンバーと接する上では、コミュニケーションを大切にしていると話します。
能海 「現在、レジャーラインのメンバーは9名。朝一番で各売り場を回る際にすべてのメンバーに挨拶して、『テレビでこのペット商品を紹介していたので売れ行きが良くなるかもしれませんね』と商品を交えた話をしたり、『週末はどうでしたか?』とプライベートな話をしたり、普段から何気ない話をするようにしています。なにか困ったことが合ったとき、お互いに気軽に声をかけられるような関係性を大事にしているんです」
お客様に対しては、プラスアルファの接客を心掛けていると言う能海。
能海 「『この商品はありますか?』と声をかけていただくことが多いのですが、仮にカインズで扱いのない商品であっても、『ない』と簡単に済ませてしまうのではなく、同じ用途で使えるものをご案内しています」
また、初めて犬や猫を飼うお客様から寄せられることが多いのが、「何を買い揃えればいいですか?」というお問合せ。実家で2匹の猫を飼っている経験も交えながらお客様に提案していると言います。
能海 「そのお客様と接点があるのは一度だけかもしれません。対応次第でカインズの印象が変わることもあると思うので、気持ち良くお買い物をして帰っていただきたいという気持ちで、お客様と接しています」
生活に身近な場所で、多くのお客様と関りたいという想いでカインズへ
中学・高校・大学と、吹奏楽に打ち込んだ能海。10年間サックス一筋で、高校と大学では部内でも数人という指揮者のポジションに就いて、演奏会のシナリオを立てる役割も担っていました。
能海 「長く続けられたのは、音楽が好きだったのはもちろん、個人でプレーするのではなく皆で協力しながら何かを作り上げていくことが好きだったから。いま携わっている仕事も、メンバー全員で目標を共有し団結して励むスタイルが自分にはとても合っていると思います」
空間づくりに関心をもち、大学では空間デザインを専攻していた能海。就職活動中は、住宅メーカーと製造小売業を中心に就職活動をしていたと言います。
能海 「就活する中で、より多くの人と関わることのできる、生活に身近な場所で働きたいという気持ちが高まっていったんです。多くのお客様と関われる機会があると考え、製造小売業界一本に的を絞りました」
カインズを選ぶ決め手となったのは、顧客層の広さとホームセンターにまつわる自身の大切な記憶でした。
能海 「カインズは子どもからお年寄りまで、男女関係なく多くのお客様が来店される場所です。私も小さいころ、父に連れられホームセンターに木材や塗料を買いに行っていました。父が机やベッドなどを手づくりしてくれる様子を見ていた思い出から、カインズに興味を持つようになったんです」
そして、2019年にカインズへ入社。町田多摩境店に配属され、1年目はレジャーラインのペット用品、2年目にはカー用品とレジャー用品の売場担当となりました。身近に感じていたペット用品とは違い、カー用品の専門的知識を覚えることには苦労したと言います。
能海 「質問をしてくださったお客様に対して期待どおりに返すことができず、ふがいない想いをしたことも。自力で調べながら、少しずつ商品知識を得ていきました」
自分で調べるだけでは追いつかないため、周りに聞くことにも積極的だったと言う能海。
能海 「上司や他のラインマネジャー、また詳しそうな先輩に尋ねたり、電話を掛けたりして聞いていました。私はどちらかというと、人見知りな性格なんですが、すぐそこでお客様が待っていると考えると、それまであまり会話をする機会がなかった先輩にも質問する勇気が湧いてきました。仕事を始めてから積極性が上がったのかもしれません」
言葉で語らず、背中で見せる。目指すのは、頼りがいのあるマネジャー
入社3年目に町田多摩境店でレジャーラインのマネジャーに就任した能海でしたが、最初にマネジャーを打診された際は、驚きを隠せなかったと言います。
能海 「マネジャー職は自分にとってまだまだ遠い存在だと思っていたので、声がかかったときは大きなプレッシャーを感じました。周囲には自分のことを娘のように見守ってくれていたベテランのパートメンバーもいて、私がメンバーを率いる立場になんてなれるのだろうかというのが正直な気持ちでした」
決して最初から自信があったわけではなかったからこそ、日々の意識や行動を変えることで、周囲に信頼されるマネジャーになろうと心掛けたと言います。
能海 「店舗メンバーから対応に困っているという報告が入れば、ただちに売場へ向かうようにしました。当時まだ入社3年目ということもあり、私がマネジャーを務めることに対して、周囲にもきっと不安があったと思うんです。どうすれば周囲の心配を払拭し、頼りにしてもらえるかを考えながら行動していました」
マネジャーになってからは、お客様からの厳しい声に対応する機会も増えたと言う能海。
能海 「以前は、お客様対応に悩んだときはマネジャーに援護を求める立場でした。困っているとき助けてもらうとすごく安心するし、助けてくれた人への信頼が増すものなんです。そんな経験から、お叱りのご連絡をいただく際など、後輩メンバーやパートさんが戸惑ってしまう対応を積極的に引き受けるようにしました」
担当者時代は店長やマネジャーが決めた展開方法に沿って、指示どおりに売場づくりを行っていた能海だが、マネジャーとなったいまは展開方法を考える立場。
そのプロセスに携われることにやりがいを感じていると言います。
能海 「たとえば、夏は入口のすぐそばで家庭用のプールを大規模に展開します。来店するお客様が必ず通過する場所にダイナミックで華やかな売場展開を考え実行できたときは、大きなやりがいを感じました。キャンプシーズンには、店内にテントを張ってバーベキューや焚き火を演出したりと、オリジナルの発想も入れながら構想するので、完成したときには大きな達成感があります」
産休・育休を経たのちもマネジャー職を続行。女性のキャリアモデルに
約1年間にわたってマネジャーとして経験を積んできた能海。出産を控え、これから産休に入る予定です。
能海 「産休に関して、『どのタイミングで取る?』と店長のほうから話を持ちかけていただいたので助かりました。結婚式を挙げたときも5日間の特別休暇を取得し、有給休暇と合わせて1週間のお休みをいただき、新婚旅行に行くこともできました。販売業は長期休暇を取りにくいイメージがあったので、こうした休暇制度があるのはとてもありがたかったです」
出産前後でワークスタイルを変えるメンバーもいる中、能海は育休から復帰後もマネジャー職を続けたいと話します。
能海 「復帰後は時短勤務になりますが、人事からは『時短勤務でもマネジャーを続けてほしい』とお話をいただいていて、自分としても続ける意志があります。マネジャーに就任した当時の店長に、いつも励ましてもらったおかげでいまがあるので、ここでマネジャーをあきらめたくない気持ちが強いんです。とはいえ、メンバーよりも先に帰宅することを後ろめたく感じる場面もあるはず。これからいろいろ調整していく必要があると思っています」
町田多摩境店では初の女性マネジャーとなった能海。同じポジションで働き続けることで、若いメンバーに良い影響を与えたいという想いもあります。
能海 「出産後も、子育てをしながら仕事を続けていきたいですし、女性が出産後もマネジャーとしてキャリアを続けていけるような環境をつくる側に回れたらとも思います。簡単なことではないですが、共感してくれる仲間が増えていくほど意見を会社に伝えやすくなり、会社の制度やルールが変わってさらに働きやすい環境になるはずですから」
ここで働き続けたい、そのためにもっと環境を良くしていきたいと思うのは、それだけカインズに愛着があるから。転職しなくても、さまざまな部署で多様な仕事を経験できるところがこの会社の魅力だと言います。
能海 「最近は社内公募制度もできて、自分のやりたいことに挑戦できるチャンスが増え、本部への距離も近くなったと感じます。私はペット分野が好きなので、いずれはペット分野の企画ができる部署で働きたいという想いがあり、公募の利用を検討しているところです。店舗だけでなく違う場所での仕事も経験してみたいと思っています」
不安を乗り越えマネジャーに挑戦し、少しずつ自信を育んできた能海。前向きにキャリアを描く彼女の姿は、若手メンバーたちにとって良きロールモデルとなるはずです。