講習から始まった、小さな一歩
仕事探しの際に重視していたのは、サポート体制がしっかりしていることだったそうです。
「初めてビーモーションの求人票を見たときに魅力を感じたのが『スタートアップ講習がある』という言葉でした。未経験での挑戦だったので、自分にどこまでできるのか不安でいっぱいでした。
長く働きたいからこそ、しっかりと教えてもらえる場所がいいなと思っていました。いろんな求人を見た中でも、ビーモーションは講習カリキュラムが丁寧に組まれており、売場に立つ前のサポート体制が整っている点が決め手になりました」
実際の講習では、製品知識だけでなく、声かけのタイミングや距離感など、販売員としての“所作”そのものを一から学びました。
「立ち方、声の大きさ、距離の取り方……こんなに細やかな気配りがあるんだと驚きました。一声目の距離感まで教えていただいて、本当に基本の“き”からのスタートでした
お客さまの左右どちら側にたって、どのように声をかけるか、といった細かな動作まで丁寧に指導していただいて、「販売員は気遣いの仕事」だということを実感しました。
実際の売場でいきなり試行錯誤するのではなく、あらかじめ実践に近い形で準備できたことは、売場に立つ前の自信や安心につながりましたね」
変わるのは簡単じゃない。だから焦らず一歩ずつ積み重ねていく
実際に売場に立ってみると、理屈では覚えていても、うまく行動に移せないもどかしさがありました。
「お客さまをご案内する中で、知識不足や確認ミスでご迷惑をおかけしてしまったことがあります。売場の社員の方にご指摘をいただき、すぐに先輩がフォローに入ってくださったのですが、とても自分自身が情けなく感じました。何より、お客さまに申し訳ないという気持ちが一番でした。
お買い物って、本来は楽しいことだと思うんです。いろんな商品を見て『どれにしようかな』『これを買ったらどんなふうに使えるかな』と考える時間は、ワクワクするもの。その楽しい時間を台無しにしてしまったと思うと、本当につらかったです」
落ち込んで、家に帰ってからも反省ばかり。でも、そのたびに助けてくれる人がそばにいました。
「同じ売場で働く先輩から『これが原因だったかもしれないね』『次はこう動いてみようか』と一緒に考えてもらえて、本当にありがたかったです。そのたびに少しずつメモをとり、次はこうしてみようとシミュレーションを重ねました。お客様がいないときには、什器の整理や清掃をしながら『この機能ってどうだったっけ?』と調べて振り返って……そうしていくうちに、知識も増えて、落ち着いて接客できるようになっていきました。
一発逆転の簡単な解決方法なんてない。ミスしないことが一番だけれど、ミスをしない自分に一瞬でなれるわけでもないなとも思うんです。小さなことを繰り返して身につけていくしかない」
この考え方のルーツは、高校時代に部長を務めていた部活動での経験にありました。
「私の通っていた学校は中高一貫校だったので、中学1年生から高校3年生までが同じ部活で活動していました。考え方や予定も違うメンバーをまとめていくのは簡単ではなくて、部長として『こうしてほしい』と思っても、なかなか思うように進まず、もどかしい日々が続きました。そんな積み重ねの中で、心がパンクしそうになることもありました。
そのときに思ったのが、『他人の行動は自分ではどうにもできない。それと同じくらい、自分自身を変えることも、すぐにはできない』ということでした。落ち込んだり失敗したりしても、自分を追い詰めすぎない。ネガティブになりすぎず、“今できること”を丁寧に積み重ねていこう——その考え方が今の私の土台になっています」
接客に正解はない──「一緒に探す」提案スタイルへ
初めは「お客さまのお話をしっかり聞こう」と意識していた小嶋さん。けれどある時、他のスタッフの接客を見て、新たな気づきがあったと言います。
「接客の基本はヒアリングと言われています。そのため、私は必死にお客さまに“質問”をたくさんしていました。その結果、尋問のような形になったり、会話が続かなかったりすることがあって……。
そんなときに、売場の別の販売員の方の接客を観察していると “選択肢を提示する”方法を使っていたんです。『こういう方にはこちらが合いますよ』と、自分の言葉で提案していて。なるほどな、って思いました」
そこからは、自分の接客スタイルを少しずつ変えていきました。
「販売員の方のタイプもいろいろあって、接客を横で聞いてみると学びがたくさんありました。どうやったら会話のキャッチボールを増やせるか、工夫を重ねるように意識していきました。
とくに私が販売を担当している炊飯器は、生活スタイルによっておすすめが変わる商品です。普段はどんな生活スタイルなのか、何人家族で、どのようなタイミングで食事をするのか……そんな雑談の中からニーズを引き出せたときは、お客さまとの距離がぐっと近づく感じがします」
中でも、印象に残っている接客があると言います。
「ご高齢のお客さまで、炊飯器売り場を見て“どれを選べばいいのかわからない”という状態でいらっしゃいました。生活スタイルや食べる量をお聞きしながら一緒に商品を選び、ご案内を終えたあと、レジから離れた売り場までわざわざ戻ってきてくださって、『ありがとう、あなたのおかげでいい買い物ができました』と笑顔で言っていただいたんです。
本当にうれしくて……。接客の仕事をやっていてよかったなと、心から思えた瞬間でした」
「任せてください」と言えるように──支えられる存在へ
「焦ると頭が真っ白になってしまって」と、自身の弱点を率直に話す小嶋さん。
「焦ると、普段なら出てくる言葉も出てこなくなるんです。だから、事前にカンペを作ったり、わからないことをすぐメモして調べたり、先輩や話を聞ける方に質問して、わからないことを一つずつつぶしていきました。できる限りの準備をして、売場に立つようにしています。
また、実際に操作を見せながらご説明すると伝わりやすくなると思っていて。でも、自分の動きがぎこちないと、お客さまも不安になりますよね。だからこそ、スムーズに説明できるように、事前にイメージトレーニングをしたり、実際に操作して確認したりしています」
また、自社製品だけでなく、他社製品にも積極的に関心を持ち、理解を深めているといいます。
「他メーカーの販売員さんと話す中で『この機能はこう伝えると伝わりやすい』といったコツを教えていただいたり、私からも『こういうときはこう案内してます』とお伝えしたりして、互いに学び合っています。
この仕事をしている、と友人や知人に話すと、“お客さまの取り合いになるんでしょう?”って聞かれることがあるんです。でも実際は全然そんなことなくて。むしろ、お客さまのニーズに合う商品を一緒に考えるチームのような感覚です。でも、自社製品のアピールはしっかりします!(笑)」
わからないことはそのままにせず、必ず先輩や周囲のスタッフに聞いて理解を深める。その姿勢が、少しずつ「頼られる存在」へとつながっていきました。
「今では、私がこの売場の誰よりも、担当している炊飯器について一番詳しいって胸を張って言えます。実際、周りの方に質問をいただくほか、話を振っていただくことも増えました。いままでたくさんの方に支えていただいた分、次は私が恩返ししていきたい。
困っている人がいたら自然と声をかけられるような、安心感を与えられる存在になりたいです」
“できないことは、すぐにはできない”——。
でも、工夫を重ねながら、一つずつ「できること」を増やしていくことはできる。
そんな前向きなまなざしで、小嶋さんは今日も売場に立っています。
※ 記載内容は2025年7月時点のものです
