株主との対話を通じて、企業価値を高める──SR担当としての私の仕事
私が所属するIR課では、株主の皆さまとの対話を通じて信頼関係を築く、エンゲージメント活動を行っています。新たな株主になっていただくための情報発信はもちろん、すでに株式を保有してくださっている株主の方々に、より深く当社をご理解いただくことも重要な役割です。
その中でも私が担当しているのは、既存株主に向けた情報発信や株主総会の運営など、いわゆるSR(シェアホルダー・リレーションズ)の領域です。当社の姿勢や価値を、株主の皆さまにわかりやすく、誠実に伝えることを心がけています。
これまでの業務では、社内外に向けて「社員としての視点や思い」を発信する機会が多くありました。しかしIRの仕事では、それだけでは不十分です。情報を受け取る側が「何を知りたいのか」「どんな情報を求めているのか」を常に意識し、シンプルでわかりやすい表現を心がけるようになりました。
IRの業務では、機関投資家から当社へ提言をいただくこともあります。日常ではなかなか耳にできない貴重な視点に触れられる機会は、非常に刺激的です。そうした提言を経営陣にフィードバックし、企業価値の向上につなげていくことは、大きなやりがいであると同時に、難しさも感じる部分です。
偶然の出会いが導いたキャリア
就職活動では、自分の興味のある業界から内定をいただいていましたが、内定後もどこかモヤモヤした気持ちが残っていました。そんな時に相談した大学の就職課の方が、偶然にも本社のある雪が谷大塚のご出身だったのです。当時のアルプス電気(統合前のアルプスアルパインの前身)について「とても良い会社ですよ」と教えてくださったことが、アルプス電気を知ったきっかけでした。
その話を母に相談したところ、母もアルプス電気の株式を保有しており、「本当に良い会社よ」と後押ししてくれたため、採用面接を受けることを決めました。面接では、人事の方が自社に誇りを持っている様子が印象的で、非常に好感を持ちました。
高い技術力を持ち、グローバルに展開している点や、仕事を通じて海外の社員や顧客とコミュニケーションを取る機会があることなど、広がりや可能性に大きな魅力を感じました。
入社後は営業部門に配属され、自社工場からの出荷、輸出、現地での在庫管理、費用回収までを担う販売業務を担当しました。業務に必要な貿易知識や製品に関する勉強会など、学びの機会が豊富に提供され、仕事と会社への理解が深まった時期でした。
その後、2度の育児休業を経て、営業部門内で国内外の展示会や社内で行うプライベートショーの企画・制作・運営などの業務を経験しました。他部門との打ち合わせや社外とのスケジュール調整など、緻密な業務管理が求められる中で、柔軟性やコミュニケーション力を大きく養うことができました。
現在はコーポレートコミュニケーション部IR課に異動し、SR担当として業務に携わっています。ステークホルダーに向けて当社の魅力を発信するコンテンツの企画など、これまでの経験が活かされていると感じています。
育児と仕事の両立を経て、あらためて感じた会社の魅力
入社後3年で最初の育休を取得しました。育児と仕事の両立に不安を感じる中、私の周りには育休を取得する人が少なく、制度の活用に戸惑いがありました。退職も一つの選択肢として考えた時期もありましたが、当時の指導員の女性社員が「挑戦してみたら」と背中を押してくれたことが大きかったです。育休中も社報や社内報などで会社の情報を共有してもらえたため、孤独感や会社から離れているという感覚はまったくありませんでした。
また、育休からの復帰後も、家庭の事情に深く耳を傾けていただき、業務負荷の分散など柔軟に対応していただきました。さらに、まだ子どもが小さい頃でしたが、海外で開催された電子機器業界向けの見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」にも参加させていただく機会もありました。
「子どもがいるから海外出張はできない」といった一方的な判断で機会を狭めるのではなく、あくまでも相談ベースで参加可能かを聞いてくれたのが本当にありがたかったです。こうした会社の姿勢は、復帰後のモチベーションの維持につながっています。
また、コロナ禍をきっかけにテレワークやフレックスタイム制度の社内利用者が増え、柔軟な働き方への理解が深まったことで、小さなお子さんを育てる社員にとってもよりいっそう働きやすくなったと思います。現在の部署は半数が女性ですし、社内でも女性管理職の登用が進んでおり、ここ数年で女性が活躍できるフィールドが大きく広がったと感じます。
自分らしい働き方と未来への一歩
子どもが生まれるまでは、仕事後の時間を自由に使い、残業も気にせずこなしていましたが、子どもが生まれてからは保育園のお迎えの時間に間に合わせるため、効率を意識して業務を進めるようになりました。「今やらなくてもいいこと」「これ以上やる必要がないこと」を見極める力がついたと思います。
それでも、「子どもがいるから無理」と決めつけるのではなく、「子どもがいなかったらどうするか」「自分はどうしたいか」と考えながら、納得できる選択をするようにしています。
現在は業務と並行してNPO法人J-winが主催する女性リーダー育成活動に参加しています。働きながら子育てをする女性や自己実現、成長に向けて奮闘する女性など、さまざまなメンバーがいます。参加企業も多種多様で、非常に刺激を受けています。
業務の一環として参加させてもらえていることから、会社が人材育成に力を入れてくれていることを実感しています。
また、今、挑戦してみたいことがあります。新NISAの開始により株式投資を始める個人投資家が増えており、日本市場にとって大きなチャンスだと感じています。この好機を活かし、今後は機関投資家だけでなく、個人投資家向けのイベントやコンテンツ発信にも積極的に取り組んでいきたいです。
※ 記載内容は2025年8月時点のものです
