労働時間が不規則かつ、労働時間が長くなる傾向や、昨今の新型コロナウイルス感染症の流行による業績の悪化など、さまざまな要因から他の業界や職種へ転職を考える方も多いのではないでしょうか。またそれ以外にも、新しい職種でキャリアを積んでいきたいと考え、転職を考える方もいるでしょう。
一方、飲食業で得たスキルや経験がどのように活かせるのか不安に思う方もいるでしょう。そこで本記事では、飲食業の経験が活かせるスキルや能力を紹介するとともに、実際に飲食業から他の業界・職種へのキャリアチェンジを成功させた5人の体験談をご紹介します。
飲食業経験者が持つスキル
飲食業といっても、接客や調理、店舗経営などこれまでの仕事内容によって、取得しているスキルや経験はさまざまです。そのため、ここでは一例をご紹介していこうと思います。
・接客スキル
飲食店にはさまざまな方が訪れます。基本的な接客スキルに加えて、お客様と円滑にコミュニケーションを取る能力は、営業職やそのほかのサービス業でも活かすことができるでしょう。
・タスクマネジメント
飲食業では来店しているお客様対応だけではなく、開店準備や閉店準備、予約対応や集客などさまざまな業務があります。また、昼時や夕飯時、金曜日の夜などとくに忙しくなるタイミングもある中で、効率よく業務をこなすスキルはどのような職種でも活かすことができます。
・チームワーク
店舗の運営形態にもよりますが、飲食店では調理スタッフ、接客スタッフなどとの連携や協力が欠かせません。また、アルバイトのスタッフがいるケースも多いでしょう。そうしたメンバーとともに協力や調整をしながら、仕事に取り組む経験はどの職場でも役立つでしょう。
・マーケティングスキル
店舗のイメージや店舗の立地、客層などに合わせて情報サイトやSNSを活用しながら集客をしたり、客層や季節に合わせてメニューやキャンペーンなどを考案したりと、マーケティングスキルが磨かれたという方もいるのではないでしょうか。こうした経験は、他の業界でのマーケティング職や営業職、商品企画職などでも役立ちます。
・店舗運営の経験
店舗を運営する上では、店舗内の人材のシフト管理や育成、収益管理や在庫管理など多岐にわたるスキルセットが形成されます。こうしたスキルは他職種のマネージャーなどのほか、人事やオペレーション管理などの仕事に活かすことができるでしょう。
飲食業からキャリアチェンジした人の経験談
過去に飲食業で働いたことのある方は、どのような業界や職種に転職しているのでしょうか?ここからは、元飲食業の方の転職経験談をご紹介していきたいと思います。
※ 記載の情報は記事公開当時の内容です
▶︎DXCテクノロジー・ジャパン
事業内容:ITサービス業(保険業界向けBPaaSとBPO、アナリティクス&エンジニアリング、アプリケーション、セキュリティ、クラウド、ITアウトソーシング、モダンワークプレイス)
・キャリアチェンジ後の業界:IT業界
・現職での仕事内容:マレーシアのデリバリーセンターに勤務
・キャリアチェンジについて:
2018年、韮沢さんはフルタイム店長として、自らが起こしたイタリアンをメインとしたカフェレストランを切り盛りしていた。家には寝に帰る生活で、妻と3歳の長男とゆっくり過ごす暇はなかった。
韮沢さん 「ずっと飲食業でキャリアを積んできて、自分の店を出すという念願はかなったものの、自分の右腕となる人材がなかなか見つからず……。結局朝から晩まで自分が厨房に立つ日々でした。この生活を後50年も続けるのは無理だなと、漠然とした不安はありましたね」
そんな折、妻に前職の同僚から声がかかる。
韮沢さん 「またマレーシアで働かないか、と。妻にはもともとマレーシアでの勤務経験があり、そのときの同僚からでした。もっとも、子どももまだ小さかったため、彼女の中で再就職は選択肢にありませんでしたが、一方でマレーシアでの子育てに関しては興味を示しまして。
僕としても、このまま忙しく飲食店を切り盛りするか、思い切ってマレーシアに移住して働くかを考えてみて、結果として、妻の代わりに自分がその職に転職しよう、と決めました」
それまで飲食業を営んできた韮沢さんにとって、ITはまったくの異業種だった。
韮沢さん 「DXCからの綿密なトレーニングがあって、本当に助かりましたね。じつは、入社前はパソコンをウイルスまみれにした経験があるほど、ITリテラシーが低かったんです(笑)。
セキュリティやWindowsの操作方法など、業務に必須の知識はしっかりとトレーニングが用意されていました。それでもわからないところは、現地にいる日本語を話せる同僚に聞いて、理解するようにしていきました」
→ストーリー:自分の店を畳み、マレーシアに家族で移住!元シェフ──現DXC社員のマレーシア生活~海外で働くv.1~
▶︎INTLOOP株式会社
事業内容:事業戦略・業務改革コンサルティング、ITコンサルティング、プロジェクトマネジメント支援、プロフェッショナル人材支援・人材紹介、新規事業開発・営業推進支援、海外進出・販路開拓支援
・キャリアチェンジ後の業界:人材業界
・現職での仕事内容:営業職としてコンサルタント専門のフリーランス人材を支援
・キャリアチェンジについて:
中島大輔さんは、バイトの延長で飲食業界に就職し、キャリアをスタートさせました。そこでの仕事は料理をつくってお客様に提供するというもの。しかし、強い意志を持たずに就職し、決められた仕事内容をこなすだけの日々で、「自分は何も身についていない」と危機感をいだいていました。
中島さん 「飲食業界でのファーストキャリアは自分には合っていないと思っていて、『自分は周りに圧倒的な遅れをとっている』と、とにかく焦っていました。転職の時は、その失敗を挽回するためにどうするかだけを考えていました。
なので『 IT業界に入りたい!』と思って入ったわけではなく、転職先を選ぶ基準はあくまでも、『めちゃめちゃ働ける会社』『伸びている会社』というものでした」
そしてエージェントや転職サイトを探して、中島さんが出会ったのはレバレジーズ。今や知る人ぞ知るメガベンチャー企業ですが、中島さんの入社当時は60名程度の規模。まさに拡大期でした。
中島さんがレバレジーズに入社したのは創業4年目の時で、当時の事業部は10人前後しかいませんでした。中島さんは営業を担当することに。(中略)
中島 「入社してから 2カ月経ち、周囲の同期は売り上げが出ている中で、自分はアポも思うように取れませんでした。当然焦りましたし、途中から入ってきた上司に『あと数カ月で実績が出なかったらクビ』と宣告されたんです。このタイミングで一人暮らしも始めたので、まさに後がない状況でしたね」
しかし中島は決してめげず、とにかく数字にこだわり続けました。そして、3カ月ほど経ったころです。中島は、大手企業の開拓に成功しました。
→ストーリー:「どこまで行っても不満足」成功の妙味を知った営業の、二度目のサクセスストーリー
▶︎株式会社アーキ・ジャパン
事業内容:建設エンジニアアウトソーシング事業、転職支援事業、建設事業
・キャリアチェンジ後の業界:建設業界
・現職での仕事内容:新築マンションの建設現場で設備の施工管理を担当
・キャリアチェンジについて:
中島さん 「私が大学を卒業したのは2019年。複数の飲食店を経営する会社に新卒入社しました。栄養学を専攻していたので、本社でメニュー開発に携わりたいと思っていたのですが、1年目は店舗に配属され、ホールとキッチン業務を担当しました。(中略)
そして、転職でどうしてもこだわりたかったのは、やはり仕事の安定性。コロナ禍で飲食業は経営が難しくなってしまったので、次に働くならどんなことがあっても仕事がなくならないような業界にしたいと考えていました。
そうして辿り着いたのが建設業。どれだけテクノロジーが進歩しても、建設現場では人の手が必要なはず。また、天災などで一時的に仕事がストップしたとしても、復興に必要不可欠なのもまた建設業だと思いました」
→ストーリー:「建設業っておもしろい!」──未経験から施工管理に挑戦した私が伝えたいこと
▶︎スタッフサービス・エンジニアリング
事業内容:スタッフサービス・エンジニアリング
・キャリアチェンジ後の業界:福祉業界→人材業界
・現職での仕事内容:エンジニアサポーターとして就業1年以内のエンジニアの支援を担当
・キャリアチェンジについて:
住吉さん 「そうして卒業後は、飲食業へ。ホテルでの仕事をイメージしていた私にとってギャップもありましたが、お客様との距離が近く、毎日楽しく、接客の楽しさを深く知る良い機会でした。(中略)
学びも多く、楽しく働いていたのですが、結婚を機に、家庭での時間も大切にしたいという想いから、8年勤務した会社を辞めることにしました。(中略)
退職後は保育士をしていた兄の勧めで1年ほど保育補助に携わりました。その後、これまでの経験を活かして『人と関わる仕事』を軸に転職活動を始め、人材会社や人事系の職種で5社ほどの面接を受けました。その中でいちばん気になったのがスタッフサービス・エンジニアリングの『エンジニアサポーター』という仕事です」
→ストーリー:エンジニアが長く安心して働けるように、「エンジニアサポーター」を全国に広げたい
▶︎ライク株式会社
事業内容:子育て支援サービス事業・総合人材サービス事業・介護関連サービス事業を営む事業会社を擁する持株会社。グループ全体の経営方針策定及び経営管理並びにそれに付帯する業務
・キャリアチェンジ後の業界:福祉業界
・現職での仕事内容:ライクケアの本部で人材定着・採用に携わる
・キャリアチェンジについて:
最初の就職先は介護とはまったく別の業界でした。
遠藤さん 「意気込んで福祉の大学に入ったものの、大学生というブランドやさまざまな誘惑に魅了され、堕落した生活を送っていました(笑)。
就職活動も面倒に感じ、アルバイト先の偉い人に誘われるがまま、飲食業界に飛び込みました。朝から深夜まで休みもほとんどありませんでしたが、限界まで働くことの喜び、強靭なメンタルを学びましたね(笑)」
その後、家庭の事情で帰郷すると同時に飲食業を退職し、介護の道へ進むことになりました。(中略)
入社当初は施設長がゴールだと考えていましたが、次第に視野が広がっていくことを実感します。
遠藤さん 「施設長は、自分の施設のことしか解決できないということがわかりました。
よりたくさんの人々を幸せにしたいという想いから、複数の施設に横断的に関わる方法を探していたところ、当時施設長の仕事を教えてくれた恩師の方々と連絡を取る機会があり、ライクケアのことを聞き、ライクケアに転職を決意しました」
→ストーリー:『頼られる存在であり続ける』幸せの輪を広げる──介護へのまっすぐな想い
今回ご紹介した方々はさまざまな職種へのキャリアチェンジを成し遂げていますが、比較的人と関わる仕事に就いている方が多いようでした。また、多くの方が未経験でありながらも努力をすることで、現在の職場で活躍されています。
キャリアチェンジには不安や心配事が付きものですが、今回ご紹介した方々のエピソードをヒントに、転職活動に臨んでみてはいかがでしょうか?
