終身雇用という考え方が薄まり、転職へのハードルが下がった今、就職活動を行っている就活生の中にも転職も含めたキャリアプランを考えている人は少なくないでしょう。
また、入社して実際に仕事をしてみると、思っていたことと違ったり、やりたいことが見つかったりして、転職を考える機会もあると思います。
しかし、初めての転職となると不安なことも多々あるでしょう。そこで、本記事では、第二新卒として企業へ入社した方々の経験談をご紹介します。第二新卒での転職を選んだ方々はどのように大きな一歩を踏み出し、現在はどのように活躍しているのでしょうか?
20代社会人の転職に対する考え方は?
第二新卒での転職経験を持つ方々の経験談をご紹介する前に、まずは20代社会人の転職に関する意識についてご紹介したいと思います。
株式会社学情(本社:東京都千代田区)が実施した、アンケート調査によると、回答者の6割以上が社会人になる前から転職を視野に入れていたことがわかりました。
また、「転職活動をするにあたって、転職すべきか迷うことがあった」と回答した20代は65.7%に上りました。7割弱の20代が転職活動において、実際に転職するか迷う経験をしていることがわかります。「迷うことはなかった」とした20代は、34.3%でした。
転職すべきか迷う理由とは?
転職すべきか迷う理由は、「転職するにもアピールできるスキルや経験がないと思ったから」が61.1%で最多。次いで、「自分の市場価値がわからなかったから」52.3%、「早期離職は社会的なイメージが悪いと思ったから」48.7%が続きました。
「一般的に『とりあえず3年以上働いてから』と言われているから」も43.8%の回答を集めており、転職すべきか迷う20代は、新卒で入社した企業で一定期間働くことが必要だと考えていることがうかがえます。
一方、転職すべきか迷わなかった理由は、「無理して合わない会社で就業し続ける必要がないと思ったから」が71.9%で最多。次いで、「未経験の仕事への挑戦は早いほうがいいと思ったから」43.1%、「年齢を問わず転職が当たり前になっているから」27.5%が続きました。
■調査概要
・調査期間:2023年7月3日~2023年7月16日
・調査機関:株式会社学情
・調査対象:20代社会人(20代専門転職サイト「Re就活」サイト来訪者)
・有効回答数:466名
・調査方法:インターネットでのアンケート調査
※ 各項目の数値は小数点第二位を四捨五入し小数点第一位までを表記しているため、択一式回答の合計が100.0%にならない場合があります
第二新卒だからこその強みや注意点は?
一般的に社会人3年目くらいの方が第二新卒とされており、1社目で勤めた期間にも幅があります。そうした前提はあるものの、第二新卒だからこその強みや、逆に第二新卒での転職活動で注意すべき点にはどのようなものがあるのかをご紹介します。
▼第二新卒だからこその強み
・社会人経験がある
新卒で入社した企業での所属期間にもよりますが、社会人としてのマナーなどの基礎的な研修や、実務を経験していることから、転職先でも即戦力となることもあります。また、未経験の業界や職種であったとしても、前職で培ったビジネススキルは活かすことができます。
・自分自身の強みや方向性を把握している
就職活動を通して自己理解を深めているだけでなく、実際の実務や経験を通して自身の得意不得意を理解している方や、やりたいことやキャリアの方向性について定まっている方も多いでしょう。また、実際に企業で働いてみて、働く環境やカルチャーなどの理想像もイメージできる方もいるでしょう。そうした条件などを把握している分、転職活動ではよりマッチした企業に出会える場合や、自己アピールをしやすいというメリットがあります。
・柔軟性がある
社会人経験や企業での1社目での就業期間が長くない分、固定観念にとらわれることなく物事を考えられる場合や、転職先の環境や仕事に適応しやすいこともあります。
▼第二新卒で転職する際の注意点
・社会人経験も踏まえて自己分析を行う
学生時代の就職活動では、実務経験がない中で自身の強みや自己PRを考えていたと思いますが、仕事を通してどんなときに喜びを感じたかや、仕事面でどんな強みを持っているかなどを考えることでより具体性のあるものとなります。
・キャリアビジョンや実現したいことなどを明確にする
働き方や働く環境、将来のキャリアなど、1社目では自分自身のありたい姿が実現できないという理由から転職を選択する方も多いと思います。転職先で実現したいキャリアやありたい姿などビジョンを明確にし、面接などで伝えることでミスマッチを抑制することができるでしょう。
・焦って転職を決めない
すでに退職していたり、現在の仕事に追われたりしながら転職活動をしていると、焦ってしまうこともあるかもしれません。しかし、しっかりと志望企業を理解し、自分の思い描くものとマッチしているかどうかを判断しなければ、入社後に後悔してしまうこともあるでしょう。
・転職したい理由をしっかりと整理する
一時的な感情で転職を決めてしまったり、転職で改善されることなのか、今いる会社でも改善できることなのかを考えずに転職したりしてしまうと、転職後に同じ状況に陥った際にまた転職を考えるようになってしまうかもしれません。自分自身で整理することはもちろんのこと、第三者に相談をして他の企業ではどうなのかを聞いてみることも必要です。
第二新卒で転職した先輩たちの経験談
さまざまな不安や迷いを抱えながらも、第二新卒での転職を決めた先輩たちは、どんな企業へ転職し、どのようなキャリアを歩んでいるのでしょうか?未経験の職種・業界での転職や、異なる規模の企業への転職をされた方など、経験者の経験談をご紹介します。
▶︎freee株式会社
事業内容:「クラウド会計ソフト freee会計」と「freee人事労務」を提供
・前職での仕事:銀行で預金・出納・リテール営業など、ジョブローテーションでさまざまな業務を経験
・現在の仕事:セルフサクセスチームで「freee人事労務」の導入支援を行う
充実した日々を過ごす中、転職を考え始めたのは入行してから4年後のこと。
黒田さん 「このまま福井にいるとしたら、数年後に結婚して、子どもを産んで、育てて……、というように、これからの人生が容易に想像できたんです。なんだかワクワクしないな、と思って。『本当にそれでいいのか?』と自問したときに、東京に対する未練に気が付いたんです。
当時26歳でしたが、今ならまだ第二新卒として全く別の分野でも受け入れてもらえると考えました。それに、好き勝手やるならチャンスは今しかないと思い、転職に踏み切りました」
転職活動にあたってエージェントに提示した条件は、「第二新卒で私を採ってくれる東京の会社であればどこでもいい」というもの。黒田さんは業種や職種にはこだわらず、ピックアップされた企業を調べて、良さそうだと感じたところに片っ端から応募し始めました。
→ストーリー:マジ価値を届けきり、成功を支援する──カスタマーサクセスという「天職」
▶︎SBプレイヤーズ株式会社
事業内容:公営競技事業、ふるさと納税事業、旅行事業
・前職での仕事:地方企業と東京のバイヤーのビジネスマッチングを支援している企業で出展社や来場者を集めるためのプロモーション業務を担当
・現在の仕事:戦略企画部に所属し、各部署からの意見をまとめながら、中長期的なビジョンや計画を立て、実行を促す役割を担う
川嶋さんにとってオッズ・パークは2社目。転職前はBtoB向けの展示会を主催する企業に勤めていました。当時から現在に至るまで一貫しているのは、「地方に貢献したい」という想いです。
川嶋さん 「地方出身ということもあり、東京で働きながら地方にも貢献できるような仕事を探していました。ファーストキャリアとして選んだのは、地方企業と東京のバイヤーのビジネスマッチングを支援している企業。出展社や来場者を集めるためのプロモーション業務を担当していました」
2年ほど勤めるうちに転職を考えるようになったという川嶋。求めていたのは、挑戦できる環境でした。
川嶋さん 「『こうすればいいのに』と思って新しいことを提案しても、なかなか提案が通らないことにもどかしさを感じ、もっと挑戦機会のある環境で働きたいと思うようになりました。とはいえ、当時の私はまだ第二新卒くらいの年齢。社会人経験が未熟な自分にとって、意見を伝えることができて、挑戦機会をいただけるような環境はそう多くないことは承知の上で転職活動を始めました」
→ストーリー:挑戦できる環境で見えた新しい景色──公営競技事業を通じた地方創生の実現をめざして
▶︎Veeva Japan 株式会社
事業内容:ライフサイエンス業界に特化したクラウドベースのアプリケーションを提供
・前職での仕事:営業職
・現在の仕事:アカウントエグゼクティブとして、20社以上の外資系顧客を担当
村田さん 「母親がイギリス人ということもあり、英語を使う生活が日常。仕事でも英語力を活かしたいと常々思っていました。しかし新卒で入社した会社では、英語を活かす機会が全くなく……。当時は営業職として働いていたのですが、ただコミュニケーション力だけを強みにするのではなく、英語力も含めた自分にしかできない専門的なスキルを身に付けたい、武器にしたいと思うように。そこで見つけたのが、Veevaだったんです」
転職活動を開始するまでは、Veevaという会社の存在を知らなかった村田さん。しかし、面接を通して会社や仕事を知るうちに、興味がどんどん高まってきたと言います。
→ストーリー:未経験はハンデじゃない。飽くなき向上心で掴む、理想の未来
▶︎エムスリーキャリア株式会社
事業内容:医師・薬剤師を対象とした総合的なキャリアサービスを展開
・前職での仕事:求人広告の営業
・現在の仕事:薬剤師の転職支援コンサルタントに従事
──まずは新卒で入社した会社を選んだ経緯を教えてください。
姉が会社の人手不足による業務負担が原因で体調を崩したことがありました。これをきっかけに、姉のような人を救いたいと考えて就職活動では人材業界を中心に企業を探しました。
職場環境自体を変えたいという気持ちが強く、企業の人手不足の解消につながる求人広告の営業をする会社に入社しました。
──そこから転職を検討したきっかけは?
想いをもって入社したはずでしたが、いつしか目先の目標達成が目的になってしまっている自分自身にモヤモヤし始めていました。また思い通りに貢献できないこともあったので不甲斐ない気持ちでした。
そこから顧客に貢献ができて初めて費用が発生する成功報酬のサービスに携われることを軸にして、転職活動を始めました。就職活動のときに決めた「働く環境を改善する」という軸に変わりはなかったので、人材紹介ができる会社を探し始めました。
→ストーリー:入社1年半でリーダーに──成長の裏にはいつも仲間のサポートがあった
▶︎株式会社トゥエンティーフォーセブン
事業内容:パーソナルトレーニング事業、オンラインフィットネス事業、マンツーマン英会話事業、ヘルスケア関連のWebサービスメディア、低糖質食品販売事業
・前職での仕事:IT系のメガベンチャーの提案営業職
・現在の仕事:マーケターとして新規顧客獲得を主としたマーケティング施策に幅広く携わる
高橋さんはここでさらに新たな壁にぶつかる。前職の環境ではやりたいことと実際にやれることに、ズレがあることに気づいたと言う。
高橋さん 「自分にとって、大きな会社は動きづらいと感じました。事業やプロジェクトの全体像が大きく見えづらいので、自分事化しにくく、自分の成果としても受け止めにくい。また、新しいことをどんどん経験していきたいのに、それも限界がありました。“成長”のために動けば動くほど、前職は今の自分にマッチしないと考えるようになったんです」
新卒3年目の夏。高橋さんは初めての転職を考え始める。
高橋さん 「もっと多くのことに挑戦できる場所に行きたい、と思いました。そしてより自分の介在価値を感じられて、自分の成長が企業の成長に直結するような。さらにその会社の事業内容・ビジョンに共感できることも大切でした。興味関心の持てない事業に携わるのは、僕の気持ちとしてやり切ることが難しく、成長には遠回りだと感じたためです。
実際に転職活動を始めると、そのすべてにぴったり当てはまったのが唯一、トゥエンティーフォーセブンでした」
→ストーリー:ベッドから出られなくなったあの日。それは“挫折”ではなく、成長の“契機”だった。
▶︎株式会社フレクト
事業内容:クラウドインテグレーションサービス、Cariotサービス
・前職での仕事:大手メーカーのグループ会社でEU諸国の医師の診断をサポートするアプリケーションの開発を担当
・現在の仕事:大規模プロジェクトでSalesforce開発をメインで担当
大手メーカーのグループ会社に就職が決まり、SI(システムインテグレーション)部門に配属となった滝澤さん。EU諸国の医師の診断をサポートするアプリケーションの開発という、グローバルかつ社会貢献度の高い仕事に取り組むことになりました。しかし、実際に働いていくとやりたいこととのギャップが生じてきたのです。
滝澤さん 「肝心の開発部分は海外に委託しており、実際の仕事内容は海外メンバーの進捗管理。1日の半分以上、会議している状態が続きました。10年・20年先を考えたときに、知識がついても、エンジニアとして『手を動かしたことがない』というのは、選択肢を狭めるのではと感じたのです」
「エンジニアとしての開発スキルを高める」という点に限界を感じた滝澤さんは、転職へと舵を切ります。それは入社して約1年後のこと。数ある企業の中でフレクトを選んだ決め手は、面談で出会った、代表の黒川からのある言葉でした。
→ストーリー:さらなるスキルアップを目指し、大手企業からの転職。学び続けるエンジニアの新たな挑戦
▶︎株式会社ポニーキャニオン
事業内容:音楽、教養、文芸、スポーツ、映画、娯楽など各種オーディオ・ビジュアルコンテンツ、及び書籍の企画、制作、販売、映画配給、イベントの企画制作、地方創生事業
・前職での仕事:アニメ関連商材を取り扱う小売店で商品の仕入れや販売促進に携わる
・現在の仕事:
高江洲さん 「商品を仕入れて販売する立場から、もっと商品自体の魅力を高める仕事もしてみたいと考え始めました。小売店の立場からでもその目標は達成できるのですが、メーカーのほうが自分の想いを反映させられると思ったんです」
転職時には、アニメにこだわらずあらゆる業界の企業にもチャレンジ。ものさしを定めず、いろいろな経験をしたいという想いから選んだアクションでした。そして最終的に選んだのは、業界内からの評価が高く、アニメコンテンツとの関わりも深いポニーキャニオンだったのです。
→ストーリー:マーケティングのプロを目指し、データと作品の知識を重ねる
▶︎株式会社みずほフィナンシャルグループ
事業内容:銀行業務、信託業務、証券業務、その他の金融サービスに係る業務を事業ドメイン(事業活動を行う領域)とする総合金融グループ
・前職での仕事:厚生労働省 保険局に在籍。全国健康保険協会を担当し、同協会が実施する事業に対する補助金の執行や、事業の評価などを運営、管理する仕事を担当
・現在の仕事:みずほ銀行築地法人部で法人営業を担当
梶山さんは、保険局に在籍。全国健康保険協会を担当し、同協会が実施する事業に対する補助金の執行や、事業の評価などを運営、管理する仕事を行っていました。
梶山さん「社会保障関係費は、国家予算の中でも多くの割合を占めています。つまり、それだけ多くの人がサービスを受けているということ。保険給付や各種疾病の重症化予防支援というかたちで医療を支えるお手伝いができていることに、とてもやりがいを感じていました」
一方で梶山さんは、医療の給付のために行った仕事が、実際にどのように役に立っているのか、自分からは見えにくいことに、もどかしさも感じていました。
梶山さん 「次第に、自分のした仕事が誰に対してどう影響するのかを知りたい、直接人と関わっていける仕事がしたいと思うようになりました。
また、人口減少や高齢化が進み、社会保障費がどんどん膨らんでいく現状を目の当たりにして、日本経済を活性化していくことが急務だと痛感しました。自分がその一端を別の形で担いたいという想いから、転職を考えるようになりました」
→ストーリー:可能性を広げ、やりたいことを〈みずほ〉で叶える──国家公務員から転職した私の奮闘記
働く環境や働き方を変えたい、将来のキャリアを考えてなど、さまざまなきっかけで新たな環境へ挑戦した方々の経験談をご紹介しました。第二新卒に該当する方々の中には、転職をするかどうか、悩む方は少なくないと思います。今回ご紹介したストーリーなどをご自身のキャリアを考えるきっかけとしてみてはいかがでしょうか?
