介護の学びが銀行での「強み」に。相手の心に寄り添うコミュニケーションの原点
──学生時代はどのような勉強をされていて、なぜ銀行への就職を決めたのでしょうか。
じつは、短大の2年間はずっと介護福祉士の国家資格を取るための勉強に捧げていました。毎日が実習と実験の連続で、当時は「自分は将来、病院や施設で働くんだろうな」と疑わずにいたんです。おじいちゃん、おばあちゃん子だったこともありますし、母が介護施設で働いていたことも影響していました。
転機となったのは、母からの言葉でした。母は現場の過酷さもやりがいも知っているからこそ、「他の世界も見てみたらどうか」と背中を押してくれたんです。ちょうどその頃、大光銀行が店舗のバリアフリー化や、高齢者の方でも相談しやすいローカウンターの導入を積極的に進めていることを知りました。
「介護の現場で学んだコミュニケーションや、高齢者・障がい者の方への配慮は、銀行の窓口でも活かせるのではないか」。そう直感したのが、大光銀行を選んだきっかけです。預金業務や融資業務を行う専門職として入行し、窓口でお客さまを支える縁の下の力持ちをめざしていました。
しかし、当初は戸惑いの連続でした。窓口業務はお客さまがご来店されている間が勝負だと思っていましたが、窓口が閉まった3時以降にも多くの業務があることを知り、「仕事のほんの一部しか見えていなかったんだ」と痛感しました。
──入行後一年ほどで窓口業務から融資担当へ。どのように感じましたか?
融資は非常に奥が深く、一つの案件を完結させるための知識も責任も重いものです。自分の中で「仕事の流れがわかってきた」と思えるまで、3〜4年はかかったと思います。当時は「自分に融資の仕事は向いていないのではないか」と悩んだこともありましたが、構造がわかってくるとだんだんと楽しくなっていったのを覚えています。
そして、住宅ローンなどのご相談で「酒井さんのアドバイスのおかげで、念願のマイホームが持てたよ、ありがとう」とお客さまに喜んでいただけた時、お客さまの力になれたという大きなやりがいを感じたんです。お客さまの人生の大切な節目に、お金という側面から深く関わることができる。その喜びの積み重ねが、私のキャリアの確かな土台となりました。
不安を安心に変えた職場の絆。制度以上に支えとなった「お互いさま」の文化
──入行から約8年、結婚や第一子の妊娠・出産というライフイベントを迎えられました。当時の心境を教えてください。
ちょうど石山支店に異動したタイミングでした。仕事のおもしろさがわかってきた時期でもあったので、率直に言って不安は大きかったです。当行は当時から産前産後の休暇はもちろん、育休も1年間取得できましたが、「子どもを育てながら本当に働けるのか」、「1年以上休んで、戻った時に私の席はあるんだろうか」、「今の実務を忘れてしまわないだろうか」と仕事と育児の両立に対する不安が尽きませんでした。
しかし、復帰の際にセミナーがあることや補助金などについても教えてもらえるということで安心していた部分もありました。そのため、当時は「まずは復帰してみて、もしどうしても家庭にしわ寄せがいくようなら、その時にまた考えよう」という、手探りの状態でスタートしました。
──実際に産休・育休を取得される際、周囲の反応やサポートはいかがでしたか?
驚くほど温かく送り出していただきました。大光銀行には制度としてのサポートがあることはもちろんですが、何より現場の理解が深いと感じています。また、産休に入る前の話ですが、妊娠中はどうしても体調が優れず、朝動けなくて遅れてしまうことがありました。そんな時、上司や同僚から「お互いさまだから気にしないで」、「今は体を大事にして」と声をかけてもらえたことが、どれほど救いになったかわかりません。
石山支店には当時、私と同じように産休・育休を取得している行員や、時短勤務で活躍している先輩が身近に何人もいました。彼女たちが活き活きと働く姿を見ることができたので、少しずつ復帰後のイメージを具体的に持つことができました。
──休業期間中、キャリアについてのお考えに変化はありましたか?
正直に言うと、休んでいる間は目の前の育児に全力を使っていたので、仕事のことは頭から離れていました。夜泣きや日々の世話に追われる中で、仕事のことが頭をよぎるようになったのは、復帰が近づいてきてからです。「1年半もブランクがあって、また以前と同じように融資の案件を任されて対応できるのか」というドキドキ感は、復帰のその日までありましたね。
しかし、夫も私の「働きたい」という意欲を理解して応援してくれていましたし、両親や義理の両親も最大限の協力を申し出てくれていました。家族の支えがあったからこそ、「よし、もう一度頑張ろう」と前向きに復帰の日を迎えることができました。
「営業は、お困りごとを解決する仕事」。上司の猛プッシュで踏み出した新しい世界
──復帰後は再び融資業務からスタートし、その後「総合営業」へと転身されました。大きなチャレンジだったと思いますが、きっかけは何だったのでしょうか。
二人目の育休から復帰するタイミングで、当時の支店長が「酒井ならできるから、営業に出てみないか」と猛プッシュしてくださったんです。「これからは女性の営業職がもっと必要になる。女性ならではの視点は必ずお客さまの力になるから」という言葉をいただき、背中を押されました。
それまでの10年以上、ずっと窓口や融資の内勤業務をメインにしてきた私にとって、外に出て自らお客さまを訪問する営業は、未知の世界でした。でも、勤務地が自宅に近い地域だったこともあり、「知っている土地なら頑張れるかもしれない」と決意したんです。
──営業未経験からのスタートで、どのように自分のスタイルを確立されたのですか?
窓口はお客さまが来てから対応する仕事でしたが、営業は自分から動いていかなければなりません。最初は何をすればいいかわからず、夫に相談しました。彼はバリバリの営業職なのですが、「営業はお客さまの困りごとを解決する仕事だよ」と言われ、ストンと腑に落ちたんです。
そこで思い出したのが、学生時代に学んだ介護福祉のコミュニケーション技術でした。「相手がどんな反応をすれば話しやすいか」「どうすれば本音を引き出せるか」。相手の言葉を繰り返すことや表情の作り方など、昔学んだことが企業の社長や役員の方々とのお話の中で驚くほど役に立ちました。
知識が足りない部分は今でも必死に勉強中ですが、まずはお客さまの話をじっくり聞き、課題を共有する。窓口時代よりも深くお客さまと関われる営業の仕事は、自分でも意外なほど「向いている」と感じていますし、あらためて人と関わる仕事が好きなんだということを実感しました。
──子育てをしながら、訪問を伴う営業職をこなすのは大変だと思います。時間の使い方などで工夫されていることはありますか?
残業ができないという物理的な制約があるので、時間の使い方は劇的に変わりました。以前は「とりあえず行く」こともありましたが、今は一日の訪問ルートを直線で効率よく回れるように計画を立て、日中の時間を1分も無駄にしないよう意識しています。
また、周囲との連携も欠かせません。どうしても外回り中に事務作業が溜まってしまうことがありますが、今の上司である支店長や副支店長は、「溜まっている案件があればやるよ」と日常的に声をかけてくださいます。今の私があるのは、個人の努力というよりチーム全体でフォローし合う文化があるからこそだと思っています。
キャリアは止まらない。後輩たちが「ここで働き続けたい」と思える道標として
──出産や育児を経験しても、「キャリアは止まらない」と実感されていますか。
キャリアが止まることはありません。もちろん、休んでいない人と比べれば一時的にスピードに差が出ることはあるかもしれません。ですが、大光銀行にはそれぞれのペースで進み続けられる環境を用意してくれる懐の深さをじています。
産休・育休を経て、私のようにまったく新しい営業という職種にチャレンジして評価をいただけることもある。実際に体験してきたことで、ライフイベントはキャリアの終点ではなく、新しいステージへの通過点に過ぎないのだと思えます。
──大光銀行で働き続けることへの「安心感」は、どのようなところから生まれているのでしょうか。
一言で言えば、「まずは人がいい」ことです。私はこれまでのキャリアで多くの店舗を経験してきましたが、どこの職場でも人に恵まれてきました。困った時に「困っています」と言えば、必ず誰かが手を差し伸べてくれる。他人のために気を遣える、サポートできる良い人柄の人が多いので、みんなでやっていこうという意識で働けています。
また、居住地の変更や家族の事情など、相談すれば個人の状況に合わせて最大限配慮してくれます。対話ができる、対応してくれるという安心感があるからこそ、長く働き続けられるのだと思います。
──最後に、これから社会に出る学生の方や、キャリアとライフイベントの両立に不安を感じている方へメッセージをお願いします。
もし不安なことや心配事があっても、自分一人で抱え込んで「無理だから辞めます」と思わないでください。大光銀行には、声を上げれば受け止めてくれる土壌があります。
「こういう状況でこの仕事は難しいけれど、こうすれば貢献できるかもしれない」といった相談を、どんどんしていいんです。私たち先人がたくさんいますし、銀行側も行員が長く活き活きと働けるように本気で考えてくれます。
私は今、営業職として丸一年が経とうとしていますが、毎日が新鮮で、やりがいを持って働いています。将来的には、女性営業職や子育てをしながらキャリアを続けたい人たちのロールモデルになれるよう、さらに経験を積んでいきたいと思っています。皆さんと一緒に、楽しみながら大光銀行を盛り上げていける日を楽しみにしています。
※ 記載内容は2026年3月時点のものです
