若手が主役。ワクワク向上委員会がめざす、全員が輝く銀行の未来
──まず、ワクワク向上委員会とはどのような取り組みなのでしょうか。
この委員会は、大光銀行が策定した第13次中期経営計画「Value Up ~ワクワクする未来へ~」と、長期ビジョンである「働く全ての人が互いに高め合い、いきいき・はつらつと輝いている銀行」を実現するために2024年4月に立ち上がったプロジェクトチームです。
メンバーは主に営業店の20代から30代前半の若手行員6名で構成されています。「いきいき・はつらつと輝く銀行になるためには、何をしたらいいのか」をテーマに、若手自身が施策を立案するのが主な役割です。
通常、業務改善や施策の実行にはPDCAサイクルを回すことが求められますが、営業店の若手がいきなり全部を担うのはハードルが高い。そこで、彼らにはまず自由な発想でPlan(企画)に専念してもらい、具体的なDo(実行)の部分は私たち本部が引き受けるという体制をとっています。任期は1年間で、現在は2期目のメンバーが活動しています。
──今回、ワクワクを掲げて若手にフォーカスした理由を教えてください。
これからの時代に合わせて、従来の銀行文化をより柔軟なものへと進化させていきたいという想いがあったからです。銀行業務において、稟議制というプロセスは非常に重要です。直属の上司、支店長、本部担当者、本部役席と、階段を登るように承認を得ていく手順は、組織のガバナンスを守るために不可欠なものです。ただ、この確実なプロセスを大切にする一方で、現場の行員がもっと自発的に会社を良くしたいと声を上げられるルートも必要だと感じていました。
これからの銀行経営に求められるのは、与えられた役割を果たすだけでなく、現場起点で新しい価値を生み出せる人材です。だからこそ、通常の業務ラインとは別に、若手の柔軟なアイデアが経営層に直接届くような、新しい階段を作りたいと考えました。
──ワクワクという言葉には、若手の意識変革という意図も込められているのですね。
そうですね。実は、銀行業務には本来ワクワクすることがたくさんあるんです。お客さまの懐に深く入り込み、経営者の方々と膝を突き合わせて多様な世界を見せていただける仕事はそう多くありません。
しかし、若手のうちは日々の業務に追われ、その醍醐味に気づけないことも多い。だからこそ、この活動を通じて身近な業務の中にワクワクの種を見つける目を養ってほしいのです。それが結果として、将来お客さまと共に未来を描く力につながると信じています。
アイデアはすべて実行する。本気度が若手を動かし、組織を変える
──若手の提案が形になった事例について教えてください。
印象的だったのは、第1期で実施した本部見学会です。これは、営業店と本部の物理的・心理的な距離を縮めたいという声から生まれました。普段、電話やメールでやり取りをしていても、相手の顔が見えないため、どんな環境で働いているのかがわからない。
また、営業店の若手にとって本部業務は未知の世界であり、自身のキャリアプランとして描きにくいという意見があったのです。そこで単なる職場見学で終わらせず、各部署の業務説明に加え、お昼には頭取とのランチミーティングもセッティングしました。
──頭取とのランチミーティングは、若手行員にとって非常に貴重な機会だったのではないでしょうか。
普段は若手が頭取と直接話す機会はほとんどないため、参加者からは「頭取と初めて話せました」という声が聞かれました。経営層の顔がわかり人柄に触れたことで、その後のトップからのメッセージもより身近に、高い感度で受け止められるようになったのではないかと感じています。
また、本部側にも大きな効果がありました。現場の若手が直接見に来て質問をしてくれることで刺激を受けましたし、何より顔が見える関係になったことで、その後の業務上のコミュニケーションに思いやりが生まれたんです。あの人がやっているなら、早めに依頼を出そうといった具合に、組織全体の連携がスムーズになる効果もありました。
──第1期全体では、最終的にいくつの企画が頭取へのプレゼンまで進んだのですか?
第1期では、最終的に11個ものアイデアが頭取へのプレゼンまで進みました。そして私たちは、この11個すべてのアイデアを実行に移すことに決めました。
「ワクワクにつながり得る施策は全部やる」「うまくいかなくても当然という意識で挑む」──これがこのプロジェクトの基本スタンスだからです。若手が勇気を出して提案してくれたものを、会社は本気で応えるという姿勢で行動に移すことが、信頼関係を築く上で何より重要だと考えています。
──事務局として、若手のアイデアを潰さないために意識されている点はありますか?
私たち事務局は黒子に徹することです。若手のアイデアは、最初は荒削りで、現実的な視点がおろそかになっていることもあります。しかし、そこで「コストがかかるからダメ」「前例がない」と否定してしまっては考える意欲を失ってしまいます。
私たちは、彼らのやりたいという本質を崩さずに、どうすれば実現可能な形に着地できるかを一緒に考えます。「こういうハードルがあるけれど、どうクリアする?」と問いかけ、彼ら自身の思考を止めないようにサポートする。
かつて私自身も、上司に背中を押されて新しい部署に挑戦し、世界が広がった経験があります。今度は私が、若手の挑戦を止めず、彼らがのびのびと発想できる環境を守る側でありたいですね。
自分たちで変えられる実感。熱量は伝播し、想いが提案へ変わる
──プロジェクトを通じて、参加した若手行員に変化はありましたか?
最初は戸惑いが大きかったと思います。普段の業務で「自由に企画していいよ」と言われる機会はほとんどありません。しかし活動が進むにつれて、明らかに彼らの温度感が上がっていくのを感じました。
事務局が進行しなくても、メンバー同士で勝手に議論が白熱し、主体的に動くようになる。最終的に頭取へ直接プレゼンをする経験を経て、彼らの顔つきは自信に満ちたものに変わっていきました。自分たちの考えが、会社の決定として動いていくという手応えが、彼らを大きく成長させたのだと思います。
──その熱量は、委員会のメンバー以外にも波及しているのでしょうか。
それこそが、私にとって嬉しい想定外の成果でした。活動が認知されるにつれて、メンバー以外の行員からも「次はこんな企画をやってほしい」「もっとこうしたらおもしろいのでは」という声が、事務局に直接寄せられるようになったのです。
これまで胸の奥に秘めていた想いが、ワクワク向上委員会なら聞いてくれるかもしれないという期待感に変わり、建設的な提案として出てくるようになりました。社食の改善といった身近な要望から、業務に直結する真剣な提案までさまざまです。自分たちの声で会社は変えられるという空気感が醸成され始めたことこそが、組織にとって一番の財産だと感じています。
──田浦さんご自身の心境にも変化はありましたか?
私自身も好奇心を大切に働いてきましたが、若手の自由な発想を見ていると、私たちが思っている以上に可能性は広がっているのだと気づかされます。
だからこそ、私は黒子として、行内のあちこちで「それ、ワクワク向上委員会に提案してみたら?」と声をかけたり、裏で調整に回ったりして、もっともっとボトムアップの火を大きくしていきたいという想いがより強くなりました。今は仕掛け人としての楽しさをしっかりと感じています。
会社と行員が互いに高め合う。変化を楽しむ人と新しい未来を作りたい
──この取り組みを通して、あらためて感じた大光銀行の魅力はありますか?
協力体制と風通しの良さです。若手が提案したアイデアを11個も実行するとなれば、本部の各部署には相当な負荷がかかります。しかし、皆さん通常業務で忙しいはずなのに、「若手が困っているなら一肌脱ごう」「それはおもしろいね」と、予想以上に協力的に動いてくれました。
トップダウンで降りてきた案件よりも、むしろ若手からのボトムアップの提案に対して、「よし、やってやろう」という気概を見せてくれる人が多かったんです。そうした温かさと新しいことへの受容力が当行の魅力だと思います。
──今後、大光銀行をどのような組織にしていきたいと考えていますか?
会社と行員が、対等に貢献し合う組織をめざしています。言われたことをやるだけの受け身ではなく、一人ひとりがどうすればもっと良くなるかを考え、能動的に会社に貢献する。そして会社もその想いに応え、より良い環境や機会を提供する。そんなエンゲージメントの高い、互いに高め合う関係を築いていきたいです。
──最後に、この記事を読んでいる学生に向けてメッセージをお願いします。
私たちは今、大きな変化の中にいます。だからこそ、ワクワクする未来を一緒に作っていける仲間と働きたいと思っています。現状に満足せず、どうしたらもっと良くなるかを自分で考え、言葉にし、行動に移せる人。変化する時代を楽しみながら、自分なりのワクワクを見つけられる人に、ぜひ来ていただきたいです。
皆さんの好奇心と挑戦を受け止め、全力でおもしろがってくれる仲間が、ここ大光銀行には待っています。
※ 記載内容は2026年1月時点のものです
