起業を見据えたキャリアの選定
社長の河本と大矢は、大学のゼミで出会った。国際経営をテーマにディスカッションやディベートに取り組む中で、2人はすぐに意気投合。“竹馬の友”と呼べるほどの仲になるのに時間はかからなかった。
大学3年になると、それぞれ就職活動を始めた。大矢は、「多くの人と接する仕事」と、「汎用的なスキルを身につけられる」という2つの軸で大手通信会社の法人営業の職を選んだ。
「ちょうど内定が出た頃に、河本がいつになく真剣な面持ちで『5年後に一緒に起業しないか』と言ってきたんです。具体的な計画は何もないけれど、河本と一緒ならきっとおもしろいことができると直感し、二つ返事で承諾しました。
そして、5年後の起業に向けてそれぞれ違う会社でビジネスマンとして力をつけようということになりました。入社後も、互いに勤めていたオフィスの場所が近かったこともあり、夜な夜な食事をしながら起業に向けた話をしていました。
入社5年目になる頃に、あと1年で起業するのであれば残りの1年間は別の会社で新しいことを学ぼうと転職を決めました。当時はどんな事業で起業するか決まっていなかったため、『何を学べば今後の役に立つだろう』と考えた結果、マーケティングを選びました。これまでと打って変わって規模の小さい会社に転職し、1年間でマーケティングや販売促進のイロハを学びました。その時の経験により、より広い視野でビジネスを見る力が養われたと思います」
約束の5年後、シーズアンドグロースを起業するにあたって事業の柱に決まったのは、河本が培った新卒採用コンサルティングの分野だった。
「当時、新卒採用コンサルティングという事業内容で、自分の強みが活きるイメージが湧かず悩むようになりました。『もっと自分ならではの強みを培う必要がある』と父が地元群馬で経営していた企業でそれを培おうと、地元に戻る判断をしました。
私の決断に、河本は賛成し、『それであれば、ぜひ大矢には相談役として関わっていてほしい』と言ってくれました。そういった経緯で、軸足を家業に置きながら、SAGの社外取締役になりました」
地元に戻り、家業であるスーパーマーケットや外食事業を手掛ける会社に、まずは常務として入社した大矢。その後、約13年間の在籍期間の中で社長と会長を歴任し、経営者としての視点や責任を学び、組織運営の根幹に関わった。
「常務を務めていた頃からずっと取り組んでいたのは、地元の方に愛され、社員がプライドを持ってイキイキと働ける環境づくりや、新卒採用の強化でした。
経営者になってからは、競合が出てきたこともあり、会社の利益を考えた攻めと守りのバランスを鑑みた判断がとても難しかったです。当時の役員や株主たちとは意見が食い違うことも多々あり、自分が描く経営方針を進めていくことに苦戦しました」
その間、河本とは同じ経営者同士、定期的に意見交換をするなどのコミュニケーションを取ったり、SAGが行う複数社合同で行う研修の講師として登壇したりなどしていた大矢。
SAGの社員がわずか3名となった2019年頃からは、SAGが行う月2回ほどの経営会議に大矢も参加し、経営者としての助言や外部からの視点でSAGの経営に意見をするようになった。
「SAGの内情理解が進んでいくのと合わせて、自分のキャリアについても考えていました。家業では、経営者として株主と意見がぶつかることも多く、『自分にできることはやりきった』と感じていました。
一方で、かつて『自分の強みを明確にしたい』と考えていましたが、何かに特化した強みはこの時も見出せていませんでした。これは、自分が“成長しなかった”ということではなく、“経営者視点で、企業経営に必要な考え方やスキルを網羅的に身につけていた”ということとイコールだと考えなおしました。そして、『今ならSAGで自分らしい活躍ができる』と確信を持つことができました。そこで、河本と相談し、正式にSAGにジョインすることが決まりました」
イチから仕事を学び、プロのコンサルタントをめざす
2023年、SAGの取締役として正式ジョインすることになった大矢には、一日も早くコンサルタントとして、顧客へ価値提供することが求められた。コンサルタントの業務内容は、企業が抱える採用課題に対して適切な解決策を提案し、それを具現化し、効果検証をして次につなげるというサイクルを回していくこと。
大矢は、「これまでのキャリアとはかけ離れた分野でわからないことばかりだが、SAGでやっていくと決めたからには、自ら学び、考え、行動していくしかない」という覚悟を持って入社した。
「取締役という立場上、今より会社を良くしていくことは当たり前のことだと思っています。そのためにも、影響力を持ってモノを言える立場になるために、まず自分自身がコンサルタントとして成果をあげることが必要だと考えました。コンサルタントとして活躍するメンバーのほとんどは自分より年下ですが、とにかくいろいろ聞いたり打合せに同席させてもらったりして、浴びるように場数を踏みました。
入社から半年が経過し、新卒採用マーケットを理解して仕事の全体像が見えてきた頃、ようやく『仕事がおもしろい』と思えるようになりました。自発的に考え提案できる幅も広がって、徐々に自分の成長を実感できるようにもなり、あらためて『新しいことを学ぶっておもしろいな』と実感しましたね」
取締役が考えるSAGの仕事
そんな大矢は、SAGの仕事の定義について、このように話す。
「1つめは、『相手が変化するきっかけを与える』こと。究極を言えばどんな仕事もそうですが、自分が関わることで誰かの考え方を良い方向に変えることに価値があると思っています。
2つめは、『相手に自発的な行動を促す』こと。とくにSAGの仕事は、企業の採用活動を代行するわけではなく、顧客が自立して採用成功できる状態をめざしています。そのため顧客に、いかに自ら積極的に動いていただけるかどうかも重要です。
この2つが揃ってはじめて、本当に良い意味で“変化”を起こせると思っています。私は、プロのコンサルタントをめざす上で、『採用におけるチェンジエージェント(組織開発する人)になる』ことを常に考えて、目の前の顧客に日々向き合っています」
自分が理想としているチェンジエージェントに近づくため、顧客と向き合う時は入念な準備をすることを大切にしているという大矢。
「初回接触前に、徹底的に顧客の業界や会社理解を行うことはもちろん、自分にとってのコミュニケーションツールである提案資料にはとことん時間をかけます。自分が考え抜いた提案内容を顧客に喜んでいただき、変化を起こすきっかけをつくることができた時には、強くやりがいを感じます」
「顧客のため」を常に考えて行動している大矢だが、その貢献意識の高さはどこから来るものなのだろうか。
「自分の役割は常に気にしており、『自分にしかできない仕事がしたい』と考えています。前職は、誰もできる人がいなかったからすべて自分で対応するしかなかったのですが、SAGの社員は自立しているので、自分でなくてもいい仕事は安心して任せられる。
だからこそ、『自分の価値』に重きを置いて、まずは一流のコンサルタントになることに注力し、顧客のためにできる精一杯のことをしたいという想いがあるからですかね」
取締役が考える今後の会社の姿
正式ジョインから約1年半が経過した現在、大矢がめざす先を聞いた。
「大きく2点です。1つめは、『商品開発』です。当社のサービスは、これまで河本が考案したものが主なので、自分の世界観を多分に反映させた商品を生み出してみたいと考えています。
2つめは、『社員自身の市場価値が上がるような会社にすること』です。どんな会社も、社員が『自分の勤める会社でどんなキャリアが歩めるか』という『キャリアへの期待』をどれだけ持てるかが重要だと考えています。SAGに入社すると社員自身が自分の価値を実感できるような、そんな仕事ができる会社にしていきたいですね」
大学時代を河本と共に過ごし、創業期から山あり谷ありのSAGを近くで見てきた大矢。採用コンサルタントという未経験の領域に挑み、一流のコンサルタントをめざす大矢の活躍はこれからだ。
※ 記載内容は2024年12月時点のものです
