データと傾聴を武器に、人事のDX変革を推進するマネージャーの挑戦
私は現在、人事総務課のマネージャーとして、チームの舵取りを担当しています。私たちのチームが掲げているミッションは、顧客満足を念頭に置いた上で、社員を顧客と捉え、人事としての価値・貢献を常に追求し続け、実行していくことです。この考え方は、当社における従来の人事部門の在り方を根本から見直すものだと考えています。
マネージャーとしての私の主な役割は、人事戦略の立案に必要な基盤整備に取り組むことです。具体的には、人事領域のあらゆる定量的なデータをベースとして、課題に対して根拠のある最適な打ち手を計画し、速やかに実行することを心がけています。人事の定量分析に必要なデータの収集や、組織の結節点となるべき管理職を強化するための企画提案、そしてエンゲージメントスコア向上のための打ち手を計画していくことが、私の日々の業務の中核を成しています。
課題解決に取り組む際に重視しているのは、まず課題解決に必要と思われるデータが何かを考えることです。総じて重要なのは時間、金額、人などの施策に必要な根拠となるデータで、仮説のゴールイメージから逆算してそれぞれの切り口から分析していくアプローチを大切にしています。
私が仕事をする上で最も大事にしているのは、DXのソリューションを販売する会社であることを常に意識し、特にAIを活用しての業務効率・最適化を追求することです。オペレーション部門から企画部門への変革を進めていきたいと強く考えています。週次のミーティングで各担当から工数削減の提案を受けて業務の統廃合を進め、API連携によるデータ入力の自動化やAIを用いた資料作成で効率化を図り、従来のルーティンワークの時間を大幅に削減しました。これからの人事は、AIにはできない企画業務のスキルを伸ばすことの重要性を、チームメンバーに繰り返し伝えています。
医薬品業界での豊富な経験と新たな挑戦への決意
私のキャリアは、主に医薬品関係の業界で人事マネージャーとして歩んできました。人事制度を始めとして、人事領域の幅広い仕事に携わってきたことで、引き出しの多さが自分の強みだと考えています。採用から労務管理、制度設計まで、人事のあらゆる側面に触れてきた経験は、今振り返っても貴重な財産となっています。
特に印象深いのは、IPOや上場指定替など計4回の有価証券報告書作成を経験したことです。その際に多様な人事制度の改定に取り組んだ経験は、現在の仕事にも非常に大きく生きていると感じています。ただ、当時を振り返ると、必要なデータの取り方を事前に知っていればもう少し効率的に対応できたのではないかと思います。経年で蓄積していくデータは過去分が存在しないため、非常に苦労しました。
上場するということは、コンプライアンスや内部統制がしっかりとしていなければいけません。人事労務の視点から浸透させるべき事項について、現場の皆さんに「余計なことを押し付けられた」と感じられないよう、目的や趣旨を丁寧に説明することを心がけました。理解を得ながら進めることの重要性を身をもって学んだ経験でした。
前職では労務の専門部署で貴重な経験をすることができましたが、定年までの時間を考えた時、これまでの集大成として、今まで培ってきた人事の幅広い領域をより生かせる環境を求めるようになりました。新しい環境で、これまでの経験を統合的に活用したいという想いが強くなっていったのです。
IT業界での挑戦と成長:フルリモートから始まった新たな学び
IT業界は私にとって全く未知の世界でした。これまで複数の上場企業で人事を経験してきましたが、この業界特有の文化や働き方には正直戸惑いの連続でした。特に入社当初はフルリモートでの勤務だったため、人との接触機会が限られ、同僚の人柄や業務の詳細を理解するのに非常に苦労しました。
最も印象的だったのは、コミュニケーションの取り方の違いです。Slackやドキュメント共有を活用したテキストベースが中心で、口頭でのやり取りが極めて少ない環境でした。効率的である一方で、文章だけでは細かなニュアンスが伝わりにくく、時として誤解やすれ違いが生じるのではないかと心配になることもありました。
こうした環境での人間関係構築の困難を克服するため、積極的にコミュニケーションの機会を作ることを心がけました。週次アンケートに人事相談の項目を設けたり、面談などの接触機会を自分からお願いするようになりました。受け身ではなく、能動的にアプローチすることで、徐々に会社になじめることができました。
そして入社後の大きな転機となったのが、出社ルールの変更でした。世の中の出社回帰の流れに合わせて、フルリモートから「週1日出社」をルール化することになったのです。しかし、リモートでもコミュニケーションに支障はないと感じていた社員が多く、週1日の変更であっても、想像以上に強い反対の声が挙がりました。
経営方針と社員の声をバランスよく調整するため、アンケート分析を徹底的に行い、より多くの声があった意見を優先課題として対応していきました。例えば、大手町のオフィス周辺で「昼食が高くて混雑している」という声に対しては、オフィスおかんという置き型社食の導入を実現しました。こうした丁寧な対応により、変化への理解に少しでも役に立てたのではないかと感じています。
この環境に身を置く中で、私自身も成長を感じております。特にAIに対する関心が飛躍的に高まり、WEBスクールでの学習や関連書籍を読む機会が増えました。これからの時代の人事のあり方について、以前とは比較にならないほど深く考えるようになったのです。前職での複数の上場企業での経験は確実に活かされていますが、現在の会社の実情に合わせて運用することの重要性も学びました。
時代の変化を読み、成長し続ける人材を目指して
短期的な目標として、まずはAIの資格であるE資格やG検定の取得を目指しています。人事のみならず多様な改善、時短が可能になるAIは、これからの時代において必ず必要になると考えているからです。IT企業に勤めることにより、AIの最前線の知識やスキルを持つ人材やシステムなどに触れる最善の環境にあるので、それらを活かしてより吸収できるようにベースを高めていきたいと思っています。
身につけた知識やスキルは、まず部署内でいろいろと役に立つように活用していく予定です。すでに社内のAI・DX室との定例ミーティングにて人事業務の改善を進めていますが、その中で得たプロンプトの問いかけ方や、用いる教材、AI活用での改善事例の共有を図り、更なる業務改善、効率化を進める橋渡しとなりたいと考えています。
中長期的には、良い人が集まり、活気のある職場づくりのために人事として貢献していきたいと思います。特に同業他社に負けないような、育児介護など多様な人材が働きやすい環境づくり、エンゲージメントスコアが向上するような柔軟な働き方や、公平・透明・納得性の高い人事制度、福利厚生、人が集まりたくなる魅力あるオフィスなどの労働環境づくりに取り組んでいければと思っています。
採用候補者の皆さまには、IT業界は在庫を持たないサービス業で、他の業界に比べてもより人材力が問われるので、当社も教育には非常に力を入れていることをお伝えしたいです。また、大手企業と比べて、手を挙げればやりたい事に早く取り組めるチャンスが多いので、最短でキャリアアップしたい人には最適な環境だと思います。
これからは、終身雇用がますます崩壊し、史上最高益でもリストラがあるように、たとえ大企業に属していてもそこに居続けられるかは不透明な傾向が強くなると思います。就職はゴールではなく、その環境で誰と出会い、何を学び、どのように成長したいかを自問し続けることが大切です。時代の変化を読み、これからの時代に必要なスキルを追及し続けることで、他社から引き抜きされるような人材をぜひ目指して欲しいです。その上で、当社を選んでいただけるように頑張りたいです。

