25歳で難病に、1回目の転職を経験
「東京の大学を卒業後、都内で都市銀行の営業職に就きました。担当していたのは富裕層といわれる顧客に対しての資産運用の業務です。毎日学ぶことが多く、とても忙しい日々でしたが充実していました」
1回目の転職のきっかけは、25歳の時に発症した難病だった。下肢に障がいが残ったことで営業職が続けられなくなり、働き方を変えるために重機メーカーに転職し、人事労務の業務に就いた。都市銀行の営業職と重機メーカーの人事労務職では、業務内容はまったく異なるものだったと話す。
「1社目に就職した都市銀行では金融商品取引法により、自分自身でデータ作成した資料を使用した営業は禁じられていたので、ExcelやPowerPointを使う機会があまりありませんでした。ところが2社目に転職した重機メーカーでは、毎日のように10万行を超えるExcelでの作業がありました。データ分析についても基礎から学ぶ必要があり、随分と鍛えられました」
その後、結婚し双子の男女を出産。仕事を続けていたが、配偶者の転勤により東京から大阪に転居することが決まる。会社に相談し、関係会社も含めて配置転換を検討してもらったものの叶わず、転職を決意した。
「大阪に住むのならパナソニックを受けてみようか……という軽い気持ちでの応募、というのが正直なところでした」
当時はまだ、パナソニックグループにさまざまな人事制度があることを知らなかったと言う。
「私は歩行時に杖を使用していますし、配偶者が転勤族、小さな双子もいます。採用する側からすると、抱えているものが多く、避けられがちだろうと思っていました。でも、面接官の方の姿勢から、私のバックグラウンドを丁寧に理解しようと努め、面接を通して人を大切にする会社だということが伝わってきたので、就職を決めました」
当時の採用面接担当者は「さまざまな事情を抱えている中でも“仕事を続けたい”という強い想いを持つ三島さんの姿勢に感銘を受けて採用を決めました」と評する。
夫の再転勤をきっかけに、フリーオフィス制度を利用
大阪へ転居し、双子の育児と両立しながら仕事を続けていた矢先に、新型コロナウイルス感染症の拡大が深刻化し、所属していた部署は原則在宅勤務の措置をとることになる。在宅勤務にも慣れた2022年の夏、再び配偶者の転勤が決まる。転居先は静岡県だと告げられた三島。
「今度こそ仕事を続けることは難しいかもしれない、と思いました」
当時、事業会社化したばかりのパナソニック インダストリーは、独自の人事制度を矢継ぎ早に取り入れ、「人を中心とした経営」を推し進めていた。社員の“想い”の実現を後押しする人事制度の導入をはじめ、働き方の変革、一人ひとりに公平な機会を提供するといった組織づくりが始まっていた。
「従来のフレックス勤務、在宅勤務に加え、個人の事情に応じた勤務地が選択できる『フリーオフィス制度』も導入されることになったと聞き、私に合った働き方ができると思ったんです。配偶者の転勤にも適用できるということで、私もフリーオフィス制度で通勤圏外から仕事を続けることにしました」
フリーオフィス制度のメリット・デメリットについてはどのように考えているのだろうか。
「メリットは、1人で集中して仕事ができることですね。データを扱う仕事なので、助かっています。デメリットは、顔を合わせるからこそ話せていた些細なコミュニケーションをどうカバーしていくかでしょうか。月に一度は出社する必要があり、大阪か東京の職場へ出社すると、やはり対面での会話も楽しいですね」
「働き続けたい」を支える「働きがい」
現在の三島の主な業務は販売実績などのデータ分析だ。商品ごとや事業部ごと、業界ごとなど、さまざまな切り口で数字を分析することが求められるポジションだが、重機メーカーでの経験が役立っていると話す。
「最終面接の際には、責任者と共に同席していた同僚から『この仕事に対してくれぐれもパナソニックのキラキラしたイメージを持たないでくださいね』と言われました。後から聞いたところ、それは、さまざまな事業が集まって構成されているパナソニック インダストリーならではのデータ集約の複雑さを説明するために、良い意味で期待を持たせないようにしてくれたとのことです(笑)」
入社して5年が経った今、重要な役回りを担うようになった三島は、常に責任感を持って業務にあたっている。
「自分がデータ分析して作成した資料が、各販売会社へ提出され、さらに社長報告にも使われる重要な仕事なので、常に責任を感じています。年に何度か、海外の販売会社の方々が日本に集まる会議があるのですが、ある時、為替の要因などを分析・整理し、資料を修正することが会議の直前まで発生し、苦労して資料を仕上げました。
会議終了後、『とてもわかりやすく整理してくれたから助かったよ』と労いの言葉をかけていただいた時に、とてもやりがいを感じました」
初の海外出張で韓国の販売会社を訪問したことも、とても良い経験になったと三島は続ける。
「現地販売会社のメンバーとは普段からTeamsでコミュニケーションを取っていたのですが、実際に会って話ができたことで、現地での問題点の理解がより深まりました」
見えないところから、見違える世界に変えていく
パナソニック インダストリーが運用する個人の事情に応じて自由に勤務地を選ぶフリーオフィス制度は、仕事によっては制度の活用は難しくなる。利用する際のポイントを次のように話す三島。
「『今の仕事では制度が使えないから、自分とは関係がない』と諦めてしまうのではなく、別の働き方を探す、領域を見直すということをしてみると、きっとどこかにハマる制度があるのではないかと思います」
パナソニックグループ共通の充実した福利厚生に加え、独自のさまざまな人事制度を随時導入しているパナソニック インダストリー。社員一人ひとりがその制度を理解し、自分に合ったものを選んで活用することで、働く原動力になれば……と三島は言う。
「子どもたちが成長し、今よりも自分の時間を確保できるようになったら、恵まれた環境と制度を活かして、よりスキルアップして業務の幅を広げていきたいと思っています」
見えないところから、見違える世界に変えていく──自分自身やライフステージ、社会情勢の突然の変化の中で、強くしなやかに可能性を模索し、キャリアも変化させてきた三島。現状にとらわれることなく、常に学ぶことを怠らず、スキルも積み上げている。
※ 記載内容は2024年2月時点のものです
