NTTデータ 製造ITイノベーション事業本部の三宅 恒司です。
デジタルマーケティング領域を中心とするシステム開発案件のプロジェクトマネージャー(以下、PM)として、日々お客様の事業成長とテクノロジーの進化に向けて取り組んでいます。
ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという、デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation;DX)。昨今のシステム開発プロジェクトでは、DXに関連するものが圧倒的に増えてきており、今後もますます増えていくと考えています。そうした状況において、DXに関するシステム開発のPMがどのように振る舞えばよいか?従来の大規模Waterfall型プロジェクトから、小規模複数Scrum型プロジェクトにシフトにし、成功し続けるプロジェクトマネージャー像とは何か?
私なりの経験や考えご紹介していきたいと思います。
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Digital Transformationを推進するプロジェクトマネージャーになる
PMとして最も大切な仕事は、お客様の事業目標を達成することだと考えています。その上で、私が考える”うまく行っているプロジェクトの定義”は、次の3つ。
1. ミッションが明確であること
なにのために取り組んでいるかの大義名分が明確であり、かつメンバが理解している
2. 変化に対応できる仕組みができていること
システムを作り出すチーム、チームが作り上げるシステム(ApplicationやService)、運用するチーム、それぞれが変化に対応できる仕組みがある
3. 収益モデルが健全であること。
赤字案件でなく、継続的に投資可能な状態になっている
この定義を満たすチームを効率的に創り上げ、運営することでお客様の事業目標を達成に導くミッションを担っていると考えています。そのためにPMとして必要とされるスキルとして、「チームの立ち上げ」「方向性を示す」「サポートをする」の3つが重要になってくると考えています。
1つ1つの取組みは小さな点です。ときには先が見えないときも訪れるかもしれません。しかし、振り返ると、この点と点が繋がり大きな道になっているはずです。PMは誰よりもそれを強く信じ、心に留める必要があります。それが例え常識的な道から外れようと推進すべきだと思います。その先にのみ付加価値の高い未来が待っているのです。
1. PMはチームを立ち上げる
まずは、目標を達成するために必要なことを洗い出し、それぞれの役割をもつチームを立ち上げます。Agile開発の場合、PMの他にチーム全体の開発スピードをあげるためのスクラムマスタをアサインして、スクラムチームを作ります。要件が不透明な状況であれば要件を提案できるメンバを、ソリューション選定が必要であれば選定できるメンバを、アプリケーション作成が必要になれば開発できるメンバを揃えていきます。運用フェーズも重要です。しっかり業務やシステムを保守・運用する運用チームも開発に入る段階で作っておく必要があります。
ただ、プロジェクトが立ち上がるたびにチームを1から作っていては、効率が悪いしお客様のスピードに着いていけません。そこで、PM自身が要件を定義し、ソリューションを選定し、ときにはアプリケーション開発やインフラ構築も実践するマインドが、これからは必要になってくると思います。強いチーム作りには“共感”が重要だと考えています。お客様の要求を理解し、Applicationやインフラ構築に必要な戦略を具体化できれば、チームとしても納得感があり、正確に早く物事を進めることができると考えています。
2. PMは方向性を示す
ApplicationやServiceの構築に向けて、複数のチームがMVP (Minimum Viable Product)と呼ばれる、最小限の機能をもつ製品やプロダクト、サービスをリリースしていきます。PMは、全体の方向性を示すべく、ロードマップを描き、明確なマイルストンやKPIを設置していきます。このとき、変化に耐えられるような内容にしておく必要があります。
こうした方向性について、あらかじめプロダクトオーナーと連携を取り、全員に理解して貰う必要があります。複数チームがそれぞれリリースをしていくため、プロダクトオーナーが整合性を取っていくことが重要だからです。プロダクトオーナーにはとても高い調整能力が求められます。このプロダクトオーナー育成も、PMにとっては重要な役割です。お客様の事業目標を効率よく達成させるためのバックログを作成させます。
3. PMはサポートをする
極論言うと、PMは、目標達成のためであれば、何でもする必要があると考えています。PMは、ある意味経営者と似ていると思います。1つの会社=1つのプロジェクトを運営する裁量と責任を持っているからです。
資金調達や人材育成、設計、製造、テストだって、企画からリリースまで、プロジェクト成功のためにだったら何でもする。それよってメンバの生産性が高くなり、少しでも早くリリースし、お客様の事業目標を達成することができるのであれば、何でもすべきだと考えています。このように考えると、PMを目指す人は、PM職を学ぶのでなく、実際の開発メンバから少しずつ自分のスキル・タスクの範囲を広げていき、PMもできるといった状態になるのが、ベストなキャリアプランだと私自身は考えております。
そもそもデジタルマーケティングとは?
DXの1つに、デジタルマーケティングの領域があります。デジタルマーケティングは、IT業界特有の曖昧な用語の1つです。ここでは、”顧客接点で得られるデータを高度な専門性を持って分析・活用することで、顧客に利便性や利益を提供し、事業目的を達成するための活動”と定義したいと思います。そのため、それ単独でみるのではなく、事業活動とつないだ線(時系列)もしくは面(時系列✕オンライン・オフライン)で捉えていく必要があります。
よく、CRMやSFAのソリューションを導入したからデジタルマーケティングをやっているというお話を聞くことがあります。しかし私がここで述べている内容においては、それは1つのパーツでしかありません。もう少し大きく捉えて、デジタルを通し有機的に繋がった”活動”のことをデジタルマーケティングとして述べていきたいと考えております。
もう1つ、私が何故あえて”システム”という言葉を使わず、”活動”と言っているかというと、デジタルマーケティングにおいては、”システム”でさえ1つのパーツと考えるからです。”顧客に利便性や利益を提供し、事業目的を達成するための活動”においては、システムは需要な1つパーツであることに間違いはありませんが、それだけでは目標を達成することはできません。たとえば、”UI/UXデザイン”、”イベント企画・クリエイティブ制作”、”組織設計”、”高度なデータ分析”などさまざま取り組みが必要になってきます。
つまり、「Creative」「Business」「Technology」とバランス良く進める必要があります。従来のSIerとしての仕事の領域だけでは、DXの世界でPMとして生き残っていくことは難しいと考えており、私たちとしても働き方を変えて、価値を生み出して必要があると考えています。
そこで次回からは、「Creative」「Business」「Technology」の観点から、それぞれプロジェクトを一緒に推進するパートナーの意見を交えて具体的にご紹介していきます。
