農業者のみなさんをサポートしたい。地方銀行から農林中央金庫へ
大学卒業後、新卒で地方銀行に入行した友常。約7年間で3カ店での勤務を経験し、渉外営業を担当しました。
友常 「栃木県を本拠地とする地方銀行で、1カ店目は同県の主要都市の商店さんを中心に100社ほど担当し、銀行業務の基礎を学びました。その後、埼玉県の支店に転勤。少し規模の大きい法人を相手に融資を中心とした業務に携わりました。3カ店目に配属されたのが、東京都内の支店。やはり法人担当として主に上場企業を担当していました」
地元である群馬県周辺での勤務を希望していた友常でしたが、会社の事情で都心で働かざるを得ない状況に。キャリアを見直し転職を考えたとき、真っ先に頭に浮かんだのが、農林中央金庫でした。
友常 「学生時代に就職活動していたときから農林中央金庫の存在はもちろん知っていたのですが、当時の採用は総合職のみ。地元で働きたいと思っていた自分にとってハードルが高いと感じ、地方銀行を選んだ背景がありました。転職を検討していたタイミングで当庫の募集を見たところ、地域職の採用枠があったんです。
農林水産業を支えるメインバンクとして、地域に根差した活動を通じて地域活性化に貢献するという使命に共感できましたし、また法人相手の融資業務を担当してきた経験やスキルが活かせると感じ、選考に応募しました」
銀行の融資業務には特別な思い入れがあると言う友常。その理由についてこう話します。
友常 「お客様のビジョンに寄り添えるところに魅力を感じています。たとえば、『事業規模を拡大したい』とお客様から相談をいただいたときなど、自分が考え抜いた提案にご納得いただき、お客様が実現したい未来に近づくためのお手伝いができることが何よりの喜びです。また、提案する過程で自分自身が成長していくところにもおもしろさを感じています」
また、選考の過程で面接官が口にした言葉に大いに力づけられたと言う友常。
友常 「農業者さんとじかに向き合いたいと考えていたのですが、農林中央金庫に対して、JAさんの信用事業をサポートするイメージを持っていました。農業者さんに直接対応するのは難しいのではと不安を抱えていたところ、当時の面接官の方からこう言われたんです。
『お客様である農業者さんのことを徹底的に考えないと、JAさんが腹落ちするような提案はできない。JAさんと接することは、農業者さんと接することに通ずる』のだと。その言葉が心に刺さり、入庫の決め手になりました」
JA担当者と農業者を同行訪問。農業実務と金融の両面から顧客の成長をサポート
入庫して友常が最初に担当したのはローン推進企画。群馬県下でのローンの推進や、施策を県域に適したかたちにアレンジする業務を1年ほど経験した後、2021年4月からJA実践第一班へ。県内中北部エリアにある6つのJAを対象とした事業推進に携わっています。
友常 「実践班の業務は大きくふたつ。ひとつ目がJAの担当者さんに同行し、農業者やローンを利用する業者さんを訪問すること。農業融資やバンクローンの案件を獲得するのが主な仕事ですが、同行訪問の中でOJTも行っています。
ふたつ目がJAさんに向けて経営上のアドバイスをすること。たとえば、事業計画を立案したり、農林中央金庫の施策をお伝えし実施に向けて擦り合わせを行ったりしています」
同行訪問では、あくまでJAの信用事業をサポートするのが友常の仕事。立ち位置の関係上、難しさを感じる場面もありますが、前職での経験が生きていると言います。
友常 「JAの担当者さんと既に信頼関係ができているお客様のところに同行することが多いので、初対面のときなど、どうしても私だけ外部の人として見られることが多くて。自分の存在感を発揮しづらいというか、お客様とのあいだに良好な関係をつくりづらいと感じたこともありました。
そんなとき、指針としてきたのが、前職で外回りをしていたとき同行してくれていた上司のふるまいです。JAの担当者さんと農業者さんの関係を大切にしながら、双方のお話をよく聞いた上で、たとえば『こういう考え方もあるんじゃないですか』と自分の経験を基に提案するよう努めてきました」
そうした心がけの成果があらわれ、少しずつお客様と馴染めてきた実感があると話す友常。
友常 「農業の知識はJAさんには及びませんが、金融知識があるのがわれわれの強み。最近では、JAの担当者さんが実務に関するお話をして、私がファンドによる出資やリースなど、お客様に合った資金の調達方法をご説明するという具合に、うまく役割分担ができるようになってきました。近い将来、JAの担当者さんが単独でお客様対応ができる未来も見えてきています」
友常が同行訪問するようになって2年弱。とくに印象に残っていることがあります。
友常 「ロシア・ウクライナ戦争にともなう急激な肥料・燃料の高騰を受け、多くの農業者さんが深刻な悩みを抱えています。そんな中、JAバンクでは物価高騰対策の資金を2022年の9月から用意し、非常に多くのお客様にご利用いただいてきました。
資金調達にマイナスな印象を持っている農業者さんが多いと思っていたのですが、『こういった資金を用意してもらってありがたい』『借りておいてよかった。これで経営を円滑に進められる』というお言葉をいただいたことも。みなさんのお役に立てていることを実感できた1年でした」
プロパーの視点に転職組ならではの視点を掛け合わせ、より良い提案につなげられたら
実践班の担当となって以来、人材育成にも積極的に関わってきた友常。いまの仕事の喜び、やりがいについてこう話します。
友常 「同行訪問を続ける中で、JAの担当者さんの変化が目に見えてわかるときがあるんです。農業者さんに対して積極的にいろいろな話をしてくれるようになったり、以前はできなかった提案ができるようになったり。成長を実感できたときが一番うれしいですね」
自分よりも年配のJA担当者に同行し、指導することも少なくありません。態度や言葉には気をつけながらも、“伝えるべきことを伝えること”を大切にしていると言います。
友常 「系統組織には独自の文化があると感じます。JAさんと農林中央金庫の関係性を理解しなければいけないと思う反面、ほかの金融機関を知る者からすると、少し違和感を覚える部分もあって。そんなときは勇気を持って意見を伝えるようにしています。
たとえば、『商品をご案内したいので農業者さんにアポを取ってくれませんか』とJAの担当者さんに依頼したとき、『いまは農繁期なのでやめましょう』と反応が返ってくるときがあるんです。それが農業者さんに対するしかるべき態度だと理解しつつも、ほかの金融機関であれば、機会ロスを避けるために電話一本かけるのが普通。
そこで、『私もそう思いますが、試しに電話だけしてみませんか』と促してみたり。実際にそうやって成約につながったケースもありました」
前職では自身が主体となって渉外営業していた経験から、農業融資やバンクローンの案件獲得を自分ごととして捉えられているところが自分の強みだと語る友常。
友常 「こうした強みを活かしながら、農林中央金庫の一員として、JAさんや当庫の考え方についてさらに理解を深め、より農業者さんに寄り添った提案につなげていきたいですね」
「JAの先にお客様がいる」との言葉を体現できるような存在をめざして
転職時、大規模な組織ゆえのデメリットに懸念があったと言う友常。実際に入社してみて知った農林中央金庫の魅力についてこう話します。
友常 「入庫前、農林中央金庫にはいわゆる官僚的・役所的な部分があって、意思決定に時間がかかるイメージを持っていました。ところが実際は、いろいろな角度から検討を重ねながらも、判断材料さえ揃えばすぐに物事が決まるしくみがあり、とても柔軟な意思決定のプロセスが採用されているんです。私のような一担当者にも大きな裁量権があるので、とても働きやすいと思っています。
また、中途採用どうしの派閥のようなものがないのも農林中央金庫の特徴です。提案内容について、互いに意見交換し合う組織風土が醸成されています。もちろん、プロパーとの関係性についても同様です。互いを尊重し合っていて、疎外感のようなものを感じることなく和気あいあいとした雰囲気の中で仕事ができていると感じます」
そんな農林中央金庫にフィットすると友常が考える人材は、地域活性化のために尽力できる人。次のように続けます。
友常 「第一次産業の生産者さんとじかに触れ合う機会があるのは農林中央金庫ならでは。地域の発展に貢献したいという熱意がある方は、やりがいを感じながら働けると思います。もちろん、私と同じように、地域の金融機関出身者が活躍できる環境もありますよ」
2023年で32歳になる友常。自分よりも下の年代の人たちが次々に入庫するいま、目標としている将来像があります。
友常 「入庫時に面接官から伝えられた、『JAの先にお客様がいる』という言葉を体現できるような存在になることがいまの目標。後輩たちのお手本となるような、頼られる先輩になりたいですね」

