北米市場を見据えた次世代EV開発。技術と人をつなぐプラットフォーム設計者の挑戦
日産自動車の車両計画グループで、北米向けの電気自動車(以下、EV)開発に従事する中野。現在は、数年後に発売予定の車両の新規プラットフォーム開発を担当しています。
「私たちの部署は、主にEVの開発を担当している部署です。中でも車両計画グループは合理的な車両のパッケージングを考えていく部署です。車両計画グループには、人員配置や居室空間といったお客さまが直接見て触れる領域を担当する車両計画と自動車の走りや安全性を支える基盤部分を担当するプラットフォーム計画があります。
私が所属するプラットフォーム計画では、車体、モーターやバッテリーなどの電気系統の部品や各性能計画の設計担当、生産、実験などの幅広いメンバーを呼び集めて論議を重ね、車全体としてベストな仕様や部品配置を決めています。
現在は北米向けのEV開発に関わっており、競争力が高い製品を作るために関係者と創意工夫をしながら、開発を進めています」
中野は、チームリーダーの1人としてメンバーのサポートも行っています。
「自分自身の業務に加えて、部下が提案してくる案に対してサポートをしたり、他部署との連携をサポートしたりするのが主な仕事です。
日々の業務では、さまざまな部署との連携が欠かせません。設計部署はもちろん、車両の評価を行う実験部署、性能を提案する性能部署、販売前の試作車を製作する試作部など、さまざまな部署と連携してプロジェクトに臨んでいます」
日産のEVの魅力について、中野はこう述べます。
「1つはアクセルに対するレスポンスですね。運転手の思う通りに加速してくれるのでストレスが少ないと思います。もう1つは安全性です。とくに当社のリーフは2010年発売以来安全性が非常に高いことが世界で証明されています」
数多くの仲間と共にプロジェクトを進める中野が大切にしているのは、公平な姿勢です。
「フェアな立場で、どのようなものを選べばお客さまの喜ぶクルマができるのか常に頭を巡らせています。また関わる人の数が多いので、スケジュールを守ったり、約束を守ったりと小さなことから信頼関係を築いていき、いざという時に頼りになる人脈を広げていくことを大切にしています」
人とのつながりを大切に。自動車メーカーを渡り歩きたどり着いたEVのパイオニア
中野の自動車エンジニアとしての原点は、大学時代にさかのぼります。
「大学生の時に、自動車技術会が主催する学生フォーミュラという活動に参加しました。レーシングカーを製作する活動を通じて車作りのおもしろさに気づき、自動車業界をめざすようになりました」
2015年、その想いを胸にとある自動車メーカーへ入社し、車体設計部に配属されます。
「当時は車体の構造設計を担当していました。さまざまなサプライヤーさまと関わる機会も多く、その時に人脈の大切さに気づきました。協力しあったり、助け合ったりする人とのつながりを大切にして仕事をするようになりましたね」
2019年には別の自動車メーカーへ出向し、EVの共同開発プロジェクトに参画。そして2022年、さらなるキャリアステップを求めて日産自動車への転職を決意します。
「出向先でのEVの共同開発が完了した時、次は何をしようかと考えました。もっとEVのことを深く学びたいと思い、EVのパイオニアである日産自動車を志望しました」
日産自動車に入社して感じたもっとも大きな特徴は、その多様性の高さです。
「まず外国籍の社員が多く、隣の席の方がインド出身だったり、アメリカ出身だったりすることも珍しくありません。私は英語が得意な方ではありませんが、業務上使用する技術用語などは限られてくるので、比較的スムーズにコミュニケーションが取れていると感じます。
そのほか、他社と比較すると女性社員も多く活躍していますし、私のような中途社員も多く活躍しています。中途で入社した際はメンターがついて指導してくれるので、いち早く会社に馴染めることがありがたかったです」
また、仕事の進め方も他社とは異なる特徴があります。
「これまで経験した自動車メーカーはトップダウンで動く組織文化があり、上からの指示に対して社員が一丸となって動く体育会系の特徴がありました。
一方、当社はボトムアップの文化があり、どんな立場からでも意見を出しやすい環境です。時には多様な意見が出すぎて方向性がまとまりにくいこともありますが、そこをうまくコントロールするためにも各部署との信頼関係構築が重要だと思っています」
「他のやらぬことを、やる」精神で挑む。日産自動車で培った攻めのチャレンジマインド
日産自動車では「他のやらぬことを、やる」という精神が根付いています。中野は入社後、その企業文化を目の当たりにしたと言います。
「新しい技術への取り組みや先行開発と呼ばれる製品開発前の技術開発活動が非常に活発に行われています。とくに印象的なのは、プロジェクト開発の途中でも新しい技術を取り込む姿勢があることです。
通常は先行開発フェーズ完了後に次の開発車両に新しい技術を導入しますが、当社では開発スピードを上げ、お客さまに少しでもよいものを提供したいという想いから、途中段階からでも新技術を織り込んで開発を進めていきます。
こうした攻めの姿勢で自動車を作り上げていくことには苦労も伴いますが、実際に新技術をうまく取り込めた時の達成感はたまりません。試作車を作り上げた時に、途中で入れた新技術が活きているのを見ると『本当に入れてよかった』と感じます。さらに、そこで入れた技術を展開して、他のプロジェクトで活用することもよくあります」
入社から3年が経過した中野が、自身の成長について語ります。
「新しい技術をどんどん取り込んでいくチャレンジマインドが培われたところは大きいですね。最初は戸惑いもありましたが、だんだんと要領もつかめて、効率よく取り入れられるようになってきました。
また人脈や知識の広がりも大きな成長です。中途入社で人脈ゼロからのスタートでしたが、この3年間でかなり多くの関係者とのつながりを築くことができました。加えて前職では車体の骨格だけを担当していましたが、現在は電気関係やモータ関係など、これまで知らなかった分野の知識も習得できたと感じます」
車両計画グループの仕事の魅力についてはこう語ります。
「車両計画グループの仕事では車を全体的に見て、効率的なパッケージングとお客さまへの価値提供を考える必要があります。このような仕事は他社では上位職でないとできないと思います。
しかし、日産自動車では私を含め若手の社員にもこのような仕事を任せてもらえることは大きなやりがいにつながっています」
「自動車は1人では作れない」。人と真摯に向き合うエンジニアがめざすCVEへの道
日産自動車の魅力について、中野は企業文化と働き方の両面から語ります。
「当社の大きな魅力は、前述の通り『他のやらぬことを、やる』というチャレンジ精神です。新しい技術へ挑戦したい人や困難に立ち向かう達成感を得たい人に向いている会社だと感じています。また、多種多様な車を世界中で展開しているため、より多くのお客さまに製品を届けられる点も魅力です。
また、働き方の側面では本社が首都圏にありアクセスがよいことも魅力です。しかし何より特筆すべきなのは、ワークライフバランスを重視した制度の充実度です。
私は2児の父親なのですが、保育園の送迎のために中抜けをしたり、送迎の後はリモートワークに切り替えたりなど、柔軟な働き方ができる制度が整っています。シッター制度も充実していて、急な会議が入った際などにシッターサービスを利用できます」
職場の理解度も高く、育児と仕事の両立がしやすい環境が整っています。
「同年代には子育て世代が多く、私と同じように保育園の送迎で中抜けする男性社員も複数います。スケジューラーで送迎の時間を共有すれば、その時間帯は会議を入れないなど、周囲も自然に配慮してくれます」
今後のキャリアについて、中野は次のように展望を描いています。
「現在は車両のパッケージング業務を担当していますが、将来的にはビジネスサイドにも携わり、お客さまのニーズ把握や商品戦略の立案にも挑戦したいと考えています。
今はチームリーダーとして奮闘していますが、いずれはCVE(Chief Vehicle Engineer)という車両全体の方針決定や各提案を統括する立場をめざしていきたいですね」
日産自動車で活躍できる人材像について、中野は次のように締めくくります。
「当社には多種多様な人材が在籍しており、特定のスキルや経歴にこだわる必要はありません。自分なりの強みを持ち、それを活かして積極的にやりたいことに挑戦できる人であれば、十分に活躍できる環境が整っています。
私は『自動車は1人では作れない』という想いから、人と真摯に向き合えることを強みに業務に励んでいます。どんなことでもいいので、自身の強みを活かしながら働ける人が輝けると思います」
※ 記載内容は2025年7月時点のものです
