データを読み解き、全体最適を図る。ステークホルダーとWin-Winの関係を大切に
サプライチェーンマネジメント本部の日本物流部において、国内全体の部品物流を統括する部品物流グループ。トラックや鉄道、船などさまざまな輸送形態を活用し、工場やサプライヤーとの輸送網の最適化を追求しています。
「私は日本物流グループに所属し、輸送網の設計を担当しています。部品をより効率的に運ぶための方法を導き出すため、ビッグデータを用いて定量的に分析することが私の役割です。企画から物流会社さまとの交渉、契約、実行、現場確認まで一連の業務を担当しています。
輸送網を設計する際には、まず各工場が必要とする部品の種類や数量、納期などの情報を収集します。そのデータを基に、何台のトラックをどのルートで走らせれば効率的かをシミュレーションツールで検証。さらに、ドライバーの労働時間を定めた法規制も踏まえ、輸送の最適化を追求しています」
常に変化する外部環境に合わせて、その都度最適解を導き出す必要がある輸送網の設計。こうした業務を遂行する上で長谷川がもっとも重要だと語るのが、データを読み解く力です。
「単に数字を見るだけではなく、なぜその数字になっているのか、背景をしっかりと分析して読み解く力が求められます。自分で考えて調査し、データに潜む課題に気づけることが大切です」
データを活かして輸送の最適化を図る目的。それは環境負荷の低減やコストの削減だけではなく、輸送力の不足という課題に対応するためでもあります。
「私たちが輸送網の最適化に取り組むようになったのは、ドライバーの時間外労働に上限規制が設けられ、輸送力の不足が懸念された2024年問題がきっかけです。そこから私たちは荷主としての責任を果たすべく、主体的に輸送の設計や調整を行い、個別最適ではなく全体最適をめざして変化を続けてきました。
物流会社さまと仕事をする中でも、ドライバーの担い手不足は日々実感する深刻な課題です。しかし私たちはこれを転換期として捉え、持続可能な輸送を実現するチャンスにしたいと考えています」
持続可能な物流をめざす上で長谷川が大切にしているのは、ステークホルダーとのWin-Winな関係の構築です。
「日産にとって効率の良い輸送のアイデアは物流会社さまや工場にとっては必ずしもそうではない可能性があります。物流会社さまや工場のメンバーと綿密にコミュニケーションを取ることを大切にしながら、ステークホルダー全体がWin-Winになる輸送を実現したいと考えています」
大学での学びを実務に昇華。グローバルな環境と物量の多さに惹かれ、選んだ日産
大学時代は経営工学を専攻し、サプライチェーンマネジメントについて学んだ長谷川。これまであまりなじみのなかった物流に興味を持ったのは、社会に与える影響の大きさを知ったことがきっかけでした。
「地球温暖化への対策が検討されている中で、物流によってCO2を大きく削減できる可能性があることを知りました。環境だけでなく、ドライバー不足や輸送コストの上昇など、物流が関係する社会問題は数多くあります。社会インフラである物流が変われば、世の中に大きなインパクトを与えられると考え、この分野を学ぶことを選びました」
大学では、コストやCO2の削減につながる物流拠点の配置を検討し、最適な物流網の構築について研究。その研究を企業でも継続したいという想いから、職種別採用を行っている日産への就職を希望しました。
「配属先を選べることに加え、日産に入社した決め手は2つありました。1つはグローバルサプライチェーンの設計ができる環境があること。もう1つは自動車産業ならではの物量の多さです。グローバルな環境で圧倒的な物量を扱えることに、大きな魅力を感じました」
そして2019年4月、長谷川は日産に入社。最初に配属されたのは追浜工場でした。
「工場の部品物流を担当し、工場内のマテリアルハンドリングに携わるなど、物流の基礎を現場で5年にわたり学びました。その後は本社へ異動し、日産圏の部品物流を見る組織に配属。追浜工場で培った経験を活かしながら、輸送の最適化を図る現在の仕事に取り組んでいます」
長谷川にとって、入社を決めた理由の1つとなった物量の多さ。その規模は想定以上だったと話します。
「大学時代にシミュレーションで扱っていたトラックの台数より、実際に扱う台数のほうがはるかに多くて驚きました。これだけの規模のデータを集め、全体像を把握するにはどうすればよいか。それが最初にぶつかった壁です。
とにかくビッグデータの扱い方を一から勉強し、他部署のエキスパートたちにも助けを求めながら、専門知識を磨いていきました。今もデータと向き合うことの難しさを感じていますが、データを分析する中で新たな気づきが得られることが、喜びにつながっています」
BIツール開発で業務を改善。現場の理解を得るため対面でのコミュニケーションを重視
入社から現在まで一貫して部品物流に携わってきた長谷川。その中でとくに印象に残っているのが、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを開発した経験です。
「日々の荷量の推移を可視化し、そこから将来の荷量を予測するツールのほか、ドライバーの荷役・荷待ち時間を管理できるツールなど、現場の課題解決に直結するさまざまなデジタルツールを開発しました。
その根底にあるのは、物流の現場を支える仲間に貢献したいという想いです。各工場の担当者に要望を丁寧にヒアリングしながら、開発に取り組みました」
新たなツールを導入するには、その必要性や使い方を現場の担当者に理解してもらう必要があります。長谷川は工場での勤務経験から、対面でのコミュニケーションが重要だと考えていました。
「デジタルなツールだからこそ、オンラインではなく現場で相手の表情を見ながら説明することが大切です。対面で話すことで不明点や要望をしっかり汲み取り、より良いツールにするために何度も現場に足を運んでコミュニケーションを重ねました。
その中で意識したのは、相手にとってのメリットを丁寧に説明することです。単にデジタルツールの使い方を説明するのではなく、それを使うことでどれほど業務が改善され、現場の負担が軽減されるのかを伝えることを重視しました」
そうして現場に足しげく通い、地道にコミュニケーションを取り続けた長谷川。その中で、担当者の態度が変わっていくのを実感したと話します。
「実際にデジタルツールを利用してもらったことで、担当者の中に新たな気づきが生まれ、『こういう機能も欲しい』といった声が積極的に寄せられるようになりました。
そうした要望が出てくるのは、デジタルツールが現場に浸透してみんなが日常的に使ってくれているからこそ。ツールを導入して終わりではなく、現場と対話を重ねながら進化させていくことがDXにおいて重要だと実感しています」
日産全体の物流を担う存在をめざして。グローバルな経験を積み、挑戦を続けたい
日産に入社して7年目を迎えた長谷川。次のステップに向けて、今後の目標を描いています。
「現在は部品物流を担当していますが、今後は部品に限らず、完成車を含めて日産全体の物流に携わることが目標です。そのためには、海外の物流についても知見を深めることが必要だと考えています。
グローバルな経験を積み、世界中に広がる日産のサプライチェーンをマネジメントできる存在になるため、挑戦を続けていきたいです。
職場には海外経験を積んでいる同僚や先輩がいるので、経験談を参考にしながら自分が行ける機会を探しています。海外で経験を積むことが目標なので、チャンスがあるならどの国でもチャレンジしたいですね」
目標に向かって進む上で、社員の挑戦を後押しする日産のカルチャーも、大きな支えになっていると長谷川は話します。
「私が日産で働く中で感じる魅力は、社員がオープンマインドだということです。先述した新しいデジタルツールを導入するという挑戦に対しても、まず話を聞く姿勢を持ち、理解しようと懸命に寄り添ってくれました。これは本社の社員に限らず、現場も含めて日産全体に浸透している文化だと感じます」
こうした風通しの良さは、ライフステージに応じた柔軟な働き方にも活かされています。
「チームメンバーや上司を含め、お互いの家庭環境を尊重し合える環境があり、会社全体としてもワークライフバランスの実現を推進しています。育児との両立をしながら働いている社員も多く、制度が充実しているだけでなく、実際に活用されている実感があります」
安心して働ける職場だからこそ、新しいことにチャレンジできる日産。長谷川と同じ物流の仕事に挑戦したいと考えている未来の仲間へ、メッセージを送ります。
「物流は今、大きな転換期を迎えています。その中で求められているのは、従来のステレオタイプな考えを打ち破る力です。デジタルに関する知見やコミュニケーションスキルを活かし、活躍できるフィールドが大きく広がっています。今までにない物流を構築することができるチャンスだと思うので、ぜひチャレンジしてほしいですね」
※ 記載内容は2025年8月時点のものです
