「他のやらぬことを、やる」の精神を貫き、数々の「世界初」を生み出してきた日産自動車。今回はそんな日産の品質保証に携わるエンジニアの素顔に迫ります。ゲストはTCSX(トータルカスタマーサティスファクション本部)市場品質改善部の髙橋 広之です。
【動画公開中】他のやらぬことを、やる H.TAKAHASHI
※再生ボタンを押すと音が出ますのでご注意ください。
ここからは対談の様子をご紹介します。
──学生時代の専攻と選んだ理由を教えてください。
髙橋 「工学部の材料科学総合学科に在籍していました。私は小さいころからドラえもんが好きで、いつかひみつ道具のような発明をしたいと考えていたのですが、工学とはまさに『決まっていないもの』つまり『新しいこと・モノを作り出す・発明する』ことであり、自分のやりたいことに合致していると考えました。
また、材料は、あらゆる『モノづくり』に関わる分野であり、材料を極めると、自動車、製鉄、回路の設計、電気、化学、あらゆる分野で活かすことができると考え、専攻を決めました」
──研究室での学びや研究内容を教えてください。
髙橋 「鋳造工学を扱う研究室で、半凝固鋳造と呼ばれる新しい鋳造方法確立のための基礎研究を行っていました。溶けた液体状の金属のことを溶湯というのですが、当時お世話になった准教授が『自分自身が溶湯になりきり、溶湯の気持ちになった分だけダイカスト(溶かした非鉄金属の合金を精密な金型に高速・高圧で注入し、瞬時に製品を成形する鋳造技術のこと)の研究は進展する』と語っていたのがとても印象的でした。
そうした情熱的な先生方にご指導いただきながら、研究を通して、モノづくりに携わる心構えや醍醐味を知ることができたのが一番の学びです」
──その中で特に夢中になったことや、はまったことはありますか?
髙橋 「学生時代の研究は失敗の連続だったのですが、振り返ってみると失敗することにはまっていたように思えます。仮説を立てて、こうすれば上手くいくはず!と考えて実験をしても、全然予想していなかった結果になってしまう。なんでだろう?と分析して、再度トライしてみるけれど、やはり上手くいかない。
その繰り返しに当然やきもきするのですが、繰り返していく中で、少しずつ新しい発見に近づいている感じや、ちょっと視点を変えた際に大きな発見があったときの驚きにおもしろさを感じていました」
学生時代、アイドルグループにはまったグループの目標が自分の仕事にもつながっている
──勉強以外に何かはまっていたことはありますか?
髙橋 「アイドルグループの『ももいろクローバーZ』にはまり、北は北海道から南は九州まで全国各地に遠征していました。ももクロは『みんなに笑顔を届けるという部分で、天下を取りたい』という目標を掲げているのですが、実はこの言葉が仕事における私の軸になっています。
日産の仕事はアイドルみたいに華やかな仕事ではありませんが、クルマという商品を通して『みんなに笑顔を届ける』、そんな夢を実現するために日々業務に取り組んでいます」
日産には自分のやりたいことを実現できる環境がある
──就職活動の際、自動車以外の業界も考えていましたか?
髙橋 「鉄鋼系の専門商社をいくつか受けていました。扱う商品に対する専門性を活かし、川上から川下までビジネス全体に携われる点に魅力を感じていたためです。日産と商社とでは業種は大きく異なりますが、グローバルに多種多様な人と交流する機会が多く、その関わりの中で新たな価値を生み出すことのできる環境があるという点では、共通していると考えています」
──そんな中で日産自動車を志望した理由や、入社の決め手を教えてください。
髙橋 「前述のように多種多様な人と交流できる環境であること、また会社訪問を通して、新しい価値やサービスを常に提供し続けるという社員一人ひとりの意欲を感じ、自分のやりたいことを実現できる環境であると感じたためです。また、日産はクルマという商品を製造しているため、ものづくりに直接携われるという点で、最終的に商社ではなく日産を選択しました」
現在は市場不具合や不満の品質改善、再発防止活動を検討
──担当業務をご紹介いただけますか?
髙橋 「市場不具合、不満の品質改善を担当しています。世界中の市場から日産車に関する不具合、不満の情報を収集し、設計や製造などモノづくりの現場にフィードバックすることで、問題解決を推進しています。
また、そうした不具合や不満を二度と生じさせないための再発防止活動にも取り組んでいます。部品単位ではなく製品全体でお客さまの満足を追求できる点や、広い視点でモノづくりに携われる点は品質改善業務ならではだと思っています」
──品質保証部門では「お客さま視点」という言葉をキーワードにしていますが、今のお話がその部分につながりました。業務の中での髙橋さんのミッションやその実現方法を教えていただけますか?
髙橋 「お客さまの声は『エンジンから音がする』、『燃費が悪い』といった定性的なものなので、お客さまの指摘する現象を定量的に捉え、モノづくり側が分析できる情報に翻訳することが私たちの使命の一つです。このためには、お客さま視点とモノづくり視点、この2つの視点を意識することが何よりも重要です。
私自身もエンジニアなので技術的な知識を身につけることはもちろん大切ですが、コストや納期がかかる案件であっても、お客さま視点で必要だと思われる品質改善に対しては、モノづくり側に納得してもらえるまでその必要性を示し続けることが同じくらい大切です。どのように情報を集め、どのように分析することで品質改善が促進されるのか。そこに対して知恵を絞るのが業務の難しさであり、醍醐味であると思っています」
品質に対するお客さまの期待を超えるため「他のやらぬことを、やる」
──少し話は変わりますが、日産自動車では「他のやらぬことを、やる」をDNAとして掲げています。それに対する髙橋さんの期待や超えなければいけない課題があれば教えてください。
髙橋 「品質改善とはお客さまの期待と現状のギャップを小さくするための活動です。裏を返せば、お客さまにとって『品質』とは良くて当たり前、たとえ満点を取っても特別意識してもらえることはあまりありません。こうした現状の中で、品質でお客さまに笑顔を届けるためには、お客さまの期待を大きく越えていく必要があると考えているのですが、それを実現するためには、まさに『他のやらぬことを、やる』というマインドが何よりも重要だと思っています。
品質に限らずですが、先人たちの足跡を辿るだけでは同じゴールにしかたどりつけません。何かブレイクスルーを起こそうと思ったときには、挑戦が必要です。そういった意味では全社的に『他のやらぬことを、やる』のマインドで業務に取り組んでいる日産の将来に私自身がワクワクしています。
一方で、道なき道を歩くことは容易ではありません。日々の業務でも実際に、困難に直面し、歩みを止めてしまうことがあります。そうしたときに自分で自分の背中を押せるかがとても重要です。そこで背中を押すコツのひとつは、仕事を通して実現したいことを自分の中でしっかりと定めることかなと思っています」
継続と挑戦、これが夢の実現のための重要テーマ
──では最後に、髙橋さんの考える「他のやらぬこと」を教えてください。
髙橋 「私は入社時のESに『品質の向上によりブランドイメージを向上させ、日産を業界トップにしたい』と書いたのですが、その想いは今でも変わっていません。そのためにも競合とは一線を画した品質改善のスキームを構築したいと考えています。
品質改善そのものは泥臭く、地道な活動ですが、『Customer Centric』のもと、昨日よりも今日、今日よりも明日、とお客さまに満足してもらうための不断の努力を続けていく【継続】と、既成概念にとらわれずフレッシュな視点で意見を交わし、より良い方法を模索していく【挑戦】が、夢実現のための重要なテーマだと考えています」
今回は、日産自動車の「他のやらぬことを、やる」というDNAを受け継ぎ、お客さまに安心安全をお届けするために活躍中の社員を紹介しました。今後もさまざまな社員の素顔を掘り下げていくのでお楽しみに!
インタビュー動画は下記QRコードからも公開中です。
