経営会議から設備投資、表彰制度まで。経営を支える仕事のやりがい
──現在所属している、経営企画部のお仕事内容について教えてください。
経営企画部の主な業務は、会社全体の業績管理です。四半期ごとの会社および支店の業績管理、全国の支店長が集まる会議の運営、取締役が行う経営会議の運営などを行っています。また、ESGへの取り組み(※)、広報・広告関連業務、設備投資の管理、基幹システムの運用といったIT関連業務も担っています。
私はその中でも、経営管理を中心とした3つの業務を担当しています。1つめは経営会議の事務局業務です。月1-2回の頻度で開催される会議の議題収集や日程調整などを行っています。その他にも、同業他社の経営状況を比較した資料なども担当しており、これは四半期ごとの取締役会で使用されています。
2つめは会社全体的な設備投資管理です。ソフトウェアへの投資や建設機械への投資などの管理を担当しています。各部署から提出された計画に対して、機械の入れ替えや修理、事業所のリフォームなどの進捗を確認し、予定通り実施されているか、予算外の案件はないかなどをチェックします。
3つめは会社の経営表彰と特別表彰に関する業務です。年に2回、春と秋に表彰を実施しており、春は「優秀経営評価部門表彰」として、会社内で業績の良い部署や利益の高い工事に対する表彰を行います。秋は「特別表彰」として、主に外部からの表彰に関するものを扱います。たとえば、発注者(顧客)から工事に対して優れた評価をいただいた場合、それを社内で再度表彰する形式となっています。
このように多岐にわたる業務を担当していますが、私が最も大切にしているのは、会社の情報を正確に把握することです。とくに経営に関わる業務では数字を扱うことが多く、会社の経営情報や数字が正確かどうかを確認することが重要です。また、情報が不足している部分に早めに気づいて、すぐにヒアリングを行うことも心がけています。
※ ESGとは、「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の頭文字を取ったもので、これらの要素を考慮した企業経営や投資活動
──どのような点にお仕事のやりがいを感じますか?
とくにやりがいを感じるのは、設備投資の四半期ごとの取りまとめ作業です。会社全体の幅広い設備投資案件を集約する作業は複雑で時間がかかりますが、完了したときの達成感があります。会社全体の情報を集約し、正確な情報を経営層に伝えることが私たちの重要な役割。経営に近い立場で仕事ができることにやりがいを感じています。
自身が思い描くキャリアのために。日本に留学し、専門性を深めていく
──日本に留学したきっかけや、日本道路に入社した経緯を教えてください。
私が日本の大学への留学を決意したのは、自身の学びを仕事に活かしたいと考えたからです。中国ではそれが難しかったため、日本の大学にあらためて入学し、大学院まで進んで専門性を磨くことで、自分のキャリアビジョンを実現しようと思ったのです。
当時、中国では「一帯一路」政策が注目されていました。この政策は、世界経済のグローバル化を推進し、参加国同士の結びつきを強化することを目的としています。また、実務的な協力を深め、人類が直面するさまざまなリスクや課題に共に対応し、互恵関係を築きながら共同で発展をめざすプロジェクトです。 私はアジア圏での経済連携に強い関心があり、それを研究できる大学、かつパブリック・プライベート・パートナーシップ(以下、PPP)を学べる環境を選びました。
PPPとは、公共インフラの運営に民間企業が参画する仕組みのことです。たとえば、高速道路の管理運営を民間企業が担うことで、より効率的で質の高いサービスの提供が可能になります。こうした研究を進める中で、日本道路が道路舗装工事や電線共同溝工事などを手がけていることを知り、興味を持ちました。
日本道路への入社を決めた理由は、まず会社の長い歴史に魅力を感じたことです。中国には歴史の長い企業が比較的少ないため、100年近い歴史を持つ企業の存在は印象的でした。また、道路は国の重要なインフラであり、時代が変わっても必ず必要とされます。定期的なメンテナンスや更新も欠かせないため、将来性と安定性の両方を兼ね備えた分野だと感じ、ここでキャリアを築きたいと考えました。
──入社後、どのような研修を受けましたか?
事務系総合職として入社し、最初の1年間は人事部と経理部でそれぞれ半年ずつ研修ローテーションを受けました。人事部では社会保険・所得税・住民税に関する知識について多くを学びました。当初は日本の税制度についてまったく知識がなかったため、社会保険や労務に関する処理なども含めて、一つひとつ丁寧に学んでいきました。
経理部での研修では、数値の正確性の重要性を痛感しました。1円単位の誤差も許されない業務だったため、ダブルチェックではなくトリプルチェックをしながら進めていきました。真面目さと慎重さが必要でしたが、ここで培った姿勢が、現在の経営企画部での業務にも活かされていると感じています。
設備投資管理とワーキンググループ。未知と既知の両面で活躍する
──経営企画部の業務の中で、印象に残っている出来事はありますか?
設備投資に関する業務を1人で任されるようになったことが印象に残っています。当初は資料の取りまとめなど補助的な役割を担当していましたが、担当していた課長が他部署に異動となり、入社4年目で設備投資関連の資料作成を担当することになりました。
最初は何をどうすればよいのかわからず、「これは何なのか」「どうやってその結果を出すのか」と戸惑いの連続でした。周囲の方々や前任者に相談しながら、試行錯誤を重ねました。とくに大変だったのが本社移転に関する業務です。
当時、新橋にあった本社を100周年に向けて建て替える計画があり、150〜160名規模の仮移転が必要でした。それに伴い、経営企画部に加え、6つのグループ会社の大量の書類やシステム設備の整理は非常に大変でしたが、最終的には部長の承認を得られる資料を完成させることができました。
この経験を通じて、本社部門だけでなく、グループ会社や製品製造部門とも関わり、詳しいヒアリングを行ったため、人とのつながりが大きく広がりました。また、環境への配慮も重要な要素だったため、CO2削減に関連する設備投資について、古い重機から新しい重機への入れ替えによる環境負荷低減効果なども、各担当者に確認しながら資料作成を進めたことも学びになりましたね。自身の成長につながった出来事だったと思います。
──PPPを学んだことが、仕事に活きている部分もありますか?
はい。私は2024年度に、社内のPPP/PFIのワーキンググループに参加しました。PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)は民間の資金や技術を活用して公共施設の建設・運営を行う代表的な手法です。
このワーキンググループは、本社関連部署の部長たちが集まり、会社の将来的なPPP/PFI事業の方向性を検討する場です。私は部長職ではありませんが、大学院でPPPを専攻していたこともあり、「ぜひ参加したい」と伝えたところ、快く受け入れていただきました。
ワーキンググループでは四半期に1回の会議を開催し、運動公園や道の駅の指定管理者としての応募提案などを行いました。私は大学院時代の先生や先輩とのネットワークを活かし、案件の共同応札などについて相談するなど、他社との連携について模索していきました。
今年度から、このワーキンググループでの活動は総合企画部門に引き継がれPPP/PFI事業を推進することになっています。入社前に思い描いていたように、自身の学びを活かせる取り組みに貢献できていることに大きなやりがいを感じています。
育児休暇3カ月取得も実現。温かい職場でめざす未来とは
──日本道路で働く魅力について教えてください。
入社前はドラマなどで見る日本の会社のイメージから、厳しい環境ではないかと考えていました。しかし、実際はそのような心配はまったく必要ありませんでした。日本道路の方々は優しい人ばかりで、社員同士のコミュニケーションも活発なため、毎日楽しく働いています。経営企画部も頼もしい人が多く、困ったことがあれば「大丈夫?」と手助けしてくれます。
また、当社は働きやすい環境づくりにも力を入れています。私自身、2023年6月に子どもが生まれた際、上司から積極的に育児休暇を取得するよう勧められました。休暇は2回に分けて合計3カ月取得し、子どもが生まれた直後に2カ月間、その後2024年2月に1カ月間取得しました。これは中国ではあまり一般的ではないことです。家族も驚きながら喜んでくれました。
──今後、どのような存在になっていきたいですか?
経営企画部で身につけた下地をもとに、将来的には総合企画部でPPP/PFI事業に挑戦していきたいです。具体的な構想として、地方自治体が保有する公園のPPP化があります。15年から20年の期間で経営権を民間企業に移管し、緑化関係や電気設備の管理に加えて、公園内での商業ビジネスも展開します。たとえば、公園内にカフェを出店し、散歩しながらコーヒーを楽しめる環境を作り、その営業利益を会社の収益とする「コンセッション方式」の導入を検討しています。
当社はスポーツ施設の管理や競技場の運営に強みがあり、またグループ会社の経営のノウハウも活用できることから、リスクを抑えながら事業展開できる可能性があると考えています。こうした取り組みを続けながら、大学院で学んだ知識と人脈を活かし、会社の利益増加に貢献できる存在になりたいです。
また、私が日本道路を知ったきっかけは、電線共同溝の工事でした。日本に来て最初に驚いたのは、経済大国である日本で電線が地上に露出していること。地上の電柱は景観に影響を与えるだけでなく、地震や台風時には危険性もあります。中国では地中化が進んでいる分野のため、こうした点でも貢献していきたいです。
※ 記載内容は2025年7月時点のものです
