伴走型・オーダーメードのコンサルティングに特色
DXというキーワードを目にする機会が増えている。大企業だけでなく中堅・中小企業でも関心を持つところも多い。
だが、社長から突然「ウチもDXをやろう」と言われて、経営企画室や情報システム部門のスタッフがあわてているといった話も聞く。
みずほリサーチ&テクノロジーズ デジタルコンサルティング部 次長の小林 陽子は、次のように語る。
小林:大切なのは、「自社にとってのDXとは何か」というところから考えることです。
小林は1998年に入社し、システムエンジニアとしてシステム設計などを担当した後にコンサルタントに転じた経歴を持つ。多様な企業への経営・ITコンサルティングで実績があるが、中でも人事・労務や人材開発に関するコンサルティング、人事情報システム導入、DX人材育成などを専門とする。
多くの企業はDXの必然性がわかっていてもやり方がわからない、人が足りないといった課題を抱えている。デジタルコンサルティング部 課長の井上 智洋はこう話す。
井上:当社の特長は、決まっているソリューションやツールを提供するのではなく、お客さまの困りごとを解決するためにオーダーメードで提案を作り上げ、実行するところです。
井上は、2010年にキャリア採用で同社の前身のみずほ情報総研に入社した。それまではシステムインテグレーター企業で、サービス業界向けの基幹システムなどを担当していた。
井上:前職ではシステムの要件定義からリリースまで開発に関する一連の流れを経験した後、プロジェクトリーダーとして案件マネジメントを担うなど、マネジメントと開発実務の両方でスキルを身につけてきました。その過程で、より上流の工程や経営に近いところでお客さまの課題解決に貢献したいと考えるようになり、当社に転職しました。
システムインテグレーターの場合、RFPと呼ばれる提案依頼書を企業が作成した後にプロジェクトに参加することがほとんどのため、井上にとって大きな魅力があったと言う。
井上:みずほリサーチ&テクノロジーズなら、RFPづくりの段階から参加できると思いました。
中立公正な立場で最適なIT調達の提案ができる
井上はさらに次のように語る。
井上:DXにデジタルテクノロジー、すなわちITは欠かせません。しかし、ITの導入は手段であり目的ではありません。
IT調達の前にはIT戦略づくりが不可欠です。お客さまの経営課題をしっかり捉えて、会社のシステムをどう変えて、どのような価値を実現していくかというプランニングが大切です。
その視点がないまま、やみくもに既存のソリューションを導入しようとしたり、顧客の業務を無理にツールに合わせたりといったことはあってはならない。その点で、みずほリサーチ&テクノロジーズらしい成功事例も数多く生まれていると言う 。
井上:ある大手の建設業ではIT戦略の立案からIT調達までを一貫して当社が支援しました。
その企業にとってのDXで実現したいこととは何かというところからはじめ、さまざまな部署へのヒアリングや、勉強会の実施などを通じてDXマインドを醸成し、さらにDX施策まで落とし込みました。
業界特有の課題にも直面した。たとえば大量の「紙」の存在である。
井上:建設業では契約書や設計図書(設計の内容を示す図面や書類)の多くが紙で運用されています。これらをデジタル化し、データを事業の高度化に活用できる状態にしていくこともDX施策の一つでした。
ここで特筆すべきは、井上はそこで一気にペーパーレス化を進めたり、社内システムのクラウド化にシフトしたりしたわけではないことだ。
井上:お客さまからヒアリングする中で、同社における工事の予算管理法が大きな優位性につながっていることがわかったのです。そこで、そこは安易にパッケージ製品に業務を合わせるのではなく、アドオン(機能拡張)してでもしっかり作りこむことを提案しました。
一方で、会計の部分などはパッケージを活用することで業務の標準化やコストダウンを図るようにしました。
SaaS(Software as a Service)全盛の時代ではあるが、顧客の強みにつながるのであれば、あえて手組みでカスタマイズするという逆転の提案を行ったわけだ。
井上:特定のベンダーのツールを販売するのではなく、中立公平な立場で最適と思える方法やツール・基盤を選択し提案できるのも当社の特長だと思います。必要のないものであれば『それは要りません』と伝えることも珍しくありません。
こう話す井上からは、みずほリサーチ&テクノロジーズの実直な姿勢もうかがえる。
労働人口が減少する中でますますITテクノロジーの活用が重要に
「企業は人なり」とも言われる。人材の重要性を否定する企業はないだろう。
小林:人事部門でもDXに関するご相談が多くなっています。具体的にはITを活用し、人材ポートフォリオ分析やリスキリング(学び直し)を推進するといったことです。
さらに人的資本に対する企業の関心も高まっています。
折しも、日本では2023年3月期の有価証券報告書から人的資本の開示が義務化される。
小林:(人事データを人材配置・育成などに生かす)タレントマネジメントのシステムを導入したからといって、それが開示につながるわけではありません。大切なのは、経営戦略を実現するために、どのような人材が必要かという点です。
たとえば、デジタル人材の育成であれば、何年後にどれだけの人材を育成する必要があり、現状ではどれだけのギャップがあるのか。それを何年かけて埋めていくのか計画を立て実行していかなければなりません。
その施策や進捗を報告するのが人的資本の開示というわけだ。みずほリサーチ&テクノロジーズでは、これらのデジタル人材、さらにはDX人材の育成についても、計画の立案から教育研修の実施などまで一貫して支援している。
小林:現状の人材についても、いつまでにどのようなデジタル人材に育てるのか。これ以上社内のリソースでは無理であれば、外から連れてくる、あるいは外部の企業と組むといった全体の絵を描く必要があります。
小林は長年にわたり人事・労務、人材開発などのコンサルティングも専門にしてきた。それだけに、これからの日本に対し大きな危機感を持っていると指摘する。
小林:日本の労働人口が減っていくことは明らかです。「新卒を採るのが難しくなったね」と話す経営者もいますが、新卒だけでなく、中堅層からシニアまで、あらゆる人材が採れなくなります。
今後、人材獲得競争が高まるため、企業は魅力的な仕事で人を惹きつけて採用しなければなりません。そこで登場するのがやはりテクノロジーです。人や組織の力を最大限に生かすためにITを「使い倒す」ことが必要なのです。
その環境づくりをお手伝いし、日本の会社を元気にするのが私たちの役割だと感じています。
〈みずほ〉の多彩なネットワークがコンサルティングに生きる
井上:入社後、とくに実感したのは、みずほフィナンシャルグループならではの多彩なネットワークが活用できることです。先ほどご紹介した建設会社のプロジェクトでは、「安全DX」と名付けたAI(人工知能)カメラを使った事故防止システムをDX施策として検討しました。
当社にはAI PowerhouseというAIを活用した課題解決、事業開発、技術開発のプロフェッショナル部隊があります。他にも〈みずほ〉にはAIに精通した人材が数多くいます。これらの人材が一緒になってお客さまへのご提案、プロジェクトを推進するといった取り組みも柔軟に進めています。
グループ内の先端技術部門やデジタルビジネスの推進部門と連携した取り組みも活発だと言う。
小林:さまざまな専門家がグループ内にいて気軽に相談することができます。お客さまの同意に基づき情報交換も行っています。
また、〈みずほ〉は国内上場企業の約7割をカバーしており、多くの企業にはみずほ銀行の法人営業担当者が付いています。お客さまから同意をいただいた上で、法人営業担当と連携してご提案させていただくこともあります。
日頃から経営者とひざを突き合わせてお話をしている状態でお客さまのことをよく知った上で会いに行けるのは大きな強みです。
井上:お客さまのグループ企業の再編や統合、M&A(企業の合併・買収)に伴うIT戦略策定支援など、より大きなプロジェクトに携わることができるのも〈みずほ〉ならではだと思います。大手企業の合意形成はなかなか大変ですが、それだけに、実現した時の手応えは大きいですね。
みずほリサーチ&テクノロジーズなら、「経営」や「戦略」の視点を持ちながらコンサルティングに入り、そこにDX支援の専門機能を活用していくことで、より経営課題の根幹に即したコンサルティングが展開できるということだろう。
また、やる気があれば、先輩の支えのもと若いうちからリーダーとしてプロジェクトの中心を担うこともできるとも言う。まさに、コンサルタントが大きなフィールドで活躍して成長できる、チャンスの多い職場と言える。
※ 記載内容は2023年3月時点のものです
