ロケットから原子力まで。チームで挑む三菱重工の多彩なプロフェッショナルたちの流儀
──それぞれの所属部署と現在のお仕事について教えてください。
渡邊:宇宙事業部の技術部、液体ロケットエンジン設計課に所属し、1段エンジンチームの統括を務めています。次世代の大型基幹ロケットである「H3ロケット」の1段エンジンの開発と量産に携わっています。
笠見:監査等委員会室で、監査等委員である取締役の監査活動を支援しています。2025年に現在の部署に異動し、経営者のそばで、全社の部門と関わりながら業務を行っています。
大寺:原子力セグメントの原子力工作部に所属し、現場の活性化推進や相談役、現地工事の支援を担当しています。組み立て作業を中心に幅広い業務に従事してきた44年間の経験を活かし、後進への指導役として現在雇用延長2年目を迎えています。
五味:三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)の次なる軸となる事業を作る成長推進室で、データセンター&エネルギーマネジメント部の部長を務めています。部長の私はリーダーとして先導し、そして「応援団長」として、バックグラウンドの異なるメンバーたちをサポートしています。
──仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
渡邊:若手メンバーの多いチームなので、一人ひとりに適切な業務を任せた上で、それをサポートすることを心がけています。またチーム統括として、上層部や部下と調整する機会も多く、大きな役割を任されていることにやりがいを感じています。
笠見:どんな業務内容でも全体を俯瞰し、相手の話をしっかり聞くこと、情報を収集して自分の中で咀嚼していくことを意識しています。今は社内外の状況や社会情勢、技術のトレンドなどがどのように動いて、これからどうなっていくかを見据えて、今自分の立場で何をすべきかを考えるようにしています。
大寺:三菱重工の仕事の多くは1人では完遂できません。そのため、周囲の人としっかり連携を取るなど、人とのつながりを何より重んじています。
また、ものづくりの仕事には失敗がつきものなので、失敗を恐れずにチャレンジ精神を持って取り組んでいくことが大切です。部内のメンバーが自身のスキルアップをめざしてモチベーション高く働けるような声かけを意識しています。
五味:大寺さんもおっしゃっていたように三菱重工には1人でできる仕事はほとんどなく、常にチームワークが欠かせません。そのため自分の考えをこまめに伝えるなど、周囲とのコミュニケーションは意識的にとっています。
また、私は新規事業に取り組んでいる立場上、時には逆風にさらされることもあります。そんな時もへこたれずに明るく前向きに取り組んでいくことを大切にしています。
優秀な仲間とやりたいことに挑める環境──笠見さん・渡邊さん
──キャリアダイジェストについて教えてください。
渡邊:小学生の頃に毛利 衛さんが宇宙に行ったニュースを見たことから、宇宙に興味を持ちました。高校生の時に、スペースシャトル・コロンビア号の空中分解事故を目の当たりにしてショックを受けましたが、一方でこの難しい業界にチャレンジしたいという思いをさらに強くしました。大学では航空宇宙工学を専攻し、飛行機やロケットのエンジンに関する研究に取り組み、そのまま、ロケットを作っている三菱重工へ入社しました。
入社前は体育会系のような縦割りの強い組織をイメージしていましたが、入社してみるとそんなことはまったくありませんでした。はじめは誰に何を聞けばよいかわからず戸惑いましたが、徐々に勘所がわかってきて仕事が楽しくなっていった印象です。
今では「学生時代からやりたいと思っていたロケットエンジンの開発に携われて幸せ者だな」と思いながら業務にあたっています。
笠見:航空宇宙分野をめざしていた高校時代に「日本は金属材料が強いから、その分野で航空宇宙に進むといいんじゃないか」と言われたことをきっかけに、工学部で金属材料の研究をしていました。
そのままアカデミアの道に進むことも考えていたのですが、学会で三菱重工の講演を聞いて、研究の成果を製品として活用できることに魅力を感じたほか、ものづくりにも興味があったので三菱重工に入社しました。
入社後は金属材料の製造加工プロセス開発に従事したり、海外メーカーとの共同研究に参加したり。私も渡邊さんと同じで、優秀な仲間に囲まれながらやりたいことが次々とできて恵まれた環境だと思います。子どもにも「仕事が好きで楽しい」と日々伝えているので、仕事で遅くなる時や忙しい時も協力してくれます(笑)。
──おふたりが思う、三菱重工で働く魅力はなんですか?
笠見:三菱重工の技術の進歩によって社会がよりよくなっていることを実感できるところですね。たとえば、飛行機に乗っていても「この部品は私たちの仲間と携わったんだよ」と身近な人に言えることは喜びでもありやりがいになります。
もう1つは、尊敬できる人がいることです。自分にないスキルや視点を持った人や、各分野の一流のプロフェッショナルなど尊敬できる人と一緒に仕事ができる環境は、何にも代えがたいです。
渡邊:チームの力で大規模なプロジェクトを達成できることが三菱重工の最大の強みだと思います。仲間が集まって意見交換すると、次々に新しいアイデアが生まれてきますし、それらが連携することで会社全体がチームになっていきます。
仲間の作ったものが世界で役立つ喜び──大寺さん・五味さん
──これまでの業務の中でとくに印象深かったプロジェクトや思い出を教えてください。
大寺:普通科の高校を卒業し、1年間研修を受けて現場に入りました。入社当初はやることなすこと初めてで、常に新鮮な気持ちでしたね。とくに印象に残っているのは、初めて自分がリーダーとなって作った製品を出荷した時の出荷式です。自分たちが作った製品が完成して出荷されていく様子は感慨深いもので、中には涙する先輩もいらっしゃいました。
また、失敗した時のこともよく覚えています。製品に不具合があった時や自分のせいで工事が止まってしまった時は、周囲のメンバーが助けてくれたことが忘れられません。このような経験を通じて自分の人生観が変わるくらい、ものづくりの楽しさを教えてもらったと感じています。
五味:入社から海外の発電所のサービス営業を担当し、今までに70カ国の発電所を訪問しました。とくに印象深かったことは2つあり、1つは入社4年目にアメリカでサービス工場を立ち上げたことです。200人のアメリカ人サービス部隊の中で、営業担当の日本人は私1人だけという貴重な経験をしました。アメリカは仕事の成果次第で簡単に解雇されてしまう文化なので、誰もが真剣に業務にあたっている姿がまさにプロフェッショナルであると感じました。プロとしての自覚を持つ重要性は彼らの姿勢から学び、今の私の仕事にも影響を与えています。
もう1つは、東日本大震災の後に多くの電力が失われた際の仕事です。十分な電力を確保するために国内発電プラントは大復旧活動を進めていました。しかしそれでも足りず、海外から日本へ発電所2基を移設するという一大プロジェクトが発足。海外にある発電所をバラして船で日本に届け、日本で再び組み立てる作業で、電力需要が高まる夏までに完了させたことで関東地方の計画停電を回避することができました。私もそのプロジェクトの一員として対応しましたが、いまだに当時のことを思い出すと、大変だったことや無事に移設できてよかったという思いで胸が熱くなります。
──三菱重工だからこそ味わえる働く醍醐味を教えてください。
五味:笠見さんも話していたように社会に貢献している実感があり、私にとって三菱重工で働くことは生きがいになっています。たとえば、世界にはまだ電気を使えない環境で生活している人が7〜8億人いると言われているので、最終的には彼らにも電気を届けたいです。
大寺:私も日本のエネルギーを下支えする原子力機器を作っているので、社会に貢献できていることがやりがいにつながっています。また、自分が関わっていなくても仲間の作った製品が動いているのを見るとうれしくなります。ロケットの打上げの際は、私も種子島に行く機会があり、感動したことを覚えています。
五味:私たちもオフィスで打上げを見守っていました。無事に発射された際は、みんな歓声をあげていましたね。
渡邊:みなさん見守ってくださっているんですね。それを聞くとたいへん勇気づけられます。
諦めず、誠実に、仕事を楽しむ──チームで社会を動かす三菱重工で輝ける人とは
──皆さんの今後の展望を教えてください。
渡邊:エンジニアとしては今開発しているH3ロケットの一段エンジンをしっかり完成させ、量産できるようにしていきたいです。一方、チーム統括としては後輩に自身の経験や知見をしっかり伝えて、世代交代を成し遂げたいですね。
笠見:社是にもある通り「社会の進歩に貢献」し、住みやすく安心・安全で快適な社会にしていきたいと思っています。そのために三菱重工の技術や、世界中で眠っている技術を新たな製品へとつなげる架け橋を務めたいと思います。
大寺:まずは残りの社会人人生を健康に過ごしたいです。入社からこれまで一度も大きな病気をしていないんです。後輩にも健康が何より大切で、健康がなければ仕事はできないということを伝えていきたいですね。
五味:これからも困っている社会インフラを技術で解決し、社会から頼られる会社でありたいですね。また、私は入社後合計13年間海外に滞在したのですが、世界を見回してみると三菱重工はグローバルに戦える伸びしろが沢山あると感じます。もっと多くの人に知っていただいて、働く人が胸を張って楽しく仕事ができるようにしていきたいと考えています。
──最後に三菱重工で輝ける人とは、どんな人ですか?
渡邊:周りに勇気を与え、よい影響を与えてくれる人は輝いていますね。たとえば、難しい課題に直面した時に、目線を上げてくれるような声かけができる人は、近くにいてくれるとすごく力になります。
笠見:仕事を楽しめる人が輝けると思います。三菱重工ではまだ誰も作ったことのないものに取り組むこともあるため、大変なこともありますが、その状況を楽しめる人、その中で楽しさを見つけられる人は大いに活躍できると思います。
五味:まずは何事も諦めず前向きに取り組む姿勢が大切です。そして当たり前ではありますが、人として誠実であることも重要。周りと調和しながらチームで物事を動かすことに三菱重工の強みがあるので、困っている人がいたら手を差し伸べる人が輝けると感じています。三菱重工には多くの輝いている先輩がいらっしゃいます。
大寺:三菱重工でもっとも輝いているのは、利他の心を持っている人ですね。視野を広げて、忙しい人に声をかけたり、先輩や後輩のために動いたりできる人が活躍しています。これからも、利他の心を持って働く人が多ければ三菱重工はますます発展していくと思います。
※ 記載内容は2026年3月時点のものです

