笑顔が絶えない現場で、国防の最前線を支える。「無人機」の立ち上げにも挑む技術者
──防衛・宇宙セグメント 航空機製造部 F-2課 飛行整備係で扱っている製品や業務内容について教えてください。
現在、大きく2つの業務があります。1つめはF-2戦闘機の飛行試験・機能試験全般の取りまとめです。F-2は日本国内の主力戦闘機の1つで、島国である日本の環境に合わせた多様な技術が組み込まれている純国産の戦闘機です。
2つめに無人機の製造立ち上げから組み立て、飛行試験、技術試験まで全体の取りまとめを担当しています。無人機とは現在の国際情勢で注目されているカテゴリーの航空機で、防衛白書でも無人機製造への注力が示されており、三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)としても初期立ち上げ段階にある新しい分野です。
たとえば、飛行試験では完成した機体が設計要求通り動くか、動かなかった場合、それはなぜかといった原因究明を行っています。また、新しく加わった無人機の製造立ち上げでは、そもそもどこでどのように製造するかといった根本的な部分から製造に携わっています。
──係のメンバー構成や職場の雰囲気について教えてください。
飛行整備係には4つの作業班があり、総勢50人以上でそれぞれ現場において機体に直接触れたりエンジンを整備したりしています。私はそれらの班全体を取りまとめる部隊におり、現場の状況を把握しながら関連部署や協力会社と連携を図っています。
年齢層は若手から中堅、ベテランまで非常にバランスがよく、雰囲気も和気藹々としていて、文字通り笑顔が絶えない職場です。また航空機は長い年月をかけて知見を得ていく分野なので、周囲に「この人に聞けば安心」というような先輩が多くいて非常に頼りになります。
──仕事をする上で大切にしている価値観について聞かせてください。
モノづくりの会社だからこそ、品質は第一に大切にしています。その上で私自身がとくに大切にしているのは、常に視野を広く持ち、冷静に考えることです。関連部署や協力会社と議論を交わしていると場の雰囲気がヒートアップしてくることもあります。
しかし、それぞれの思いを汲みながらも「みんな同じゴールに向かっている」というところを念頭に置き、モノをしっかり作り上げるという大目標を見失わないように取りまとめることを大切にしています。
「心が躍る仕事」を求めて。子どもの頃の夢を叶え、日本唯一の完成機メーカーで働く
──学生時代の専攻と三菱重工に興味を持ったきっかけを教えてください。
もともと自動車や航空機が大好きな子どもでした。将来は航空機を作りたいと思っていたのですが、学生時代は仕事にする分野とは異なることを学びたいと思い、自動車のエンジン内熱機関の制御や自動運転技術について学びました。別の分野を学びましたが、研究で培った論理的な説明力や工学的知見は今の仕事にも役立っていると感じます。
三菱重工のことはもともとロケットで有名な会社として知っていました。航空機を作る仕事に就きたいと思って調べ始めた時、最初にヒットしたのが三菱重工だったことをきっかけに興味を持ち、戦闘機の完成機を作れる日本で唯一の企業というところに惹かれました。
──あらためて入社の決め手やこの部門を志望した理由を教えてください。
就職活動の軸として、「自分の心が躍る仕事をしたい」という思いがありました。そこで学生時代から漠然と航空機に携わりたいとは思っていましたが、あらためて視野を広げてさまざまな企業のインターンシップや工場見学に足を運んだんです。
家電メーカーや自動車メーカー、またはコンサルタントなどさまざまな業種を見て回りましたが、やはり三菱重工の工場で見た戦闘機や航空機の完成品が何よりも自分の感情を動かしてくれました。「自分がやりたかったことは、きっとここでできる」という確信のもと、三菱重工の防衛・宇宙セグメントを志望しました。
──入社後のキャリア変遷について教えてください。
入社直後は生産技術課に配属され、飛行試験の手順や機体全体の機能確認方法などを計画する業務を担いました。ここで飛行機が作られるまでの過程や設計の考え方を含め数多くの技術的な知見を得ることができました。
より機体全体を取りまとめる仕事がしたいと上司に話していたところ、無人機の立ち上げプロジェクトを紹介され、F-2課へと異動。生産技術課で立ててきた計画をいかにして実現するのか、実現のためにはどのような調整がいるのかというところを今学んでいます。
入社前は航空機の知識がそこまであったわけではありませんでしたが、入社してみると教育が充実していて心配は無用でした。研修はもちろん、各課に教育資料もたくさん用意されていて、独学での勉強も捗りました。航空・宇宙分野で学んできた同期もいましたが、業務という意味で必要となる知識はまた別なので、とくに出遅れたというような気持ちもありませんでした。
苦労が報われる瞬間──飛行試験で空を飛ぶ機体を見て感じる、モノづくりの感動
──これまでのお仕事の中でとくに印象に残っている出来事はなんですか。
F-2課に異動してから無人機の立ち上げ業務において、まだ誰も気づいていなかったリスクを発見したことが印象深いです。このまま進むと製造が立ち止まってしまうかもしれないほど大きな問題を見つけたため、関係者を集めてあらためて認識合わせを行い、未然にその問題を解決することができました。
私がこのリスクに気づけた大きな理由は、技術部門と製造部門の両方で研鑽を積めていたからだと思います。どうしても図面を見て理系的な考えで仕事を進めてしまいがちですが、日頃から現場の作業を具体的にイメージできるくらい理解していたからこそ、そのリスクに気づけたと思っています。
また、伝え方にも工夫しました。自分たち目線の意見だけではなく、それぞれの部署に与える影響を伝え、みんなに自分事として捉えてもらうことで、協力して解決ができました。
──三菱重工に入社して、自分が成長したと思うところはどこでしょうか。
物の見方や考え方は広くなったと思います。さまざまな作業が集まる現場にいるからこそ、自分のことだけでなく、「あっちは大丈夫か」「こっちは大丈夫か」と周囲のことも気にしながら考えられるようになりました。
まだ入社から3年目なので、1人でなんでもできるわけではありませんが、先輩方の力を借りながら自分なりのやり方を身につけられていると感じます。
──現在のお仕事のやりがいや魅力について教えてください。
航空機産業の会社は日本にもたくさんありますが、中でも三菱重工は最終組み立てができて、完成機を飛ばせるところが大きな魅力だと思います。飛行試験でこれまで作り上げてきた機体が実際に空を飛んでいるところを見ると、これまで苦労してきたことが報われたような、強いやりがいを感じます。
無人機に関してはまだ飛行試験まで至っていませんが、自分が立ち上げから関わってきた製品がいざ空を舞うとなったら、きっと大きな感動が得られるだろうと今から楽しみです。
人材の宝庫で学び、成長する。先輩の背中を追いながら自分らしく働く喜び
──三菱重工の企業としての魅力について教えてください。
大きな会社なので、船やロケットなど多様な分野の製品を持っていることが大きな魅力です。他分野で用いられている技術について学びたいと思ったら実際に見学に行くこともできるので、分野ごとの技術の交流が盛んなところがすてきだと思います。
歴史がある分、堅苦しい会社だと思われてしまうこともありますが、実際はとても柔軟な環境で、若手のうちから意見を聞いてもらいやすいですし、チャンスもたくさん与えてもらえます。
また社員の生活を支える制度も充実していると感じます。独身寮からはバスが出ていて、満員電車に乗らなくても通勤できますし、結婚後も家賃補助などが充実しており、安心して業務に臨めます。
──将来の展望や思い描くキャリアパスについて教えてください。
今後もさまざまな経験を積んで知識や技術を身につけ、周囲の人に頼られるような存在になっていきたいですね。三菱重工には「人材の宝庫」と言えるほど、さまざまな分野で優秀な社員がいます。そのような先輩方の背中を追いながら「吉野にまかせればすべてうまくいく」と思ってもらえるような、柱のような存在になりたいです。
また学生時代から国産の航空機づくりに携わることに憧れていたので、いずれ機会があればぜひ製造に携わりたいですね。
──これから就職活動をする方にメッセージをお願いします。
航空機づくりには数多くの人が関わっており、時には関わる人の数が3〜4桁になることもあります。そんな環境の中で活躍していくためには、コミュニケーション能力が欠かせません。論理的に筋道を立てて説明する力はもちろんのこと、みんなに愛されるような人柄、慕われるような人柄の方はきっと活躍できると感じます。
また、これから就職を控えている学生の皆さんに私が伝えたいことは、好きなことをたくさん見つけてほしいということです。仕事に直結することはもちろん、そうでないことでも自分が心躍ることを1つでも多く持っていた方が、仕事もプライベートも充実します。勉強ももちろん大切ですが、自分が好きだと思えることをたくさん見つけて、充実した社会人生活を送ってほしいです。
※ 記載内容は2025年11月時点のものです

