わずかな違和感も見逃さない──モノづくりへの誇りと品質へのこだわり
永松が所属するのは、三菱重工サーマルシステムズ株式会社 製造部空調輸冷製造課のPAC班。PACとはパッケージエアコン、つまり業務用の空調機のことを指し、PAC班ではその室外機部分を製造しています。
「PACとはビルや喫茶店の天井に埋め込まれているようなタイプの空調機を指します。家庭用のルームエアコンと比較すると空調管理の能力が異なります。中でも私は室外機の中の熱交換器という部品を作っています。
具体的には熱交換を行うフィン、熱を運ぶヘアピンと呼ばれるパイプなどを製造し、合体させて熱交換器にしていきます。業務用ということもあり、製品によっては畳一畳分ほどの大きな熱交換器を作ることもあります。1日に作れる量はおよそ20個弱です」
自ら手を動かしてモノづくりに励む永松がとくに大切にしているのは、品質です。
「入社直後から上司に『1つのミスが製品全体に影響する』と教えられてきました。そのため、作業中に少しでも違和感を覚えたら上司に相談するなど些細な変化も見逃さず、品質のよい部品を作ることを大切にしています」
PAC班はさらに3つの班に分かれており、永松が所属する熱交班のメンバーは4人。少人数ながら先輩や後輩に囲まれて、よい雰囲気で仕事ができていると話します。
「PAC班はみんなで協力して1つのものを作っているので、とても風通しのよい雰囲気です。中でも熱交班は朝に朝礼を行い、業務中もいろいろ話し合いながら仕事を進めています。先輩に仕事を教わったり、後輩に仕事を教えたりすることもよくあり、交流が活発なので、気軽にやり取りができる関係性です」
この「コミュニケーション」も業務を行う上で欠かせないと永松は語ります。
「PAC班全体で連携して作業する必要があるため、適宜コミュニケーションをとっていくことが大切です。たとえば、組み立てチームの生産計画が急遽変わることもあり、『生産計画が変わったから、こっちの熱交換器を先に作ってくれない?』と声をかけられることも。全体のスケジュールを把握して、それに合わせて業務内容を変えていくことが大切です。
このような連携が必要になることから、私自身、日頃から周囲のメンバーとのコミュニケーションを大切にしています。日々の挨拶や休憩時間の世間話などからお互いの交流を深めているので、何か困ったことがあった時も気軽に相談しやすい関係性が築けていると思います」
「見たことのない機械」に心を奪われて。高卒で飛び込んだモノづくりの世界
幼少期から今に至るまで、永松の人生はサッカーと共にありました。
「幼稚園生の頃にサッカークラブに入ったことをきっかけにサッカーに夢中になり、学生時代は放課後もよくボールを蹴って遊んでいました。今も社会人チームでサッカーを続けています。
これだけサッカーが好きだったので、高校時代は大学に入ってサッカーに専念することも考えましたが、そこまで勉強が好きというわけでもなかったので迷っていたんです。そんな時、知り合いが高卒で三菱重工に就職したことを聞いて。福利厚生や給与もよく、働きやすい環境だと聞いて強い興味を持ちました」
決め手になったのは、応募前見学で工場の様子を見た瞬間だと言います。
「今までの人生で見たことのないような機械を使って製品を作っているところを見て、純粋に『かっこいいな』と感じました。自分もこういう仕事をしてみたいと思い、入社を決めました」
こうして2020年4月に永松は技能研修生として三菱重工サーマルシステムズに入社。さまざまな事業所で採用された同期たちと共に1年間研修を受けました。
「研修では機械・電子・溶接など技術的なことを学ぶほか、生活習慣を身につけたり、体力づくりをしたりもするので、不安なく社会人生活をスタートできました。体力づくりの一環で班のみんなと山登りをしたことが思い出深いですね。
一方、私が技能研修生の時はちょうどコロナ禍でなかなか外出ができなかったんです。そのため、寮の中で同期と一緒にご飯を食べたり、映画を見たりして過ごすことが多く、自然と同期との絆が深まりました。今でも大型連休の際は拠点の離れた同期に会いにいくことがあります」
1年の研修の後、現在の部署へと配属された永松。当時の想いをこう語ります。
「現場に配属されてからはさまざまな年代の方と関わるようになり、初めは少し緊張しました。しかし先輩方が皆非常に優しくて、積極的に声をかけてくれたので、すぐに場の雰囲気に馴染めるようになりました。
業務内容についても、親切な先輩方に丁寧に教えていただけたので、少しずつ覚えていくことができました。まだまだ一人前とは言えませんが、今では後輩もでき、自分が後輩を指導することもあります」
タイミング1つですべてが決まる。「ろう付け作業」に学んだ、仕事の繊細さと奥深さ
配属後、永松が最初に学んだのはろう付け作業でした。この作業には繊細な技術が求められると言います。
「ろう付け作業とは母材を溶かさず、隙間にろう材を流し込んで金属同士を頑丈に接合する技術です。母材に火を当てて隙間にろう材を流し込むのですが、そのタイミングがとてもシビアなんです。ろう材を流すタイミングが早すぎると母材に浸透していきませんし、遅すぎると母材に穴を開けてしまいます。
このタイミングをつかむために練習を重ね、先輩にもアドバイスをもらいながら徐々に学んでいきました」
しかし、配属から1年目の頃、忘れられない失敗をしてしまいます。
「ろう材を流し込むタイミングが遅すぎて、母材に穴を開けてしまったんです。一度穴が空いてしまうとそこからの修復は難しいため、作り直しになってしまいます。班のメンバーだけでなく周囲のメンバーにも迷惑をかけてしまい、当時はすごく落ち込みましたね。
でも、先輩方は誰も私を責めず、フォローしてくれました。周囲との調整をしてくれただけでなく、私のろう付け作業を再度見直して指導してくれて、それがすごく励みになりました。その後回数を重ねるごとにうまくできるようになり、今では不安なく作業ができるようになりました」
入社から7年目。永松は「先を見て行動できるようになった」と自分を評価します。
「熱交換器は組み立ての生産日の前日に製造します。翌日には組み立てが行われるので、今日のうちに必要な分をよい品質で作れるよう心がけています。
この仕事のやりがいは、大きな機械を動かしてものを作っていく中でいろいろな作業ができるようになっていくことです。ろう付け作業のように難しい作業もありますが、できるようになると成長実感につながります。
また大きな製品の部品の一部に携われていることもすごくうれしいです。初めて完成機を目にした時は『すごいなぁ』と圧倒されました。自分の作っている部品が、この中で役に立っていると思うと、そこにやりがいを感じられます」
一人では辿り着けない高みへ。充実のサポートと絆が、未経験からの成長を後押しする
前向きに技術を磨く永松に三菱重工サーマルシステムズの魅力を聞きました。
「まず、先輩方が非常に優しく、職場の雰囲気がよいことが挙げられます。先輩の方から積極的に声をかけてくれるので、馴染みやすく、仕事での連携も非常に取りやすいです。休日の前は班のみんなで食事会に行くなど、プライベートも含めていい関係性を築けています。
また入社前から聞いていた通り、福利厚生はかなり充実しています。私は入社から3年間寮で生活し、今は住宅手当を使って一人暮らしをしています。寮時代は食堂があって、自炊しなくても健康的な食事を用意してもらえたのがとてもありがたかったですし、一人暮らしの今は家賃の多くを住宅手当で賄ってもらえているので、とても助かっています」
そんな永松は今新しいことに挑戦していると言います。
「人事異動で同じ班の先輩が別の部署に異動してしまい、その先輩の仕事を引き継ぐことになりました。同じ熱交換器に関する作業ですが、使用する機械なども違うため、新しいことをたくさん覚えていくのが大変です。しかし、これを機に熱交換器についてより詳しくなれたらいいなと思っています」
最後に高卒で就職を検討している学生に対して、メッセージを送ります。
「就職するタイミングは人それぞれなので、高卒で就職しても、大卒で就職してもよい面・悪い面があると思います。私は個人的に高校を卒業してすぐ社会に出ると、大学に進学する人よりも早く社会に出ることができるので、技術的にも人としてもより早く大きく成長できると思います。三菱重工グループは研修も充実しており、社会人の基礎から技術面までしっかりとフォローしてもらえるので、高卒で就職する方にも安心して入ってきてほしいです。
また三菱重工サーマルシステムズでは、コミュニケーションがしっかり取れる方が活躍できると感じます。私たちは1人では作れないものをみんなで協力して作っているので、日頃から協力体制が欠かせません。しっかりと意思疎通が取れる方には、自然に人が集まってくるので、ぜひコミュニケーションを大切にする人と一緒に働きたいですね」
※ 記載内容は2026年4月時点のものです

