新技術開発から量産まで。飛昇体製造のブレーンとして活躍する若手の挑戦
──現在所属されている航空機・飛昇体事業部 飛昇体製造部 生産技術課 電子機器チームの業務内容について教えてください。
飛昇体製造部は飛昇体を実際に作る部署で、モノづくりの第一線を体験できるところが魅力です。その中にもさまざまな役割がありますが、私は生産技術課 電子機器チームに所属しており、飛昇体の中に入っている電子機器に関わっています。
飛昇体の中には、飛昇体の脳みそとなるオートパイロットや羽を動かす動力を作るサーボアンプなどの機械的な電子機器やそれらの機器をつなぐワイヤーハーネスと呼ばれる電線の束のようなものなど、さまざまな電子機器が搭載されています。
私は現在3つの業務を担当しています。1つめは新しい開発機種の生産ラインの立ち上げです。2つめは将来に向けて新しいモノづくりの技術を開発することです。そして3つめは飛昇体量産に向けたリソースの検討です。昨今は防衛分野が非常に活況なため、飛昇体も増産が期待されているのです。
──電子機器チームの構成や雰囲気について教えてください。
電子機器チームには20人ほどのメンバーがおり、年齢層は雇用延長で働くベテラン層から新卒1年目まで幅広く、女性社員も数人在籍するなど、技術職の中では色彩豊かだと思います。バックグラウンドも材料系の研究室の出身者や工学系・化学系を学んできた人などさまざまで、それぞれの知識を活かしながら業務に臨んでいます。
職場の雰囲気も非常によく、お互い気軽に声をかけ合いながら業務に励んでいます。私は入社から現在まで6年にわたってこのチームにおり、初めは上司や先輩方に業務を教わる立場でしたが、今では新卒入社の後輩たちの育成担当やグループリーダーを任せてもらっています。
──お仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
私がとくに大切にしていることは、コミュニケーションです。防衛分野のモノづくりはとにかく規模が大きいので、たくさんの人が関わっています。中でも飛昇体製造部は製造現場のブレーンのような存在なので、設計部門や品質保証部門、調達部門など社内のさまざまな部署はもちろんのこと、工場に導入する設備メーカーなど社外の方とも綿密なコミュニケーションが必要です。
私がコミュニケーションをとる上でとくに大切にしていることは、常に元気に笑顔で応じることと、相手の話をよく聞いてリアクションを取ることです。関わる人みんなの士気を高める上でもポジティブな雰囲気を持つことは大切だと感じていますし、会話をする際は相手の意見をしっかり聞き、それに反応することで、皆さんが話しかけやすい存在になれると感じています。
就職活動で迷った末につかんだ答え──ここでしかできない経験を求めて
──学生時代の専攻と研究内容について教えてください。
学生時代は物理学部で宇宙物理学を学んでいました。もともと高校時代物理が得意だったことから物理学部に進み、研究室を選ぶ際にとくに惹かれた宇宙物理学を選択。研究室では電波天文学を学び、電波望遠鏡(天体の電波を受信するために、砂漠や高地など湿度の低い場所に建設される大型パラボラアンテナ)に搭載される受信機の開発を行っていました。設計から製造、評価まで幅広く経験できたことで、モノづくりの全体の流れを理解できたと感じています。
──三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)に興味を持ったきっかけや現在の部門を志願した理由を教えてください。
就職活動時は正直、何をしたいのか軸が定まっていませんでした。モノづくりの研究をしていたので、製菓メーカーや電子機器メーカーなど複数のメーカーも視野に入れていましたし、研究とはまったく関係のないテレビ局なども受けていましたね。そんな中で三菱重工に興味を持ったきっかけは大学院1年生の時にインターンに参加したことです。宇宙関係の研究をしていたこともあり、ロケット設計の分野に配属されたのですが、指導員が皆すごくよくしてくださって。漠然と厳しいイメージを持っていたのですが、よい意味で人間らしい人たちの集まりでイメージよりも馴染めそうだと思いました。
さまざまな企業を見て、最終的にやはり自分のライフワークにするならモノづくりのできる仕事がよいと思い、メーカーへの就職を決めました。三菱重工の選考の際に防衛分野を選んだのは、防衛分野に取り組んでいる企業が少なく、ここでしかできない経験ができると感じたからです。
──入社後はどのようなキャリアを歩んできましたか。
入社1年目は先輩社員と共に新たな製造技術の開発に携わりながら、論文を執筆しました。2年目以降は研究開発の担当者として研究テーマの策定や予算採りも任せていただけるようになり、今では後輩社員を指導する立場になっています。
加えて、徐々に開発機種の製造ライン立ち上げや量産に向けたリソース検討にも携わるようになっていきました。年々関わる業務や機種が増えていますが、グループのメンバーと協力して効率よく業務を進めています。
自分の仕事はここにつながっていた。アメリカでの発射試験成功が教えてくれたこと
──業務を経験する中で価値観が変化したことはありますか?
「モノづくりはみんなでするものだ」という意識が強くなりましたね。入社前は理系大学出身者が多いイメージもあり、一人ひとりが黙々と作業をして製品をつくっていく印象がありました。
しかし、入社してみるとそもそもメンバーのバックグラウンドもさまざまで、理系の中でもさまざまな専攻のメンバーがいますし、文系大学出身ながら現場で活躍しているメンバーもいることがわかりました。
そんなメンバーたちがたくさん会話や議論を重ねながら、チームでモノをつくっていくんだということに気づいて、モノづくりのイメージがより鮮明になりました。いろいろな背景の人たちが集まっているおかげで、その人でなければ気づけないリスクに気づけたりするなど、それぞれの強みを発揮している姿も印象的でした。
──6年間の中でとくに印象深かった出来事を教えてください。
2025年の夏にアメリカで行った飛昇体の発射試験がとくに印象に残っています。その機種には入社1年目から携わっており、電子基板やワイヤーハーネスの製造ライン立ち上げを担当。作業の手順書をつくったり、初回の製造試験を行ったりしながら、設計部門と共に図面を作り込んだりしていました。
入社当初は設計から実際の製造、そして発射までがどのようにつながっているのか、全体像があまり把握できず、「自分の仕事が本当に何かの役に立っているのだろうか」と不安に思ったこともあったのを覚えています。
しかし、それでも必死に業務に打ち込んで、今回のように発射試験に立ち会うことができたことで「自分の仕事はここにつながっていたんだな」と込み上げるものがありました。打ち上げが成功した際は、現地でメンバーたちとお祝いのバーベキューをして楽しみました。
──現在の仕事で感じているやりがいや業務の魅力を教えてください。
入社当時思っていたように、他のメーカーではなかなか経験できないようなモノづくりに開発の第一線で携わっていけることは大きなやりがいにつながっていると思います。
また、昨今は防衛事業を取り巻く環境が大きく変わっていることも興味深いです。私が入社したコロナ禍の時期は製品一つひとつの品質重視でしたが、ここ数年は業界が盛り上がっていることもあり、品質の高い製品をどれだけ効率よくたくさん作れるかが重要になっています。求められることが変化して新たな課題も出てきていますが、将来性のあるおもしろい分野だとあらためて思います。
裁量の広さが魅力。防衛分野の中心で、さまざまなことに挑戦できる環境
──三菱重工の魅力について教えてください。
防衛分野や航空分野において、中心的な存在として協力会社を取りまとめていく立場にあることは三菱重工の大きな特色だと思います。製品全体を担っているので、自社の裁量が非常に幅広く、社員としてもさまざまなことに挑戦できる環境だと感じます。
また、飛昇体製造部は年齢層も幅広く、さまざまなバックグラウンドの方がいることが大きな魅力です。業務の中で何か壁にぶつかっても、その分野に詳しい方に質問することで問題が解決できたり、過去に同じような経験をした人に話を聞くことで解決の糸口が見つかったりすることが少なくありません。さまざまな専門性を持つ頼れる仲間と共に仕事ができるのは、とても誇らしいことです。
──今後挑戦してみたいことを教えてください。
これまでやってきた分野をより深めていきたい思いもありますし、異なる分野を経験したい思いもあります。電子機器自体も昨今の防衛分野の活況によって「量産」という新しい挑戦に取り組んでいるところなので、それに貢献していきたい思いもあります。
一方で、電子機器以外の分野を経験してより事業全体を見られるよう、視野を広げていきたい思いもありますね。
──これから就職活動をする方向けにメッセージをお願いいたします。
これから就職活動をする方には、ぜひこの機会にいろいろな企業を見て回ってほしいなと思っています。1つの会社に入ってしまうと、なかなか他の会社の内部を見せていただく機会はありません。
私は就職活動の際、さまざまな業種の企業を見せていただいた上で三菱重工を選べたことで、就職活動に納得感が出ました。また、さまざまな企業があっていろんな活躍の仕方があることを知ったおかげで、「活躍の場はたくさんある」と思えたことが心理的安全性にもつながっていると思います。
また、私が思う三菱重工で活躍できる人は明るく元気で、人の話をしっかり聞ける人です。ポジティブなオーラをまとい、チームに明るい雰囲気をもたらせる方には自然と協力してくれる人が集まってきます。ぜひ前向きな気持ちで業務に取り組み、多くの人と協力して1つのモノをつくっていく楽しさを体験してほしいです。
※ 記載内容は2025年12月時点のものです

