戦略は、現場まで届いて初めて価値になる。
私は現在、NEC PCコマーシャルの法人事業で4P(Product、Price、Place、Promotion)戦略を担当しています。
4Pと聞くと、商品や価格、販売チャネル、プロモーションを管理する仕事をイメージされるかもしれません。でも私自身は、それだけではないと思っています。
市場環境や競争状況を踏まえながら事業の方向性を描き、その戦略を営業や関連部門とともに実行し、成果を見ながら改善を重ねていく。私はこの仕事を、「ビジネスデザイン」と「ビジネスコントロール」の両輪を回す役割だと捉えています。
ビジネスデザインとは、市場でどのように事業を成長させていくのかを考え、商品や価格、販売チャネル、プロモーションを組み合わせながら戦略を描くこと。一方のビジネスコントロールは、その戦略が現場で実践され、期待した成果につながっているかを確認し、必要に応じて軌道修正していくことです。
私たちが描く戦略は、企画書の中で完結するものではありません。営業や関連部門、販売パートナーと連携しながら実行され、その結果を次の意思決定につなげていくことで、初めて価値を持ちます。
だからこそ私が大切にしているのは、「戦略を考えること」に加えて、「戦略を現場で機能させること」です。
商品、価格、チャネル、プロモーションは、それぞれ独立しているものではありません。すべてがつながり、現場で一貫して実行されて初めて、お客様へ価値を届けることができます。そのために営業、商品企画、プロモーションなど、さまざまな部門と対話を重ねながら、一つの方向を描いていく。それが4Pリードとしての私の役割です。
私にとって戦略とは、正解をつくることではありません。現場が同じ方向を向き、自信を持って前へ進める状態をつくること。それが、この仕事の一番面白いところだと感じています。
キャリアは、立ち止まったときに、次の方向が見えてくる。
新卒では外資系消費財メーカーに入社し、営業からキャリアをスタートしました。その後は営業企画として、マーケティング戦略を営業現場でどう実行するかを考える仕事に携わっていました。
仕事は充実していましたが、「もっと幅広い業界を知りたい」「論理的に物事を考える力を鍛えたい」という思いが強くなり、コンサルティングファームへ転職しました。約7年間、多様な業界のプロジェクトを経験し、業務改革や組織開発など、さまざまなテーマに携わることができました。視野も広がり、多くのことを学んだ時間だったと思います。
一方で、大きな転機になったのはマネージャーへ昇格したタイミングでした。
自分だけが成果を出せばいい立場から、チーム全体を動かし、プロジェクトに責任を持つ立場へ変わったことで、それまでとは違う難しさを感じるようになりました。ちょうどその頃、妊娠というライフイベントも重なり、「この働き方を、この先も続けていきたいのだろうか」と、自分自身に問いかけるようになったんです。
コンサルティングの仕事は、短期間で成果を出すことが求められる世界です。その経験は今でも大きな財産ですが、一方で私は、もっと長い時間をかけて事業や組織の成長に関わり、その変化を見届けられる仕事がしたいと思うようになりました。その想いが、事業会社への転職を決めた理由でした。
答えがないからこそ、現場と一緒に考え続ける。
入社してから、最も印象に残っているのは、部材コスト上昇に伴う利益圧迫への対応として、その影響をPC価格にどのように反映し、利益を確保するか、という緊急対策です。
メモリやSSDをはじめとする主要部材の価格が短期間で大きく上昇し、PC業界全体がこれまで経験したことのないコスト増に直面していました。製品価格を見直さなければ利益を維持することは難しい一方で、お客様にとって価格改定は決して歓迎されるものではありません。販売パートナーも営業も、「どう説明すれば納得していただけるのか」という答えを持っていない状況でした。
そんな中で、現場が自信を持って、お客様と向き合える状態をつくること。それこそが、4Pリードとして果たすべき役割だと考えました。
まず取り組んだのは、市場環境や部材価格の変化、利益構造などを整理し、営業や関連部門が同じ視点で状況を理解できる土台をつくることです。価格改定の背景や市場の動きを共有し、「なぜ今、この判断が必要なのか」を何度も対話しながら認識をそろえていきました。
ただ、私が大切にしていたのは、ネガティブでチャレンジングな状況だからこそ、「この環境だからこそできることは何か」「次に前へ進むための可能性はどこにあるのか」を現場と一緒に考え続けることです。
営業、販売パートナー、そして社内の関連部門。それぞれが置かれている立場や課題は違います。だからこそ、一方的に戦略を伝えるのではなく、一人ひとりの声に耳を傾けながら、目線を合わせ、同じ方向を向ける状態をつくることを何より大切にしました。
その積み重ねによって、新しいオペレーションは徐々に現場へ浸透し、平均販売単価や利益率の改善にもつながりました。そして何より大きかったのは、価格改定という難しいテーマを乗り越えたことで、「次はどの市場で成長を目指すのか」という未来の議論に、組織全体で目を向けられるようになったことです。
私にとって戦略とは、正解を示すことではありません。
コンパスのない状況でも、人や組織が同じ方向を向き、「次の一歩を踏み出そう」と思える状態をつくること。それが、4Pリードとして私が最も大切にしている役割だと思っています。
世界も、砂浜も。本気で挑戦を楽しみたい。
仕事以外で夢中になっているのが、フットサルです。
学生時代からサッカーを続けてきて、今も地域のチームでプレーしています。湘南に住んでおり、昨年はチームでビーチフットサル大会に出場しました。昨年は思うような結果を残せませんでしたが、今年は優勝を目標に仲間と練習を重ねています。
仕事もスポーツも、一人で成果を出すものではありません。同じ目標を共有し、お互いを信頼しながら前に進む。その面白さは、とてもよく似ていると感じています。
これからは4Pの経験をさらに深めながら、グローバルなビジネスにも挑戦してみたいと思っています。また、前職で携わっていた組織開発や人材育成にも、いつか違う形で関わることができたらと考えています。
私が目指すリーダーは、人を引っ張る人ではなく、「一緒にやってみよう」と自然に思ってもらえる人です。一人ひとりが自分らしく力を発揮できる環境をつくることが、結果として組織の成長にもつながると信じています。
これから入社を考えている方にお伝えしたいのは、この会社には、自分から手を挙げて挑戦できる人に、大きなチャンスがあるということです。
完成された環境ではないからこそ、自分で考え、自分から動くことで、新しい価値を生み出せる。その過程を楽しめる方と、一緒に働けることを楽しみにしています。
(所属・役職は取材当時のものです)
