2026年7月、日本総合研究所(日本総研)は「人的資本レポート2026」を公表しました。
昨年度に続く2回目の発行となる今回は、2025年10月の日本総研情報サービス(JAIS)との合併、2026年4月の日興システムソリューションズ(NKSOL)との再編を経た「新生日本総研」として初めての人的資本レポートです。社員数6,000名を超える新たな組織体制となる中、私たちはこれまでの歩みをどう受け止め、どのような未来を描こうとしているのか。今回はレポート作成の担当者から、作成の舞台裏にある想いや、ぜひ注目していただきたいポイントについてお伝えします。
(画像をクリックすると、日本総研HPのレポート掲載ページへ遷移します)
人的資本レポート発行の背景
日本総研では、2025年度より人的資本レポートの作成を開始しました。その背景には、日本総研の「人」に対する考え方や取り組みを、社内外へより分かりやすく発信したいという想いがありました。
社内で人事制度や施策に関する情報発信を進めている一方で、「なぜこの制度があるのか」「会社としてどのような人材戦略を描いているのか」といった背景や考え方が十分に伝わっていないという課題がありました。また、他部署の業務や取り組みを知る機会が限られており、お互いの理解や制度活用の面でも改善の余地があると感じていました。
一方、社外に目を向けると、人材獲得競争が激化する中で、企業が「人」に関する情報を積極的に発信する流れが広がっています。日本総研においても、ただデータを並べるだけでなく、「どのような人材が、どのようなカルチャーのもとで活躍しているのか」を伝えることこそが、未来の仲間やステークホルダーの皆様との接点をつくるはずだと考えました。
こうした背景から、日本総研では人的資本レポートを単なる「数字と実績のデータ集」ではなく、「人」に対する考え方や組織の温度感を伝える媒体として位置づけています。
組織再編を経た新生日本総研の方向性を発信
昨年度のレポートは、日本総研として初めての人的資本レポートということもあり、これまで実施してきた施策や実績を整理して紹介することに主眼を置いていました。
一方、今年度は状況が大きく異なります。
JAISとの合併、NKSOLとの再編を経て、日本総研は新たな組織体制へと移行しました。また、2026年度は新中期経営計画のスタートの年でもあり、会社として大きな変化の中にあります。こうした節目だからこそ、「これからの日本総研がどこを目指していくのか」を発信することを重視しました。
日本総研では、「人に寄り添いながら、ともに変化を越えていく」という考え方を人材戦略の中心に据えています。変化の激しい時代の中で、組織再編や事業領域の拡大を単なる環境変化として受け止めるのではなく、一人ひとりが新たな挑戦や成長の機会として捉えられるように、会社が誠実に寄り添い、支援していくこと。そして、社員と会社がパートナーとして手を取り合い、ともに変化を乗り越えながら新たな価値を創り出していくことを目指しています。今回のレポートでは、その考え方や今後の方向性について整理しています。
「これまで」と「これから」をつなぐレポートへ
今年度のレポートでは、新たに「人事施策のこれまで」と「人事施策のこれから」という構成を取り入れています。
これまで日本総研では数多くの人事施策を展開してきましたが、それらを時系列で振り返りながら整理した資料はありませんでした。そこで今回のレポートでは、会社の成長や環境変化とともに、どのような制度や施策を積み重ねてきたのかを俯瞰できるようまとめています。
そして、その歩みを土台として、新生日本総研がどの方向へ進んでいくのかを「これから」のページで提示しています。単に取り組みを列挙するのではなく、「これまでの積み重ねが今につながり、その延長線上に未来がある」というストーリーとして伝えたい。そのような考えから今回の構成としました。
レポート作成を通じて見えた日本総研らしさ
レポート作成にあたり、各部署の資料を読み込み、さまざまな関係者へのヒアリングを行いました。
その中で改めて感じたのは、高い専門性を持ちながら新しいことに挑戦する社員の多さです。また、それぞれの挑戦を支える独自の取り組みが各部署に根付いていることも印象的でした。
さらに、組織の枠を超えた社員同士のつながりや、自発的な挑戦を後押しする風土も日本総研の大きな魅力だと感じています。日々の業務の中では見えにくい部分もありますが、今回のレポートを通じてそうした取り組みやカルチャーの一端を伝えられたのではないかと思います。
試行錯誤しながら描いた「これから」の姿
人的資本レポートの作成で特に難しかったのは、「これから」を描くことでした。
昨年度は、初のレポートとして日本総研の取り組みを整理しながら紹介することが主なテーマでした。しかし今年度は、新中期経営計画の初年度であり、組織再編を経てスタートした新生日本総研がどこへ向かうのかを示す必要があります。
経営戦略と人材戦略はどのようにつながっているのか。多様な経験や価値観を持つ人材が集まる中、一人ひとりが主体的に挑戦し、能力を発揮できる環境をどのようにつくっていくのか。そうしたテーマについて、多くの資料の読み込みや関係者との対話を重ねながら内容を整理していきました。
今回新たに追加した社長メッセージや「これまで」「これから」のページにも、そうした想いが込められています。単なる制度紹介ではなく、新生日本総研が目指す方向性をより分かりやすく伝えることを目指しました。
終わりにー新生日本総研の未来に向けて
「人的資本レポート2026」は、人事制度や各種データをただ開示するだけのツールではありません。
私たちはどのような想いで人材と向き合い、どのような組織を目指しているのか。そして、変化の大きな時代の中で、社員と会社がどのように未来をつくっていこうとしているのか。その考え方をまとめた一冊です。
組織再編という大きな変化を経て、新たなスタートを切った新生日本総研。このレポートを通じて、私たちのこれまでの歩みと、未来への想いを少しでも感じていただければ幸いです。
