渋谷のカフェで見つけた営業の原点と就職活動への軸
学生時代は経済学部で、世の中のお金の流れや消費者の行動に漠然とした興味を抱いており、 主にマクロ経済と行動経済学を専攻していました。サークル活動ではアウトドアサークルとフットサルサークルに所属しておりましたが、 飲み会だけ参加する幽霊部員であまり真面目な学生とは言えませんでした。
そんな私が最もやりがいを感じていたのが、飲食店でのアルバイト経験です。最初は地元の飲食店で働いていましたが、お客さまの来店が少なく、暇な時間が多いことに物足りなさを感じていました。そこで、「日本で一番忙しい場所で働いてみたい」と考えた私は、「渋谷が一番人が多くて忙しいのではないか」という安易な発想のもと、渋谷にあるカフェで働くことを決意しました。
想像通り、渋谷のカフェは朝から晩まで行列ができ、休む暇もないほどの忙しさでした。そんな環境の中で、私はマーケティングについて試行錯誤を重ねる機会を得ました。例えば、接客の際には注文いただいた商品に加えて他の商品をおすすめする工夫をしたり、季節や天候に応じてPOPやレイアウトを変更することで、売上単価が上がるかどうかを検証しました。また、廃棄をなくすための商品分析も行い、カフェでは商品だけでなく、店舗の雰囲気も非常に重要だと考え、忙しい中でも清掃の徹底や衛生管理、さらには見えない箇所まで丁寧に手入れをしました。
これらの取り組みを通じて、顧客単価や時間帯ごとの売上を深く分析し、マーケティングに関連する実践的な経験を積むことができました。また、人の気持ちに寄り添うホスピタリティの重要性や、売上向上につながる心理的なアプローチについて学べたことは、このアルバイト経験を通じて得た大きな成果だと感じています。
学生時代に行動経済学を学んでいたこともあり、人々の心理がどのように経済活動に影響を与えるのかに強い興味を持っていました。就職活動においては、「社会への貢献ができること」「会社と共に自分自身も成長できること」を軸にして企業選びを行っていました。そのため、業種にこだわらず、社会や目の前の人々の課題に対して解決へ向けて具体的に動ける仕事に就きたいと考えるようになりました。振り返ってみると、そのような考えが向かう先は、営業職だったのかもしれません。
私は幼いころから、自分で考えた遊びを友達と一緒に楽しむのが好きでした。自分が生み出したもので人が喜び、それを共有して楽しむことに、何よりの喜びを感じていました。また、直接感謝されるというよりも、自分の行動や発想が他の人に良い影響を与え、その結果間接的にでも喜ばれたり、暮らしが便利になったりすることに大きな満足感を得ていました。これこそが、自分にとっての社会貢献だと感じる瞬間でした。
就職活動においても、早い段階から営業を通じて現場経験を積みたいと考えており、ベンチャー企業や変化が多いIT・通信業界を中心に活動していました。とくに企業のスピード感を重視し、社会にイノベーションをもたらせる可能性がある企業に惹かれていました。そんな中で出会ったのが現在の会社です。この会社には「若手が活躍できる環境」と「意思決定のスピード感」があると感じました。
最終的な入社の決め手は「縁と人」でした。正直、他社からいただいた内定とも迷っていましたが、当時の人事の方が私に向けて示してくださった熱意や、志の高い内定者たちとの繋がりに惹かれ、「この人たちと一緒に働きたい」と強く思ったのです。
熱意あふれる研修から始まった多彩なキャリアの歩み
入社後の研修は、私の営業人生において欠かせない基盤を築いた時間でした。営業研修や商品研修では、当時のトレーナーが毎日ロールプレイングに付き合ってくださり、熱意をもって指導していただきました。また、同期たちとともに苦労を分かち合いながら研修を乗り越えた経験は、営業の基礎を学ぶだけでなく、かけがえのない仲間との絆を築く機会でもありました。この「貴重な成長の場」で培った経験が、私の営業の原点となっています。
研修後は戸建てのお客さま向けの新規飛び込み営業を担当し、営業の基本である「お客さまと直接向き合う力」を磨く場となりました。その後、入社2年目には営業の成果が評価され、仙台エリアでのサービス延伸プロジェクトに参画しました。半年間の出張を通じ、新たな地域でJ:COM のサービスを展開する役割を担いましたが、競合他社が多い環境やエリア認知度の低さといった課題も多くありました。そんな中で、メンバー全員が協力しながら実績を積み重ね、プロジェクトを無事に完遂しました。この経験を通じて、さらなる営業力の向上を図るとともに、多角的な視点から営業にアプローチする力を養うことができました。そして、「ワンハンドレッドクラブ(社内表彰)」で全国2位に選出される成果を残し、この取り組みが私のキャリアにおいて貴重な経験となりました。
管理職に昇格するとすぐに、センター長として「オンラインセールスセンター」の立ち上げという最初の挑戦を任されることになりました。約30名のメンバーとチームリーダーを率いながら、新しい営業スキームの基盤を整え、繁忙期の中で円滑に運営をスタートするという役割を担いました。
対面ではない営業という特性上、メンバーへの指導やお客さま対応に新たな課題が生じました。顔が見えないオンライン商談では感情やニュアンスを掴む難しさがあり、従来の営業スタイルとは異なる工夫が必要となりました。メンバー間の意識を統一しながら、試行錯誤を重ねて個々の成果を最大化する仕組みを構築しました。こうして確立された営業手法は他拠点にも取り入れられ、社内全体の営業活動を支える一端を担うこととなりました。
こうして振り返ると、入社時から積み重ねてきた経験が、現在の私の土台となっていると感じます。研修時代に学んだ基本や戸建て営業から得た力、さらにさまざまなプロジェクトを通じて育んだ知見や視点を、一貫して「お客さま目線」を大切に据えながら成長することができました。このような経験を活かし、これからもさらなる挑戦を続けていきたいと考えています。
現在の仕事内容と成長の軌跡、そして挑戦への想い
現在、私は世田谷・調布エリアで営業部マネージャーとして勤務しています。部署のミッションは「LTV(Life Time Value)の向上」と「人財育成」という非常に重要な役割を担っています。LTVは単に利益を追求するのではなく、お客さまに価値ある体験を提供し続けることで、購買単価の向上、購入頻度の上昇、継続期間の延長、解約率の低下を実現し、企業と顧客の長期的な良好な関係を築くことを目指すものです。このミッションを達成するため、営業戦略の立案・実行、目標やKPIの設定を中心に、熱意とスピード感をもって業務に取り組んでいます。その中で、人財育成は欠かせない要素です。
私が仕事において最も大切にしているのは「現場主義」です。実際に現場に足を運び、営業プロセスの「見える化」を行い、効果測定を実施することでチームおよびメンバーのマネジメントを進めています。また、派遣社員の採用やパートナー企業との業務提携も担当し、組織運営の幅広い領域に関わっています。人財育成においては、単なる営業スキルの向上だけではなく、考え方や営業職としての在り方に焦点を当て、一営業担当として通用する人財を育成することを目標としています。その結果、メンバーの活躍が、私にとって何よりの喜びとなっています。
これまでの成果として、異動後1年で全国62拠点中5位という成績を収め、表彰されたことは私にとって大きな成功体験となりました。この成果は、現場で日々努力を続けてくれたメンバーの頑張りがあってこそのものです。メンバーが入れ替わる時期が重なりながらも、共に走り抜いてくれたチームには特別な思いがあり、心から感謝しています。
また、業務効率化を目的に進めてきた世田谷・調布の局統合を、今年8月に実現できたことも大きな成果です。統合にあたっては、管理体制や社内システム、さらには人事面など多くの課題がありましたが、関係各所と連携を図り、問題の洗い出しと議論を幾度も重ねた結果、無事に統合を成し遂げることができました。この成功も、多くの方々の協力があってこそだと感じています。
一方、苦労した経験も数多くあります。私が配属された年には管理職が総入れ替えとなり、その半年後にはTL陣も総入れ替えとなりました。実務に詳しいメンバーが近くにいない状況でのチームビルディングは困難を極め、心理的安全性を最重視しながら、コミュニケーションに注力しました。基盤となるものがない中で、ゼロから作り上げていくことをチームで経験しましたが、それを「すべて自分たちの色で進められるチャンス」と前向きに捉えました。新しいミーティングや営業会議を創り上げていくプロセスは大変ではありましたが、同時に楽しい挑戦でもありました。その結果、マネジメント層が現場で動くことで、チームメンバーとの距離を縮め、良い関係性を築くことができたと思います。
社会人生活を通じて、学生時代と比べて大きく成長した点は、「自分の利益ではなく、他人のために考える思考の癖」が身に付いたことです。自分の利益だけを求めるのではなく、周りの人や組織の幸せを考えることで、自分自身も幸福を感じられると気づきました。この「自責思考」と「利他の精神」を持って、仕事だけでなくプライベートも行動するようになりました。とくに、人財育成の中でメンバーがPL(プレイングリーダー)やTLとして活躍し、社内表彰を受けた姿を見ることは、私の仕事の中で最も嬉しい瞬間です。メンバーが成果を報告してくれ、喜びを共有できる関係性が築けたことが、今の私にとって何よりの財産となっています。
育児休業で広げた視野と全国規模の挑戦を見据えた組織づくり
私は管理職に昇進した後、1年間の育児休暇を取得し、子どもとしっかり向き合いながら過ごす貴重な時間を得ることができました。 このような長期の休暇を取得するには周囲の協力が不可欠だと感じていますが、幸いにも私の所属する組織では、育児休暇を自然に受け入れ、支援する風土が根付いていました。この経験を通じて、組織が真にダイバーシティ&インクルージョンを体現していることを実感できました。そのおかげで、仕事と家庭の両面で充実した時間を過ごすことができたことに心から感謝しています。
育児休暇を経たことで、改めて「家族との時間を大切にする価値観」を深く実感しました。この経験は、私自身の視野をさらに広げ、組織運営においても多様な価値観を尊重する姿勢をより強固なものにしています。また、育児を通じて学んだ「相手の立場に立って理解し、寄り添う」という姿勢は、仕事におけるチームビルディングやお客さま対応にも大きな影響を与えています。この学びを活かして、仕事と家庭が両立できる風土をさらに拡充し、メンバーがそれぞれのライフステージで充実を感じられる環境を構築していきたいと考えています。
現在の私の目標は、「現場を最も大切にする組織」を築き上げることです。これまで営業活動を通じて得た多くの成功体験だけでなく、苦労や失敗から学んだことも活かしながら、一人ひとりのメンバーの声に耳を傾け、共に社会に貢献できる組織づくりに取り組んでいます。それが私の役割であり、その実現に向けて日々精進していきたいと考えています。
営業活動において私が最も重視しているのは、「誠実さ」を持ってお客さまに向き合う姿勢です。これは、お客さまの期待に真摯に応え、長期的な信頼関係を築くための基盤であると確信しています。また、自分自身にも正直に向き合うことで、揺るぎない軸を持ちながら意思決定を行い、チームとともに前進することが可能になります。この価値観を共有するメンバーたちと力を合わせて、強固で柔軟な組織を構築していくことが私の使命だと感じています。
中長期的には、全国的な規模で営業活動を牽引できる存在を目指しています。そのためには、営業現場で培った経験だけでなく、商品開発やマーケティング分野にも積極的に関与し、顧客満足度の向上に向けた取り組みを進めていきたいと考えています。これまで現場で直接耳にしたお客さまの声を活かし、ユーザー視点を持ちながら多角的な課題解決に取り組むことができると自負しています。
その実現に向け、私個人としての課題は、経営戦略やマーケティングにおける専門性の一層の向上です。現在、リスキリングを活用して自己研鑽を続けていますが、幸いにも、所属する組織はメンバー同士が切磋琢磨しながら成長できる環境が整っています。そうした環境に支えられ、知識やスキルを高めながら、自分自身の目標に向けて邁進していきます。
組織づくりの過程でとくに大事だと感じているのは、持続的な成長に必要な「明確なビジョン」を示すことです。その中でも以下の5つの要素を軸にして取り組むことを心がけています。
1. コンプライアンス遵守
2. 戦略立案とその着実な推進
3. 中期的な事業ビジョンの策定
4. 人財育成の強化
5. 地域社会と連携した価値創造
さらに、現代のように変化が激しく複雑な状況、いわゆる「VUCA時代」においては、柔軟な発想とスピード感を持って課題対応できる力が求められます。これから共に働く仲間には、自ら課題を引き受ける「自責思考」と、未来を見据えて逆算して行動する「逆算思考」の重要性をぜひお伝えしたいです。そして、「誠実さ」「自責思考」「利他の精神」という3つの価値観を共有し、実践することで成果につながる組織を育てていきたいと考えています。
私が目指す最終的なビジョンは、J:COMを「関わるすべての人々を幸せにする会社」にすることです。お客さまだけでなく、社員やその家族、そして協力いただいているパートナー企業の方々にも幸せを届ける存在でありたいと考えています。その先には、社会全体を活性化し、日本を明るく元気な国へと導く役割を果たせる企業へと成長していくことを目指しています。この壮大な目標に向けて、日々努力を続けていきます。

