技術への探求心と新たな出会いが導いた、インフラを支える仕事への第一歩
私は大学で電気工学を専攻し、情報伝送における通信方式の最適化に関する研究に取り組んでいました。具体的には、UWB(超広帯域無線)という近距離での高速データ通信を可能にする通信方式の研究です。受信機側での信号判定の精度を向上させるため、SN比(※)に応じた最適な閾値の設定方法について、コンピュータ上で仮想環境を作成してシミュレーションを行っていました。
※SN比(信号対雑音比)とは、信号(Signal)と雑音(Noise)の比率を示す指標
大学生活でとくに印象に残っているのは、1年次に過ごした北海道長万部での寮生活です。実は私は非常に内向的な性格で、小中高と12年間一貫校で過ごしてきたこともあり、新しい人間関係を築くことが苦手でした。寮生活を始める前は不安でいっぱいでしたが、朝から晩まで同級生たちと過ごす中で、さまざまな性格や趣味を持つ人々と関わることができました。
この経験を通じて、同じ目標や目的を持っていれば、たとえ性質や趣味趣向がまったく異なる人たちとも、良い関係を築いていけることを学びました。この気づきは、その後の就職活動や社会人生活においても、私の考え方の根幹となっています。
就職活動では、学生時代の研究経験から、情報通信や社会インフラ分野での仕事に強い興味を持っていました。とくに、技術専門職として実務を通じてスキルを着実に高められる職場を探していました。
そんな中、J:COMのオープンカンパニーに参加する機会がありました。営業・技術職希望者が混在する数名のグループで、数日間かけて新しいサービスを企画・発表するというプログラムでした。この経験を通じて、J:COMのサービスが営業と技術の連携によって成り立っているという特色を知り、大きな魅力を感じました。
入社前のJ:COMに対するイメージは、テレビ・インターネット・電話など、生活に欠かせないサービスを幅広い地域で展開している企業というものでした。社会インフラを支える重要な役割を担う分、責任は重大ですが、それは同時に大きなやりがいにもつながると考えました。
他社と比較した際のJ:COMの特徴は、幅広いサービス展開に加えて、地域密着型のアプローチで地元の方々との交流や課題解決を重視している点です。これはJ:COMにしかできない独自の社会的役割だと感じ、その一員として働くことに大きな魅力を感じました。
技術の世界への第一歩と成長の軌跡
入社後、最初の1カ月は営業職や技術職の新入社員と一緒に、会社の基礎知識を学ぶ研修がありました。その後の1年間は、技術センターに配属され、実践的なスキルを磨いていきました。
お客さま宅へのSTB(セットトップボックス)※ やネットモデムなどのサービス機器の設置作業や、地域ごとの幹線が集約されるSHE(サブヘッドエンド)※と呼ばれる拠点の管理など、現場での経験を積み重ねていきました。定期的に技術職の新入社員との合同研修もあり、知識と実践をバランスよく学べる環境が整っていました。J:COMの技術研修は比較的長期間にわたり、非常に丁寧に実施されるため、私自身も安心して業務に取り組むことができました。
※「STB(セットトップボックス)」は、放送信号やネットワーク経由で受け取ったコンテンツを、テレビやディスプレイに表示させるための小型の映像表示装置またはチューナー
※「SHE(サブヘッドエンド)」とは、ヘッドエンド(CATV局の主要設備)から伝送されてきた信号を、特定の地域や特定の機能(例えばインターネットサービス)のためにさらに細分化・分割し、各ユーザーへ分配・伝送する役割を担う、ヘッドエンドの配下に設置される設備を指します
その後、入社2年目という早い段階で、セキュリティオペレーションセンター(SOC)への異動の話がありました。当時の技術センターのセンター長からは「新しく立ち上げる部署なので、具体的にどのような業務に従事することになるか詳細はわからない」と告げられ、不安と期待が入り混じる思いでした。
配属早々、社内各部署にて脆弱性対応を行うための補助ツールである「脆弱性管理システム」の導入プロジェクトを任されました。運用ルールの作成や、社内オペレータ・ユーザー向けの手順書整備など、入社2年目とは思えないような大きな責任を担うことになりました。とくに苦労したのは、脆弱性対応を行う他部署との調整でした。入社間もない私には、各部署の業務に対する温度感や、実際の対応にかかる工数などが把握できておらず、適切な運用ルールや対応期限を設定することに苦心しました。
しかし、実際に他部署の方々と関わりを持ち、コミュニケーションを重ねることで、少しずつ各部署の実情が見えてきました。理想と現実の間で最適なバランスを模索しながら、試行錯誤を重ね、運用ルールを改良していきました。結果として、現在まで継続して使用される運用の基礎を築くことができました。
SOCでは5年間、社内セキュリティの監視や脆弱性管理の運用構築、セキュリティアナリストとしての社内インシデント事例の分析調査など、セキュリティ分野での幅広い業務を経験させていただきました。その後、自身の希望で基幹ネットワーク部門に異動し、現在はネットワーク機器の設定や運用構築、保守管理などの業務に携わっています。
入社後にとくに印象に残っているのは、技術職という仕事の奥深さです。単に技術の習得や機器の設定を行うだけではなく、予算管理や計画立案なども必要とされ、より広い視点が求められることを実感しました。私自身、技術分野の中の一つの専門性に留まるのではなく、さまざまな業務経験を通じて、自分にしか持てない独自の視点や知識の組み合わせを獲得していきたいと考えています。そのような思いが、現在の業務にも活かされています。
技術と向き合い、チームと共に成長する日々
現在、私は基幹ネットワーク部に所属し、広域ネットワークの正常運用維持に携わっています。具体的には、お客さまのSTB装置がインターネットと接続するための社内設備「STBNAT」の回線増強や、VoIP(電話設備)の構成変更、社内システム監視用のネットワーク設備のリプレースなどを担当しています。
特に昨年度は、VoIP設備のリプレース作業という大きな案件を任されました。電話サービスは一瞬たりとも途切れることが許されないため、機器のリプレースには細心の注意が必要です。約1カ月にわたる事前検証や、社内外のメンバーとの緊密なリスク分析を重ねました。
その中でとくに苦労したのは、社外ベンダーとのコミュニケーションです。伝えるべき情報は山のようにありましたが、限られた期間で効率的に作業を進めるため、本当に必要な情報は何か、実施すべき事前検証項目は何かを見極め、情報とタスクのスリム化に注力しました。結果として、サービスへの影響を出すことなく、無事に作業を完遂することができました。
もちろん、すべてが順調だったわけではありません。一つの案件に集中するあまり、他の案件がおろそかになってしまい、他案件のスケジュールに影響が出てしまったこともありました。この経験から、できる限り早めに行動を起こし、余裕を持って業務に取り組むことを心がけるようになりました。
現在は、自身の業務遂行に加えて、チームメンバーのサポートやアドバイスも行っています。その際に最も意識しているのは、メンバーが自ら考える余地を奪わないことです。すべての答えを直接的に伝えるのではなく、かといって抽象的なアドバイスに終始するのでもなく、適度な塩梅でサポートできるよう、自身も伝え方を工夫しています。
ネットワーク設備の運用において、私が特に大切にしているのは「考え続ける力」です。答えの出ない問題や、正解のない課題に直面することは少なくありません。しかし、それらを投げ出さずに考え続けることが、基幹ネットワーク部の基本方針であり、私自身も非常に重要だと考えています。
入社してから今日まで、私の視野は確実に広がりました。以前は自分がやりたいことだけを考えていましたが、今では周囲の人々が何を望んでいるのか、どのように準備や行動をすれば、より良い業務成果や関係構築につながるのかを常に考えるようになりました。
とくに充実感を感じるのは、長期間の準備を経て実施した作業が無事に完遂したときです。事前検証や緻密な準備を重ね、チームメンバーと協力して目標を達成できたときの達成感は何物にも代えがたいものがあります。
広い視野と積極的な発信で、自分にしかできない価値を創造する
これまでの経験を通じて、技術分野の中でもさまざまな業務に携わってきましたが、今後はさらに視野を広げていきたいと考えています。具体的には、チームメンバーの業務にまで目を配り、適切なサポートができる上位グレードの人財として成長していきたいと思います。
また、部内外を問わず、他のメンバーの成果につながるように、自分から積極的に働きかけや情報発信を行っていくことも重要だと考えています。自分の立場や考え方だけでなく、他のメンバーの考え方を理解し予測することで、より適切なアクションを起こし、成果につなげていきたいですね。
中長期的には、技術分野の一分野に留まることなく、さまざまな社内部署で業務経験を積むことで、自分にしか持てないような視点や知識の組み合わせを獲得していきたいと考えています。それによって、より付加価値の高い業務に携われるようになることをめざしています。
J:COMの魅力は、業界内でも幅広いサービス内容と、顧客範囲の広さからくる社会的責任の大きさにあります。さらに、自分が挑戦したいという意思があれば、その考えを発信し実行に移すための社内基盤や風土が整っているところも魅力の一つです。
当社で活躍できる人財として、考えても答えの出ないことや正解のないことを、投げ出さずに考え続けられる力を持った方を求めています。加えて、それを外部に発信していける意欲のある方であれば、きっと活躍できる場所が見つかるはずです。
これから入社を考えている方へのアドバイスとしては、自分が本当に何をしたいのかをしっかりと整理し、それを外部に発信できる力を磨いてほしいと思います。これはJ:COMに限らず、就職活動や社会に出て働く上で非常に重要な能力となります。
自身の意見を外部に発信する、ということは時に難しいものですが、それは自己肯定感を高めることにもつながり、自分にとってプラスになることが多いと私は考えます。加えて、J:COMに入社してからの8年間の経験から、J:COMの先輩社員は私たちの考えにもしっかりと耳を傾け、挑戦する機会も十分に用意してくれる環境があると感じています。そういった環境での自己表現や挑戦が好きな方には、きっと適した会社だと確信しています。
