品質向上とお客様の満足のために、人とサービスに向き合う
DXCが提供する幅広いサービスの中でも、お客様との直接的なコミュニケーションが多いサービスの一つが、グローバルサービスデスク(GSD)です。マレーシアを含む世界各地に設置されたデリバリーセンターから、さまざまな言語でお客様からのお問合せに対応しています。そんなGSDのサービス品質を言語の側面から支えているのが、中尾が務めるボイスコーチとQAです。
中尾 「サービスの品質向上が、大きなミッションです。私たちはモノではなくサービスを提供しているので、いかにお客様のニーズに合ったサービス、そしてお客様の期待を超えるサービスを提供できるのかを考え続けなければ、商品としての価値を失ってしまいます。
QAとして品質をモニタリングして数値的に計測し、ボイスコーチとして品質改善のためのきめ細やかなフォローアップを行う、その両方の役割を兼任しています」
マレーシアのGSDチームで日本語のサービスを提供するスタッフは40名前後。ネイティブの日本語話者としてボイスコーチとQAを務めるのは中尾を含め2名です(2022年12月時点)。お客様からのフィードバックを定期的に収集・分析し、フォローの必要なスタッフに対してはフォローアップのトレーニングを行います。また、新任のスタッフに対する初期のトレーニングもボイスコーチの重要な役割です。
中尾 「新しく入社された方へのトレーニングにはしっかりと時間をかけています。実際にお客様からのコールを受ける前に、お客様の要件に合ったレベルの対応ができるかどうか、ロールプレイや模擬テストで見極めます。
さらに発音に癖のある方やビジネス用語の理解が難しい方など、それぞれの状況やレベルに応じて追加でセッションを行うこともあります。新任であってもプロフェッショナルとしてお客様にサービスを提供する以上、なるべく不備のないようにしなければなりません」
ボイスコーチとQAを兼任することで、効率的な評価と改善が行えるだけでなく、自身のやりがいにもつながっています。
中尾 「スタッフのパフォーマンスに改善が見えると、やっていて良かった、役に立てて嬉しいという気持ちになります。QAとしてお客様からの評価をデータで確認するときに、スコアが上がっていたり、好意的なコメントが増えていたりすると、自分のやってきたことは正しかったんだと自信にもつながりますね」
中尾は2015年にボイスコーチに就きましたが、当時のDXCマレーシアでは新しい職種だったため、一般的な日本語教育の教科書なども参考にしながら独学でノウハウを学び、手探りでスタッフと向き合ってきました。お客様からの評価やスタッフの成長を励みに、DXCのサービス品質向上のために日々奮闘しています。
多様性と優しさに惹かれ、2年のつもりが14年
中尾が初めてマレーシアを訪れたのは大学時代、夏休みを利用した短期留学で、1カ月ほど滞在しました。当時は、日本との文化的なギャップに衝撃を受けたと言います。大学卒業後は、日本で金融関連のカスタマーサポートの仕事に就きますが、数年後、外国語を身につけたいという想いから留学を決意します。そこで選んだ留学先が、マレーシアでした。
中尾 「2009年に仕事を辞めて留学しようと思った当時は、語学を学んだら日本に帰るつもりでした。なので、日本から近くて、大学時代の短期留学で多少は雰囲気を理解していたマレーシアを選びました。
ところが、マレーシアでの生活に慣れると良いところがたくさん見えてきて、留学を終えるころには、日本に戻るのがもったいない、チャンスがあるなら働いてみたいという気持ちが生まれたんです。そこでちょうど現地の友人から仕事を紹介してもらった、という流れです」
中尾をマレーシアに留めたものは、なんだったのでしょうか。マレーシアの好きなところについて、中尾はこう語りました。
中尾 「マレーシアにはいろいろな人がいて、それがおもしろいんです。マレーシアは多民族国家なので、マレー系、中華系、インド系を中心に、さまざまな出自の人が暮らしています。言葉も宗教も食べ物もそれぞれ違います。それまで日本でほとんど外国の人たちと関わらずに過ごしてきた私にとって、人それぞれ違うことが当たり前という雰囲気を肌で感じられる環境が、刺激的でした。
それから、寒いのが苦手なので、一年中暑くて服装のことを考えなくて良い気候も気に入っています」
2年間の予定だった中尾のマレーシアでの暮らしは、2023年現在で14年目を迎えます。やりがいのある仕事やパートナーとの出会いもあり、2017年に結婚、2021年には第一子を出産しました。マレーシアでの初めての子育てについて、中尾は笑顔で語ります。
中尾 「海外にいるから特別に難しいということはありません。マレーシアの人たちは本当に子どもに優しいんです。先日、子どもとショッピングモールに出かけたときに、子供が転んで鼻血を出してしまったのですが、すぐに周りにいた人たちがティッシュを差し出して『大丈夫?』と声をかけてくれました。同僚たちも家族との時間を大切にしているので、子どもと過ごす時間も十分に取れています。
病院に受診したときに、難しい英語がわからずに戸惑ったりすることはありますが、少し時間をもらって調べれば理解できます。出産するより前に、すでにマレーシアでの暮らしにある程度慣れていましたし、義理の両親や友人にも助けてもらえるので、それほど不自由なく子育てをしています」
車の運転や役所での対応など、移住当初は日本との違いに驚くこともあったようですが、「違って当然、理解して気をつければ大丈夫」と語る中尾。持ち前のポジティブさと柔軟な思考で、マレーシア生活を楽しんでいます。
DXCマレーシアで出会い、支えられ、実現する柔軟なキャリア
2011年にDXCの前身であるHewlett Packardに入社した当初、中尾はお客様からの問合せを受け付けるサービスデスクスタッフの一員でした。初めての海外就業だったこともあり、当時はスタッフとして経験を積むことに夢中で、あまり長期的なキャリアのことは考えていなかったと言います。
中尾 「予定外の就職でしたから、スタッフとして数年経験を積んだら日本に戻るという選択肢も念頭に置いていました。ところが、マレーシアに愛着が湧いてきて、お客様とのやり取りの中で仕事のおもしろさも感じるようになって、もっとマレーシアで頑張りたいという想いが徐々に強くなっていったんです。
ちょうどそのころに社内で新しいポジションの募集があったので、せっかくだから挑戦しようと思い、2015年から現在の職種になりました」
中尾自身が経験したように、DXCマレーシアにはさまざまなキャリアアップ・キャリアチェンジのチャンスがあります。
中尾 「GSDの中でスタッフのリーダーになったり、特定のテクノロジーについて専門性を高めてGSD以外のサービスに異動したり、私と同じようにスタッフからQAやコーチになるメンバーもいます。
DXCマレーシアには、幅広いキャリアの可能性があると思います。提供するサービスの種類も幅広く、お客様やプロジェクトごとにいろいろな特徴があるので、想像もしなかったようなキャリアパスを描くこともできるかもしれません」
DXCマレーシアでの柔軟なキャリアパスを支える要素は、多彩な職種やプロジェクトだけではありません。組織の文化や特徴について中尾はこう語ります。
中尾 「ポジションに関係なく平等に接する文化があります。人事の上では『上司と部下』でも、現場でのやり取りは『人と人』という感じで、とてもフラットな接し方です。ただフレンドリーというだけではなく、お互いの違いをリスペクトして受け入れる、器の大きさが感じられます。そういう文化があるからこそ、キャリアなどについても自分の希望を安心して伝えられると思います。
GSDについて言えば、さまざまな言語を取り扱うチームならではの、キャラクターの多様性があると思います。もともとの言語によってコミュニケーションのスタイルが異なるので、たとえば同じQAでも、日本語の担当者と英語や中国語の担当者では、意見の伝え方が違ったりします。すごく刺激的で楽しいですし、魅力のある組織だと思います」
初めての海外での就職からキャリアップへ、当初はまったく想像していなかったキャリアパスをたどってきた中尾ですが、寛容な組織の中でチャンスを掴み、自分らしく生き生きとしたキャリアを実現しています。
豊かな海外生活のコツは、違いを受け入れ、楽しむこと
中尾 「今後、DXCマレーシアは日本のお客様向けの日本語でのサービスをより一層拡大する方針です。ボイスコーチ・QAとしてこれまでの経験を活かしながら、サービスの拡大を支えていきたいと思っています。さらに、DXCマレーシアの魅力をもっとアピールしていきたいと思っています」
サービスの拡大に向けてこれまで以上に意欲を燃やす中尾に、これから海外での就職や移住を考えている人たちに向けて、アドバイスをもらいました。
中尾 「マレーシアに限らず海外で暮らす上で、自分が日本の外では外国人なのだという意識を持つことは、いろいろな面で大事だと思います。日本での常識や期待は通じない、という前提で向き合えば、ギャップを感じるような場面でもストレスは少ないですよね。
後は、意識的に良いところに目を向けるというか、ポジティブに考えることも重要だと思います。せっかく日本を出て海外に住むのであれば、海外ならではの体験を楽しむように意識した方が、生活は豊かになります。
たとえば、多くの日本人にとってマレーシアの人たちは時間にルーズだと思われるかもしれませんが、考え方によっては、みんなが必要以上に時間に縛られず、リラックスしてのんびり過ごせることは幸せなことでもあります。
逆に、過度に期待することもされることもなく、必要なことができれば良い、というような感覚を持てる方には、マレーシアはぴったりかもしれません」
さらに、自身の体験も踏まえて、DXCマレーシアで働き、活躍するためのコツについて、中尾はこう語りました。
中尾 「わからないことがあったら、積極的にヘルプを求めることが大事。DXCマレーシアの人たちは困ったときはお互い様、という感覚が共有されているので、自分の状況をきちんと伝えれば、しっかりとサポートしてくれます。お互いに意見やリクエストを言い合える雰囲気があるので、遠慮なく助けを求められると思います。
私自身、入社して間もないころや職種が変わったときは、周りの人たちにたくさん助けてもらいました。トレーニングや引継ぎをしっかりと受けていても、想定外のことは必ず起きます。そういった場面ではいつも周りの人たちに積極的に質問や相談をしていました。
そうしてコミュニケーションを取るうちに人間関係が築かれると、お互いに働きやすくなりますから、助けを求めることは組織にとっても良いことだと思います」
インタビューの最後に「DXCマレーシアの魅力をもっと広めたいんです!」と念を押した中尾。その熱意には、自身の海外生活を支えてくれた人たちへの恩返しの想いが込められています。
