情報システムと購買部門でのキャリアの軌跡
大学時代は情報システム系の学部で、C言語などのプログラミング言語、物理学、微分積分などを幅広く学びました。研究室では、がん治療に関する研究を行い、とくに患部を加熱して細胞を死滅させる治療法のシミュレーション分析に携わりました。
新卒で入社した会社では購買部に配属されることになりました。大学での専攻を活かし、情報システム部門での就職を希望していましたが、面接時にアルバイトでの発注業務の経験を話したことがきっかけで購買部に配属されたのだと思います。
前職で5年ほど働いた後、車載機器とデジタルキャビン技術の魅力、そしてその将来性に強く惹かれアルプスアルパインに転職しました。会社を知ったきっかけは求人サイトなどの募集で、その後、会社のWebサイトを見て事業内容に興味を持ちました。
とくに、ナビゲーション分野に加え、車内のデジタル化やIoT技術を活用した新しい製品が展開されている点に魅力を感じました。スマートフォンの普及により従来のナビゲーション機能だけでは厳しい状況にありますが、アルプスアルパインはその枠を超えて、車の中での統合的なシステムを構築しています。その部材調達や部品構成、製品への組み込みといった面で、開発に携わる資材部門の一員として重要な役割を果たせることに、やりがいがありそうだと感じました。
配属された資材企画室はグローバル資材の規定や取引先情報といった管理、資材業務のDX化や運用方法の改善など最適化検討、サステナビリティの各種調査対応を行っています。私の所属する業績管理チームは、資材部門全体の業績管理や予算管理を担当しています。
とくに注力しているのは、マニュアル作業の自動化やシステム化による業務改善です。また、役員・全社会議に向けた報告資料作成や、グローバルでの業績管理も重要な責務となっています。
システムの知識を活かして、現場の課題を整理し改善を続ける
前職では購買の実業務、いわゆるサプライヤーの選定・コストやデリバリーの交渉や新製品立上げに向けたプロジェクトリーダーを担当していましたが、大学で学んだことを活かす機会がなかなか持てず、葛藤がありました。
現在は、以前学んだシステムの知識を活かせる業務に携わることができています。具体的にはシステム導入や業績管理チームとして業務の進捗確認や予算の管理を行い、さまざまな改善活動に取り組んでいます。
とくに記憶に残っているのは基幹システム統合プロジェクトです。2019年に旧アルプス電気と旧アルパインが統合し、現在のアルプスアルパインになったことを受けて、2020年に両社のシステム統合を進める「WAAP」というプロジェクトに参加しました。
既存のシステムを統合し、お互いに使いやすいシステムをめざすという大方針がありましたが、統合の際には、まずはスピードを重視し旧アルプス電気側のシステムに合わせる方向で進めたため、旧アルパイン側には使いやすさの面でいくつかの課題が残りました。そのため、プロジェクト開始から数年が経ち、システム導入後の今も「WAAP 2.0」として活動を続け、改善点を追求しています。
このプロジェクトに携わりながら、EDIシステムの導入などにも関与し、業績管理チームでは集計業務や日程調整を担当しています。業務の中で最も楽しいのは、システム化の進行や改善の提案です。システム導入では、現場の作業を理解し、改善点を見つけ出して要件を整理し、開発に反映させることが求められます。しかし課題も多く、真の業務改善に向けては苦労しています。
社会人になり始めは期待していた職種と異なり苦労しましたが、結婚して子どもが生まれたことにより意識が変わりました。家族のために頑張ろうという気持ちが芽生えてからは与えられた業務に対する見方が変わり、モチベーションができました。業務は大変ではありますがそんな中でも今はワークライフバランスが充実しており、休日は子どもと工作するのが気分転換となっています。
子どもはイラストを描くのが好きなのですが、あっという間に紙もペンも使い切ってしまうくらい集中して絵を描いています。最近ではまねて描いているキャラクターにオリジナルのアレンジを加えてみたり、描いた絵に立体感が出るようハサミで切り込みを入れてみたりするようになりました。とことん子どもの好きなことに付き合うことで、わが子ながら感心することも多いです。
あとは山登りも趣味でして、つい数週間前も部長や同じグループの仲間と、急な斜面を2時間くらいかけて登ってきました。筋肉痛になるくらい結構大変だったんですが、お互いに助け合い、チームワークの大切さを実感しました。こういう休日の切り替えができるからこそ仕事も頑張れるとつくづく思います。
「人のケアと仕事のバランス」を両立できるリーダー
仕事をする上で大切にしている価値観は「人のケアと仕事のバランス」です。係長という立場では業務の遂行だけでなく、部下のマネジメントや職場の改善が求められます。自身の仕事だけに集中するのではなく、職場環境やモチベーションの管理にも配慮したいと考えています。
この考えは、労働委員会の職場委員を経験したことから来ているもので、その当時の職場では労働環境への配慮にさまざまな課題を抱えておりました。職場の意識調査結果をもとに職制と話し合いを行い、フリーアドレス制度を導入しました。その結果、温度や照明環境など、自分にとって快適な席を選択できるようになりました。日々、前後左右の人が異なることでコミュニケーションの活性化も生まれました。
また、机の上に置きっぱなしということがなくなり、整理整頓にもつながりました。これにより翌年の意識調査の結果は前回の3倍以上の満足度を得ることができました。
この経験から今は、部下のモチベーションが上がるように、自身がどれだけ忙しくても、相談や報告を受けた際には嫌な顔をせずしっかりと対応することを意識しています。
求められるのは、変化を学びに変え、楽しめる柔軟性
資材関係の仕事は、仕入先(外部)との密接なつながりがあります。近年、外部環境は急速に変化しており、自然災害や地政学リスク、紛争、サステナビリティといったさまざまな要因が影響しています。この変化に柔軟に対応することが求められます。
たとえば、環境に適した部材選定やコスト交渉、サプライチェーン管理、資材部門内のルール管理などが挙げられますが、変化に対して前向きに対応するマインドセットが重要です。このような変化を乗り越えることで、自分の知識を深め、楽しめるくらいになれるような方が向いているのではないでしょうか。
当社では、第3次中期経営計画がスタートし、私は全社の材料費率管理・統制という重要なミッションを担っています。職制やチームメンバーと協力しながら目標達成に向けて取り組み、プライベートも楽しむことで、ライフワークバランスを充実させていきたいと考えています。
今後は、労働人口が減少する一方で、より多様な要求に対応することが求められ、業務効率の向上が一層重要になる時代です。現在の業務に加え、将来的に新たなフィールドに立つことになっても、「改善」の視点を忘れず、周囲から信頼される存在でありたいと考えています。
※ 記載内容は2025年4月時点のものです
