「人並みの自動車知識と興味」からのスタート。いまでは”人生をかけた仕事”に
今でこそ会社・事業における重要な役割を任せていただいていますが、若い時から周りに比べて志が高かったわけではありませんでしたね。学生時代の就職活動を思い返すと、本音は「地元の愛知県でそれなりに名の知れた会社で働けると良いな」というくらいの想いでした。入社からいろんなことを経験して、自動車の知識も人並みだった自分が、気づけば”人生をかけた仕事”と胸を張って言えるようになりました。
入社してからは油圧製品や油圧システムの設計など新製品開発のプロセスを通じ、品質はもちろん技術の本質や問題の真因を追求することの重要さを学びました。これまでさまざまなプロジェクトを任せていただきましたが、悩んだり失敗したり仲間と励ましあったりといったような苦労の多いプロジェクトほど印象に残っています。それが自身の成長につながった実感もあります。
「量産開発領域」を長く経験したのち、2022年から「先行開発領域」に異動。2024年からは室長を任されています。現在所属する先行技術開発部では、電動車の熱を最適に統合制御するサーマルマネジメントデバイスの先行開発を行っており、eAxleに代表されるPT商材やバッテリ冷却器 に代表される車体骨格商材、これらとの機能連携によりさらなる価値創造を行っています。
ひとりで考えるよりも、全員で考えることで、スタッフの責任感とモチベーションを維持
キャリアの中でのターニングポイントとなったのは、2022年に量産開発領域から先行開発領域に異動したタイミングです。30年後、35年後という未来の車社会に向けて、価値と技術の創出を行っていくことは、新たな技術領域は刺激も多くやりがいも非常に感じます。その反面、価値創造の取り組みには多くの苦労があります。入社以来、量産に向けたユニット開発を担当していたのですが、そこではお客さまと、両社協業でユニットの目標値を設定し、それに向けて一つひとつをクリアしていくことが目的でした。一方、現在の先行技術開発部では、お客さまから具体的な目標値や製品の形が示されるわけではなく、自ら実現したい価値や解くべき課題、アクションを設定し開発を推進していく必要があります。
マネージャーひとりの力でリードするという時代は終わったと思っています。メンバー全員が球体のようにつながり、それぞれの個性を活かし全員が活躍できる組織を理想としています。とくに、私たちが携わっているプロジェクトは、目標値や答えもなく、自分たちで考えて進めていかなければいけません。ひとりで考えるよりも、全員で考えた方が幅も広がります。また、要素技術開発、製品企画などを、メンバーそれぞれに任せ担ってもらうことで、責任感とモチベーションも維持できると考えています。
チームの理想像は明確にある反面、かつての上司からは、「チームにおいて存在感がありすぎる」と言われたことが印象深く心に残っています。私は、良い意味で自分の存在感が薄れるような、各メンバーが主体的に動けるチームをつくりたいと考えています。リーダーの言葉を受け取って実行するだけの組織ではなく、メンバーが自ら考え、動き、意見を交わしながら進んでいくチームこそ理想です。だからこそ上司からの言葉は、今でも私の根本にある大切な指針として意識し続けています。
視野を広げ興味を持つことで、もっと知りたくなり、知ることがおもしろくなる
チームのメンバーには自分なりの意見や考え方を持ってほしいと思っています。そのために、「とにかく視野を広げること」が大切だと伝えています。会社の外に出て、自動車業界や、トレンド技術の展示会へ参画し、直接的に情報収集および議論するなど、さまざまな技術や意見に触れることで、目の前にはないヒントが得られると思います。それぞれの目線で拾ってきた情報や意見を、室内で共有し議論すれば組織はますます活性化していくと考えています。
私自身、勉強するというよりも”興味を持つ”という感覚が重要だと考えていて、知れば知るほど、もっと知りたくなり、どんどん興味が湧いてきます。最近は立場上、業種に限らず事業戦略などに強く興味を持っていますが、勉強しているというより面白いという感覚があります。
組織を牽引し邁進。その先に見据える目標
やや大きな話になりますが、地球の大きな課題であるカーボンニュートラルを実現し、車社会への貢献をしたいと思っています。2022年から先行開発に関わっているのですが、未来を見据えたプロジェクトのため、まだ「クリアした」と言える段階ではなく、目標達成に向けて、日々さまざまなアイデアを積み上げている最中です。私のタスクは先行要素技術開発ですが、技術は社会実装してはじめて価値を持つと考えています。世の中に出すための開発であることを、絶対的なポリシーとして掲げ、先行技術開発/製品開発を推進しています。
優れた技術があればすぐに世の中に出せる——そんな誤解をされることもありますが、実際には事業戦略や商品戦略と連動しながら、社内外での丁寧な合意形成を重ね、強い推進力を持って進めていく必要があります。その中で、常に使命感を持って挑戦し続けられる人材は、間違いなく大きな活躍ができると感じていますし、私自身、そうした仲間とともに仕事がしたいと思っています。また、アイシンには規模感も含め開発の土壌があり、自分の技術で社会を変えたい、社会に貢献したいという大きなテーマに挑戦したい方にとって、決して夢物語ではなく十分に実現可能な環境が整っています。このような環境を、今後も維持・発展させていけるよう、私自身も日々取り組んでいきたいと考えています。
※ 記載内容は2025年8月時点のものです
