旅と食が育てた「食の楽しさを届けたい」という原点
イオン九州株式会社は、九州(沖縄を除く)において、総合スーパー事業、スーパーマーケット事業、ディスカウントストア事業、ホームセンター事業、フードサービス事業、サイクル事業を展開しています。
「私たちの『たからもの』九州をもっと―。」をパーパスに掲げ、九州でNo.1の信頼される企業を目指しています。
当社は、これまでも変革と挑戦を続けてきた企業であり、若手社員を含めた従業員の意見を積極的に汲み上げ、実現していく風土を有していることが特徴です。
今回は私がイオン九州株式会社に入社するまでの経緯についてお話しします。
子どもの頃の私は、とにかく好奇心旺盛で活発な性格でした。気になることがあると自分の目で確かめるため足を動かす。じっとしているよりも動いて体験することが好きなタイプでした。また、初めて会う人とも自然に話せる社交的な性格は、今でも変わっていないと思います。
大学では経営学部でマーケティングを専攻しました。専攻を選んだきっかけは、「なぜ同じような商品でも売れるものと売れないものがあるのか」という素朴な疑問でした。普段の買い物やSNSで流行する商品を観察していると、商品の品質だけでなく、ターゲット設定や広告、ブランドイメージなどが消費者の購買行動に大きく影響していることに気づいたんです。消費者心理や市場分析を体系的に学ぶことで、企業がどのように価値を届けているのかを理解したいと考え、マーケティングの道に進みました。
勉強と並行して、大学時代に最も時間を注いだのが旅行です。旅行好きになったのは、幼少期に両親や親戚とよく旅行に連れて行ってもらった経験が原点にあります。大学は関東だったこともあり、これまでなかなか訪れる機会のなかった北海道や東北、関西へ積極的に足を運びました。アルバイトで貯めたお金はほとんど旅行に使っていたほどです。各地の地元の料理屋で食事をしたり、地酒を味わったりするうちに、「食って本当に豊かだな」と実感するようになりました。その体験が積み重なるにつれ、食の楽しさや豊かさを誰かに提案できるような仕事に就きたいという思いが芽生えてきました。
アルバイトはイオンスタイルのお店で経験しました。グロサリー(食品や日用品などの一般的な売場)の発注を担当し、学生でありながら「自分で考えて売場作ってみて!」と上長に任せてもらえたんです。大学で学んだトレンド分析や日々の動向をもとに商品を選定して売り込んだところ、「見やすくて良い売場」と評価いただけました。自分で考えてPDCA(計画・実行・評価・改善のサイクル)を回しながら結果を出す面白さを初めて体感した経験でした。
また、あるときお客さまから商品について相談を受け、商品の場所をお伝えするだけでなく、お客さまのご要望を丁寧に伺いながら適した商品をご案内したことがありました。最初は接客に自信がなかったのですが、「ありがとう、助かりました」と感謝の言葉をいただいたときの嬉しさは今でも忘れられません。相手の立場に立って考え、ニーズに合わせて行動することの大切さを肌で感じた瞬間でした。この経験が、お客さまと最も近い距離で関わることができる小売業への就職意欲をさらに強くしてくれました。
「自分を育ててくれた九州に恩返しを」という思いが導いた入社の決断
就職活動では、「人々の生活に身近な立場で価値を届けられる仕事」と「九州で地域に貢献できる仕事」の二つを軸に企業を探していました。
小売業を志望したきっかけは、学生時代のアルバイト経験です。イオンでのアルバイトでは、商品を販売するだけでなく、売場作りや接客を通じてお客さまの生活を支えることにやりがいを感じていました。自分たちの工夫次第でお客さまの反応や売上が変わるおもしろさも体感し、「小売業で働きたい」という思いが自然と芽生えていきました。
九州にこだわったのは、生まれ育った大好きな九州で働きたいという純粋な思いからです。九州には魅力的な食材や地域ならではの商品が数多くあります。それらを多くのお客さまに届け、日々の食生活をより豊かにすることで、地域の皆さまの暮らしに貢献したい。そして、自分を育ててくれた九州に仕事を通じて恩返しがしたい。そんな思いが、就職活動の原動力になっていました。
活動していた時期はちょうどコロナ禍の真っ只中で、多くの企業説明会や面接がオンラインで実施されていました。実際に社員の方や職場の雰囲気に直接触れる機会が少なく、画面越しの情報だけで企業を判断しなければならないことに難しさを感じていましたね。だからこそ、企業研究を丁寧に行い、説明会では積極的に質問するなど、自分なりに情報収集を重ねながら進めていきました。
イオン九州への入社を決めた理由は大きく二つあります。一つは、九州の小売業の中でもとくに成長している会社であり、会社の成長とともに自らの成長にもつなげられると感じたこと。もう一つは、年次や年齢に関係なく、自分がめざすキャリアプランに沿った挑戦がしやすい環境が整っていると感じたことです。
採用面接では、私自身の考えや将来のキャリアについて深く話を聞いていただけたことが印象に残っています。「入社後に何を実現したいのか」「どのようなキャリアを築いていきたいのか」といった点まで丁寧に質問してくださり、一方的に評価する場ではなく、お互いを理解するための面接だという印象を受けました。「この会社であれば、自分の考えや挑戦したいことを尊重しながら成長していける」と感じ、入社したいという気持ちがより強くなりました。
入社後に感じたギャップといえば、想像していた以上に研修制度や学習環境が充実していたことです。入社前は現場で経験を積みながら仕事を覚えていくイメージが強かったのですが、イオンの歴史やビジネスマナー、数値管理など、新入社員としての基礎を約1週間の集合研修でしっかりと叩き込んでもらいました。基礎から専門知識まで段階的に学べる環境が整っており、安心してスタートを切ることができました。
「店舗」から「九州全体」へ。現場目線を武器に生み出す商品開発の醍醐味
現在は、イオン九州の本社にあるデリカ商品統括部 デリカ開発部で、寿司担当のバイヤー(商品の仕入れ・開発・販売戦略を担う役割)として働いています。主な業務は、寿司カテゴリーの商品開発や仕入れ、取引先との商談、売場展開の検討など多岐にわたります。お客さまのニーズや市場の変化を把握しながら、「どんな商品が選ばれるのか」を常に考え、商品の選定と開発に取り組む毎日です。
バイヤーとしての商品開発は、前年の販売実績や売上データの分析からスタートします。どのカテゴリーが好調だったか、どこに課題があるかを確認したうえで、市場トレンドや店舗からの要望も踏まえて強化すべき方向性を決めます。たとえば、「巻き寿司カテゴリーの品揃えが不足している」と判断した場合は、太巻商品の開発を企画するといった具合です。企画が固まったら、取引先メーカーと商談を行い、原料やコンセプトを共有しながら、品質・利益率・製造のしやすさを考慮して商品をブラッシュアップしていきます。その後、試験販売や試作評価を経て改善点を反映し、最終的に統括部長の承認を得て全店舗へ展開するという流れです。
仕事を通じてとくに印象に残っているのは、店舗勤務時代に感じていた製造現場の課題を、バイヤーという立場から解決できたことです。以前、デリカ担当として店舗で働いていたとき、巻き寿司の製造工程で具材の準備や組み立てに多くの手間がかかり、現場の負担が大きいという問題を感じていました。そこでバイヤーになってから、複数の具材を一つの「巻き芯」にまとめることで製造工程を簡略化し、店舗でも効率よく高品質な商品を作れる仕組みを開発しました。RE基準(製造効率の指標)を意識しながら、1時間の製造時間でどれだけの売上が得られるかという「人時売上」の改善も追求しました。結果として、店舗の作業負担が軽減され、安定した品質の商品を各店舗に届けることができました。自分が現場で感じた課題が商品開発という形で解決できたと実感したとき、このうえないやりがいを感じました。
店舗でデリカ主任を務めていた頃は、自店舗の売上や運営を中心に考え、目の前のお客さまやスタッフのことを第一に動いていました。しかしバイヤーになってからは、全店舗を対象に商品計画や販売戦略を考える必要があり、常に「全体最適」を意識するようになりました。自分の一つの判断が九州全域の店舗に影響を及ぼすという責任の重さも、日々痛感しています。そのため、データや現場の声を丁寧に確認し、根拠を持って判断することを心がけています。
忙しさはありますが、自分が開発した商品が多くのお客さまに手に取られ、店舗からも「作業がしやすくなった」「現場のことをよく考えてくれている」と声をもらえたときは、本当に嬉しいです。「一店舗のお客さまに価値を届ける」から「九州全体のお客さまと店舗に価値を届ける」へ——この視点の変化こそが、今の自分を大きく成長させてくれたと感じています。
「店舗に頼られるバイヤーに」デリカのスペシャリストをめざして
今後は、商品開発のスキルだけでなく、MD(マーチャンダイジング=販売計画の立案や品揃えの最適化、売場づくりなど、カテゴリー全体の販売戦略を担う業務)の知識や経験も身につけ、より幅広い視点でカテゴリー全体をマネジメントできるバイヤーをめざしたいと考えています。
現在は商品開発を中心に担当していますが、今後は販売実績の分析や数値管理、販促計画、売場づくりの提案など、MD業務にも積極的に携わっていきたいと思っています。市場動向やお客さまのニーズをデータから読み解きながら、カテゴリー全体の売上や利益を向上させるための戦略を立てられる力を身につけることが、直近の目標です。
そのうえで大切にしたいのが、店舗勤務で培った現場目線です。「店舗にとって売りやすく、作りやすい商品」と「お客さまにとって魅力的な売場」の両方を実現できる提案を行い、店舗から頼ってもらえる・信じてもらえるバイヤーになりたい——そのイメージを常に持ちながら仕事に取り組んでいます。
将来のキャリアプランについては、5年以内にデリカMD部門へ異動を目標に、まずは開発のスペシャリストになれるよう毎日の業務に励みたいと考えております。10年以内には店長職として現場のマネジメントに携わり、管理職の業務を学びたいと考えております。——そういった段階を踏みながら、将来的には部長職をめざしたいと考えています。
商品開発とMDの両方の知識・経験を兼ね備えたデリカ部門のスペシャリストとして、データ分析・店舗の声に基づいた品揃えや売場改善を通じてカテゴリー全体の数値向上に貢献し、会社や店舗から信頼される存在になること。それが私の中長期的な目標です。
最後に、就職活動中の方へ伝えたいことがあります。イオン九州には、「挑戦できる環境」「地域に密着した仕事ができること」「人を大切にする風土」という三つの魅力があると感じています。若手のうちから責任ある仕事に挑戦でき、年齢や社歴だけでなく意欲や成果を見てチャレンジの機会を与えてもらえます。自分が開発した商品が九州各地の店舗に並び、多くのお客さまに手に取っていただける喜びは、言葉では言い表せないやりがいです。
また、研修やサポート体制が充実しており、上司や先輩にも相談しやすい風土があるため、安心して成長できる環境が整っています。自ら行動を起こせば、その挑戦をしっかり見て評価してもらえる——私はそれを実感してきました。「地域に貢献したい」「若いうちからチャレンジしたい」「成長し続けたい」という思いをお持ちの方には、ぜひ飛び込んできてほしいと思います。

